パフォーマンスを上げるためのHip hinge Training−理論編−【トレーナーマニュアルvol.55】

C-I Baseball の増田稜輔です!
2022年6月よりC-I Baseball【トレーナーマニュアル】は
3シーズン目に突入します!
今日までたくさんの方にご購読頂きスタッフ一同感謝しております。
今後のよろしくお願い致します。

3シーズン目は「実践力」をテーマに記事を配信していきます!

C-I Baseballでは
「野球トレーナーの輪」を広げるために「仲間」を募集しております!
・野球にトレーナーになりたい
・トレーナー活動しているけど自信がない
・トレーニングについて勉強したい
・野球選手の怪我を治したい
など、野球選手に関わりたい方はこちらをご覧ください!!

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今回担当する内容では「パフォーマンスアップトレーニング」として
選手個人の能力を引き出す・構築するトレーニング内容を配信します。

▶野球動作に必要となる関節機能
▶動作に獲得するための運動機能の構築
▶瞬発的なトレーニング

などを中心に配信していきます。

今回のテーマは「Hip hinge Training」について解説していきます。

近年、野球パフォーマンスや障害予防には「Hip hinge」が重要と言われています。
SNSやYouTubeを開けば「Hip hinge」に対するトレーニングも多く紹介されており、トレーニングメニューに取り入れているトレーナーの方も多いと思います。
情報が多く出回っており、「HIp hinge」に対する【方法論】を知っているけど、【なぜ重要なのか?】を考えていないケースを見受けられます。

皆さんは「HIp hinge」についてどのように考えますか?
・股関節のタメを作るため?
・股関節を上手く使う?
・下肢後面筋が伸張しSSCを利用出来る?

様々な意見があると思いますが
今回は「HIp hinge」が一体なんなのか?
野球にどのように関係するのか?どんな機能が必要なのか?を
考えていければ思います。

HIp hingeとは

皆さんもよくご存知だと思いますが「Hip hinge」の基本について考えていきましょう。

HIp hingeとは
Hip→股関節 hinge→蝶番
言葉の意味から考えると「股関節が蝶番に動く」という意味になります。
もう少し深く考えると
股関節→骨盤と大腿骨なので
大腿骨上を骨盤が蝶番に動くことを示します。

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では、なぜこの大腿骨上を骨盤が前傾する動きが
「野球のパフォーマンス」に重要になるのでしょうか?

結論
「各動作でHiphinge(股関節を屈曲する)必要があるから」です。
しかし、これだけの説明では不十分な感じがしますよね・・・
トレーナーとして選手に指導するには
「野球では股関節を曲げることが多いから曲げるトレーニングをしよう」
ではなく
「Hip hinge 」を獲得するメリットや効果を示す必要があります。

なので、なぜ重要なのかを説明出来るようにしていきましょう。
・構造的観点
・力学的観点
・野球パフォーマンスとの関係性

なぜHip hinge が重要なのか?

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構造的観点

まずは関節の構造的観点から考えていきたいと思います。
Hip hinge の主役となる「股関節」は球関節であり3軸性の動きをする関節です。

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人体の関節の中では最も可動性の大きい関節のひとつであります。
その可動性は関節が安定している条件下で十分は機能を果たします。
一方で関節が安定していない条件下では、股関節の可動性は低下します。

股関節の安定性を生み出すには「被覆率」が関係してきます。

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寛骨臼の構造は前方が浅く、後方部が深い構造になっています。
骨盤前傾することにより、寛骨臼の後方と大腿骨頭の被覆率が高まり関節が安定します。
つまり、Hip hinge を獲得すると股関節の安定性の向上につながるということです。

構造的観点にはもう一つ重要な要素があります。
それは股関節の「靭帯」による影響です。

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股関節周囲の靭帯は股関節伸展方向で緊張する特性を有しています。
つまり、股関節伸展位では各靭帯の張力が高まり骨頭の動きが制限されます。
この状態では野球動作に必要な「股関節回旋」が制限されます。
一方で股関節屈曲位では、靭帯の緩む肢位になります。股関節の可動性が高い状態になります。
このことから考えるとHip hinge を獲得することで股関節は
・安定性が高まる
・靭帯性の制限が少なくなる
この2つの要素を獲得することができ、効率よく関節運動を行えるようになります。

力学的観点

2つ目に股関節の力学的観点からHip hinge について考えていきます。

LoadingとUnloading

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LoadingとUnloadingとは
Loading→力の吸収 Unloading→力の発揮
人は力を発揮する前に力の吸収が起こります。

