ピッチングスタイルについて考える【トレーナーマニュアルvol.65】

C-I Baseballの高橋塁です。

まずは、私の自己紹介から

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また、同時に、私自身がMetaGate(メタゲート)という『野球技術系サイト』も運営しております。

ご興味あります方は、一度、ご覧ください。

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今回は育成プログラム第3期、私の担当の第2回になります。

前回から始まりましたが、私の担当では、『野球の技術』についての記事を中心に、紹介させていただけたらと思います。

前回は、『バッティングスタイルについて考える』についてでした。

今回は、『ピッチングスタイルについて考える』についてです。

皆様はピッチングをどのようにみられていますでしょうか。

ピッチングスタイルでも右投げ、左投げに始まり、オーバースロー、スリークウォータースロー、サイドスロー、アンダースロー等にも分けられます。

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上記の写真のように、プロ野球でも、個人個人で投げ方が違います。

ただ、ピッチングスタイルも考えるにあたり、日本人投手と外国人投手との違いをみることにより、ピッチングスタイルの分析をしやすくなります。

下記の図をご覧ください。

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投球障害肩に必要な棘下筋のエコー観察【トレーナーマニュアルvol.64】

C-I Baseballの小林弘幸です。
今月で私たちの活動も3シーズン目を迎えました。
これまで多くの方々にいつもマガジンの記事をお読みいただきありがとうございます!

C-I Baseball3シーズン目は
「実践力」をテーマにライター一同noteを配信していきます!
今シーズンの私が担当する配信では、「エコー」を通じて
肩関節の解剖とそれに対する実際のアプローチを学んでいこうという
コンセプトの元、Noteを書かせていただきます。

元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
野球選手の投球障害肩を診てきました。

投球障害肩になってしまうと、
『痛くて投げられない』
『何をしても良くならない』
『自分のプレーに集中できない』
『野球が楽しくない』
と悪循環になってしまいます。

私はそのような投球【障害】肩を持った選手に対し、
エコーを通じて、細かな解剖を理解しアプローチすることで
治療効果が奏功することを経験しました。

もちろんそれだけでは解決しないことも多数ありますが、
ケガからの復帰をするということを考えると、
細かな解剖を学んでいくということは必要なのではないかと考えています。

解剖書で見る肩関節だけではなく、
エコーを通じて、3次元的に捉える肩関節を一緒に学んでいけたらと思います。

投球障害肩における棘下筋

投球障害に対する棘下筋は、
非常に関係が深いと感じています。

いわゆる『肩関節後方タイトネス』に対しては、
棘下筋が関与していると感じています。

投球時の肩関節にかかるストレスは、
外旋トルク :最大肩外旋直前、17.7±3.5N.m 
肩関節牽引力:ボールリリース時(BR)またはその直後に、214.7 +/- 47.2 N
となっています。

・上腕骨の長軸を中心とした外旋トルクは、最大肩外旋直前に17.7±3.5N.m(2.7%±0.3%体重×身長)のピーク値に達した。214.7 +/- 47.2 N (49.8% +/- 8.3% 体重)の肩関節牽引力は、ボールリリース時、またはその直後に発生した。
※Sabick MB, Kim YK, Torry MR, Keirns MA, Hawkins RJ. Biomechanics of the shoulder in youth baseball pitchers: implications for the development of proximal humeral epiphysiolysis and humeral retrotorsion. Am J Sports Med. 2005 Nov;33(11):1716-22.

BRやその直後は、
内旋運動に対抗する外旋筋が遠心性収縮し、伴って肩関節牽引力も加わるため、
棘下筋(小円筋)にかかる負担が非常に大きくなると感じています。

図5

棘下筋を含めた、肩甲上腕関節の後方軟部組織のタイトネスは
投球障害に直接関与します。

・内旋と水平内転の健患差が投球障害側では低下している
※Myers JB, Laudner KG, Pasquale MR, Bradley JP, Lephart SM. Glenohumeral range of motion deficits and posterior shoulder tightness in throwers with pathologic internal impingement. Am J Sports Med. 2006 Mar;34(3):385-91. 

