投球障害を見る上で知っておきたい〜胸郭出口症候群〜

<経歴>
2021-東北保健医療専門学校卒業
2021-にしざわ整形外科クリニック(神奈川県)
2024-芦屋整形外科クリニック(兵庫県)
私は小学校から高校まで野球を経験し、肘を痛め一時的に野球ができずに苦しい思いを味わい理学療法士の方にお世話になりました。今度は自分が野球やスポーツで怪我をして苦しい思いをする方の力になれればと今も励んでいる次第であります。
今後ともよろしくお願いいたします。
⬇️本題

胸郭出口症候群は、その症状自体が問題にもなりますし、肩痛の根本の原因はTOS様症状による圧迫だったと言うこともあります。それは前回神経根症でお伝えしたクラッシュシンドロームの機序がそれに当たることが多いと思います。

と言うことで、前回は頸部の神経根症についてお話ししました。
私からは頸部シリーズということで、今回は胸郭出口症候群(TOS)のお話をしていきたいと思います。

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01「TOS概要」

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thoracic outlet、すなわち「胸郭出口」とは解剖学的用語ではなく造語で、①第一肋骨とそれに付着する前斜角筋、中斜角筋で形成される斜角筋部、②鎖骨と第一肋骨の間の肋鎖間隙、③烏口突起に付着する小胸筋下間隙を指す。

ここで問題が起こることで症状が出るもののことを総称して胸郭出口症候群と呼んでいます。1)p8

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症状による分類は、動脈性TOS(arterial TOS:aTOS)、静脈性TOS(venous TOS:vTOS)、神経性TOS(neurogenic TOS:nTOS)と分類されます。
さらに神経性TOSは、圧迫型と牽引型に分類できます。1)p8

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それらの原因部位の比率の報告があります。腕神経叢造影検査にて、神経血管束の圧迫、あるいは牽引を認めた部分は、斜角筋部30%、肋鎖間隙75%、小胸筋下間隙6%と報告されています。

さらに、Dynamic CT angiographyを用いた報告では、TOS患者の血管狭窄部位は、斜角筋部37%、肋鎖間隙63%、小胸筋下間隙3%ととされている。
どちらも肋鎖間隙で最も多く、ついで斜角筋部での絞扼が多くなっています。1)p11

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胸郭出口とは、鎖骨と第一肋骨の間を通る鎖骨上窩から腋窩までの部位と定義されている。
この部位で先ほど挙げた3つの間隙があり、ここで鎖骨下動脈、静脈、腕神経叢という神経血管束が圧迫を受けます。1)p15

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その症状は多岐にわたります。
1979年のRoosの報告によると、患者の年齢層は多岐に渡り、10歳代から高齢者まで。
頸部から肩、上肢(手指まで)への異常感覚や断続的な鋭い痛みが発生すると説明されています。
さらに、頭痛、立ちくらみ、めまいなどの自律神経症状を訴えることも稀ではないです。
この症状については、慶應病院が有症率の報告をしています。

肩関節や肘関節など単関節の痛みでもTOSによる症状の可能性もある。
主訴が肩や肘関節のみの痛みで来院することもあるため、頸部から肩甲帯、上肢の症状を有する場合は常にTOSを念頭において問診します。

スポーツ選手では、挙上位での動作を繰り返す野球選手で罹患率が高いことが報告されています。
競技中あるいは競技後の上肢の痺れや脱力感、握力低下などの訴えがあればTOSを疑います。
投球動作中に、ボールリリース時のすっぽ抜けやcocking phase~acceleration phaseでの痺れ、肩、肘関節の疼痛を訴える場合があります。

ADLでは、上肢挙上位での日常生活動作の困難さを聴取することでおおよその予測がつきます。
具体的な項目はスライドの通りです。この辺りを問診で聴取すると判断の参考になります。p30

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「斜角筋部」
前斜角筋、中斜角筋、第一肋骨から構成される三角錐状の間隙。