Hip hinge はLoadingに部分になります。
大きな力を発揮する前の力の吸収に関与します。
Hip hinge が行えないまたは不十分であると
このLoadingが機能せずに力発揮が弱くなってしまいます。

伸張反射

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Hip hingeをすると股関節が屈曲することで
大殿筋・ハムストリングスに伸張性の負荷が加わります。
野球パフォーマンスのように、瞬間的に爆発的な力の発揮には、
筋肉が伸張位から短縮位になる伸張反射を利用することが必要になります。

以上のように、Hip hinge を獲得することが重要であると考えています。
・股関節が安定する
・関節の可動性の効率性が上がる
・力を吸収し発揮できる
・伸張反射を利用し瞬間的な力発揮が出来るようになる

Hip hinge と野球パフォーマンス

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ここからはHip hingeと野球のパフォーマンスについて解説していきます。
Hip hinge 
・股関節を屈曲する
・膝関節は10〜20°屈曲位
・腰椎は伸展位で固定する
基本となるHip hingeは上記のようなものになります。

デッドリフトのようなウエイトトレーニング中には基本的なHip hingeが必要となりますが、野球動作中には基本的なHip hinge動作を行う場面は少ないと考えています。
では、なぜHip hingeが野球パフォーマンスに重要と言われているのか?

トリプルフレクション

トリプルフレクションとは下肢の3関節を協調させて屈曲運動を行うことです。このトリプルフレクションを構成する一つの要素がHip hingeです。

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野球選手に関わる上で必要な “肩関節エコー”【トレーナーマニュアルvol.54】

C-I Baseballの小林弘幸です。

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元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。
しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期後半では、
【野球選手に関わる上で必要なエコー】
ということで記事を書かせていただきます。

というのも、
私が運動器エコーと出会って一番良かったなと思うところは、
【筋骨格の断面解剖】と【神経の走行】の理解がしやすいと思ったからです。

ということで、小林が担当する、
野球選手に関わる上で必要なエコー編の記事(予定)です↓↓↓

①野球選手に関わる上で必要な “股関節エコー” (2月7日)
②野球選手に関わる上で必要な “頚部エコー” (3月14日)
③野球選手に関わる上で必要な “肘関節エコー” (4月18日)
④野球選手に関わる上で必要な “肩関節エコー” (5月23日)←今回

これらの記事を通じて、
臨床の基礎になっていただけたらと思っております。
そして、
様々なご意見をいただけたらと思います!

野球選手に関わる上で必要な “肩関節エコー”

はじめに

肩関節は、大きな自由度を持ち解剖学的に非常に複雑な構造をしています。

さらに、投球障害肩ではいわゆる『レントゲン』で撮影しても
診断に役立つ情報が得られることが少ないです。

そのため、
軟部組織の影響が大きく関与すると考えられます。

そこで、【運動器エコー】が必要になってくると考えています。

いわゆる、
軟部組織に対するアプローチでは、運動器エコーを用いて、
実際に自分が触っている筋・神経をしっかりと確認する必要があります。

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ただ、アプローチするにあたり、
なぜ、その筋の動きが悪くなっているのか、
それを考察してからアプローチしなければなりません。

運動器エコーでは、
プローブで当てている部分しか観察できません。

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それ以外の部分は、評価治療の対象にならないので、
十分に考察し、
その上で、
軟部組織に対してアプローチしていきます。

肩甲上腕関節の筋

肩甲上腕関節の評価と
タイトネスの関係を以下に示します。

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各肢位で関節可動域をチェックしてから
エコーでの軟部組織チェックを行います。

また、
関節包の支配神経も覚えておくと、治療の解釈に役立つと思います。

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なぜ、肩の前方が痛いのか?

その場合は、
外側胸筋神経もしくは、肩甲下神経領域に他の症状がないのか?

そのような思考過程で
解釈へと結び付けられると良いかと思います。

棘上筋

①支配神経:肩甲上神経

支配神経はC5~6になります。

上神経幹へ入り込んだ神経は、
その後すぐ分岐します。

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分岐した後、
前鋸筋と僧帽筋の間を通って、棘上筋の前方から
棘上筋の深層へ入り込み、
棘下切痕から棘下筋深層へ走行します。

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②エコー画像

棘上筋表層に長軸でプローブを当てて、
肩甲切痕に肩甲上神経を描出します。

その後、棘上筋短軸にしてそのまま中枢へプローブを走査します。

そうすると、
棘上筋の前方へ肩甲上神経が走行するのが観察できます。

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徒手療法を行うとしたら、
棘上筋・僧帽筋・前鋸筋 間にある肩甲上神経を
アプローチします。