なので、
棘下筋のタイトネスは、投球障害では
改善しなくてはならない問題と考えております。

棘下筋の解剖

①支配神経:肩甲上神経

支配神経はC5~6になります。

上神経幹へ入り込んだ神経は、
その後すぐ分岐します。

図8

棘上筋の深層から棘窩切痕へ入り、
棘下窩から棘下筋深層へ走行します。

図9

棘下筋深層では、
棘下筋下脂肪層の部分が棘上神経を包み込みます。

図21

この脂肪体周囲の可動域はとても重要ですので、
後述していきたいと思います。

関節包に対する神経支配として、
肩甲上神経は関節包の
後上方に位置します。

図7


肩の後上方に疼痛を訴える選手は、
肩甲上神経の絞扼等が考えられるかもしれません。

肩甲上神経の絞扼があり、
肩関節上方の疼痛がある症例は、
棘下筋の機能障害が隠れているかもしれません。

②筋の付着部

棘上筋と棘下筋の付着部は、
教科書的な報告と近年の報告では異なっています。

図11

・棘上筋は大結節の前内側に限局して付着
・棘下筋は大結節の前外側まで幅広く付着
※Mochizuki T, Sugaya H, Uomizu M, Maeda K, Matsuki K, Sekiya I, Muneta T, Akita K. Humeral insertion of the supraspinatus and infraspinatus. New anatomical findings regarding the footprint of the rotator cuff. J Bone Joint Surg Am. 2008 May;90(5):962-9. doi: 10.2106/JBJS.G.00427. PMID: 18451386.
上記文献を参考にし、図を作成した

棘下筋の付着部を考えると、
最も伸張位になるのは、GHの伸展内旋位になるのが理解しやすいかと思います。

図13

さらに
内旋していくことでさらに伸張位になります。

肩関節伸展位での内旋が
棘下筋が最も伸張する肢位だと思います。

身体評価

可動域:肩関節伸展位内旋(肩関節内旋)※結滞動作
筋力:外旋テスト、外旋ラグテスト

棘下筋の評価としては、
上記の評価を用いています。

肩甲上腕関節の内旋制限は、棘下筋の軽微な損傷でも生じると考えています。

理由は、

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育成年代のトレーニングvol.2‐ジャンプ動作と腱機能の強化‐【トレーナーマニュアルvol.63】

C-I Baseballの佐藤康です。
7月は中学生・高校生は総体や全国予選があり、最上級生は引退をかけた学生野球の集大成となる大会が連日開催されています。

先日、私も帯同するチームの試合を見てきました。
試合の勝敗を分けたのは進塁やカットプレーにおける細かな差が表れました。ここで感じたのは盗塁などの結果として出るものではなく、結果に見えない打球のチャージや一つ先の塁に進める走塁などの「走る能力」の差でした。

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「走れる」チーム・選手の集団は強い!傾向は少なからずあると思います。
やや短絡的な表現になりましたが、学生野球のさまざまなカテゴリーをみさせていただく中で、Warm-upや練習時の走動作は欠かさずチェックしております。その中で走動作につながる基本動作やメニュー(スキップやバウンディングなど)が適切にできていない選手を多く見かけます。

前回の記事では、育成年代に関わるチームのトレーニングの組み立てについて配信させていただきました。今回はその続編として、まとめていきたいと思います。

走る能力を向上するためには

前回の記事のおさらいにもなりますが、育成年代のトレーニングの関わりとして、神経系発達の著しい時期には特に様々な運動要素の経験が必要であることをお伝えさせていただきました。

↓↓前回の記事はコチラ↓↓

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今回のテーマでもある「走る」ことにおいては、この成長期の時期に”走り込み”をすることが適しているとは言えません。そのため、走動作の要素を分解し、その要素を統合したメニューを実践していくことになります。

スプリント能力をあげるにはさまざまな要素が挙げられますが、スタート・加速時における瞬間的な力の発揮については特に重要であると捉えています。

そこで重要な運動の一つに「ジャンプ動作」を挙げています。

ちなみに”ジャンプ力のアップ”となると、筋力の発達や野球の場面での動作の特性からジャンプ力が求められる競技というわけではないため、ジャンプ力を求めることに偏るのはやや間違いがあるかもしれません。

そのため、ジャンプ動作で強化される力の大きさというよりも力の発揮の仕方(地面からの反発に対して強い力を発揮する)を成長期の時期から養うという意でお伝えしています。

