チームサポート〜リトルリーグ編〜育成メンバーの声【トレーナーマニュアルvol.128】

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C-I Baseballでは現在40名を超えるメンバーが在籍しており、野球トレーナーとしての知識・技術を学んでいます。

■セミナー情報

【encounter × C-IBaseball コラボセミナー】

腰椎分離症に対する ”本当の” 検査・評価・治療アプローチ
〜再発ゼロと戦い続けたセラピストの死闘〜

広尾整形外科リハビリテーション科 科長
石谷勇人先生


【セミナー内容】
腰椎分離症患者に対して本来しなければならない検査測定、病態に合わせた治療アプローチ、そして、スポーツ現場で再発ゼロを目指した取り組みも合わせてご紹介致します。

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C-I Baseballチームサポート

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C-I Baseballでは「リトルリーグのチームサポート」も行っております。
現在は、世界一、全国優勝経験があるリトルリーグチーム1チームのサポートを行っております。

「チームサポート」へは、スタッフだけでなく育成プログラムで知識・技術を学んだ育成メンバーもチームに派遣されます。

学んだこと、体得した知識を発揮出来る環境があるのもC-I Baseballの強みです。

今回のnoteではC-I Baseballサポートチームに帯同している「育成メンバーの声」を皆さんにお届けします。

リトルリーグ現場での活動

・チームトレーニング

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リトルリーグ現場ではチームトレーニングを中心に行っております。
リトルリーグ選手に「身体のベースの構築」をテーマに毎月1回トレーニング指導をしております。

・選手の身体・運動リテラシーの向上

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トレーニング指導の冒頭では、今後選手が自分自身で考え、気づきトレーニングやケアを行えるように「身体やケガについての勉強」の時間を設けています。
選手のリテラシーを向上させることで今後長く活躍できる選手を育成していきます。

リトルリーグ現場へ派遣された育成メンバーの声

今回は3名のメンバーに野球現場で活動して何を感じたかを聞いてみました。

●テーマ

・小学生に対するメニューの考え方
・他のカテゴリーと比べた関わりの違い
・他のカテゴリーを経験したことで小学生に生かせること

●派遣メンバー

・吉田亮太郎
・神谷紘生
・三輪智輝

吉田亮太郎

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・小学生に対するメニューの考え方

『様々な動きを取りいれる』
現代の小学生は、公園で遊具にふれたり、外で身体を動かしたりする機会が減っております。また、洋式の生活に慣れた結果として、「しゃがむ」ことさえ出来ない小学生も多いです。それは、野球という競技をしている小学生も例外ではなく、そういった能力が低下してしまっていると感じます。子供が獲得すべき基本動作に関して、発達発育学者の中村和彦氏が提唱している『36の基本動作』というものがあります。これは、子供が成長していく過程で学習する動きを大きく36のパターンに分けたものです。この中でも、

・這う
・転がる
・くぐる
・押す
・飛ぶ

等の動きは、苦手な選手が多い上に、野球につながる基本動作でもあるため、メニューにうまく組み込みたいと考えております。具体的なメニュー例としては以下のようなものが挙げられます。

・馬跳び
飛ぶ人→「押す」「飛ぶ」能力
支える人→股関節屈曲を作って支える能力

・三角のポーズの下をくぐる
三角の人→上肢支持をして、股関節屈曲・上肢支持する能力
くぐる人→「這う」「潜る」能力・脊柱の側屈機能

・視覚刺激(指示者によるグーパー)や聴覚刺激(ホイッスル)の反応で転がる
「転がる」という運動に対して、異なった刺激を与え、刺激に対して反応して運動を遂行する能力

・他のカテゴリーと比べた関わりの違い

『いかにして集中させるか』
基本的に、どのカテゴリーの選手に対しても、正しい動きを伝えることや、メニューのポイントを伝えることは難しいものです。
中でも特に、小学生に対して指示を出すことは格段に難しく感じます。他のカテゴリーに比べて、選手の注意が様々な方向に移ってしまい、1つのメニューの間さえ集中を保つことが難しいことも多くあります。