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神経周囲は疎性結合組織が多く存在するため、
その部位に対して徒手療法を施していきます。

③エコー動画

棘下筋

①支配神経:肩甲上神経

支配神経はC5~6になります。

上神経幹へ入り込んだ神経は、
その後すぐ分岐します。

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分岐した後、
前鋸筋と僧帽筋の間を通って、棘上筋の前方から
棘上筋の深層へ入り込み、
棘下切痕から棘下筋深層へ走行します。

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②エコー動画

肩甲切痕部に肩甲上神経が存在するのがわかります。

棘下筋の深層にある肩甲上神経は、
棘下筋下脂肪体に包まれています。

最終域まで外旋していくと、
脂肪体が動いて、肩甲上神経周囲の動きも改善します。

肩甲下筋

①支配神経:(上)肩甲下神経

支配神経はC5~6になります。

後神経束から肩甲下神経は肩甲下筋表層で3本分岐します。
そのうち、上肩甲下神経は肩甲下筋へと分岐します。

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分岐した後、
上肩甲下神経は肩甲下筋上で収束します。

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肩甲骨内側に肩甲下神経は存在するので、
エコーでは非常に観察しにくいです。

位置関係を理解しつつ、
プローブ走査をすることが大切です。

エコー画像

腋窩から、骨頭と肩甲下窩が同時に観察できる位置で
肩甲下筋表層に肩甲下神経が走行する層が観察できます。

上・中・下の肩甲下神経を分別するには、
後神経束から分岐する部分を3本の神経を観察するか
中・下の肩甲下神経を尾側まで観察していくかの
どちらかで判別すると良いかと思います。

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トレーナーマニュアル2022

いつもC-I Baseballの記事をご覧いただき、ありがとうございます! 2020年6月から配信してきました「トレーナーマニュアル」も来月で3年目を迎えます。ここまで継続して配信をできたのもいつもお読みいただいている皆 … 続きを読む

野球金具スパイクのインソールのポイント【トレーナーマニュアルvol.52】

いつもC-I Baseballをご覧いただきありがとうございます。足部担当の須藤慶士です。今回は金具スパイクのインソールパッドの貼り方のポイントをお話し致します。

今回のラインナップはこちら↓↓↓

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はじめに

担当している野球選手に『スパイクを履くと足が痛くなる』と話された、もしくは自分がそうだったなどという経験はありませんか?

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スパイクを履くと痛くなる…なぜだと思いますか?

その理由は、ランニングシューズと異なり金具が付くことで履き心地はかなり変わります。金具の位置により突き上げ感や、ミッドソールの形状がメーカーにより異なるために足に合わないということが考えられるためです。

スパイクは金具の本数・位置はメーカーにより形状が様々です。(同じメーカーでも異なるものもあります)


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野球のスパイクにインソールを作製した経験はありますか?ない方は是非、インソールを外してスパイクを触ってみて下さい。

今回は金具スパイクのチェック項目やインソール 作製のポイントをご紹介致します。

インソールの合わせ方

インソールとは中敷のことですが、スポーツ用品店で見かけるものは、アーチ保持型や、衝撃吸収型、足型をスキャンして作製するインソールなど様々です。

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足型をスキャンしたインソールはフィット感が良いので良いものだと感じると思います。

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しかし、注意しなければならないのはそういったインソールは平らな地面にインソールを置きその上に立ってチェックしているということです。

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インソールは靴に入れるものです。
シューズのミッドソールやアウトソールの形状を考慮しなければ効果は発揮されません。
地面に置いたインソールとシューズに入れたインソールは履き心地は違うし、足の機能が異なるということを知っておかなければいけません。

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インソール作製の理想は、『シューズ』『インソール』『足部』を合わせることです。

野坂さんnote( C-I Baseball メンバー)

https://note.com/embed/notes/n42ac7216e172

インソール作製のチェックポイント


我々C-I Baseballは野球に特化しておりますので、今回のインソールは金具スパイクのインソール作製についてお話しさせていただきます。

野球スパイクは中学生以上だと靴底に金具の物を使用します。(スタッドも可)
金具の種類はメーカーにより異なりますが、同じメーカーでも種類は様々です。


金具スパイクのインソールを作製するためにチェックすること

●ミッドソールの形状
●アウトソールの形状(前後の高低差)
●金具の位置

まずは上記の3つをチェックしてみましょう。

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ミッドソール

ミッドソールは靴の内底です。
インソールを外して触ってみるとフラットではないことが確認できます。

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真ん中の部分が凹んでいるものが比較的多く感じられます。
他には内側アーチ部分が盛り上がっているものもあります。