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ジャンプ動作

走動作に加え、ジャンプや投動作は神経系の発達の観点からも重要視されており、成長期の子供にとって、1-5秒程度の爆発的・高速の運動が理想的とされています。

成長期では神経筋系に関与するプライオメトリクスと高速の運動によって、運動能力の向上が促進されることが明らかになっています。

アスレティック・ムーブメント・スキル:NAP limited

Stretch Shortening Cycle

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パフォーマンス向上のための投球動作×足部 ーWind-up〜Early cockingー【トレーナーマニュアルvol.62】

球速、コントロールはどうすれば良くなるのか?故障しにくい投球動作は?
Wind-upからEarly cockingまでの軸足の使い方、動作不良例、足部トレーニングを紹介致します!

C-I Baseball の須藤慶士です!

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私の今シーズンのnote内容は『投球動作×足部』です。

  • 投球時の足部の動き
  • 足部が崩れによる投球時の不良動作
  • 投球相に合った足部エクササイズ

足部は地面に接している唯一の部位です。足部が安定することで下肢からの良好な運動連鎖が行われます。

その足部でも重要なのが『距骨下関節』です。
選手の距骨下関節の構造は左右異なります。理想の投球時の軸足・ステップ足、それぞれの距骨下関節の動きを把握し、選手の足部評価を行うことで動作の崩れを予防や変えることができます。


私が担当する『投球動作×足部』の今後の発刊予定です。投球・打撃におけるそれぞれの相における足部の理想の動きや、足部から起こる不良動作、足部エクササイズをご紹介します。

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距骨下関節の肢位

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距骨下関節肢位は中間位・回内位・回外位の3通りあります。

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距骨下関節には回内・回外を分ける『中間点』があり、その肢位は左右により中間位は異なります。

私は非荷重位(OKC)で評価を行います。中間位の評価方法は過去の記事をご参照ください⬇️⬇️⬇️

投球時の距骨下関節・横足根関節

投球時、軸足と踏み込み足の機能は異なります。

軸足:バランスを取る→押し出す→蹴り出す
踏み込み足:加速した身体を支え、踏ん張り、力を逃す

軸足の機能はセットポジションで両足の支持基底面内にある重心を軸足に移動しバランスをとることや、Wind-upから捕手方向へ重心を移動するために足部を硬め蹴り出す役割があります。踏み込み足は軸足から移動してきた身体を支えて踏ん張り、上半身の力を逃すようにしなければなりません。上記の動きが足部で出来れば重心移動や上行性の良好な運動連鎖が遂行可能となります。

次のスライドの足部の肢位と動きは私の経験からの考えを表にしました。

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投球時足部の肢位と動き

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Wind-up

Wind-upは軸足への重心移動を行う動作です。

Wind-up軸足の機能
●距骨下関節の理想は中間位から回外位
●母趾屈曲

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Wind-upは骨盤は投球側へ回旋します。距骨下関節が中間位もしくは回外位だと骨盤はスムーズに投球側へ回旋します。さらにここで大事なのは投球側回旋時に母趾が機能することです。立位体幹右回旋時(投球側)は母趾が屈曲することで良好な運動連鎖を遂行することができます。Wind-upは体幹回旋動作です。足部が機能することでEarly cockingへ上行性の運動連鎖を発揮することが可能になります。

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Early cocking①

Early cocking①はWind-upで貯めた力を反対方向へ動かす切り返しの開始相です。

Early cocking軸足の機能
●距骨下関節の理想は中間位から中間位
●4•5趾屈曲
●骨盤左回旋開始

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Early cockingの初期は骨盤はWind-upで右回旋していたものを非投球側(左)への反対回旋が始まる相です。

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距骨下関節が中間位で4・5趾が機能していれば骨盤の開きは抑制されます。
体幹左回旋時の右の足趾は4・5趾が機能しないと運動連鎖の破綻が起こります。足趾が機能することで距骨下関節の急激な速度での回内を抑制することが可能です。

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開きが早いフォームの足部から考えられる原因は↓
●距骨下関節が回内位
●足趾機能低下
➡️後半で紹介します

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パフォーマンスを上げるためのHip hinge を構築する方法〜実践編〜【トレーナーマニュアルvol.61】