そこで、選手に指示を出す際には、「大きく、短く、メリハリのある」指示を出すことを心がけています。また、集中の持続が難しいと感じたときには、一度レクリエーション要素のあるメニューを入れたりすることも必要だと、最近感じております。気づいたら選手が「楽しく」トレーニングに集中している状態が、自分としては理想ではないかと考えます。

『保護者の方への情報提供』
高校生、大学生等の上級カテゴリーと比べると、選手の保護者の方の役割というのが非常に重要になります。小学生の身体を作っているのは、保護者の方の毎日の食事であり、言ってみれば、毎日の練習やトレーニングよりも欠かせない部分になって来ると思います。当チームでは、毎週1回LINEの配信を行っており、私は主に食事と栄養について情報発信を行っております。保護者の方からは、栄養や食事に関する相談は多く、
「ジュニアプロテインの有用性」
「一日の中での食事のタイミングや量」

等の質問を多く受けます。小学生世代の親御さんたちは、毎日忙しく仕事をしていて、つい食事のメニューに関して時間を避けないことも多いと思います。そのため、「手軽に購入できる高栄養食品」等の情報も発信することも意識して行っております。・他のカテゴリーを経験したことで小学生に生かせること

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フォークの投げ方(前編)【トレーナーマニュアルvol.127】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballはで4期目を迎えました。

ここまで、C-I Baseballの活動を続けられているのは、我々の活動を応援し、必要として下さる皆様のおかげです。

この場を借りて感謝申し上げます。

前回の私の担当ではツーシームの投げ方を紹介させていただきました。

さて、今回はフォークボールの投げ方を紹介します。

フォークボールと言えば、メジャーリーガーの野茂英雄さんや佐々木主浩さんを思い出させる方もおられると思います。

今回も、記事の内容をしっかりと理解していただければ、野球歴や、年齢、ポジション問わず、誰でもがフォークボールが投げるようになれますので、ぜひ、ご一読ください。

フォークボールの軌道

落ちるボールを投げられるとピッチングの幅が広がります。

その代表格なのがフォークボールになります。

プロ野球を見ていると最後にフォークボールで空振りというシーンをよく見ます。

フォークを投げたいが、実際に指で挟んで投げても少し遅いストレートになってしまうのがほとんどの選手。

フォークを徹底研究して投げられるようになりましょう。

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パフォーマンスアップのための足部トレーニング【トレーナーマニュアルvol.126】

初めに

こんにちは!理学療法士の野坂光陽です!

理学療法士として整形外科のクリニックに勤務しながら
主に高校野球の現場で、トレーナーとして活動をしております。

前回、育成メンバーとしてnoteにて執筆させていただいたのですが
今回は第2弾として、パフォーマンスアップのための足部トレーニング
と題しまして、記事にさせていただく機会をいただきました!

パフォーマンスアップには、足部の機能が非常に重要であると
考えています。

なぜなら、足部は身体の土台として機能しているからです。
そして、その足部の機能の恩恵で、自分の走力(スプリント)や
アジリティ能力が向上すると考えられています。

今回はそんな足部機能について、深掘りをしていきながら
後半はしっかりとトレーニング動画を載せていますので
今回のnoteをご覧いただき、今後のトレーニングの一助に
なれば幸いです。

前回の記事も貼り付けてあるので、そちらも合わせてご覧ください。

それではいきましょう!!

そもそも【足】とは?

足の【解剖】

人の足には、片足で

28個の骨
107本の靱帯
19の筋
33の関節

という、とんでもない数が存在し、
人体の中で最も複雑な構造と言われています。

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片足における組織の総数

その特徴である複雑な構造ゆえに、地面などの接触面に応じて
足部の形状が柔軟に変わることで、身体の平衡とバランスを
保てるのが、足部の最大の特徴の一つと考えられています。

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そして、直立二足歩行である人間の特徴として、
唯一地面に触れているのが「足部」なので、
足部には人の動きに関与する機能が多くあると言われています。

足の【機能】

前述したように、足部には複数の関節があるおかげで
地面との接地面に即して、足部自体の形状を変えて
その結果として、身体の平衡機能、バランスをとるという
重要な機能があります。