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*注意点
インソール自体、内側アーチが高くなっているものに対してミッドソールの内側部分が盛り上がっていると、履いたときに内側アーチはさらに高くなる。

アウトソール

横からチェックすると踵部分とつま先部分の傾斜を確認することができます。
金具の高さや、アウトソールの形状によりそれぞれ傾斜が異なる。

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*注意点
踵が高くなると足趾への荷重が増加するので前後バランスは変化する。

金具位置

金具本数が同じでも位置が異なることを確認しましょう。
下の二枚のスライドに写っている金具スパイクの本数はどれも『8本』です。

①②MIZUNO
③asics
④⑤ZETT
⑥SSK
⑦DESCENTE
⑧underarmour
⑨⑩New Balance

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同じメーカーでも金具の位置は異なります。

ですから、同じインソールを使い回す条件は

●同じメーカー
●同じ金具位置

この2つに注意してください。

インソール作製

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新入生のトレーニングプログラム【トレーナーマニュアルvol.51】

C-IBaseballの増田稜輔です。
いつもC-IBaseballの「トレーナーマニュアル」を購読頂きありがとうございます。


今回のテーマは「新入生トレーニングプログラム」
4月から新たに野球部入部した選手へのトレーニングを考えています。

なぜ今回「新入生トレーニングプログラム」をテーマにしたかと言うと
・近年入部してくる選手の運動レベルが低下していること
・コロナ禍の影響により基礎体力が低下してること
・障害リスクが高い選手が多いこと
以上のような理由により、チームで取り組んでいるメニューに参加させるのは時期的に早いなと感じており、1年生のみで取り組むメニューの構築が必要と思ったからです。

新入生の身体状態


皆さんは、小中学生を対象に実施されている体力テストの結果をご存知でしょうか?
ご存知ない方はこちらの記事をご参照ください。

小中生の体力さらに低下 運動時間減、コロナで拍車―スポーツ庁:時事ドットコムスポーツ庁は24日、小学5年と中学2年を対象とした2021年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)の結www.jiji.com

2021年度の実施された体力テストでは過去最低を記録しています。

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体力テストで測定している項目は全部で8種目です。
今回のデータで示されているのは、8種目の中でもシャトルランや持久走など長時間運動する種目での数値の低下が著しいとされています。

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今回の結果から考えると、2020年から発生したコロナウイルスの影響により
運動制限や活動制限を強いられたためこのような結果になっていると考えられます。
特に長時間運動する機会が減少し、筋持久力や心肺機能の低下が他の種目と比較し著しく低下していると予測します。

このような状態は、4月から高校野球に入部してきた選手にも同じことが言えます。
特に今年入学した選手の状態を確認した際には、今年は今まで以上に
身体状態が低下しているなと私は感じました。
今年度入部した選手の大きな特徴としては、筋持久力や心肺機能の低下に加え、姿勢不良を呈している選手が多く入部してきた印象です。

本年度入学してきた選手の特徴

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脱臼肩に対する復帰プログラム‐アスリハを考える‐【トレーナーマニュアルvol.50】

C-I Baseballの現場編記事を担当する佐藤康です。

学生野球が試合期に入り、投球障害だけでなく、捻挫や打撲・骨折などの競技中の外傷により受診する選手をみることが多くなっています。その中で、肩関節の脱臼したケースの競技復帰に向けた基準・判断は対応に悩むことも多く感じています。

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https://twitter.com/C_IBaseball2020/status/1516616682168455172?t=i-eM6rNI09BIT1p3D6SnGA&s=19

日常生活レベルの動作の獲得まではクリアできても、グラウンドレベルでの実践の動きの獲得に向けたゴールの設定については、試行錯誤の連続です。

そこで今回は脱臼肩をテーマに病態を整理したうえで、競技復帰プログラムやその条件について、アスリハを中心に考えていきたいと思います。

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野球の場面で起こる脱臼

脱臼とは

まずはじめに、
肩関節の脱臼について整理していきます。

肩関節脱臼の発症は
接触や転倒などによる外傷性
オーバーヘッドスポーツなどの反復動作による非外傷性
に大きく分けられ、発生頻度は外傷性によるものが多くみられます。

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また、外傷性肩関節脱臼の
90%以上は前方への脱臼です。

前方脱臼は肩甲上腕関節において、
上腕骨が上腕遠位後方へ引かれる(外転外旋位での水平伸展強制や過屈曲する)ことによって、骨頭が前方へ移動しようとする力が加わります。