こんにちはC-IBaseballの増田です。
いつも【トレーナーマニュアル】をご購読頂きありがとうございます。
野球現場で活動するトレーナーの方、これから野球現場に出たい方、臨床で選手の対応をしている方のお役に立てればと思います。

トレーナーマニュアルは現場編・臨床編の両側面の内容を毎週配信しています。

前回の内容

前回はHip hingeの理論について解説していきました・
・HIp hingeとは

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HIp hingeとは
Hip→股関節 hinge→蝶番
言葉の意味から考えると「股関節が蝶番に動く」という意味になります。
もう少し深く考えると
股関節→骨盤と大腿骨なので
大腿骨上を骨盤が蝶番に動くことを示します。

このHip hingeは野球パフォーマンスにおいてなぜ必要なのか?
・構造的観点
・力学的観点
・野球パフォーマンスとの関係性
3つの観点から解説していきました。

前回の内容を知りたい方はこちらからご覧ください。

今回はHip hinge trainingの実践編をお伝えしていきます。
どのようにHip hingeを構築していくのを解説します。

Hip hingeを構築するための要素

Hip hingeの構成要素について整理していきましょう。
Hip hingeは前屈とは異なり、脊柱の湾曲を維持した状態で
大腿骨上を骨盤が前傾方向に動きます。
そのため、後面筋の柔軟性だけでなく、関節機能や上半身質量のコントロールが必要になります。

Hip hingeを構築するための要素
・股関節屈曲
・骨盤前傾
・上半身質量のコントロール
・機能の統合

ここから先は「どのようにして各要素を構築するのか?」を解説していきます。

股関節屈曲を構築する

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Hip hingeを行う際の股関節の屈曲には
骨盤前傾と股関節内旋運動連鎖として生じます。
また、上半身重心の前方移動に伴う、骨盤の後方移動が生じます。
骨盤の後方移動に制限が生じると、上半身重心の前方移動制限を引き起こし
結果として腰椎の屈曲性を強めることになります。
そのため、Hip hingeでは下肢後面筋の柔軟性獲得が重要になります。

筋柔軟性を改善する方法

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野球選手のための肩関節後方タイトネス改善方法【トレーナーマニュアルvol.60】

C-I Baseballで投球障害についての記事を担当させていただきます新海 貴史と申します。

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普段は整形外科クリニックで投球障害の選手のリハビリテーションを行い、競技復帰をサポートしております。私の記事では臨床目線でお話させていただければと思います。

C-I Baseballでは
「野球トレーナーの輪」を広げるために「仲間」を募集しております!
・野球にトレーナーになりたい
・トレーナー活動しているけど自信がない
・トレーニングについて勉強したい
・野球選手の怪我を治したい

など、野球選手に関わりたい方はこちらをご覧ください!!

今回の記事では多くの野球選手が直面する肩関節後方タイトネスの改善方法について私なりの意見も交えながらご説明できればと思います。

最後までお読みいただけると幸いです。

初めに

一言で”肩後方タイトネスの改善”と言っても硬さを生み出してしまう原因因子に対するアプローチと生み出されたタイトネスに対する治療(結果因子に対するアプローチ)の両軸で捉えることが必要です。

今まで硬さに対して徒手的に後方をほぐして、肩後方のストレッチを処方するだけで終わっていた方々には新たな視点で選手を見るきっかけになるかと思います。

肩関節後方の解剖

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肩後方に存在する筋群

肩関節の後方には三角筋後部線維、棘下筋、小円筋などの筋群が存在します。

これらの筋群が遠心性収縮を強いられることにより、野球選手の肩後方の筋群はタイトネスを引き起こしやすくなっています。

野球選手における肩後方タイトネスについて

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投球動作における肩後方筋群によるブレーキング

投球動作ではリリースからフォロースルーにかけて上腕骨が水平内転方向へ高速で振り出されます。
肩甲骨がこの上腕骨の動きに追従してくれれば良いのですが、肩甲骨の動きが悪かったりすると、肩甲上腕関節に過剰に水平内転方向の負荷がかかります
菱形筋や僧帽筋によるブレーキングが不十分である場合、肩甲上腕関節後方に存在する筋群に過剰に遠心性の負荷がかかるため、よりタイトネスが生じやすくなります