起始→停止
・前斜角筋
C3〜6横突起前結節→第1肋骨
・中斜角筋
C2〜7横突起後結節→第1肋骨の鎖骨下動脈溝

斜角筋三角は、頸部の側屈時や深呼吸時に狭小化する。p.15

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前、中斜角筋の起始部である前結節、後結節とは、、、

頚椎は他の脊椎と違い、横突起の上を神経根が走行するために溝があり、前側と後ろ突起があります。
その前を前結節、後ろを後結節と呼んでいます。

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横から見るとこのような感じで、前結節に前斜角筋、後結節に後斜角筋が付着し、この間を神経が走行しています。

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モーションキャプチャの罠~トレーナーの存在意義~

いつも記事を読んでいただき、ありがとうございます。
C-I Baseballでは、野球現場や臨床で必要になる知識を、理学療法士・トレーナーの視点から整理し、発信しています。
より深く学びたい方には、「野球トレーナーマニュアル」をご購読ください。
投球障害肩・肘、腰痛、捻挫、肉離れ、下肢障害など、野球におけるケガへの関わりを、病態・動作分析・評価・介入まで含めて専門的にまとめています。  

また、C-I Baseballでは臨床コースも開催しています。
このコースは、肩・肘・腰部・下肢・投球動作・AI解析など、野球選手を支えるうえで必要な視点を、各分野のスタッフとともに学んでいく場です。
単なるセミナーではなく、選手の痛みやケガを、病態・機能・全身のつながりから考えられるようになることを大切にしています。  
記事を読んで興味を持ってくださった方は、ぜひマガジンや臨床コースもご覧ください。

「数値」だけを追いかける危険性

近年の野球界では、モーションキャプチャやトラッキングシステムの普及によって、これまで感覚的に語られていた投球や打撃動作が「数値」として見える時代になりました。

関節角度、骨盤回旋速度、肩関節外旋角度、地面反力、回転効率、リリース位置――。
これらを定量化できるようになったことは、野球界にとって非常に大きな進歩です。

従来であれば、「開きが早い」「下半身が使えていない」「腕が振れていない」といった曖昧な表現で語られていた問題点が、現在では数値として可視化されるようになりました。
その結果、選手間比較や変化の追跡がしやすくなり、指導の再現性も高まっています。

しかし一方で、データそのものに過剰な意味を持たせてしまうケースも増えてきています。

本来、モーションキャプチャで得られるデータとは、「複雑な動作の一部を便宜上数値化したもの」に過ぎません。
つまり、数値は“現象”であり、“結果”です。

にもかかわらず、その数値だけを見て

  • この角度を増やそう
  • この回旋速度を上げよう
  • 理想値に近づけよう

という方向へ進んでしまうことがあります。

もちろん、データを参考にすること自体は悪いことではありません。
問題なのは、「数値を目的化してしまうこと」です。

数値を目的化してしまう

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投球障害肘~後方インピンジメントに対応する~

C-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

■CIBのトレーナーマニュアルについて

①野球現場でのトレーナー活動
②臨床現場での選手への対応
③ゲストライターによる投稿
④C-I Baseballメンバーによる投稿

1. はじめに

今回は、実際に臨床で野球選手を見ていてよく遭遇する症状、病態、
肘関節後方インピンジメントについて述べていきたいと思います。

先月、新海先生のNoteで、肘後方障害に対する運動療法というタイトルで執筆されていました。

非常に勉強になりますし、動画も多数ありますので、
ぜひ、ご参考にされてください!