その結果、関節包、関節唇 (Bankart損傷) が損傷し, 同時に関節窩の骨折や上腕骨後外側の骨欠損 (Hill-Sachs 病変) が起こります。

若年層では高い確率で脱臼を繰り返してしまう反復性脱臼に移行するケースが多く、スポーツを継続する場合、Opeが必要となってきます。

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<Opeの必要性と保存療法の判断とは>
Opeが必要か否か、医師の判断により、さまざまな報告がありますが、初回脱臼例では、まず保存療法を行い、再脱臼・再亜脱臼例にはBankart修復術等により対応されます。

一般的には以下のような対応が多いのではと思います。

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※参考文献6

脱臼の誘因動作

野球選手の外傷性脱臼は
どのような場面で発症することが多いのでしょうか。

画像でも前述しているため、
既にイメージできる方もいるかもしれませんが、
走塁時のヘッドスライディング 
▶守備でのダイビングキャッチ
が主な受傷機転となり、最も肩関節脱臼のリスクが高いといえます。

▶走塁時の受傷
下図を参照にしていきます。
ランナーの帰塁動作時では、左に反転し、右手を伸ばしてベースの角に触れるようにスライディングをしていきます。

そこに守備側のタッチや相手の体が乗りかかってしまうことで、肩後方から前方への強い外力により、右肩の脱臼の危険性が高くなります。

つまり、右投げの選手の場合、
投球側の受傷
をきたしてしまいます。

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▶守備時の受傷
ダイビングキャッチによる捕球時は、右投げの場合はグラブ側の左腕を伸ばして捕球をします。

着地時に過度な水平伸展や外転/外旋位・過屈曲位が強いられることで受傷します。
そのため、非利き手側の受傷頻度が高くなります。

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これらの動作は、飛び込んだ際に、受け身が取れず手だけで支えようとすると脱臼につながりやすいといえます。後述しておりますが、復帰に向けたリハビリにおいても上記の動作の獲得・復帰については精査していく必要があると思います。

投球側の受傷・非投球側の受傷、両者においても競技復帰する上で十分な可動域等の機能の回復が求められますが、特に投球側の場合、投球動作を行うことのできる肩の回旋機能が求められるため、投球側の受傷の場合は受傷前のパフォーマンスレベルに戻ることが難しくなることも少なくありません。(例:受傷前:投手→受傷後:野手)

リハビリテーション目標

肩関節脱臼における
リハビリテーションの目標として
競技復帰+再脱臼予防
第一に進めていきます。

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再脱臼の予防

先述しましたが、
関節唇や骨転位が軽度の場合、
保存療法が選択されることが多いと思います。

外来臨床の場面でも保存療法での対応が多いことや文献での報告も少ないため、今回は保存療法での対応を中心にまとめていきます。

保存療法の場合、受傷後の診断後、
一般的に約3週間の固定期間の後に、
リハビリを開始し、3ヵ月程度で復帰する目安で考えられています。

スポーツ選手における再脱臼率の比較として、
保存療法群:47~95%
手術療法群:4~16%

上記により手術療法群で良好な成績が報告されていることから、早期より選手に対して手術療法の選択が勧められている傾向です。

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脱臼しやすい動作や機能回復が不十分のまま競技復帰をしてしまうと、競技中にその動作を繰り返してしまうため、再脱臼する外力がかかる可能性があります。

そのため、初回脱臼時、もしくは習慣的に脱臼がどのようにして起こったのか?について詳細に把握しておく必要があります。

メディカルリハビリテーションの目標

メディカルリハビリテーションにおいては、
可動域の獲得に加え、上腕骨の骨運動を適切に求心位で保持できることがポイントとなります。

特に難渋しやすいのが、外転外旋可動域です。投球側の受傷の場合、この可動性が低下することで投球パフォーマンスの低下に直結してきます。また、肩甲上腕リズムの破綻は、肩関節外転運動時における上腕骨頭の求心性を低下させ、前方偏位を助長する要因となります。

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野球選手に関わる上で必要な “肘関節エコー”【トレーナーマニュアルvol.49】

C-I Baseballの小林弘幸です。

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元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。

しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期後半では、
【野球選手に関わる上で必要なエコー】
ということで記事を書かせていただきます。

というのも、
私が運動器エコーと出会って一番良かったなと思うところは、
【筋骨格の断面解剖】と【神経の走行】の理解がしやすいと思ったからです。

ということで、小林が担当する、
野球選手に関わる上で必要なエコー編の記事(予定)です↓↓↓

①野球選手に関わる上で必要な “股関節エコー” (2月7日)
②野球選手に関わる上で必要な “頚部エコー” (3月14日)
③野球選手に関わる上で必要な “肘関節エコー” (4月18日)←今回
④野球選手に関わる上で必要な “肩関節エコー” (5月23日)

これらの記事を通じて、
臨床の基礎になっていただけたらと思っております。

そして、
様々なご意見をいただけたらと思います!

