投球の『回転数』について【トレーナーマニュアルvol.186】

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①野球現場でのトレーナー活動
 チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
 投球障害への対応、インソールからの介入

③ゲストライターによる投稿
 バイオメカニクス、栄養…など各分野の専門家の方が執筆しています

④C-I Baseballメンバーによる投稿
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがライターとして情報を発信しています。

C-I Baseballで学び、成長してメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

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前回の私の担当記事は『球速』についての内容でした。

昔から、投げられたボールに対して「回転が綺麗」だとか、「回転が真っ直ぐ」などというフレーズは、野球経験者であれば聞いたことがあると思います。

しかし、長らくの間、それを数値化することは容易ではありませんでした。


現在、巷では、通常のスピードガンだけではなく、ラプソードやトラックマン等のトラッキングシステムが浸透してきています。

ラプソードHP

野球 – Rapsodo Japan (ラプソード)ラプソードの野球向け商品は、MLB全30球団、NPB10球団を始めとし、​国内でも社会人、大学、高校、中学硬式とアマチュアrapsodo.co.jp

トラックマンHP

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私も2022年からラプソードを所有し、500人以上のピッチングデータを測定しています。

そこで、球速以外にも測定可能な項目があり、今回は、より『回転数』について掘り下げていき、野球の現場に関わる方々に『回転数』についての理解をより深めていただきたいと思います。

1. 「回転数」とは

「回転数」とは、ラプソードでは、投球されたボールが1分間に何回転したかを表し、RPM (Revolution per minute)という単位で示されます。

実際には、2000回転や、1500回転と表記されますが、リリースから捕手が摂るまでの、投球間に記録された回転数ではない点に注意が必要です。

NPB、MLBともにストレートの平均回転数は約2200から2300回転くらいとなっています。

しかし、それでも150km/hのボールで考えてみると、ざっくり計算でピッチャーの手からボールが離れて、ホームベースに到着するまでだと13回転(2000RPM)と16回転(2400RPM)と3回転しか違いません。

たった3回転、されど3回転ということでしょう。

ストレートに関しては、球速と回転数はある程度の相関は認められていて、球速が速いほど、回転数も多くなる傾向があります。

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AIをフル活用して論文を探す【トレーナーマニュアルvol.185】

C-I Baseball 3期生メンバーの三好航平と申します.
今回は2023年から開始したサポートメンバーによるnoteシリーズです.

これまでの私のnoteでは海外文献から得た知見として,英語論文を紹介するnoteを執筆させていただきました.

https://c-ibaseball.com/trainer-manual/159
https://c-ibaseball.com/trainer-manual-vol171

たくさんの方に読んでいただきありがとうございました.

今回,そして次回のnoteではそもそも「海外文献はどのように探しているか」「どのように読んでいるのか」という部分にフォーカスを当てて書かせていただこうかと思います.

海外文献を読んで最新の知見を知識にすることは重要であると考えるセラピストは多いかと思いますが,全編英語ということもありハードルが高いと感じるかもしれません.

私自身も英語自体は決して得意ではなく,文献を探す・読む上でなにかいい方法はないかと大学・大学院時代から模索していました.そんな時にAIを活用した文献検索,読解がかなり便利であることを発見しました.便利なツールを活用することにより,これまで以上に海外文献を探す・読むことのハードルが下がったと感じています.

今回のnoteでは,AIツールを最大限に活用した海外文献の探し方をご紹介させていただければと思います.

文献の探し方

私は文献の探し方には,大きく分けて2つのパターンがあると考えています.

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中学生になる前の身体づくりで準備しておきたいこと-食事編-【トレーナーマニュアルvol.183】

はじめましての方も、以前の記事を読んでいただいた方もこんにちは。福岡県でスポーツ栄養士×アスレティックトレーナーとして活動している後藤優子です。 福岡ではトレーナーやスポーツインストラクターを養成している専門学校での講師 … 続きを読む

腱板機能を全身から捉える~介入編~【トレーナーマニュアルvol.182】

こんにちは。
C-I Baseballの1期生の北山達也です。
今回はサポートメンバーからの投稿となります。

はじめに

私は日頃は整形外科病院に勤務しており外来診療において投球障害の選手を治療しています。
その中で腱板機能が低下している選手を多く経験します。
その低下している腱板機能を改善するにあたり、局所だけでなく全身から捉えることで改善することも経験します。

