プレシーズンのトレーニングプログラム‐投手編‐【トレーナーマニュアルvol.40】

C-I Baseballの現場編記事を
担当する佐藤康です。

野球現場では3月からの対外試合開始に向けて、トレーニング中心の練習メニューからボールを使った実践練習への移行をすることが多くなってくると思います。下図にもあるように、試合期に向けてトレーニングの強度も変化した移行期に入っていきます。

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今回はオフシーズン(準備期)でのトレーニングにおける実際のプログラムを例に、どのように組み立てて提供しているかについて解説していきたいと思います。

まだコチラをご覧になっていない方はぜひご覧いただけたらと思います。
※約1時間の動画解説をしています。

今回の記事では、投手選手を対象としたトレーニング指導を組み立てる際に実践した内容をご紹介していきます。

トレーニングメニューを考える前にすべきこと

はじめに、トレーニングメニューを構成する上で、まず選手・チームの現在地を把握し目標設定をすることが大前提となります。

「いま、自分・チームの弱点がなにか?
それに対してどんな目標を立てたらよいのか?」
ここをある程度明確にして、内容を考えています。

加えて、チーム側からいただいたニーズを加味してその要素をかみ砕いていきます。

「走れるチームにしたい」
「バッティングを強化したい」
「完投できる投手をつくりたい」

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そこで、なにが必要となるのか?
走力・バッティング・完投能力に必要なフィジカル要素を挙げ、そのアセスメントから弱点要素を分析し、実際のメニューの構成を考える過程をベースとしております。

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※評価・再評価はフィジカルチェックなどになります。

段階的なトレーニングプログラムの構成

これらの動き・パフォーマンスができるようになるために、その動きを補助する要素も併せてメニューに組んでいきます。

チーム内でも選手によって身体的な運動能力・体力はさまざまであるため、トレーニング強度を優先したプログラムになりすぎてしまうと、故障のリスクを増大する恐れもあるため注意が必要です。

そのため、トレーニング強度に並行して、障害予防の観点も決して無視してはいけません。そのため、その動きができない選手向けに補助種目も準備しておくことが大事であると思います。

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難しいところは、1対1のパーソナルの指導ではなく、集団へのトレーニング指導となるため、ひとりひとりに細かい指示が行き届きにくい点があります。そのため、全体の動き・状態をみながら、メニューを進行していく必要があります。

トレーニングの参考書で必ず目にする「パフォーマンスピラミッド」がありますが、トレーニング指導をする際の基盤となるものさし・軸として重要です。

一般的なピラミッドは以下のように大きく分けて3段階に挙げられます。
・基本動作の獲得(Movement:stabilization/mobilization)
・パフォーマンス(Performance)
・動作スキル(Skill)

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このピラミッドに今回私が構成する上で重視している点は赤字部分の根底にあたる”基本動作の強化”のところです。2nd stage(パフォーマンス)にあたる筋力やパワーの強化に向け、体性感覚をもとにした姿勢・動作のコントロール(制御能力)・関節の安定性・可動性などの因子を向上させることが重要となります。

詳細は、動画と併せて後述していきます。

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野球選手に関わる上で必要な “股関節エコー”【トレーナーマニュアルvol.39】

C-I Baseballの小林弘幸です。

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元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。

しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期後半では、
【野球選手に関わる上で必要なエコー】
ということで記事を書かせていただきます。

というのも、
私が運動器エコーと出会って一番良かったなと思うところは、
【筋骨格の断面解剖】と【神経の走行】の理解がしやすいと思ったからです。

ということで、小林が担当する、
野球選手に関わる上で必要なエコー編の記事(予定)です↓↓↓

①野球選手に関わる上で必要な “股関節エコー” (2月7日)←今回
②野球選手に関わる上で必要な “頚部エコー” (3月14日)
③野球選手に関わる上で必要な “肘関節エコー” (4月18日)
④野球選手に関わる上で必要な “肩関節エコー” (5月23日)

これらの記事を通じて、
臨床の基礎になっていただけたらと思っております。

そして、
様々なご意見をいただけたらと思います。

野球選手に関わる上で必要な “股関節エコー”

はじめに

野球というスポーツは、
投球や打撃の【回旋系】の動きが主となるスポーツです。

人体の中で大きな回旋可動域がある部位は、
【肩関節と股関節】です。

とくに、股関節は可動域とともに、
軸足、踏み込み足にとって可動域も筋力発揮もとても重要です。

股関節を体幹と連動して機能させることも、とても重要ですが、
股関節自体の機能改善も必要です。

エコーでの解剖の断面解剖や神経の走行が理解出来たら、
治療の幅が広がると思いますので、
参考にしてください。

野球に必要な股関節機能

軸脚 股関節

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軸脚において、
股関節で重要な機能の一つとして、
外転機能が重要だと考えています。

軸足機能が低下すると、
上体のつっこみが生じ、肘下がりや、肩関節の過外旋が生じてしまうと考えています。

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股関節外転機能と言えば、
中・小殿筋が重要であると考えています。