『 投球動作で肘の後方が痛い 』

この訴えを聞いたとき、まず思い浮かぶ病態の一つが肘関節後方インピンジメントです。

特に野球選手では、投球時に肘関節へ大きな外反ストレスと伸展ストレスが加わります。
その結果、肘頭と上腕骨の肘頭窩周囲が繰り返し衝突し、肘後方〜後内側部に疼痛が生じることがあります。

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後方インピンジメントのイメージ図

しかし、臨床では単純に
「骨がぶつかっている」
「肘を伸ばすと痛い」
だけで捉えると、病態の本質を見逃してしまうことがあります。

肘関節後方インピンジメントでは、骨性の衝突が病態の背景にはありますが、
それだけではなく内側側副靱帯、尺骨神経、肘関節可動域、前腕機能、肩甲帯・体幹機能、投球フォームなどが複合的に関与します。

本記事では、投球障害肘における後方インピンジメントについて、病態・評価・リハビリテーションの視点から整理します。

2. 肘関節後方インピンジメントの病態とは

肘関節後方インピンジメントとは、肘関節後方で肘頭と肘頭窩周囲が衝突し、疼痛や可動域制限を生じる ”状態” です。

インピンジメントという名称は、病態ではなく、状態を表しています。

病態ということを考えると、インピンジメントが誘因となって生じる疼痛を
インピンジメント症候群といいます。
肩関節ではよく聞くところかと思います。

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投球動作では、
加速期からリリース、フォロースルーにかけて
肘関節に強い外反ストレスと伸展ストレスが加わります。

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※Fleisig GS et al. Am J Sports Med. 1995
※Werner SL et al. J Orthop Sports Phys Ther. 1993
※Solomito MJ et al. Sports Biomech. 2021.

このストレスが繰り返されることで、肘後方〜後内側部に機械的な圧迫や剪断力が加わり、以下のような変化が生じることがあります。

・肘頭後内側部の骨棘形成
・肘頭窩との衝突
・軟骨損傷
・滑膜炎
・遊離体
・肘頭疲労骨折
・肘頭骨端線障害
・内側側副靱帯機能不全の合併

つまり、後方インピンジメントは肘関節単独の現象というより、
投球動作に伴う肘関節への反復ストレスの結果として生じる
“状態” として捉えることが重要です。

3. なぜ投球で起こるのか

投球動作では、肘関節に大きな外反ストレスが加わります。

このとき、肘の内側では牽引ストレス、外側では圧迫ストレス、そして後方〜後内側では肘頭と肘頭窩周囲の衝突が生じます。

特にリリース前後からフォロースルーにかけて、肘関節は高速で伸展方向へ動きます。

投球時の肘伸展速度は2200〜2500 deg/sに達する。
この驚異的なスピードは、単なる肘関節伸筋(上腕三頭筋)の筋収縮だけでなく、肩の内旋に伴う遠心的な慣性力が引き起こすものである。

※Fleisig GS et al. Am J Sports Med. 1995

この反復により、肘頭後内側部が上腕骨の肘頭窩周囲と衝突し、疼痛が誘発されます。

現象としては、Valgus Extension Overloadというものがあります。
MER時に肘が外反ストレスを受けることによって、肘関節肘頭窩の内側に肘頭がぶつかることを言います。

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※Wilspn, F, D, et al.: Valgus extention overload in the pitching elbow. Am J Sports Med. 11: 83-88. 1983の図を引用改変

もう一つ、リリースのタイミングで痛みを生じる現象があります。
Mechanical door stop actionというものがあり、リリース時に肘頭が肘頭窩へぶつかり、疼痛が生じます。

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このような動作が肘後方インピンジを引き起こします。

ここで重要なのは、後方インピンジメントが「肘後方だけの問題」ではないという点です。

例えば、内側側副靱帯の機能が低下している場合、肘関節の外反制動が不十分となり、後内側部へのストレスが増大する可能性があります。

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また、肩関節や肩甲帯、体幹の機能低下によって投球時の肘への負担が増加すれば、結果として後方インピンジメントを助長することもあります。

4. 症状の特徴

肘関節後方インピンジメントでは、以下のような症状がみられます。

・投球時の肘後方痛
・リリース後〜フォロースルーでの疼痛
・肘伸展時痛
・肘関節伸展可動域制限
・投球後の肘後方の違和感
・肘を強く伸ばしたときの詰まり感
・肘後内側部の圧痛