野球選手に関わる上で必要な “肘関節エコー”

はじめに

投球障害肘とは、肘関節の疼痛が原因で投球できないことを指します。

野球選手の肘関節痛は主に、内側の障害が多いです。

外側の障害は、成長期で大きな問題となるので
これは理解が必要です。

投球障害肘に関しての病態は、下記記事を参考にしてください。

肘関節は、基本的には、屈曲・伸展の1軸性の関節です。

しかし、投球動作においては、主に運動方向が変化するLate-cocking~MER以降にメカニカルストレス(主に外反ストレス)を与えることで投球が困難になることが、投球障害肘ということなります。

他部位からの影響も多く受けます。

また、
前腕のROM制限は、代償的に肩(肩甲上腕)関節の過剰な運動を引き起こします。

まずは、しっかりと可動域を確保すること。

そのためには肘関節周囲の解剖を知らなくてはならないと思います。

上腕筋と円回内筋

観察の意義

上腕筋の硬さは肘関節の
・伸展
・回内外
を制限します。

また、
円回内筋の硬さは肘関節の
・伸展
・回外
を制限します。

伸展制限は、肩関節の日常生活から肩関節のあるアライメントを引き起こします。

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肘関節のアライメントは、構造的な問題がないのであれば、
しっかりと全可動域を確保することが大切です。

投球時には、リリース前のアクセレレーションフェイズで、
肘関節屈筋が働きます。

※斎藤 健治 他:野球オーバーハンド投球における上肢・上肢帯筋活動の表面筋電図分析. 体育学研究, 2006 年 51 巻 3 号 p. 351-365

そのため、
投球数の増加や間隔の短縮によって、筋疲労が生じることが考えられます。

安静時

上腕筋と円回内筋は、
肘関節上で、重なり合います。

上腕筋がイメージよりも、肘関節を跨いで、遠位まで来ているのが観察できます。
肘伸展制限により関与してくると考えられます。

そして、その間には、正中神経が観察されます。

両方の筋肉がタイトネスになり、
正中神経の絞扼が生じると、さらに、前腕屈筋群のタイトネスが助長されてしまうと考えています。

では、エコー画像を見ていきます。

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上腕二頭筋と円回内筋の2層構造が観察できる
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正中神経が、上腕筋と円回内筋の間に観察できる
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上腕筋が小さくなる(遠位レベルでもまだ観察できる)

👇動画

解剖書よりも、実際のエコーを見て解剖を学習した方がより理解度が深まると思います。

回内外時

前腕の回内外時にどのような動態を示すのか、
観察していきます。

前腕の屈筋群と上腕筋のタイトネスが原因でも回内外を制限してしまうことがあります。

画像
前腕回内時に、円回内筋が上腕筋側へ移動する
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安静時と同様の形態になる

👇動画

この上腕筋の柔軟性により、前腕屈筋群の筋出力が保たれていると考えています。

両方の筋が柔軟性をもって、上下左右に動ける範囲を確保しておくということが重要です。

実際の介入

上腕筋と円回内筋間の正中神経周囲がしっかりと動くように、
筋間を動かしていきます。

👇動画

正中神経周囲の疎性結合組織の循環が改善され、
正中神経領域の筋の筋緊張が緩和しやすくなると考えています。

徒手療法の治療の考え方は、下記記事に記載しております。
参考にされてください。
👇👇👇

簡潔に言うと、
脈管系周囲の脱水が改善されれば、神経血管に対する循環が改善し、
筋肉に対する栄養、信号伝達が正常化するのではないかと考えています。

画像
※疎性結合組織に関する模式図(イメージ)

浅指屈筋

観察の意義

浅指屈筋は、解剖学的に肘関節内側の動的安定化機構に
非常に寄与しているのではないかと報告がされています。

肘関節内側部分の腱性中隔は2つあり、それらが共同して張力を発揮することにより動的安定化機構として作用する。

※Shota Hoshika, et al.: Medial Elbow Anatomy: A Paradigm Shift for UCL Injury Prevention and Management. Clinical Anatomy 32:379–389. 2019

外反ストレス時に、示指と中指の収縮は、環指の収縮よりも関節開大距離を減少させる

※Shota Hoshika, et al.: Valgus stability is enhanced by flexor digitorum superficialis muscle contraction of the index and middle fingers. Journal of Orthopaedic Surgery and Research. 15:121. 2020