そこで前回は「腱板機能を全身から捉える」という内容でnoteを書かせてもらいました。


まだご覧になってない方はこちらからご覧ください。

https://c-ibaseball.com/trainer-manual/169

また腱板の局所機能を改善する方法はこちらのnoteをご覧ください。

https://c-ibaseball.com/trainer-manual/66

今回のnoteでは「腱板機能を全身から捉える」ことに対しての介入方法を中心に紹介していきたいと思います。

立位と座位での腱板機能評価

前回のnoteでも紹介しましたが、「腱板機能を全身から捉える」ためには、まず立位と座位で腱板機能を比較することが必須であると考えています。

臨床上、立位と座位で腱板機能が異なることはしばしば経験します。
この評価を実施することで、「下肢機能が腱板機能へ影響を与えているか」をスクリーニングすることができます。

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当然実際の野球動作は立位姿勢で行われるため、仮に腱板エクササイズをたくさん行ったとしても下肢機能の低下によって腱板機能が低下していた場合は、実際の野球動作でなかなか出力が改善してこないということが予測されます。

そのため下肢機能が腱板機能へ影響を与えていた場合は、速やかに改善する必要があると考えます。
ただし、座位で腱板機能が正常、立位で腱板機能が低下していた場合のみであり、座位と立位で両肢位とも腱板機能が同程度低下していた場合は局所機能を優先するべきだと考えています。

今回は全身から腱板機能を見る際の下肢機能と腱板機能の関連について、そしてそのあとに体幹機能と腱板機能の関連に着目して紹介していきます。

まずは以下のフローチャートに沿って、下肢機能が腱板機能へ影響を与えている場合について紹介していきます。

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投球障害肘~動的安定性と尺骨神経~【トレーナーマニュアルvol.181】

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野球トレーナーマニュアル|C-I baseball|note【C-I Baseballトレーナーのトレーナーマニュアル】 投球障害肩・肘、腰痛、捻挫、肉離れ、下肢障害など野球におけるnote.com

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はじめに

野球選手の障害の中で多くは肩肘関節に多いですが、
一般的に肘関節に対する治療の多くは

”全身的なコンディショニング不良が原因なので、
       全身的な機能改善を図りましょう!”  私見

とすることが多いと思います。

もちろん、私もその意見に賛成です。
全身の機能が原因で、短軸しか動かない肘関節に屈曲伸展軸以外の動きが加わることで障害に至るということが多くはありますし、
障害予防としての観点でも非常に重要です。

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全身的に介入し、肘関節に少しでも負荷を少なくし、
もう次にケガをしないようにということです。

しかし、
中には局所的な機能低下が原因で
投球障害肘になっている選手もいる!と考えています!

全身の機能のみが原因だとしたら、
今まで肘なんて一度も痛くなったことのない、ピンピンした選手が一球のエピソードで内側部痛や内側側副靭帯損傷にいきなりなる!ということが考えにくいからです。
(もちろんその場合もありますが。。。)

ですので、
全身的な評価治療がもちろん重要だと考えた上で
しっかりと局所のことについても学んでいく必要があるかと思います。

その一助になれば幸いです。

投球障害肘とは

投球障害肘(Thrower’s Elbow)は、野球やソフトボールなど、繰り返し投球動作を行うスポーツ選手に多く見られる障害です。

いわゆる肘が痛くて投げられない選手のことすべてを指します。

特に、肘関節への過度な負担が原因で発生し、靱帯、軟骨、骨、神経などさまざまな組織に影響を及ぼします。

代表的な病態としては、図の通りに挙げられます。

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症状として、肘の痛み、可動域の制限、さらには筋力低下が挙げられます。

成長期の選手では、骨端線の損傷(リトルリーガーズエルボー)や離断性骨軟骨炎が多く見られます。

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一方で成人選手では内側側副靱帯(UCL)の損傷や尺骨神経障害が問題になるケースが増えます。

今回は、UCL損傷の原因となる内側の動的安定性についてと、尺骨神経障害について記載します。

動的安定性とは

肘関節における安定性とは、
外反ストレスに対して抗する力とすることができます。

安定性が低下すると、肘関節の内側裂隙が開き、靭帯損傷や尺骨神経障害が生じます。

エコーで観察するとこのように見えます。

動揺性ありと定義されるのは、左右差が3mm以上ある場合です。

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※伊藤恵康ほか:整・災外. 2003

投球においては、MERやBRに外反ストレスが強く働きます。

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※Fleisig GS, et al.: Biomechanics of the elbow during baseball pitching. Am J Sports Med, 23. 233-239, 1995 ※Solomito MJ, et al.: Elbow flexion post ball release is associated  with the elbow varus deceleration moments in baseball pitching. Sports Biomeca: 1-10, 2019.