中殿筋:腸骨稜後面 → 大腿骨大転子の外側面
    上殿神経支配

小殿筋:腸骨の外側、中殿筋の起始のすぐ下 → 大腿骨大転子の前面
    上殿神経支配

これらの外転筋の特徴として、
両方とも、上殿神経支配ということになります。

これらの解説は、後述したいと思います。

踏み込み脚 股関節

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踏み込み脚において、
股関節で重要な機能の一つとして、
伸展機能が重要だと考えています。

踏み込み脚機能が低下すると、
こちらも上体のつっこみ・沈み込みが生じ、肘下がりや、肩関節の過外旋が生じてしまうと考えています。

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投球動作不良の動作自体は似ている結果でも、
原因となることが違うことは良く経験します。

股関節伸展機能といえば、
大殿筋が重要だと考えます。

大殿筋:腸骨稜の後方1/4、仙骨の腸骨近くの後面、腰背筋膜 → 大腿骨の殿筋粗面、腸脛靭帯
    下殿神経支配

この詳細な解剖、エコーも後述します。

股関節の解剖とエコー画像

股関節周囲は、殿筋群に加え、深層外旋六筋があり、
非常に理解しにくいです。

しかし、一つのキーマッスルとして、
エコーを見る上では 【梨状筋】 が重要だと考えています。

そのあたりを踏まえて、まずは基本的な解剖を復習して、
エコー画像を見ていきます。

股関節後面筋

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大殿筋は大きく理解しやすいので、
省いています。

重要なものを記載していきます。

中殿筋の深層に、小殿筋が位置します。

梨状筋は、大殿筋の深層に位置し、仙骨の前面から付着します。

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坐骨神経周囲

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坐骨神経は、基本的には、梨状筋の深層を走行します。

ただし、それはバリエーションがあるといわれており、
・梨状筋の深層:約80%
・梨状筋間+梨状筋深層:約15%
程度だといわれています。

※Luis Perez Carro, et al.: Deep gluteal space problems: piriformis syndrome, ischiofemoral impingement and sciatic nerve release. Muscles Ligaments Tendons J, Dec 21;6(3):384-396. 2016.

その他の外旋六筋の表層(外閉鎖筋を除く)を通って下肢後面へ走行します。

エコーでは、
大腿方形筋のレベルではっきりとわかりやすく観察できます。

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上・下殿神経

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上下殿神経に関しては、
梨状筋すぐ上下に存在します。

これは、エコーでも観察できます。

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※神経は動脈と伴走しているので、拍動している部分が神経周囲です。

梨状筋の頭側から上殿神経、尾側から下殿神経が走行します。

つまり、梨状筋周囲の動きが非常に重要であると考えられます。

治療の考え方

徒手療法の考え方としては過去記事を参考にしていただけたらと思います。

基本的には、
(脈管系の)タイトネス改善 ≒ 筋機能(出力)改善
と考えています。

脈管系周囲には疎性結合組織が存在し、その密性化が神経の滑走性低下や痛みを伴った可動域制限につながるとされています。

※工藤慎太郎: 腱板損傷に対する軟部組織理学療法. 理学療法ジャーナル, 54(9), 1016-1021, 2020

相対的な密性組織化を改善させることで、
中の水分量が改善され、疎性結合組織に戻ると思います。

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※疎性結合組織に関する模式図(イメージ)

脈管系周囲の脱水が改善されれば、
神経血管に対する循環が改善し、
筋肉に対する栄養、信号伝達が正常化するのではないかと考えています。

その結果、
タイトネス(軽微なスパズム)、筋出力改善するのではないかと考えています。

股関節周囲の神経走行とその周囲の循環改善を中心に治療の方法を解説していきます。

股関節周囲のエコー下徒手療法と運動療法

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スプリントトレーニング・その②【トレーナーマニュアルvol.38】

C-IBaseballの高橋塁です。

2022年、私個人では2作目、C-IBaseballでは5作目となります。

まずは、自己紹介から

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また、現在、私は『走りの学校』の公認インストラクターをしています。

『走りの学校』の詳細はこちらから

【走り革命理論】足の速さは才能じゃない〜走りの学校official走りの学校でスプリントを学ぶ「走り革命理論」は、今まで誰も教えてくれなかった、絶対に足が速くなるテクニックを最初の一歩からwww.hashiri.school

走る能力を高めたい方はぜひ、体験会や普及員講習にぜひ、ご参加ください。


『走りの学校』のYouTubeはこちらから

【走りの学校】足の速さは才能じゃない!!’’足の速さは才能じゃない’’ 私たちは足が速くなるために必要なトレーニングやテクニックを 誰にでも分かりやすくお伝えするwww.youtube.com

前回より、『スプリント能力』を高めるためのエクササイズを3回に渡りお伝えしています。

前回、第1回目の記事はこちらから

指導者、トレーナーの皆様は足の速さは、センスだとか才能だとかと決めつけていませんか?

