今回から配信メンバーとして活動させていただきます、三輪智輝と申します。
最初の投稿ということで自己紹介させていただきます。
<経歴>
-2021 広島大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業
2021- 整形メディカルプラザ
2021- メディカルベース新小岩
2023- 北砂リトルトレーナー
2023- 共栄大学硬式野球部トレーナー
2023- 若手セラピストの学校 代表
<活動歴>
理学療法に関する講師:20件以上
学会発表:5回
所属学会:日本肩関節学会 日本肘関節学会 日本整形超音波学会 日本臨床スポーツ医学会
論文:
❶ボールの握り方の違いによる投球時の肘外反トルクと投球動作,Jounal of athletic rehabilitation,No.18(1) ,P17-24,2021
❷超音波画像診断装置による浅指屈筋筋腹の収縮動態の検討,日本肘関節学会雑誌,30(2),P293-297,2023
自分自身、幼稚園から大学まで野球をし肘関節内側側副靱帯損傷を経験しました。怪我による痛みを少しでも和らげられるように、そして全野球選手が笑顔で野球ができるように尽力していきたいという思いの元に活動しております。
長くなりましたが、今後もライターとして携わらせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
▼ここから本題です。
本日は意外と現場で多く経験するTFCC損傷について、概要をまとめていきたいと思います。
1. TFCCとは
TFCCとは、三角線維軟骨複合体(Traiangular Fibro Cartilage Complex)のことを指し、複雑な構造をこのようなひとまとまりの組織のように表現しています。
そのため牽制されることが多いが、この記事ではできるだけわかりやすく構造・病態・病態把握について説明していきます。
TFCCは、手関節尺側に位置する構造物のことを指します。
🔻TFCCの前額面イメージ
🔻TFCCの冠状断イメージ
主に三角線維軟骨円板(TFC)を中心に、橈尺靱帯(RUL)、TFC周囲の靱帯組織(尺側側副靱帯:UCL、尺骨月状骨靱帯:ULL、尺骨三角骨靱帯:UTL、尺側手根伸筋:ECUなど)が隣接しています。
これらをまとめてTFC complex➡︎TFCCと呼ばれています。
2. TFCC損傷のメカニズム
解剖のおさらいができたところで実際に現場で対峙するTFCC損傷はどのようなメカニズムで起きるのでしょうか?
TFCCの損傷メカニズムには、これまでに様々な報告がなされています。
まとめると以下のようになっています。
❶尺側手根関節にかかる圧縮応力の増加(尺屈)
❷遠位橈尺関節(DRUJ)の不安定性による回内・外ストレス
❸橈骨遠位端骨折・体操競技のようなDRUJへの外傷性引張負荷
❹ラケット・バットスイングのような尺屈・回内応力の増加 など
このようにTFCCの損傷メカニズムは多岐にわたることが考えられます。
これら一つ一つのストレスを画像を用いて整理していきます。
❶尺側手根関節にかかる圧縮応力の増加(尺屈)
❷遠位橈尺関節(DRUJ)の不安定性による回内・外ストレス
TFCC損傷によってDRUJが不安定になることがわかっており、前腕の回内・外に伴って尺骨が背側・外側に移動してしまうことがわかっています。
❸橈骨遠位端骨折のようなDRUJへの外傷性引張負荷
❹ラケット・バットスイングのような尺屈・回内応力の増加
先行研究では、前腕の回内運動で背側橈尺靱帯は緊張し、掌側橈尺靱帯は弛緩することがわかっています。そのため、バッティング動作時には尺側への圧縮応力に加え、背側組織が緊張することが考えられます。
また野球に特化したTFCC損傷に言及します。
特に野球で起きる急性損傷は、
バットスイング(特に内角球スイング時)やヘッドスライディング時に見られるとされています。
3. TFCC損傷 病態
今まで述べてきたようにTFCCは、
尺側手根関節・遠位橈尺関節で起きる運動により損傷することがわかりました。
それではそのメカニカルストレスによってどこに病変が起きるのでしょうか?
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