『静的安定化』とは、肘の内側の靭帯のことを指し、自ら収縮できない組織が内側の関節を守ることを言います。

しかし、内側の靭帯の破断強度は、32Nmまでであり、
投球中の内側靭帯への負荷は34Nmであります。

上記のストレスをそのまま受けると、1球で肘の靭帯は壊れてしまいます。

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※Fleisig GS, et al.: Biomechanics of the elbow during baseball pitching. Am J Sports Med, 23. 233-239, 1995 ※Morrey DR, et al.: Articular and ligamentous contributions and motion analysis of the elbow joint. Am J Sports Med 11: 315-319, 1983

そこで、『動的安定性』が重要になっていきます。

「動的安定性」とは、肘を動かす筋肉や腱が協調的に働くことで、投球中の負荷に耐え、関節を安定させる機能を指します。

特に、前腕屈筋群や回内筋群の働きが、肘の内側を保護し、内側側副靱帯(UCL)の補助的な役割を果たします。

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※Otoshi Kenichi, et al.: Ultrasonographic assessment of the flexor pronator muscles as a dynamic stabilizer of the elbow against valgus force. Fukushima J. Med. Sci. 60, No2, 2014

投球時、肘には極めて高いストレスがかかり、特にリリース時にはUCLや筋肉の協調動作が重要になります。

動的安定性が低下すると、関節構造への負担が増大し、靱帯損傷や神経障害につながるリスクが高まります。
そのため、筋力や柔軟性の向上、動作解析による適切なフォーム修正も重要です。

局所的な内側の動的安定性の筋肉としては、
先行研究では、
・浅指屈筋
・円回内筋
・上腕筋
が言われています。

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※Shota Hoshika, et al.: Medial Elbow Anatomy: A Paradigm Shift for UCL Injury Prevention and Management. Clinical Anatomy 32:379–389. 2019 引用改変

いくつかの動的安定性に関する研究がありますが、そのほとんどが前腕回内屈筋群に関するものです。

では、他の筋はどうでしょうか?

我々の研究では、以下のような結果になりました。

我々の行った内側動的安定性の研究結果

肘関節の内側裂隙間距離がどの筋肉を収縮させたら狭くなるかを見た研究です。

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結果としては、以下の通りです。

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投球動作における鼠径部痛へのアプローチ -Groin pain syndrome 内転筋編-【トレーナーマニュアルvol.180】

トレーナーマニュアルにて定期的にnoteを投稿させていただくことになりました。
C-I Baseball サポートメンバーの 久我 友也 と申します。
私は整形外科クリニックで勤務しており、メディカルな視点でお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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今回の記事は
以前に投稿させていただきました
「投球動作における鼠径部痛の病態とアプローチ -Groin pain syndrome編-」の続編となります。
Groin pain syndromeについて、病態と病理解剖学的な評価方法を解説しておりますので、まだご覧になっていない方はぜひ下記のリンクからどうぞ!

https://c-ibaseball.com/trainer-manual/167

本シリーズの記事では
野球選手の投球動作中に発生する鼠径部痛について、
現場で実践しやすい評価・実用的なアプローチ方法を解説していきます。

細かい病態や画像所見などは成書をご覧ください。
可能な限りのエビデンスや解剖に基づいた話をメインにさせて頂きます。

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はじめに

今回はタイトルにある通り
Groin pain syndromeの中でも
”内転筋” について話していきます。

まずは
なぜ ”内転筋” なのか。

Groin pain syndromeと内転筋について

Groin pain Syndromeの病態として画像所見でよく報告されているのは
以下のMRI所見があります。
・内転筋の恥骨付着部における高輝度像(Cleft sign)
・恥骨の骨髄浮腫(Bone marrow oedema)
・恥骨結合円板の突出(Central disk protrusion)

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Branci S, Thorborg K, Bech BH, Boesen M, Nielsen MB, Hölmich P. MRI findings in soccer players with long-standing adductor-related groin pain and asymptomatic controls. Br J Sports Med. 2015;49(10):681.