また、足部の機能として重要なものの一つに「バネ」としての
機能があります。

専門用語でいうところの「Stretch Shortening Cycle」という機能が
パフォーマンス向上のキーとなります。

足部における重要な機能
1.バランスをとる
2.支持をする
3.バネの役割

足部機能について(各論)

今回は内容の関係上、足部のバランス機能についてお話を進めていきます

野球動作においてのバランスを考えた時に、
このnoteで取り上げるのは、
投球動作における片脚立位と
ステップ足のバランス

そして、バッティングの時の軸足、
そしてステップ足のバランスです。

足にできるベンチ(たこ)ができる位置と投球障害

2018年の安田先生の論文では、投球障害の既往歴を有する野球選手を
調査したところ、既往歴を有する選手の足裏の前足部、特に外側部分に
ベンチ(たこ)が確認される例が有意に多く存在したと報告されています。

ベンチ(たこ)というものは、皮膚と床面(靴)との摩擦や剪断力で
生じる皮膚の硬結のことです。

この文献を読んで、外側にあれば投球障害のリスクが高まることが
考えられますし、逆に内側にあるのは問題ないと結論づけるのは
時期早々ですが、前足部外側にできるということは、動作中に
外側荷重もしくは外側に剪断力が過剰にかかってしまっていることが
考えられます。

どちらにしても、剪断力が生じてたこができているということは、
足部が過剰に動いていることを証明する証拠となります。

そして、足部の過剰な動きというものは、すなわち
足部より上位の身体の過剰な動き、もしくはその過剰な動きを代償するために、より過剰な固定を強いられているということを意味しています。

どちらにしても、足部に存在するベンチ(たこ)という重要な情報を
見逃さないようにしていただきたいですし、
剪断力がかかっていることを意味しているということを念頭において
評価や観察をする必要があると考えています。

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投球障害肩に活かす肩甲胸郭機能【トレーナーマニュアルvol.125】

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いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballは2023年5月で4期目を迎えました。

ここまで、C-I Baseballの活動を続けられているのは、
我々の活動を応援し、必要として下さる皆様のおかげです。
この場を借りて感謝申し上げます。

2023年7月よりトレーナーマニュアルもリニューアルしお届けしております。

今期のトレーナーマニュアル構成

①野球現場でのトレーナー活動
 チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
 投球障害への対応、インソールからの介入
 上記の①、②においては今まで同様にC-I Baseballスタッフが執筆致します!

そして今期はなんと…
③ゲストライターの登場
 バイオメカニクス、栄養、各分野の専門家の方が執筆します

④C-I Baseballメンバーの登場
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがいよいよライターとして登場します。

C-I Baseballで学び、成長してメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

はじめに

理学療法士として、投球障害肩を診る以前に、まず肩関節の機能を理解しなくてはなりません。

肩関節の機能を理解するにあたり、
・肩甲上腕関節
・肩甲胸郭関節
この二つの理解が必要です。

小林が担当するNoteでは、
機能解剖に基づく内容等に触れてきました。

今回は、肩甲上腕関節ではなく、肩甲胸郭関節における
運動の繋がりについて記載していきたいと思います。

肩甲骨運動の定義

肩甲胸郭関節機能を考える上で正常な運動を考えなくてはなりません。

投球障害肩においても、純粋な
・屈曲
・外転
が正確に最終域まで可能な症例は多くないと考えています。

厳密にみると、
最終域のところで脊柱で代償していたりと純粋な運動ができていないということがあります。

正確にみていくことが重要です。

肩甲骨がどのように動いていないか?を議論するときに、下記の肩甲骨運動の定義が必要です。

肩甲骨運動を整理します。

バイオメカニクス的には5方向に分けることができます。
しかし、それぞれの軸が異なります。

肩鎖関節軸で考えられるもの
・内旋 外旋
・上方回旋 下方回旋
・前傾 後傾

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胸鎖関節軸で考えられるもの
・内転 外転
・挙上 下制

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上記の5方向に分けられます。
この定義を持って議論しなくてはなりません。