また、冬場に目的を明確にせず、走力アップと称して、闇雲に走る量を増やしていませんか?

実際は、正しい事をやれば、誰でもが走り方が改善でき、タイムの改善、しいては、走ることが楽しくなります。

まずは、前回の復習として、正しい走り方を習得する前に、『ランニング』と『スプリント』の違いを理解する必要があります。

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まずは、上記をしっかりと理解してください。

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肘下がりを足部から考える Wind-up〜Early cocking編【トレーナーマニュアルvol.37】

足部構造が破綻する事で投球動作は崩れてしまいます。
今回のnoteは肘下がりが起こるメカニズムを足部からの考え方で記載しております。

臨床現場で野球で肘や肩を痛めて受診してくるケースは多く、特に内側型野球肘が多くみられます。

問診で選手から話を聞くと、指導者や親から『肘が下がっている』と言われる事が多いと話す選手がほとんどです。

選手たちは一生懸命肘をあげようと意識や努力をして投げようとしていますがなかなか肘下がりは改善しません。

なぜ肘が下がるのか?

それは姿勢に関係します。

立位姿勢が崩れていると肘は下がりやすくなります。

内側型野球肘で受診してくるケースのほとんどのジュニア選手が投球側の肩甲骨が下制しています。
地面に接しているのは足部です。足部が崩れると姿勢も崩れます。

肩甲骨の下制は体幹の機能低下や、肩甲胸郭関節の固定性低下が考えられますが、今回のnoteでは足部からの考え方ですすめてまいります。

Wind-up

Wind-upは投手が軸脚をプレートに置きステップ脚をあげたところまでの動作です。

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Wind-up動作は、
●両手を頭上まで振りかぶる・体幹の前で両手を止める
●セットポジションから行う
といった動作があります。

Wind-upで起こりやすい現象

●体幹前傾
●体幹後傾
●投球側側屈
●骨盤前傾⬆️
●腰椎伸展⬆️
●股関節機能低下
●足部回内
➡️片脚立位不安定

肩甲骨下制すると肘は下がりやすい

臨床で肩や肘を痛めて受診する選手の多くは静止立位で肩甲骨下制位がみられます。

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アプローチで考えることは、まずアライメントを整える必要があるので肩甲骨周囲のエクササイズを行うと思います。

しかし、肩甲帯のエクササイズのみでは元に戻ってしまう経験はないでしょうか?

体幹エクササイズや肩甲帯エクササイズで元に戻りやすい場合は足部機能を変えないと肘下がりは変わらない事があります。

足部からの運動連鎖

Wind-upでは片脚立位で溜めた力をCockingに繋げなければいけません。
そのためにはWind-upでの距骨下関節は指標中間位の状態を保つ事が重要です。

距骨下関節指標中間位評価についてはこちらをご参照ください↓


片脚立位で長時間バランスを取るためには距骨下関節は回内位が優位です。

しかし、距骨下関節回内位はバランスを取りやすい半面、ふらつきやすくなってしまいます。
Wind-upでは距骨下関節指標中間位(もしくは若干の回外位)になることが必要です。

足部からの崩れ方⬇️

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足部形態から考えるアライメント

距骨下関節回外位

距骨下関節回外は機能的脚位延長させます。

距骨下関節回外位になるということは、同側の骨盤が下制していることが予測できます。

『下制=短い』と考えます。

短いので左右のバランスを保とうとするため距骨下関節を回外させて少しでも伸ばそうとします。
ですから、立位投球側が下制位の場合の同側の距骨下関節は、指標中間位評価すると回外位になります。

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距骨下関節回内位

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野球現場起こる外傷対応について【トレーナーマニュアルvol.36】

C-I Baseballの増田稜輔です。
いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。
お陰様で2022年も多くの方にご購読頂いております。
今後も野球トレーナーにとって有益な情報を配信していきますので
よろしくお願い致します。

野球トレーナーとして野球現場で活動するには
トレーニング・コンディショニングや投球障害等の予防・治療ができればいい訳ではありません。
私のように理学療法士は普段、医療機関で勤務しているので
「外傷」に対しての経験が少ないと感じています。
しかし、試合や練習中に起こる「外傷」についても対応する場面があります。
そこで今回は今まで私が経験がした実際のケースをもとに
野球野球現場で起こる「外傷」について解説していきます。
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野球現場で起こる外傷について

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野球はラグビーやアメフトのように激しい衝突が少ないため
比較的「外傷」の発生頻度は低い印象があります。

・野球現場発生する外傷の種類
「外傷」の種類も擦過傷や打撲などがほとんどですが、
時には脳震盪や骨折、肩関節脱臼が発生することもあります。

上記のような外傷が発生したときに、トレーナーとして
対応し試合または練習が継続可能か、中止し医療機関の受診が必要かを判断しなくてはいけません。
そのため外傷への対応方法も少なからず知っておくことが
野球現場では求められます。