この中で”内転筋”そのものと関係があるのはやはり
内転筋の恥骨付着部における高輝度像である ”Cleft sign” です。

そのCleft signは2つにわけられています。
①恥骨上肢に生じるSuperior cleft sign(長内転筋の付着部)
②恥骨下肢に生じるSecondary cleft sign(短内転筋、薄筋の付着部)

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Byrne CA, Bowden DJ, Alkhayat A, Kavanagh EC, Eustace SJ. Sports-Related Groin Pain Secondary to Symphysis Pubis Disorders: Correlation Between MRI Findings and Outcome After Fluoroscopy-Guided Injection of Steroid and Local Anesthetic. Am J Roentgenol. 2017;209(2):380-388.

この所見は基本的には内転筋の付着部症(Enthesopathy)とされています。
他の部位でいうと、
・前腕伸筋群の付着部症:外側上顆炎
・アキレス腱の付着部症:アキレス腱の付着部症
と同様の病態として整理されています。

内転筋由来の鼠径部痛に関わるメカニカルストレスとは

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春までに見つける!自分に合った金具スパイクの探しかた【トレーナーマニュアルvol.179】

CIBトレーナーマニュアルについて

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はじめに

金具スパイクを購入する際何を基準に選びますか?

金具スパイクは『金具の位置や本数』を見て購入しましょう。同じメーカーでも金具の位置や本数は異なります。

中学生からプロ野球選手約150名を対象にアンケートを行いました。
結果はスパイクを購入する際は、サイズ・履きやすさや値段で選ぶことが多く見られました。

もちろん、足の形は人それぞれ異なるのでサイズは重要です。しかし、地面に接しているのはスパイクの裏です。金具も見て選ぶようにするとパフォーマンスアップにつながります。


今回のnoteは最後に

『メーカーのスパイクカタログのQRコード』を添付

しておりますのでスパイクを選択する参考にしてください。

ミズノ
asics
久保田スラッガー
ZETT
BEMOLO
ハタケヤマ
UNDER ARMOUR
Hi-gold
adidas
ザナックス
New Balance

社会人・プロ野球選手のスパイク

レベルが高い選手は自分の投球や動きの足の使い方を熟知しているので金具の位置や、アウトソール・ミッドソールの厚みなど、こだわりをもって選んでいます。

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*担当した選手のスパイクの一例

金具について

①本数
②形状
③位置

本数

一番少ないのは6本で、多いものは13本もついています。

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形状

形状の違いは蹴り出し、踏ん張りに差が出てきます。グリップ力が強いのが苦手な場合や、引っ掛かりを少なくしたい場合の金具はフラットで短いものをお勧めします。

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母趾球・小趾球部分だけ形状が異なるものもあります。

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ミズノは耐久性にすぐれた金具があります。これは特殊なもので長い期間使用してもほとんど削れることはありません。

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写真右:耐久性に優れた金具(ミズノ)

位置

位置はポジションや動きをどうしたいかで選ぶべきです。

捕手・内野手:多方向へのグリップ
外野手   :前方への動き、蹴り出し、前足部に金具多め
投手    :軸足のどこで押し出すのか、蹴り出すのか、
       ステップ足(踏み込み足)のグリップ力

動作からみる

投球動作は正解というものがありません。

人それぞれの動きがあるので

自分の動きが足のどこに力がかかりやすいのか

を意識してみましょう。

●母趾球に体重を乗せて蹴り出したい
●親指を使い蹴り出したい
●踵重心で投げたい

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足圧の動きから見る

足圧を重心動揺計を使用し投球動作を測定しました。
今回の写真は母趾球を使うパターンと親指を使うパターンの2種類をご紹介します。
投球時のスパイクの金具は足圧の移動に合った位置にあるとスパイクの効果を最大限に発揮できると考えます。

母趾球を使う投球に向いているスパイク

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親指を使う投球に向いているスパイク

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買い替え時期

金具は消耗品です。
先にも述べましたが、金具はパフォーマンスに大きく影響します。
写真のような金具の状態では金具の効果や意味がありません。

アスファルトを歩くのは❌

一週間に一度、金具をチェックしましょう。

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金具が削れているスパイク
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スパイクの探しかた

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TFCC損傷に対する治療戦略とアプローチ【トレーナーマニュアルvol.178】

今回は前回に引き続き、TFCC損傷に関するお話になります。前回は病態の説明をさせていただきましたが、実際に対峙した時にどういった対応をとっていけばいいか考えていかなければなりません。そこで今回は、TFCCに対峙した際の治 … 続きを読む

投手のための肩外旋トレーニング【トレーナーマニュアルvol.177】

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はじめに

先行研究において、野球選手は肩の回旋筋力が重要であることが報告されています。

コッキング期においては肩関節は最大外旋のポジションを通過し,関節前面にかかる力が約350Nを超え,フォロースルー期においては肩甲上腕関節に500N以上の牽引力がかかり,過度な伸張ストレスが加わる.