野球選手では上腕骨後捻角の増大、肩関節前方関節包の弛緩、後方関節包や腱板の拘縮などが要因となり、一般的に外旋可動域が拡大、内旋可動域が減少することが言われております。
この内旋可動域の減少が著しい場合、TRM(Total Rotational Motion:内旋+外旋の総和)が減少し、障害のリスクが高くなります。

また、後方タイトネスにより肩関節の求心位がとれていない場合、肩挙上可動域の制限を来す場合があります。

TRMが5°減少することにより肘障害のリスクが2.6倍になる.
非投球側に比べ5°以上の肩挙上制限があると肘障害のリスクが2.8倍になる.

Kevin E Will et al. Deficits in glenohumeral passive range of motion increase risk of elbow injury in professional baseball pitchers: a prospective study. Am J Sports Med. 2014 Sep;42(9):2075-81.

このように肩後方筋群のタイトネスは可動域制限だけでなく、肩肘の障害リスクを増大させる要因となるため、できる限り制限を取り除く必要があると考えます。

肩後方タイトネスの評価方法

臨床で実施する肩関節後方組織の柔軟性評価の方法をご紹介します。

CAT(Combined Abduction Test)

・背臥位で肩甲骨を固定し、他動的に肩外転を行い可動域の左右差を評価します。

HFT(Horizontal Flexion Test)

・背臥位で肩甲骨を固定し、他動的に肩水平内転を行い可動域の左右差を評価します。 正常であれば、検査側の肘が顎のラインまで到達します。

2nd内旋・3rd内旋可動域

上記2つのテストに加えて肩甲骨の代償や上腕骨頭の前方偏位に注意しながら肩甲上腕関節の内旋可動域を2nd、3rdポジションで評価し左右差を見ていきます。

これらのテストは一般的には肩後方組織のタイトネスを評価するテストになりますが、筋の柔軟性だけではなく肩甲上腕関節の求心位が取れているかどうかをチェックするためにも重要な検査となります。

💡POINT💡
HFTや2nd内旋の可動域制限は野球選手の身体特性とも報告されています。

HFTにおいて肩肘痛の既往があった群と既往なし群の比較では有意差を認めなかった。

鈴木智ほか:高校野球選手における投球障害とCAT・HFTの関連性.第8回肩の運動機能研究会誌.37.2011

肩肘痛で医療機関を受診した高校野球選手では有意にHFTが高値を示す.

Takamura T.,Satoshi S.,et al:    Abduction, Horizontal flexion, and Internal Rotation in Symptomatic  and Asymptomatic Throwing Athletes. 4th International Congress of Shoulder and Elbow therapist. 234. 2013. 

野球選手の身体特性として可動域の左右差があるのはある程度は許容されるべきかと思いますが、その左右差が大きくなりすぎると投球障害を惹起する可能性が高くなるということになります。

肩後方タイトネスの改善方法

具体的な後方タイトネスの改善方法の例を以下に説明していきます。

肩甲上腕関節モビライゼーション(A→P)

筋群に対してダイレクトストレッチを行うのも良いですが、まずは上腕骨頭が後下方に移動できるための関節のゆとりを確保しておく必要があります。臨床上、野球歴が長くなればなるほど、肩後方組織の拘縮によってこの後下方のゆとりが無くなっている例を経験します。

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バッティングスタイルについて考える【トレーナーマニュアルvol.59】

C-I Baseballの高橋塁です。

C-IBaseballの育成プログラムも第3期になりました。

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今回から育成プログラム第3期の第1回目の私の担当が始まりました。

私の担当では、『野球の技術』についての記事を中心に、紹介させていただけたらと思います。

今回は、『バッティングスタイルについて考える』です。

MetaGate(メタゲート)では、数多くの打者を分析してきた結果、現在、打ち方には2つのフォームがあると考えています。

その2つですが、『NPBスイング』と『MLBスイング』と表記させていただきます。

まず、日本人選手に多いのは『NPBスイング』です。

ここでのNPBスイングの代表例として、「ホーライスイング」で有名な蓬莱(ほうらい)昭彦さん(元横浜DeNAベイスターズコーチ)が推奨する『バットを横に振るタイプ』です。

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投球障害肩に必要な棘上筋のエコー観察【トレーナーマニュアルvol.58】

C-I Baseballの小林弘幸です。
今月で私たちの活動も3シーズン目を迎えました。
これまで多くの方々にいつもマガジンの記事をお読みいただきありがとうございます!