特に「肘を伸ばし切ると痛い」「投げた後に肘の後ろが痛い」という訴えは、後方インピンジメントを疑うきっかけになります。

ただし、肘後方痛を訴える病態は後方インピンジメントだけではありません。

肘頭疲労骨折、肘頭骨端線障害、遊離体、滑膜炎、尺骨神経障害、内側側副靱帯損傷なども鑑別する必要があります。

肘頭疲労骨折

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野球選手の腰痛治療を徹底解剖! 【Vol.4 腰椎分離症編】

こんにちは!
C-I Baseball サポートメンバーの理学療法士・久我友也です。

整形外科クリニックでの臨床経験を活かし、医療的視点から野球選手に対する評価・治療のエッセンスを、実践的かつ分かりやすくお伝えしてまいります。

科学的根拠と臨床での経験や工夫を重視し、その中で現場での実践に役立つ情報をお届けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

ライタープロフィール
Writer|久我 友也
理学療法士
X:Tweets by tomokiyo0903

前回まで投球動作における鼠径部痛へのアプローチをシリーズでお届けしておりました。未読の方はぜひご参照ください。

今回は「野球選手の腰痛」がテーマです。

連載シリーズ

Vol.1:総論・腰椎椎間板ヘルニア

Vol.2:腰椎椎間板症、椎体終板変性(Modic change)編

Vol.3:椎間関節編

Vol.4:腰椎分離症(今回はこれ!!)

Vol.5:筋性腰痛編

さっそくはじめていきます!
少しでもためになったと思った方は
ぜひ ”スキ” ボタンお願いします!

やる気につながります!

はじめに

さて、今回のテーマは「腰椎分離症」です。腰椎分離症とは、腰椎の上関節突起と下関節突起の間、いわゆるpars interarticularisに生じる疲労骨折です。

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腰椎分離症は、成長期スポーツ選手の腰痛で必ず鑑別に挙げたい疾患ですが、病態や画像診断の詳細は成書に譲り、本noteでは現場で押さえておきたいポイントに絞って整理します。

今回のnoteでは、以下の内容を整理します。

  • 成長期の腰痛でまず分離症を疑うべき理由と、現場で確認したい問診・身体所見を整理します。
  • 骨癒合を妨げる因子を整理し、「骨癒合を目指すのか」「疼痛管理後の復帰を目指すのか」という治療方針の考え方につなげます。
  • 装具療法と運動療法を組み合わせて、骨折部を守りながら身体機能を落とさない保存療法を考えます。
  • 骨癒合後や競技復帰後に確認すべき身体機能、野球動作への落とし込み、再発予防のポイントを整理します。

腰椎分離症の保存療法は、ここ数年でどう変わってきたのか

腰椎分離症に対する保存療法は、ここ数年で考え方が少し変わってきています。

以前は
・競技を休止
・硬性コルセットで固定
・痛みや画像所見が落ち着いてからリハビリテーションを開始
このような流れが一般的でした。

しかし近年は、病期を確認したうえで早期から段階的な運動療法を導入する方向へ研究の関心が移っています[5,7,19–21,24]。

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Early cockingの足部の使い方〜小・中学生とプロ野球選手の違い〜

いつもC-I Baseballの記事をお読みいただきありがとうございます。
C-I Baseball須藤です。

今回は
『Early cockingの足部の使い方』〜小・中学生とプロ野球選手の違い〜
についてお話しさせていただきます。

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■C-I Baseballのご紹介

C-I Baseballのホームページはこちらから↓

C-I Baseball -野球の未来を現場から変えていく-c-ibaseball.com


C-I Baseballは、単なる理学療法士の集まりではありません。
野球に関わる選手、指導者、保護者、そして理学療法士が、それぞれの立場を超えて協力しながら、野球界の未来をより良くしていくための団体です。
私たちが大切にしているのは、ケガをしてから対応するのではなく、ケガをする前に守ること。
そして、選手が安心して成長できる環境と、理学療法士が現場で力を発揮できる環境を整えることです。
さらに、選手のパフォーマンス向上に理学療法士が関わることが当たり前になる環境づくりも、重要な目的のひとつです。