柳川 竜一ほか:野球部員における肩甲骨位置,および肩甲骨位置と 肩関節内外旋筋力との関係 .理学療法科学 27(4):363–366,2012

そのため、肩関節内外旋筋群の筋力が低下していると,投球動作によって傷害が生じやすくなる.

Bruner P, Khan K: 臨床スポーツ医学. 医学映像教育センター,東京,2009,pp59-100.


また、肘障害の予防の観点からも肩関節挙上位での外旋筋力を上げておくことが重要です。

肩挙上位での外旋筋力の低下が,不良な投球フォームの代表例である肘下がりの原因の一因となりうる.

千葉慎一,嘉陽 拓,三原研一ほか:小・中学生の野球肘患者におけるゼロポジション外旋筋力評価の意義.日肘会誌.2005;13:73-4.
嘉陽 拓,田村将希,千葉真一ほか:野球肘症例における肩甲骨肢位の違いによる肩外旋保持能力について.日肘会誌.2014;21:S58.

肩挙上位での外旋はテイクバックからlate cocking までに重要で,この肢位を保持できないと加速期以降で生じる肘伸展運動のための準備を行えない.

山口光圀,筒井廣明:投球障害肩におけるゼロポジション外旋筋力評価の意義-ボール投げ挙げ動作にみられる特徴との関連- . 肩関節.2004;28:611-4

投球障害の予防や治療の観点だけではなくパフォーマンスを上げるという点においても、肩関節挙上位での外旋筋力を向上させる事は非常に重要であると考えています。

トレーニングの実際

ここからは、私が投球障害肩の選手に対する理学療法で行っている運動療法やパフォーマンスを上げるための肩外旋トレーニングについて、いくつかご紹介させていただければと思います。

TRXを用いた肩外旋トレーニング

TRXを用いたトレーニングになります。
肩外旋筋群の筋力で身体を起こしていきます。

スタート時の足の位置を前にすればするほど負荷が高まるので自身で調整して実施してみてください。

腹臥位肩外旋エクササイズ

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打撃動作とコレクティブエクササイズ【トレーナーマニュアルvol.176】

こんにちは!
野球トレーナーの野坂光陽です!

現在は整形外科のクリニックに勤務しながら
休日の時間を使って野球現場に赴き、野球選手の
トレーニング指導やフィジカルケアなどを行なっています。

CIBの一期生兼サポートメンバーとして、今回も記事を
描かせていただく機会を頂きました!

今回は、「打撃動作とコレクティブエクササイズ」
ということで記事を書いていきます

前回は「投球動作とコレクティブエクササイズ」というテーマで
記事にしております!

このトレーナーマニュアル内で記事が読めるようになっているので
そちらも合わせてご覧ください!

https://c-ibaseball.com/trainer-manual/163

コレクティブエクササイズとは?

コレクティブエクササイズの大枠

コレクティブエクササイズというもの自体聞きなれない人も
中にはいらっしゃるかもしれません

コレクティブエクササイズの意味合いとして
そもそも「コレクティブ」という意味として辞書を引くと

☑︎是正
☑︎中和

そういった意味で使われる言葉になります

つまりコレクティブエクササイズというものは
ある動作を観察し、選手の目標やパフォーマンスアップのために
動作を「是正」するために実施されるエクササイズ
という意味になります。

コレクティブエクササイズの掘り下げ

通常のエクササイズやドリルと何が違うの?
といった意見が聞かれるかもしれません。

私はNASM-CESという資格を取得し
コレクティブエクササイズについての学びを深めてきました。
また、CIB内の勉強会においても、このコレクティブエクササイズを
学ぶ機会がありました。

結論から申し上げると、、、
巷に広まっているどのエクササイズを切り取っても
コレクティブエクササイズになり得るということが
言えます

エクササイズを行うということは、何かプレーで問題があったり
スキル面に問題があったりしたり、もっと向上させたい
能力がある中で実施されるものであると思います。

また、フィジカル(身体組成)に課題を抱える選手にとって
ウエイトトレーニングを行うということは
身体が弱いことをコレクティブしたい=是正したいという
結果から行われるものと考えることができます。

柔軟性が低下している選手にとってはストレッチを行うように
エクササイズの目的としては、何か劣っている部分であったり
補わなければならない能力を向上、補填するために実施されるので
大きな意味合いで言えばコレクティブエクササイズになると
考えることができます。

