トレーナーのとしての振る舞い【トレーナーマニュアルvol.158】

いつもC-I Baseball「トレーナーマガジン」をご購読頂きありがとうございます。

今回の内容は「トレーナーとしての振る舞い」です。
トレーナーとして、知識やプログラム構成、指導も重要ですが、人と人との仕事ですので、振る舞いも重要になります。
特にチームトレーナーとして活動する場合には、選手、指導者、チーム関係者など多くの人に関わります。
トレーナーは常に評価されています。これは私も体感してきました。
チームにとって必要とされるトレーナー、必要とされないトレーナー、厳しいですがはっきりと分かれます。

必死でやっているつもりでも、チームから必要とされなけば仕事にはなりません。
必要とされるトレーナーになるためのひとつに「振る舞い」があります。
選手や指導者の方やチーム関係者は、トレーナーのスキルだけでなく、どのような振る舞いをしているか。をとても重要視します。

今回はトレーナーとして、どのように振る舞っていけば良いかをお伝えしていきます。

トレーナーとしての振る舞いとは?

トレーナーとしての振舞いは、チームの成功や個々の選手の成長に大きな影響を与えます。そのためトレーナーがどのような「人」であるかが重要になっていきます。

「人がすべて」
どのチームの成功を支えるのも人である。トレーナーの最も重要な仕事は、選手が試合で実力を発揮し、成長し、発展できるようにサポートすることである。

振る舞いに必要な6つのコアバリュー

画像

 私はトレーナーとしての振る舞いは、技術や知識だけでなく、情熱、礼儀、規律、誠実、冷静、貢献といった要素を持ち合わせ、日々の指導や生活にに反映させることが必要であると考えています。

1. 情熱(Passion)— すべての基盤となるもの

画像

 トレーナーとして最も大切なのは「情熱」です。選手の成長やチームの勝利を心から願い、どんな状況でも全力でサポートする姿勢が求められます。
「野球に関わりたい」「選手を良くしたい」「怪我をなくしたい」「チームに勝利してほしい」この強い思いこそが、日々の行動を支える原動力となります。
 チーム関係者、選手から本気かどうかは、言葉だけではなく 「行動」 や 「態度」 で評価されます。
立ち振舞い、姿勢、声の張り、そのすべてに気を配り、選手やチームに対して 「誰よりも熱く、誰よりも元気に」 行動することが求められます。


●目の前の選手に100%の熱量で対峙する
一人ひとりの選手の成長やチームの勝利を常に考え、そのために最善のアプローチをしていきます。
よくある例を2つ紹介します。

・自分の技術に固執する
→トレーニングですべて良くする、徒手に自信があるから徒手療法だけでアプローチするなど、固執してしまうことです。
目的は「選手やチームを良くする」なので、そのために何が必要かを考え、最善の行動をし続けることが情熱ある関わりのひとつです。

・トレーナーの個人の感情を持ち込む
→トレーナー個人の気分によって選手への対応が変化するのはNGです。
今日は疲れているからトレーニング時間を短くしよう、ケアの時間を短くしよう。
このような行動は選手に100%の情熱で向かっている行動ではないです。
また、この選手は好きだから指導する、嫌いだから指導しないなどもNGです。どんな選手にも、平等に対応してこそ、情熱ある行動になると思います。

野球に関わり続ける覚悟を持つ
→ 野球が好きで、プレーすることはなくても、野球に関わり続けたいという思いを大切にする。

常に人からの見られかたを意識する
→ 疲れていても、猫背でダラダラ歩かない。常に胸を張り、選手が頼れる存在であることを示す。常に人から見られてる意識で行動するようにしましょう。

声で、チームを活気づける
→ 挨拶からトレーニング中のキューイングなど、トレーナーの声がグラウンドに響いているか?
トレーナーが率先して前向きな声を出し、チームの雰囲気を作りましょう。
グラウンドで一番元気なのはトレーナーであるようにしましょう。

チームに本気で貢献する
→ トレーナーは 試合に出ることはできないが、勝利に貢献はできます
試合前のウォーミングアップ、試合中のコンディショニング管理、リカバリーの徹底、これらを 100%の情熱でやり切るかどうかが、チームの勝敗に影響してきます

トレーナーがいると安心すると思わせられるか
→ 「この人がいるから大丈夫」と思われるトレーナーは、単なるケア担当ではない。選手が苦しいとき、不安なときに最初に頼る存在である。
「痛いけどどうしよう」ではなく「痛いけど、あのトレーナーに相談しよう」と思ってもらえるか鍵になります。


「選手を良くしたい」「怪我をなくしたい」「チームを勝たせたい」
この思いがあるなら、それを 行動で示す ことです。
選手や指導者の方は目の前の試合に何としてもこの試合に勝ちたい、
レギュラーを取って試合に活躍した、応援してくれる家族のために活躍したいなど、熱い想いを持っています。

トレーナーもより選手やチームが高い成果が得られるよう、最大限の情熱を込めて、選手と向き合っていく必要があります。
「この人は本気だ」と選手や指導者に思われたとき、トレーナーとして 本物の信頼 を得ることができる。
だからこそ、 情熱こそが、すべての基盤となる。
選手や指導者の方は目の前の試合に何としてもこの試合に勝ちたい、
レギュラーを取って試合に活躍した、応援してくれる家族のために活躍したいなど、熱い想いを持っています。


2. 礼儀(Respect)— 信頼を築くための根本

画像

野球トレーナーとして 選手・指導者・チーム関係者から信頼されるために最も重要なものの一つが「礼儀」です。
礼儀とは単なるマナーではなく 「相手に敬意を払う心」 そのものです。
日本には 「武士道」 という精神があり、これは 自分を律し、他者を敬い、感謝を忘れない生き方 を意味しています。
トレーナーは、選手の身体を預かる重要な立場だからこそ、 「礼節を重んじる姿勢」 を貫くことが信頼につながります。

ここから先は有料部分です

続きを読む