C-I Baseballでは、主に2つの事業を展開しています。
1つ目は、理学療法士向けの育成プログラムです。臨床コース・トレーナーコースを通して、1年間かけて現場で使える知識と実践力を学びます。
2つ目は、BAXISで行うアカデミー事業です。小学生から中学生を対象にトレーニング指導を行い、成長期の選手たちをサポートしています。

さらに、この2つの事業はつながっています。
育成プログラムで学んだメンバーが、コース修了後に実際にトレーナーとして活動できる環境があることも、C-I Baseballの大きな特徴です。
学んで終わりではなく、現場で実践し、選手に還元していく。
その循環をつくることで、野球界の未来をみんなで鍛えていきます。

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・・・・・・・以下本文・・・・・・・

■はじめに

Early cockingの段階では軸足はおおまかにですが、『体重を支える』 『骨盤を安定させる』『前方向へのエネルギーを蓄える 』『次の動作に向けての重心移動』『押し出す』『軸脚での踏ん張り』などの役割を持ちます。今回のnoteはEarly cocking における軸足足部の動きと、足部トレーニングについてお話をさせていただきます。

key word:『足の裏の向き』

■小・中学生とプロ野球選手のEarly cocking

小・中学生の投球動作を見ると、ほとんどの選手がEarly cockingから
に向いています。

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プロ野球の投手はどうかというと、足裏が見える方向はセンター方向(投げる方向とは反対側)です。

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プロの場合Wind-up・Early cockingから足部は投球方向への力が働くように使っています。
小・中学生は足裏が三塁方向(右投げ)に向いてしまい足部からの連鎖がうまくできておらず、力が分散してしまいます。

■相分けについて

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今回はEarly cockingを大まかですが、初期と後期に分けさせていただきます。(今回のnote限定)

●初期:ステップ脚が軸足に近い状態
●後期ステップ脚が捕手側に向いた状態

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■Early cockingの軸脚足部の使い方(プロ野球投手)


Early cockingでの足部の動きは大きく分けると2パターンあります。

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肘後方障害に対する運動療法

■CIBトレーナーマニュアルについて

①野球現場でのトレーナー活動
 チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
 投球障害への対応、インソールからの介入

③ゲストライターによる投稿
 バイオメカニクス、栄養…など各分野の専門家の方が執筆しています

④C-I Baseballメンバーによる投稿
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがライターとして情報を発信しています。
C-I Baseballで学び、成長していくメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

■Introduction

スローイング動作における肘関節後方障害には

  • 肘頭骨端線離開
  • 肘頭骨端線閉鎖不全
  • 肘頭疲労骨折
  • 後方インピンジメント障害
  • 変形性肘関節症

など様々な病態が含まれています。

後方障害の発生要因は加速期終盤やBall Release から Follow-through にかけての外反+伸展ストレスが報告されています。

投球による肘関節後方障害の発生機序は、レイトコッキング期から加速期でのvalgus extension overload(VEO)やフォロースルー期でのmechanical door stop action とされている。

Wilson FD, Andrews JR, Blackburn TA, et al: Valgus extension overload in the pitching elbow. Am J Sports Med. 1983 ; 11 : 83-8.
伊藤惠康,宇沢充圭,松賢次郎ほか:スポーツ障 害 成長期におけるオーバーユース(野球肘) 肘 頭骨端離開・肘頭疲労骨折について.日臨整誌. 2002;27:38-42.