各外傷の対応について解説する前に、野球チームへ帯同する際に
やっておくべきことを紹介します。

野球チームトレーナーとしてチームに帯同する際にやっておくべきこと

①基本的な救命法を学んでおく

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万一に備えて、心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使用方法について講習を受けておく必要があります。
実際に野球試合中に、胸部にボールが当たる事故も発生しており
AEDの使用により命が助かったことも報告されています。
現場に関わる以上、遭遇する可能性がありますので、トレーナーとしては必須事項であると考えています。

特に理学療法士はこのような救命法を学ぶ機会が少ないと思うので
各自、受講しておきましょう。

基礎的な救命法については
日本赤十字社にて定期的に開催されており、1日で講習を受けることができますので野球チーム帯同前にチェックしてみてください。
詳細は下記にリンクを添付しております。

救急法|講習の種類|講習について|日本赤十字社www.jrc.or.jp

②近隣の医療機関を確認しておく

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帯同しているチームの近隣に緊急時に受診できる医療機関があるのかを確認しておきます。
現場で対応出来なような外傷が生じた際や医療機関の受診が必要になった際に
対応してくれる医療機関を事前に把握し連絡が取れる状態にしておくことで
スムーズな対応が出来ます。

主に下記の医療機関をリストアップしておくことが必須です。
・整形外科
・眼科
・口腔外科
・総合病院

医療機関へは、トレーナーや指導者から連絡し
怪我の概要や選手の個人情報を伝え、受診可能か問い合わせることが多いです。
また、保護者の方への連絡も忘れずに行うと良いでしょう。

救命法の習得や医療機関への対応は、全スポーツ現場に帯同するトレーナーとして最低限のスキルです。
トレーニングなどの知識だけでなく、このような命に関わることの重要性も理解しておきましょう。

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ここからは実際に経験した、外傷対応の一例をご紹介していきます。

外傷への対応方法

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ここからは実際に経験した、外傷対応の一例をご紹介していきます。
野球現場では。前述した通り接触が少ないスポーツのため
擦過傷、打撲、捻挫、肉離れなどが多いです。

捻挫と肉離れの対応については以前のマニュアルで紹介していますので
詳細についてはそちらをご参照ください。

概要のみご紹介します。

捻挫の対応

捻挫は多く発生する外傷のひとつです。
野球現場ではSALTAPSを基準に受傷がプレーが可能か判断します。
関節運動による痛みや筋の出力低下、荷重が困難な場合は
プレーの中止を判断します。
特に、初回捻挫は痛みが強く出ますので基本的に中止にします。

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固定方法
固定は主にテーピングで行うことが多いです。
捻挫後のテーピング固定では足関節背屈+内反制御の
テーピングが多く紹介させていますが、
前下脛腓靭帯損傷例では背屈位で疼痛が増強する場合もあります。
ストレステストの結果を考慮して、固定よりは良肢位に保つようにすることが重要です。

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詳細については、こちらのnoteをご参照下さい。

肉離れの対応

野球におけるハムストリングスの肉離れは様々な状況で生じます。
主には走塁中や守備の切り返し動作や一歩目の対応時に
受傷することが多いですが
投手の場合には投球中に受傷することもあります。

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肉離れ受傷後は、基本的にプレーの継続を中止し
処置を行うのが望ましいと考えます。
(SALTAPSの項目がクリア出来ないと継続負荷)
理由としては、
野球現場では、適切な損傷部位、損傷状況の判断が困難なこと
野球動作ではハムストリングスや腹斜筋の活動を抑制出来ないこと
パフォーマンスレベルが著しく低下すること
以上のような理由により、監督やコーチの報告し
プレー継続を中止します。

圧迫方法
肉離れの後は、損傷組織周囲の血腫が生じます。
また、筋の伸張短縮によって疼痛が増強するため
圧迫にて、血腫を最小限にし、筋の張力負荷を抑えることが
その後のリハビリテーションへ移行するためには重要です。
血腫が残存してしまうと筋の癒着による、制限が生じ
疼痛も長引きます。

詳細については、こちらのnoteをご参照下さい。

打撲の対応

野球現場でかなりの高確率で対応することになるのが
デッドボールや自打球、打球処理時に起こる打撲です。
特に重篤な外傷ではないですが、発生件数としては多く骨折を伴うケースもあります。

また、試合中に発生することが多いのでの、処置方法と試合に復帰出来るかの判断も求められます。

今回は実際に起きた自打球のケースをもとに解説します。

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受傷シーン:打席中に自打球にて受傷
受傷部位:右膝関節 パテラ下内側部
選手の状態:受傷後、立ち上がれない状態