C-I Baseball3シーズン目は
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今シーズンの私が担当する配信では、「エコー」を通じて
肩関節の解剖とそれに対する実際のアプローチを学んでいこうという
コンセプトの元、記事を書かせていただきます。

元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
野球選手の投球障害肩を診てきました。

投球障害肩になってしまうと、
『痛くて投げられない』
『何をしても良くならない』
『自分のプレーに集中できない』
『野球が楽しくない』
と悪循環になってしまいます。

私はそのような投球【障害】肩を持った選手に対し、
エコーを通じて、細かな解剖を理解しアプローチすることで
治療効果が奏功することを経験しました。

もちろんそれだけでは解決しないことも多数ありますが、
ケガからの復帰をするということを考えると、
細かな解剖を学んでいくということは必要なのではないかと考えています。

解剖書で見る肩関節だけではなく、
エコーを通じて、3次元的に捉える肩関節を一緒に学んでいけたらと思います。

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投球障害肩に必要な棘上筋のエコー観察

投球障害肩における棘上筋

棘上筋と聞いて、セラピストが思い浮かべるのが、『腱板断裂』かと思います。

実際、投球障害肩における腱板断裂は棘上筋と棘下筋の関節面断裂といわれていますし、
疼痛を発症するタイミングがCocking とAcceleration phaseで91%を占めるとされています。

腱板損傷のほとんどは、棘上筋と棘下筋であり(あるいはその境界部)滑液包面ではなく、関節面の不全断裂である。 

井手淳二:投球障害肩における腱板損傷に対す る鏡視下手術. 肩関節. 28巻第2号. 371-373. 2004

しかし、
軽微な腱板損傷では本当に障害へ結びつくものは少ないと
私は考えています。

理由は、
そもそもMER(最大外旋位)の肢位では
腱板の接触がみられているからです。

肩関節の既往のない8症例において、全例外転外旋位のMRIにて、腱板と後上方関節唇の接触がある。 

Halbrecht JL.et al. : Internal impingement of the shoulder: comparison of findings between the throwing and nonthrowing shoulders of college baseball players. Arthroscopy 15: 253-258, 1999

投球で100球以上投げるようなことがあれば、
100回以上腱板と後方関節唇の接触があります。

つまり、
腱板に対するストレスは少なからず生じていると考えています。

何となく痛くて投げられない = 軽微な腱板損傷がある
ということを私は考えています。

その軽微な腱板損傷を
そのまま放置せずにしっかりとアプローチして、
肩関節を『正常な』状態に保っておくことが大切かと考えています。

棘上筋の解剖

①支配神経:肩甲上神経

支配神経はC5~6になります。

上神経幹へ入り込んだ神経は、
その後すぐ分岐します。

図4

分岐した後、
前鋸筋と僧帽筋の間を通って、棘上筋の前方から
棘上筋の深層へ入り込みます。

図9

棘上筋の深層から棘窩切痕へ入り、
棘下窩から棘下筋深層へ走行します。

図5

神経の走行のイメージができると、
解剖学的な特徴が把握しやすいです。

関節包に対する神経支配として、
肩甲上神経は関節包の
後上方に位置します。

図3

肩の後上方に疼痛を訴える選手は、
肩甲上神経の絞扼等が考えられるかもしれません。

②筋の付着部

棘上筋と棘下筋の付着部は、
教科書的な報告と近年の報告では異なっています。

図11

棘上筋は大結節の前内側に限局して付着
棘下筋は大結節の前外側まで幅広く付着

下記文献を参考にし、図を作成した

Mochizuki T, Sugaya H, Uomizu M, Maeda K, Matsuki K, Sekiya I, Muneta T, Akita K. Humeral insertion of the supraspinatus and infraspinatus. New anatomical findings regarding the footprint of the rotator cuff. J Bone Joint Surg Am. 2008 May;90(5):962-9. doi: 10.2106/JBJS.G.00427. PMID: 18451386.