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上肢挙上時の正常な肩甲骨運動

上肢挙上時における肩甲骨運動を整理します。

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・Ludewig PM, et al. J Orthop Sports Phys Ther. 1996
・Lukasiewicz AC, et al. J Orthop Sports Phys Ther. 1999
・McClure PW , et al.: J Shoulder Elbow Surg. 2001
より引用

基本的には、肩甲骨の上方回旋と後傾が重要だといわれています。

上方回旋に関しては、その割合も重要とされ、
大まかに肩甲骨1に対して、肩甲上腕関節2の割合で動くとされています。

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※Codman E A. The Shoulder. Thomas Todd, Boston. 1934.
※Inman V T, Saunders J B, Abbott L C, et al. Observations on the function of the shoulder joint.  J Bone Joint Surg Am, 1944; 26: 1-30.

しかし、その2方向だけでなく他の運動も重要です。
その1つとして、障害(インピンジメント)の例を見てみます。

インピンジメントがある症例は、
上方回旋と後傾に加えて、肩甲骨外旋も欠如しているという報告が多数あります。

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画像内の引用文献参照

また、肩甲骨運動も身体の他部位の影響があります。

まずは、頭頚部の影響を診ます。

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※Thigpen CA, et al.: Head and shoulder posture affect scapular mechanics and muscle activity in overhead tasks. J Electromyogr Kinesiol, 20(4): 701-709. 2010

頭位前方位、いわゆるForward Head Posture(FHP)といわれるものは、
肩甲骨運動に影響を与えます。

・肩甲骨の上方回旋低下
・前鋸筋出力低下

が言われております。

頭頚部→胸郭→肩甲骨といった繋がりがあり、肩甲骨運動を阻害してしまうことが考えられます。

次に、胸椎の影響を診ます。

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※Finley MA, et al. Effect of sitting posture on 3-dimensional scapular kinematics measured by skin-mounted electromagnetic tracking sensors. Arch Phys Med Rehabil. Apr;84(4):563-8. 2003


胸椎が後弯することにより、

・肩甲骨の後傾低下
・肩甲骨外旋低下

が生じます。

つまり、上肢挙上しにくいアライメントになるかと言えます。

さらに、
男女の差も多くあります。
女子野球の選手を診るときは、考えなきゃいけません。

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※Hiroko Nakayama, et al.: Analysis of scapular kinematics in three planes of shoulder elevation: A comparison between men and women J Phys Fitness Sports Med, 7 (1): 65-74 (2018)
※Schwartz C, Croiser JL, Rigaux E, Brüls O, Denoël V and Forthomme B. 2016. Gender effect on the scapular 3D posture and kinematic in healthy subjects. Clin Physiol Funct Imaging 36: 188-196. ※Cameron KL, Duffy ML, DeBerardino TM, Stoneman PD, Jones CJ and Owens BD. 2010. Association of generalized joint hypermobility with a history of glenohumeral joint instability. J Athl Train 45: 253-258.
※Wolf JM, Cameron KL and Owens BD. 2011. Impact of joint laxity and hypermobility on the musculoskeletal system. J Am Acad Orthop Surg 19: 463-471.

簡単に言うと、
男性の方が肩甲骨が良く動く
女性の方が肩関節が良く動くというところです。

女子野球選手は、肩関節が柔らかいからこそ、
肩甲骨運動は重点的にやっていかなくてはなりません。

肩関節屈曲と外転時の胸郭、脊柱運動の違い

さて、いままで、様々な条件での肩甲骨運動の違いを述べてきました。
また、性別でも異なることがわかりました。

ここからは、肩関節の
・屈曲
・外転
時の肩甲骨運動、胸郭、脊柱運動の違いを述べていきます。

屈曲と外転の肩甲骨の動き

まずは、動きの違いを診てみます。

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球速とピッチングのバイオメカニクス【トレーナーマニュアルvol.124】

みなさん、こんにちは。帝京大学スポーツ医科学センターの、大川靖晃です。 こちらでは、7月に引き続き2回目の投稿となります。前回の記事はこちらから 今回は、11月9日に行われる予定のencounter×C-I Baseba … 続きを読む