トレーナーの動き
ベンチで受傷シーンを確認し
選手が立てなくなったの見て監督に確認後グラウンド内へむかいます。
グラウンド内で受傷部位を確認し状態を評価する。

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その場での処置はできないので
選手と話しながら、SALTAPSに従って状態を評価しました。
評価は上の図を参照してください。
骨折の可能性が低いこと、疼痛が徐々に減少し、動作可能だったこと
カウントが2ストラクであり、ツーアウトだったことも踏まえ
選手と監督と話し今回の場合はプレー可能と判断し続行させました。

打席終了後のイニングに処置を行うます。

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ランニング復帰のプログラムを考える【トレーナーマニュアルvol.35】

C-I Baseballの佐藤康です。
いつも記事をお読みいただき、ありがとうございます。
2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

C-I Baseballの現場向けnote記事では、野球現場で求められるトレーニングメニューの方法や負荷設定の概論を主に配信してきました。

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2年目後半となる1月からは、ケーススタディとして、実際オーダーされた要望からどのように考えて取り組んでいるのかについて、お伝えしていきたいと思います。

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野球現場では、投球障害や下肢障害に対するケガの対応・リハビリを対象にすることが多くあります。投球障害であれば、スローイングプログラムに則り進めていくかと思います。

下肢障害の復帰も同様に行うことが求められますが、復帰した後に障害を繰り返すことも少なくありません。そのため、今回は下肢障害の対応としてもっとも多いランニング復帰をテーマにまとめていきます。

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全体練習に参加してもいいですか?

野球現場でケガをした選手が
復帰する際によく対応する場面です。

臨床場面でも判断を求められることがありますが、どのような状態であれば復帰と判断するのか、スポーツ障害に対応することに悩むことも多いのではないでしょうか?

全体練習に参加するためには、
・練習メニューを行えるだけの動きが現在できているのか?
・練習に参加することでのケガのリスク・症状の増悪はないか?

を把握し確認しなければなりません。

そのため、病態と動作の獲得を並行して評価する必要があります。
詳細については後述していきます。

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ランニングに復帰するタイミングとは

先述しましたが、全体練習に参加するためには、まず全力疾走ができていなければ十分な参加ができません。

ざっくりした言い方になりますが、
100%に近い力で走れるかが大事なところです。

ケガ前の短距離スプリントのタイム・中長距離走での異常の有無などはパフォーマンスの部分でチェックしておきたいところです。加えて、ターンなどを含めた切り返し走(アジリティドリル)なども併せてみておきたいところです。

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実際に、そこまで走れているのであれば、全体練習に参加することができるかもしれません。ランニングの負荷量のアップの前である、ジョギングの開始などである、ランニングを始めるタイミング・目安について今回はまとめていきます。

動作から考える

ランニング動作では、歩行と異なり、跳躍と着地を高速で繰り返す動きになります。すなわち、片脚で跳躍できること・片脚で安定して着地できることが必要であることがわかります。

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とりあえず走ってみて!と基準がない中で、感覚的に選手に伝えるのはリスクが高く、熟練した視点や経験がないと厳しいです。

そのため、私は上図のように、まずランニング動作を細分化した基本動作を確認し、その時点でできていなかったり、痛みを伴うようであれば、ランニングも厳しいと判断します。反対にクリアできていれば、ランニングを試してみてもよいのではないかと考えます。

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スプリントトレーニング・その①【トレーナーマニュアルvol.34】

新年明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

C-I Baseballスタッフの高橋塁です。

今回から、私の記事は3回に分けて『走力アップ』のためのスプリントトレーニングの方法について紹介していきたいと思います。

まずは、私の自己紹介を簡単に。

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私自身は香川オリーブガイナーズ(独立リーグ)、横浜DeNAベイスターズ(NPB)の専属トレーナーを経験後、現在は、学童野球にはじまり、中学硬式、高校野球、大学野球の各カテゴリーで、チームトレーナーを務めています。

野球において正しい投げ方や打ち方の習得も重要ですが、まずは、正しい走り方の獲得をすることが先決で、野球だけでなく、どのスポーツ、しいては、一般の方々にもご興味があることがだと思います。

また、私自身も和田賢一氏が代表を務める『走りの学校』の公認インストラクターを務めています。

『走りの学校』のYouTubeはこちらから ↓ ↓ ↓

ここでは、『走りの学校』の考えを基本に、誰でも理解できように簡易的に説明して参ります。

詳細を知りたい方は、ぜひ、『走りの学校』の体験会や普及員講習に参加してみてください。

【走り革命理論】足の速さは才能じゃない〜走りの学校official走りの学校でスプリントを学ぶ「走り革命理論」は、今まで誰も教えてくれなかった、絶対に足が速くなるテクニックを最初の一歩からwww.hashiri.school

足の速さは、センスだとか才能だとかと決めつけていませんか?

また、スポーツの指導者の方々も、走力アップのために闇雲に走る量を増やしていませんか?