病態や、詳しい解剖は下記の記事より抜粋しますので、
こちらもご覧になってみてください!
👇👇👇

浅指屈筋がしっかり機能することで、
内側の動的安定化機構が機能し肘内側障害の予防に
少しでも寄与してくれるのではないかと考えられてます。

では実際にどのようなエコー画像になるか観察してみましょう。

安静時

安静時の前腕屈筋群の位置関係を
浅指屈筋を中心に見てみましょう。

画像
浅指屈筋中心に観察

肘関節遠位に行くと筋腹が確認でき、
肘関節に近づくほど、腱成分になってきます。

各指収縮時

浅指屈筋でも指を1本ずつ動かして、
どの筋がどこにあるのかを理解しましょう。

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各指の筋腹位置

おおよそこのような配置になっているかと思います。

特に、2指と5指は深層に位置しているので、
内側側副靭帯のサポートに関与しているのでは?と考えられることが多いです。

では、実際に各指で収縮するとどのような動きをするのかを観察していきます。

👇動画

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スプリントトレーニング・その④【トレーナーマニュアルvol.48】

C-IBaseballの高橋塁です。 2022年に入り、スプリントトレーニングをシリーズとしてお伝えしています。 今回はスプリントトレーニング4作目となります。 まずは、私の自己紹介から 前回までに紹介した、スプリントト … 続きを読む

野球金具スパイクの選び方【トレーナーマニュアルvol.47】

いつもトレーナーマニュアルをご購読頂きありがとうございます。C-I Baseballの足部担当の須藤慶士です。

近年の金具スパイクの種類は豊富でどれにしようか迷ってしまいます。
自分の動きの特徴と金具位置を合わせることができると動きの質は向上します。今回の記事をご覧になり購入時の参考にして下さい。

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前回までの記事⬇️こちらもご覧ください!

・・・・・・・・・・以下本文・・・・・・・・・・

皆さんは金具スパイクを初めてグラウンドで使ったときのことを覚えていますか?

私は中学の硬式野球で初めて履きました。そのときは土に刺さり走るときに蹴りやすかったが、サイドステップのときにブレーキがかかりすぎて怖かったことを今でも覚えています。
使用していたスパイクの裏面は皮でできており、前後ともに3本ずつの打ち込み式のものでした。

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道具の選び方の違い

野球をしている方あるあるですが、グローブやバットに対してはこだわりがとてもあると思います。

スパイクはどうでしょうか?

スパイクのカラーを選べるカテゴリーの方はデザインを重視することがあると思います。
高校生までは色の指定があるので履きやすさや値段重視になるのは当然かもしれません。

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スパイクはパフォーマンスを左右する

トレーニングや日々の練習により体力や技術は向上していきます。
練習で培ったものを発揮するためには自分にあった道具選びをしなければなりません。それが『スパイクの金具』だと考えます。

足は地面と接している唯一の部分

金具は動く・止まるといった基本的な動作能力を高めてくれます。野球はポジションごとに動きが異なります。

例えば、前後に向いている金具スパイクを内野手が履いてしまうと、横方向への動きが多い内野手は止まる事ができません。
逆に長い距離を走る外野手が横方向に向いている金具スパイクを履いてしまうと加速力が上がりません。

ですからポジション特性に合った金具を選ぶ事が大切です。

ポジションだけでなくプレースタイルに合わせる事でパフォーマンスはさらに変化します。

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ポジション・プレースタイルをイメージして金具を選びましょう。

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スパイク購入に関するアンケート

金具スパイクを使用している中学生以上の選手84名にアンケートしたところ、金具を意識して購入する選手は84名中8名でした。

最も多かった回答が履きやすさで、次に多かったのが値段で選ぶというものでした。

選手にはアンケートで自分が使用している金具の本数と位置を記載してもらいました。
これはスパイクを見ずに行い、後で使用しているスパイクと照らし合わせてもらいました。

回答例をご覧ください。

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本数や金具の形状を間違えている回答が多く見られました。

金具の特性を使えていないことが考えられます。

スパイクチェック

スパイクは消耗品です。
先にも述べましたが、シューズや金具はパフォーマンスに大きく影響します。

スライドのような金具やスパイクの状態では金具の効果を全くと言っていいほど発揮することはできません。

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スパイクを履いてアスファルトの上を歩くのは厳禁。

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一週間に一度はスパイク・金具をチェック

種類・本数

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形状

同じメーカーでも金具の形状は異なります。

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試合前のW-UPについて−チームアップと個人アップでは何をやればいいの?ー【トレーナーマニュアルvol.46】