棘上筋の注目すべき部分は、
結節間溝を跨いでいるということです。

少し前方へ付着するので、
1stポジションでの外旋の制限にもなりえるかと思います。

身体評価

可動域:肩甲上腕関節内転( ≒ 肩甲骨上方回旋)
筋力:full can test  empty can test

棘上筋の評価としては、
上記の評価を用いています。

肩甲上腕関節の内転制限は、棘上筋の軽微な損傷でも生じると考えられます。

理由は、

ここから先は有料部分です

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育成年代のトレーニングを考えるvol.1【トレーナーマニュアルvol.57】

C-I Baseballの佐藤康です。
今月で私たちの活動も3シーズン目を迎えました。
これまで多くの方々にいつもマガジンの記事をお読みいただきありがとうございます!

C-I Baseball3シーズン目は
「実践力」をテーマにライター一同記事を配信していきます!

現在C-I Baseballでは
「野球トレーナーの輪」を広げるために「仲間」を募集しております!
・野球にトレーナーになりたい
・トレーナー活動しているけど自信がない
・トレーニングについて勉強したい
・野球選手の怪我を治したい

など、野球選手に関わりたい方はこちらをご覧ください!!

今シーズンの私が担当する配信では、「育成年代」と称されるカラダの成長期の小中学生に対するトレーニングの関わりについて、お伝えしていきます。

小中学生にトレーニングは必要か?
身体の成長期に取り組むトレーニングとは?

1回目の配信では、どんなことを考えてトレーニングを提供していくか、学童期の関わりからまとめていきます。

トレーニングを考える前に

私は現在医療機関や野球現場で小中学生に関わりをもつ環境におりますが、多くの小中学生を担当する中で、身体の柔軟性の低下や協調的な運動ができない選手をよく目にします。

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そのような経験から、はじめに育成年代のトレーニングを考える上で、私は以下のポイントを踏まえて考えるようにしています。
▶子供の成長・発達過程を考える
▶成長期特有の怪我(障害を予防する)

子供の成長・発達を考える上で、身体の形態的な側面・神経系・精神面など著しく成長する時期であることは周知のことであるかと思います。「スキャモンの発達曲線」にでも挙げられているようにそれぞれ成長のピークを迎える時期は異なります。

特に「年齢」の解釈は育成年代にとって考慮すべき重要な要素の一つです。
◯歳といった暦年齢と比較し、発達を捉える上では※生物学的年齢の側面から、個人差があることも理解する必要があります。いわゆる早熟型・晩熟型と称されるようなことです。

※生物学的年齢:身体成長の成熟度に則した年齢
例)生物学年齢が高い・身体成長が早い子供:早熟タイプ

文献2より 小俣よしのぶ著:「スポーツ万能」な子どもの育て方

同じ12歳という年齢でも生物学的年齢では1.5~3歳の開きがあると言われており、暦年齢では同学年であっても、選手間で力の圧倒的な差が生じていることになります。

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特に野球では、球速・スイングスピードなどのパフォーマンスの研究からも、身体形態における成長の差は多く報告されており、結果的に身体的成長の遅れた選手では不利になる傾向が多いです。

また、身体の成長とケガの側面についても、理解が必要となります。発達の差がある選手が同じフィールドで同じ練習をすれば、負荷も大きくなり、ケガに繋がるリスクを高めてしまいます。

https://twitter.com/C_IBaseball2020/status/1534372087996985344?t=8O4NYbG46uMkZea-V0iCZg&s=19

また、骨成長に対する筋柔軟性の低下はケガとの関連も大きく、多くの研究分野でも報告がなされています。また、過度な投球などによる環境的な側面からもオーバーユースを招く結果となり、障害につながる部分であるため、考慮すべき点です。

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Concept

前述した背景を踏まえたうえで、
トレーニングのコンセプトをまとめていきます。

選手個々の野球の技能を向上させるために、トレーナーにおける身体機能面での介入のポイントは野球に必要な動作の基礎作りにあると思っています。

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動作の基礎づくりに求めるポイントですが、大人の場合、上記のような”パフォーマンスピラミッド”に挙げられるような要素がイメージされやすいのではないでしょうか。

子供においてもこれらの要素は技能を向上させる上で共通した大切なポイントになりますが、この基盤にある基本動作の部分を子供の成長・発達という特性に合わせて、配慮した取り組みが必要であると感じています。

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そのため、
まずは基礎体力を向上させることが重要です。

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パフォーマンス向上のための投球動作×足部 ーPreparation〜Wind-upー【トレーナーマニュアルvol.56】

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C-I Baseball の須藤慶士です!
2022年6月よりC-I Baseball【トレーナーマニュアル】は3シーズン目に突入します!今日までたくさんの方にご購読頂きスタッフ一同感謝しております。今後ともよろしくお願い致します。
3シーズン目は「実践力」をテーマに記事を配信していきます!