実際は、正しい事をやれば、誰でもが走り方が改善し、タイムの改善、走ることが楽しくなります。

まずは、正しい走り方を習得する前に、『ランニング』と『スプリント』の違いを理解する必要があります。

『ランニング』と『スプリント』の違い

『走りの動作』には2種類あることを理解してください。

・『スプリント』・・・短い距離を瞬発的に走り、最高速度に達する

・『ランニング』・・・長い距離をエネルギーを貯めながら走り、最高速度には達しない

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このように『ランニング』と『スプリント』の違いを理解した上で『スプリントトレーニング』をまず、習得していきます。

多くの方々は現在まで『正しい走り方』の習得を聞いたことなく、かつ実践までに至っていないのが現状ではないでしょうか。

そこで、段階的に『スプリント』のテクニックを習得していきましょう!

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投球障害肩の治療-運動療法編-【トレーナーマニュアルvol.33】

C-I Baseballの小林弘幸です。

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元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害肩の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。

しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期で小林が担当する、臨床編の記事(予定)です↓↓↓

①投球障害肩の問診と動作観察
②投球障害肩の評価 -肩甲胸郭関節-
③投球障害肩の評価 -肩甲上腕関節-
④投球障害肩の評価 -その他の部位-
⑤投球障害肩の治療 -徒手療法-
⑥投球障害肩の治療 -運動療法-(今回)


これらの記事を通じて、
私の臨床での考え方、思考過程を共有させていただき、
様々なご意見をいただけたらと思います!

投球障害肩の治療 -運動療法-

はじめに

投球という動作は、下肢からのエネルギーが
体幹、上肢へとつながり波及していく運動です。

運動療法を行う上で、
問題となる動作に対して、運動療法を施さなければなりません。

実際の評価方法等は前述しているnoteを参考にしてくださればと思います。

ここでは、実際の ”治療場面” に着目して
運動療法を考えていきます。

考える上で重要なのは、
いかに必要な筋肉・機能を”使える状態”にするかを重要視しています。

もしかしたら、
現場レベルで求められることは、パワーアップが多いかもしれません。

しかし、
怪我の予防や、ケガからの復帰で必要なのはその前段階で、
しっかりとその筋や機能が使える状態にしておくことが重要です。

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しっかりとした
・単関節運動
・強度を上げた共同運動
・速度を上げた運動
と工夫して行っていくことが重要です。