肘関節内側障害はMER、後方・外側障害はリリース時に最も疼痛が発生している。

坂田淳ほか:肘関節理学療法マネジメント. MEDICAL VIEW. 29. 2020

臨床においても肘関節後方に疼痛を訴える選手の多くがボールリリースでの症状を訴えている印象です。

理学療法介入のポイントとしてもMechanical Door Stop Actionを生じさせないことが挙げられますがリリースPhaseに突入する前に十分に肩甲帯・胸郭を含めた肩関節外旋可動域が確保されている必要があります。

MERにおけるTotal External Rotationを確保することはSingle Plane獲得のために必要であり、その後の肩甲上腕関節内旋+前腕回内の連動に繋がります。

MERにおける十分なTER獲得のための徒手的な介入やエクササイズなどは過去の記事でもいくつか載せておりますのでご参考にしていただけたらと思います。

■エクササイズ・介入

|胸郭に関する介入

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野球選手に必要なストレングストレーニング -その5-

初めに

みなさんこんにちは!

今回はC-I Baseballのメンバーが交代で記事を書いております
「トレーナーマニュアル」にて、サポートメンバーである私が
記事を書いていきますので、よろしくお願いいたします!

現在は、BCリーグ 栃木ゴールデンブレーブス
S&Cとして野球選手に携わっております、野坂と申します。

今回は、S&Cとして野球選手並びに野球現場に立つ者として
これから野球現場のトレーナーとして活動していきたい方や
現在活動中の方々に有益な情報をお届けできるように
記事を書いていきますので、どうぞ最後までよろしくお願いたします!

このトレーナーマニュアルで何度か記事を書かせていただいております!
ご興味があればこちらもぜひ読んでいただくと嬉しいです!

トレーナーマニュアルは、私以外にもCIBの錚々たるメンバーが
野球選手に携わる上で必要な知識を
臨床的視点
トレーナー的視点
ピラティス
靴やインソール
アナライザー
AIや分析

多方面の知識を学べる記事が満載です!

この機会にぜひ購読していただければと思います!

野球選手に必要なストレングストレーニング その5 片側への負荷

ストレングストレーニングと人間の動きにおける「面」の基礎

人の動きには「面」という概念で考え、動きをみていく必要があります。
その面というのは
1.矢状面
2.前額面
3.水平面
この3つに分類されます。

矢状面というのは、身体を側方から見た状態のことを指します。
動きとしては「屈曲」や「伸展」の動きが見える面のことを言います。

前額面というのは、身体を前方から見た状態のことを指します。
動きとしては「外転」や「内転」の動きが見える面のことを言います。

水平面というのは、身体の水平方向の状態のことを指します。
動きとしては「回旋」の動きが見える面のことを言います。

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平面の関係性

冠状面 – Wikipediaja.wikipedia.org

ストレングストレーニングと人間の動きにおける「方向」の基礎

動作の「方向」についても言及させていただく必要があるので、
ご存知かと思いますので簡単に説明させていただきます。

ここでいう「方向」というのは
押す「Push」
引く「Pull」
回旋「Rotation」

という3つの動きを特にストレングストレーニングでは重要視しています。

※屈曲伸展、内転や外転、側屈などについてもトレーニングしますが、
記事内容の都合上、重要度の高い3つを上記に列挙させていただいております。

Pushについては、
ベンチプレス
スクワット
プッシュアップ(腕立て)
ランドマイン
これらがPush系の例になります。

Pullについては、
ベントオーバーローイング
ラットプル
チンニング
ワンハンドローイング
これらがPull系の例になります。

Rotationに関しては強い負荷というよりも「片側」への負荷をかけることで
回旋方向に負荷をかけていくという考えのもと、トレーニングしていきます。
上記と重複してしまいますが
ランドマイン
ワンハンドローイング
メディシンボールを使ったラテラルスロー
これらが当てはまります。


野球の基本的な動き

野球動作というものを大きく分けるとすると
投球(送球)
打撃
という二つに分類できます。

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投球動作のフェーズ
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打撃動作のフェーズ 投球動作よりも明確な並進運動は少ない