C-I Baseballでは「野球トレーナーの輪」を広げるために「仲間」を募集しております!

●野球トレーナーになりたい
●トレーナー活動しているけど自信がない
●トレーニングについて勉強したい
●野球選手の怪我を治したい

野球選手に関わりたい方はこちらをご覧ください!!

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私が配信する記事は『投球相・打撃相に分けた 投球動作×足部』です。

  • 投球時の足部の動き
  • 足部崩れによる投球時の不良動作
  • 投球相に合った足部エクササイズ

足部は地面に接している唯一の部位です。
足部が安定することで下肢からの良好な運動連鎖が行われます。

その足部でも重要なのが『距骨下関節』です。
選手の距骨下関節の構造は左右異なります

理想の投球時の軸足・ステップ足それぞれの距骨下関節の動きを把握し、選手の足部評価を行うことで動作の崩れを予防や変えることができます。

私が担当する『投球動作×足部』の今後の発刊予定です。
投球・打撃におけるそれぞれの相における足部の理想の動きや、足部から起こる不良動作、足部エクササイズをご紹介します。

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投球時足部の肢位と動き

投球動作の構えは以下の4通りです。
①捕手に対して正面を向き両手を頭の上に振りかぶる
②捕手に対して正面を向き胸の前で両手を構える
③捕手に対して正面を向き下腹部の前で両手を構える
④セットポジション

今回は④セットポジションのPreparation(構え)からWind-upまでをご紹介いたします。

セットポジション

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Preparationは静止立位です。この状態から動作が始まります。

Preparationが安定していないとWind-upでは片脚立位になるためにバランスが崩れ余計な動作が起こります。
この相で両足とも動きやすく安定した肢位になっていることが大事です。


Wind-upではPreparationからの重心移動を軸足で支えてからEarly cockingに向けて捕手方向へ重心を切り替えなければなりません。

投球を行う上でPreparation〜Wind-upで安定することはとても重要です。

距骨下関節の肢位

距骨下関節肢位は中間位・回内位・回外位の3通りあります。
距骨下関節には回内・回外を分ける『中間点』があり、その肢位は左右により中間位は異なります。
私は非荷重位(OKC)で評価を行います。

異なる中間位の評価方法は過去の記事をご参照ください。

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投球時の距骨下関節・横足根関節

投球時、軸足と踏み込み足の機能は異なります。

軸足:バランスを取る→蹴り出す
踏み込み足:加速した身体を支え、踏ん張り、力を逃す

軸足の機能はセットポジションで両足の支持基底面内にある重心を軸足に移動しバランスをとることや、Wind-upから捕手方向へ重心を移動するために足部を硬め蹴り出す役割があります。
踏み込み足は軸足から移動してきた身体を支えて踏ん張り、上半身の力を逃すようにしなければなりません。

上記の動きが足部で出来れば重心移動や上行性の良好な運動連鎖が遂行可能となります。

次のスライドの足部の肢位と動きは私の経験からの考えを表にしました。↓↓↓

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Preparation 理想の足部肢位

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Preparationの軸足の機能
静止立位に似ている状態です。この時の距骨下関節は指標中間位では中間位が理想です。

  • 前後にふらつかない
  • Wind-upに向けて両足の支持基底面内にある重心を軸足に移動しバランスをとれるような状態にしておく

回内位だと足趾が使いにくい状態になり前後バランスが低下します。
回外位だと足部を硬めてしまうため、Wind-upに向けて重心移動しにくい状態になります。

Wind-upに向けて重心移動した瞬間に回外に動くと運動連鎖によりバランスが安定します。

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Wind-up 理想の足部肢位

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Wind-upの軸足の機能

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