肩関節(肩甲上腕関節)周囲に対する運動療法

腱板筋に対してのエクササイズは、
GHのみに強調して行うか、肩甲骨固定下で行うかで
結果が全く異なることがあります。

しっかりと評価をして、
治療介入するべきだと考えています。

※肩甲骨固定下で出力向上や、疼痛軽減が見られたら、肩甲骨の治療(体幹下肢含む土台)をし、
変化なければ腱板トレーニングをしていく。

側臥位での腱板(棘下筋)Ex

側臥位の自重で腱板Ex。

自重でも、最終域まで収縮させることで、効果が得られます。

棘下筋の深層には、
肩甲上神経や脂肪体が存在します。

その部位は最終域の外旋で良く働きます。

しっかりと最終域までの外旋を意識します。

側臥位、肩甲骨固定下での腱板(棘下筋)Ex

肩甲骨固定下では、今回は僧帽筋上部線維の収縮と棘下筋のExを行っています。

僧帽筋上部は、肩甲骨上方回旋で行います。

肩甲挙筋の挙上・下方回旋で生じないように、肩峰を耳の穴へ入れていくようなイメージで固定させてください。

挙上位での腱板(棘下筋下部+小円筋)Ex

上肢挙上位での腱板Exです。

野球選手では、上肢挙上することで極端に筋出力が低下する選手が見受けられます。

肩関節のタイトネス(肩甲上腕・肩甲胸郭どちらも)が原因で出力低下が生じてしまうこともたくさんあります。

そのあたりは、ROM制限が原因なのか、筋力低下が原因なのかをはっきりと判断していく必要があると思います。

挙上位での腱板(棘下筋下部+小円筋)Ex + 肩甲骨固定

同じく上肢挙上位でのExですが、今度は肩甲骨固定した状態でのExです。

難易度としては、格段にあがりますので、しっかりと代償運動が入らないようにモニタリングする必要があります。

動画では、
ボールを左右に挟んで行っています。

片側のみの固定だと、
頸部の代償が入りやすいので、
両側の固定して腱板のExを行います。

側臥位での腱板(小円筋)Ex

まずは自重で行います。

しっかりと床と平行に前腕を保ち、上肢を動かしていきます。
平行が保てないと三角筋後部に収縮が入ってしまいます。

収縮が入っている位置の違いを、
実際に選手に感じてもらうことも大切です。

側臥位での腱板(小円筋)遠心性Ex

投球動作における肩甲上腕関節後方筋群は、
遠心性収縮で働くことが重要です。

ですので、Ex自体も遠心性収縮を入れていく必要があります。

まずは求心性収縮をしっかりと行った後、遠心性収縮のトレーニングをしていくのが良いと思います。

肩甲骨固定下での腱板(肩甲下筋)Ex

野球選手にとっての肩甲下筋は非常に重要です。

痛みのない選手では、基本的に投球側の肩甲下筋の出力の方が高いので、
投球側の肩甲下筋が使えていない状態になると痛みの誘発や、パフォーマンス低下が考えられます。

しっかりとExしていくことが重要です。

そして、肩関節内旋Exは、大胸筋や小胸筋の大きな筋肉が代償してしまいやすいので、
肩甲下筋単独で動くような工夫が必要です。

肩甲骨固定下での腱板(肩甲下筋下部)Ex

上肢の挙上角度を変えての肩甲下筋Exを行います。

色々な角度でトレーニングをして、
筋線維の色々な方向に刺激を入れていくことが非常に重要だと考えています。

肩甲骨固定下での早い腱板(肩甲下筋下部)Ex

同じ位置でのトレーニングですが、
トレーニング速度を変えていくことも重要です。

実際の投球スピードはこの速さの比ではありませんが、
現場レベルに近づくにつれて、早さも上げていく必要があります。

肩甲骨周囲の運動療法

肩甲骨周囲筋は投球動作の前半から中盤相で受動的に使うことはほとんどありません。

主にリリース以降の減速期で作用することが多いです。

つまり、
肩甲骨周囲筋のトレーニングは、求心性のトレーニングをするのではなく、遠心性のトレーニングをすることが重要で、
前半~中盤相では、肩甲骨が自由に動ける状態を作っておくことが重要なのではないかと考えています。

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C-I BaseBall特別セミナー「オフシーズンのトレーニングプログラム構成について‐投手・野手編‐」【トレーナーマニュアルvol.32】

今回のテーマ

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チームからの依頼

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投手のトレーニングプログラム

投手班は佐藤が担当いたします。
チームからの依頼をもとに、オフシーズンにおける目標として、選手個々でセルフコンディショニングが実践できることを挙げました。

シーズン中における障害予防やパフォーマンスに向けたコンディショニングはチームトレーナーがいないとできない・・・ではなく、ある程度は自らが管理することができることを目指しています。

メニューによってウォームアップなどにも活用できたらよいかと考えています。

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トレーニングメニューの詳細を決める前にまず、そのプランを考えていきます。プランとしては、選手間でできるセルフチェックをし、固定性・可動性強化→回旋運動を伴う姿勢制御へとつなげていくことを挙げました。

回旋運動(水平面)をつくる上で、必要な縦方向(矢状面)+横方向(前額面)の動きを強化していきます。
※詳細は動画にて解説していますので、ぜひご覧ください!

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今回帯同したトレーニング指導では、縦の動き・横の動きをそれぞれ2回に分けて、各1時間、選手に指導してきました。以下はその一例になります。

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野手のトレーニングプログラム

投手班は増田が担当いたします。
オフシーズン中のトレーニングのゴールは
「身体の基本動作の獲得」としました。

競技特異的なトレーニングを中心に行なうのではなく
競技特性を理解し、パフォーマンスに必要な各関節の機能
連動性、筋機能などを1から構築していくことを行います。

また、オフシーズンは急なトレーニング強度の上昇により
障害が発生するリスクがあるため
各要素を段階的、計画的にプログラム設定していきます。

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今回のトレーニングプログラムの作成では
事前にフィジカルテスト等を行っていないため、選手の身体的状況がわからないまま作成する必要がありました。
なので今回は、選手の身体状況を確認しながらボトムアップ形式でトレーニングプログラムを作成し実施することにしました。

下記の図に示しているように、パフォーマンスピラミッドを使い
土台となる、ポジションやムーブメントの部分を中心に行い
段階的にパワーやスキルに繋げていきます。

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トレーニングメニューは、
縦方向・横方向・回旋の3平面の動きに分類し
各要素に必要な上肢ー体幹ー下肢を連動させていくようなメニューを作成しました。
特に重視した点は、1つの関節や筋に特化してトレーニングするのではなく
多くの関節や筋を活動させ動きを作ることを意識しました。

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トレーニングメニュー例

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解説動画

解説動画は有料部分よりご視聴いただけます。

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投球障害を足部から改善するための 距骨下関節〜足趾インソールパッド編【トレーナーマニュアルvol.31】

インソールは、疼痛軽減、消失、バランス能力向上、投球フォーム改善、動作改善など選手や患者さんが意識しないで変化させる事が可能なアプローチです。
距骨下関節インソールのみなら現場でも臨床でも短時間で行う事が可能です。

インソールから想像することは、『足部評価が難しい』『ハードルが高い』『歩行評価が自信がない』そんな声をよく聞きます。
しかし、インソールのパッドを使用することはそんなに難しくはありません。インソールnoteを参考にパッドを使用してみてください。その際に必要なのは、評価確認(再評価)です。

今回は距骨下関節〜足趾の評価とパッド方法についてご紹介致します。

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距骨下関節・横足根関節は前回までのblogをご参照ください。