競技特性的に、これらは身体の
並進運動
回転(回旋)運動
が伴うという部分は一致しています。

※細かく見ていくと投球及び打撃動作において
「側屈」要素も非常に重要になるのですがここでは割愛しています

すなわち、野球動作においてはこの並進運動と回旋運動が主となり
ボールやバットに力を伝えていく力源になります。

基本的動作から考える野球動作におけるストレングストレーニング

キーワードは「片側」と「回旋」

今回は、S&Cという目線から野球の基本的動作とストレングストレーニングをどういった形で繋げていくのか?というところをお伝えできればと思います。

今回のキーワードは「片側」「回旋」について内容を絞り、
深掘りをしていきたいと思います。

従来のストレングストレーニングは両手でバーベルを持ったり
両側同じ重量のプレートで重量設定をしたりと
基本的には両上肢、両下肢に同等の負荷がかかるような設定で
行うことがほとんどの種目になります。

一方で、先ほど申し上げた野球動作は、並進と回旋でした。
回旋の方に重きを置くと、結論から言うと片側ずつで
異なる動きが発生すると回旋動作になりえます。

立位で体を左に回旋するとなると、
左側は引く(pull)
右側は押す(push)
という相反する動きが発生すると「回旋」という動きになります。

片側性のトレーニングに関しては、まず「回旋」方向への負荷を
考えて処方することが大事だと言えます。

片側性の負荷と神経系負荷への思考

これは私の持論になる部分になりますので、片手間で見ていただけたらと
思うのですが、、、(調べ不足な部分もありますのでご容赦ください、、、)

ストレングストレーニングにおける高負荷トレーニングにおいては
筋力、筋量を向上させるということはもちろんのこと
神経系への負荷についても非常に重要視しています。

高重量を扱うということはすなわち全身の筋線維を総動員する必要があります。
もし仮に100の筋があった場合でも、トレーニングしなければ
100すべての筋肉が使えるわけではありません。
100の筋肉を総動員させるには、繰り返しトレーニングして
神経系をアクティベート(活性化)する必要があると言われています。

筋出力と神経系のアクティベーションに関しては
スキル練習だけでは賄うことはできないと考えています。

スキル、出力を上げたいなら、神経系も考慮し神経系に負荷をかける
トレーニングを行わないといけないと考えています。

よってストレングストレーニングに関しては、神経系負荷を通し
筋肉のアクティベーションを図るということも考慮すると
動作での最適な出力を出し、パフォーマンスを発揮するために
トレーニングは非常に重要である!ということを考えています。

前置きが長くなってしまいましたが、、、
片側で行うということはそれなりに脳神経系に負荷がかかります。
なぜかというと、両側は比較的安定しているのに対し
(支持基底面や支える点の数)片側性の負荷は、両側よりも
支持基底面が狭く、制御及び動作を完結するために
より脳の処理に負荷がかかるからです。

例えば、片足でのスクワットを例に挙げると
・重量のコントロール
・両手or片手に持つというタスクでもバランスの変動がある
・コンセントリック-アイソメトリック-エキセントリックという
 収縮様式のコントロールを片側で行う
・回旋方向への負荷=ローテーション及びアンチローテーション
・神経系への負荷

単純なエクササイズでも上記のような効果効能があるということを
実施する中で考慮するだけでも効果の違いが出ると思います。

特異性の原則と片側性トレーニングを動作に繋げるには?

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コーディネーショントレーニング-実践-

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
C-I Baseballの佐藤です。

今回はコーディネーショントレーニングについてまとめていきます。

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1.技術練習と何が違うのか

コーディネーショントレーニングと聞くと、遊びやリズム運動などを連想される方が多いかもしれません。しかし、運動時には常にさまざまなコーディネーション能力が関与しており、コーディネーション能力は潜在的な運動能力を上げるのにかかせない運動基礎能力といえます。

コーディネーションに秀でた選手ほど、新しく学ぼうとする動きや専門種目におけるさまざまな技術をより短期間のうちに、効率よく習得されやすい傾向があるといわれています。

専門的にはこれを前提条件機能といいます。

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Hartmann,2003

技術トレーニングとは、その競技の技術を習得するためのトレーニング(スキルトレーニング)であり、競技専門でかかせない技術を獲得し、その技術のレベルを上げることが目的です。