ただ、ストレッチやストレングストレーニングはどちらかというと
土台の部分の能力を向上させていると捉えることもできます
事実その能力がなければ必要最低限のパフォーマンスが発揮される
ことはないからです。

本記事におけるコレクティブエクササイズの定義

今回ご紹介する内容のコレクティブエクササイズは

主にパフォーマンスアップを目的に実施されるが
どちらかというとスキル向上に寄ったエクササイズ

と定義します。

今回の記事は、前回と同様に
「A Constraints-Led Approach to Baseball Coaching」
の内容を取り入れ、記事にしております

和訳すると、
「野球のコーチングにおける制約主導アプローチ」

最近トレーナー業界でトレンドになっている
制約主導アプローチという思考を用いて
選手の能力値を向上させ、パフォーマンス向上が
できるような内容を今回お届けできればと
考えています

前置きが長くなってしまいましたが、
これから詳細にエクササイズについて書いていきます!!

打撃動作のコレクティブエクササイズとバイオメカニクス

エクササイズを行う前に、、、

打撃動作のコレクティブエクササイズについても
投球動作と同じように

☑︎動作の何を定義して修正するのか?
☑︎どういった意図の中で修正を加えていくのか?

こういった意識的なところが必要になってきます。

今回も前述したように、
制約主導アプローチ(A Constraints-Led Approach)の思考法で
エクササイズを組んで行なっています

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人の動作というのは、身体と環境の相互作用によって
引き起こされるといった概念が、制約主導アプローチと言います。


また今回の記事で重要になってくるのが、バイオメカニクスの観点です

バイオメカニクスの観点からは
☑︎キネティクス(Kinetics)
☑︎キネマティクス(Kinematics)

この両者が重要になってくると考えています

トレーニングの原理原則の中に、特異性の原則というものがあります

バイオメカニクスと特異性の原則との関係性

特異性の原則とは、
☑︎トレーニング時に行われる動作と
実際のスポーツ競技における動作が類似していることが望ましい
☑︎トレーニングで培われた効果しか能力は向上しない

ということが定義としてお話しできます。

1つ目に関しては、、例えば打撃動作であれば
打撃動作というものを細分化してトレーニングをしたり
バットを振る動作に類似したトレーニング内容にしたりすることで
能力が向上するといったものです

2つ目に関しては、例えば長距離選手がパフォーマンスを
上げたいと考えた時に、短距離走のトレーニングはしないですよね?
長距離と短距離、二つの要素として動作が類似していないのと
代謝様式も異なるので、ここではトレーニング効果は薄れてしまうといったように、トレーニング内容はしっかりと考えられている必要がある
と考えています。

上記の説明をしたのには理由があります。

バットを振ることや、投げる、走るなど
身体が動く時には、必ず力学の原理原則に基づいてなされるからです。

キネティクスとは、身体のモーメントや床反力など
力学的かつ数値で表されるものであり
キネマティクスとは、実際の動作を観察できる「動き」のことを指します

キネティクスで表される数値や力の方向、タイミングも重要ですし
もちろんキネマティクスとして見える実際の動作をしっかりと観察することと、その動作の要素を分解する必要があると考えています

キネティクスの結果がキネマティクスなので、
キネマティクス、要は動きだけ真似ても良くないということです

これが、エクササイズだけ上手になって実際のプレーとして
反映されない要因の一つです

昨今はSNSの普及で、様々なエクササイズが流通しており
情報社会になったからこそ、エクササイズの本質をしっかりと考え
それを伝え、体現できる必要があると考えています。

特異性の原則を履き違えないことが必要です。

エクササイズ動作と実際の動作が似ているだけでは、
効果が出るとは限らない。

その打撃動作には、どんな要素があって
どのように解決をしていくことが重要なのかというところを
もっと考えていく必要があると考えています。

バッティングをどう考えていくか?

バッティング(打撃動作)とは投球動作と同じように
複雑な要素の複合因子ですが、投球と違うのは、
動作タイミングの主導権が自分ではなく他者湯まり投手にあるところが
大きく異なります。

打撃動作とは
☑︎視線制御
☑︎知覚情報を統合する能力
☑︎意思決定(打つ、見送る)
☑︎バランス
☑︎力の生成と制御

これらの複合因子が複雑に絡み合い
一つのボールを細いバットで打つという
神業に近いことを成し遂げていると考えています。

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