CIBインソールセミナーの動画もありますのでそちらもご参照ください。

距骨下関節評価

横足根関節


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C-I Baseballの須藤慶士です。
足部を担当しております。

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今回の足部編で『現場で使える投球障害を足部から改善する』シリーズは完結です。

過去の記事もぜひご参照ください。

「トレーナーマニュアル」では、野球のケガに関わる専門家向けの臨床編と選手のパフォーマンスに関わる現場編について配信していきます。

はじめに

投球や打撃を行う際に、『蹴り出し』『踏ん張り』が必要です。それらの動きを行うのが『足部』です。

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cocking〜accelerationで軸足の構造破綻が起こると下腿内旋し、骨盤の早期回旋が早まってしまいます。さらには、体幹の投球側へ側屈し、肘下がりを起こしてしまいます。

ですから、足部を理解することが重要なのです。

その足部でも重要なのが『距骨下関節』です。

選手の距骨下関節の構造は左右異なります。その異なった距骨下関節を評価し、足に適した状態に誘導することができると、選手のパフォーマンスは向上します。
距骨下関節だけでなく、横足根関節や足趾が機能する事で投球動作や打撃動作で安定し、パワーを発揮しやすい状態を足部から作り出す事ができます。

足趾は姿勢制御や、蹴り出し・踏ん張りなどの役割があります。

歩行やランニング・ダッシュでは蹴り出し時、足趾が使えないと同側の下肢を前に出しにくくなります。

つまづきやすい方は足趾が使えていない事が考えられます。

足趾が使えないと腰痛になりやすいと言われています。

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テレビでは『浮きゆび』といわれてピックアップされています。

足趾と腰痛の関係性は論文・研究で多く見られます。

内在筋である短母指屈筋,短指屈筋は,歩行周期の40~60%,つ まり立脚終期中盤から前遊脚期に活動することが示されている。これらのことから足指把持力に 関与する筋群は,姿勢制御の役割を果たしていること が伺える。

相馬 正之:歩行時の Toe clearance と足趾把持力について ―転倒予防の観点から―
Toe clearance and toe gripping strength in walking ― a study for fall prevention ―Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol.6. 2016;No.1: 1-7

趾を使うということは日常生活でもプレーをする上でもとても大事なことです。

足趾の屈筋群である長母趾屈筋、長趾屈筋、短母指屈筋,短指屈筋はMSt以降に筋活動が見られます。MSt以降足趾が働かないと支持脚の不安定性や、蹴り出しが低下し、動く・止まる・切り返しなどプレーに影響が出る事が考えられます。パフォーマンス低下やシンスプリントなどの障害にもつながります。

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1列・5列評価

1列評価

歩行時、足趾はMStから機能してきます。

列の評価は挙上・下制の動きから判断します。

正常な1列は挙上・下制の可動域は、同じ量動きます。

評価はどちらが動きやすいのか(動きすぎるのか)を見ていきます。

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同じ量動く事で母趾が接地から蹴り出しまで機能します。

挙上・下制のどちらかの可動域が大きくなると母趾の屈曲が機能しなくなり屈筋の出力・固定性が低下し、蹴り出しができません。

|方法
①距骨下関節指標中間位を評価
②前足部の肢位を確認
③2•3•4趾MP関節をセラピストが指で挟み固定する
④母趾MP関節を挙上・下制し評価

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|判定基準
大きく動くのはどちらなのか?(挙上or下制)
動いた方向を記載しておく
例)評価:挙上>下制 ⇨ 1列挙上位

|注意点
距骨下関節回内位(距骨下関節指標中間位回外評価の場合)で行うと1列は可動域が増大し正確な評価ができなくなるので、距骨下関節指標中間位で列評価をしましょう。

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5列評価


歩行時MSt後半から足圧中心が外側に向かう際に、4・5趾(小趾)が使えることが重要です。扁平足や・変形性膝関節症の歩行では足圧中心が内側に移動する傾向があります。4・5趾が働かないと骨盤のスウェーや膝のスラストにつながり疼痛を引き起こします。さらに体幹も動揺し不安定になります。

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|方法
①距骨下関節指標中間位を評価
②前足部の肢位を確認
③2•3•4趾MP関節をセラピストが指で挟み固定する
④5趾MP関節を挙上・下制し評価

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|判定基準
大きく動くのはどちらなのか?(挙上or下制)
動いた方向を記載しておく
例)評価:挙上>下制 ⇨ 1列挙上位

足の状態

足底や足趾を見ると皮膚が硬くなっていることや、赤みを帯びている場合があります。

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足趾機能低下
足部構造の破綻
靴があっていない

以上のような事が考えられます。足底からも情報を得る事ができるので、注意して評価しましょう。

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体幹回旋と足趾機能と歩行


体幹回旋時は左右の足趾が機能することで安定し良好な運動連鎖を遂行する事ができます。

どのように機能するか?

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