野球で例えると、捕球やバッティング動作を繰り返して行う反復練習やその技術を伸ばす指導が必要となります。

それに対し、コーディネーションを高めるトレーニングでは、同じ動きをパターン化して繰り返すのではなく、動きの内容や設定を変え、難易度に変化を加えながら、さまざまなコーディネーション刺激を与えていきます。動きの複雑さや状況変化といった多様な刺激によりその能力を高めていきます。

そのため、専門技術を高めることとコーディネーションの指導には違いがあります。


2.コーディネーション能力を高めるSTEP

運動時には常にさまざまなコーディネーション能力が関与しています。
前項でお伝えしたコーディネーション能力を含む「基礎運動能力」と競技専門の「技術トレーニング」は、初めから混在して指導するのではなく、段階的に進めていくことで、スキルの最適化を図ります。

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Neumeier,1999より参考

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肩甲帯に対するピラティスアプローチ③

C−I Baseball2期生の戸高です。
今回の配信はサポートメンバーシリーズとなります。

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私が配信する内容としては「ピラティス【pilates】」というメソッドが1つのツールとして投球障害の治療、予防、パフォーマンスの向上にどう活かしていくかに焦点をあてて、配信させていただいております!

■はじめに

前回までの記事では、肩甲帯に対するピラティスアプローチとして小胸筋と前鋸筋の関係、現代人多い不良姿勢からくる肩甲帯のトラブルを解説し改善の状態にもっていくためのエクササイズを紹介してきました。

今回は臨床や現場で肩甲帯のエクササイズ提供する際に起こる代償動作である翼状肩甲やより前鋸筋を賦活させるための効果的なエクササイズを紹介していきたいと思います。

■肩甲帯の安定に関わる筋群

・Inter scapula thoracis muscle[ISTM]

肩甲胸郭関節の運動に関する筋の総称になります。
僧帽筋、前鋸筋、菱形筋は肩甲胸郭関節の運動に関する筋の総称で肩関節運動時の基盤となる肩甲骨の安定性を提供している筋になります。

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その中でもやはり前鋸筋は野球のパフォーマンスにおいても重要な筋ということが知られているかと思います。

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カーブ・スライダーのリリースについて①

いつもC-I Baseball「トレーナーマガジン」をご購読いただきありがとうございます。

私の野球関係のその他の記事はこちらのnoteをご参考ください。

Meta Gate【メタゲート】|note元プロ野球選手はじめとしたプロ集団。野球の投球、打撃、走塁等の動きをいろんな側面から捉え、あなたの野球技術、指導力を各段にnote.com

 

■前回の記事より

前回、前々回は『ストレート』の質を高めよう になります。

『ストレート』の質を高めようの記事では回転効率を中心に、回転効率が低よいもの、わるいもの、ストレートの質がうよいケース、わるいケースの2パターンをおこなしさせていただきました。

また、それらの基礎知識になる記事は以下のものになります。

『回転効率』についてはこちらの記事になります。

『球速』については

『回転数』については

『変化量』については

これらの記事を一読していただくとより、今回の記事はより理解しやすくなると思います。

今回、測定、撮影に使用しているのはラプソード社のラプソード2.0とインサイトになります。

ラプソード社HPはこちらから

野球 – Rapsodo Japan (ラプソード)ラプソードの野球向け商品は、MLB全30球団、NPB10球団を始めとし、​国内でも社会人、大学、高校、中学硬式とアマチュアrapsodo.co.jp

今回はスライダーのリリースを中心にお話させていただきます。

スライダーの投げ方についてはこちらの記事をご参照ください。

https://note.com/embed/notes/n27fde16f351c

https://note.com/embed/notes/n11f68cd94dc1

今回はこちらの記事では触れていない内容をお話したいと思います。

下記、スライダーのリリースを中心にお話させていただきます。

■変化量が少ないスライダー

① 右投げ 中学生投手 89.3㎞/h 回転効率9.7% 回転数1446 
  横変化14.7㎝

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