C-I Baseballの増田稜輔です。
いつもC-I Baseball「トレーナーマガジン」をご購読頂きありがとうございます。

今回も現場で活躍するトレーナー・これから現場に出たいトレーナーの方に
役に立つ情報をお伝えしていきます。

3月も後半に入り、プロ野球が開幕しアマチュア野球も春季大会が開始され
これからの時期は試合が中心になっていきます。
そんな野球現場から質問を受けました。

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野球現場の指導者の方はW-UPの構成に悩んでいる方が多い印象です。
W-UPの順番や時間配分、どんなメニューを入れればいいのか?
また、最近では選手の自主性を尊重し「個人アップ」を取り入れている
チームも多くあります。
しかし、「個人アップ」では選手が何をしていいのか理解できておらず
時間を持て余しているケースや試合に臨む身体が出来ていないケースが目立ちます。

このようにW-UPの構成については現場指導者も悩みをかかえています。
また、トレーナー側も
最適なW-UPはなにか?
○○はW-UPに入れていいのか?
など悩んでいる声も聞きます。

そこで、今回は「試合前のW-UP」をテーマに
現場から聞かれる疑問について考えていきたいと思います。

W-UPとは

まずはじめに「W-UP」の基礎知識について解説していきます。

W−Upとは
競技やトレーニングに向けて身体的・精神的準備を整えること
パフォーマンス向上や障害を軽減させるために行うものです。

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W-UPを構成するには「目的」を明確にすることが必要になります。
では、「試合前のW-UP」の目的は何になるのでしょうか?

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試合前のW-UPでは
試合中に「最大パフォーマンス」を引き出すために
精神的・身体的な準備運動を行い、パフォーマンス発揮につなげ
そして試合中に起こりうる怪我のリスクを軽減させるために行います。

つまり、野球動作に必要な
精神状態・可動域・筋発揮・連動性・心肺機能を試合に向けて高めていくことが求められます。

①試合に求められる精神状態


試合前の選手の精神状態は
緊張・不安・興奮などの要因により精神的に不安定な状態にあります。
精神的に不安定な状態は自律神経に作用し覚醒状態に変化が生じます。
覚醒状態はパフォーマンスに大きく関わる部分です。

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試合中の選手は適切な覚醒状態にしていくことが必要です。
過度にリラックスしていても覚醒レベルは下がり、過度な緊張状態も覚醒レベルを下げます。
そのため、W-UPをすることで覚醒状態をコントロールし
スムーズに試合に入れるように準備していきます。

②試合に求められる身体的運動

試合では「最大パフォーマンス」の発揮が勝敗に関わる重要な要素になります。

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身体的な準備とは身体に生理学的反応を引き起こすことです。
W-UPを行うことで身体には様々な生理学的反応が起こります、
その主たるものが
身体が温まる=体温・筋温が上昇している状態です。
生理学的反応を引き起こすことで身体は運動に向けて最適な状態を作り出せます。

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W-UPでは筋温を上げるために各運動を行います。
その過程で心拍数の上昇や可動域の拡大も同時に行っていきます。

③怪我のリスクを軽減する

野球の練習中や試合中にに生じる怪我は
肉離れ・捻挫と言った外傷がほとんどです。
肉離れや捻挫は外力に対して身体制御が遅延することで発症します。
これはウォームアップの段階から準備できてないから起こる
可動性や筋の反応速度の問題であると考えられます。

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多くのチームを見ているとW-UPの中で
瞬発系の要素がダッシュのみであるチームが多い印象です。
野球では走るだけでなく、減速するや方向転換、ジャンプなどの
動作も入っています。
W-UPでは試合でのパフォーマンスを想定した
スピードや強度で行うことが必要になっていきます。
ここのギャップが生じていると怪我を引き起こす原因となります。

上記の内容が一般的なW-UPの概要になります。
詳しくはこちらの記事に書いてありますので参考にしてください

ここからは指導者・トレーナーからよく聞かれる内容について
考えていきます。

試合までの時間の流れについて

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練習と試合前のW-UPでの大きな違いは時間の使い方です。
試合前は試合開始時間は決まっており、定刻に合わせて身体を作っていく必要があります。
W-UPを担当するトレーナーは時間配分を考えながら進行していくことが重要です。

ここでは一般的な試合前の流れを解説します。

第1試合の場合

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第1試合の場合は球場到着後、着替えてすぐに「球場内」でW-UPが出来ます。試合開始時刻も明確なためアップ時間もコントロールしやすく
スムーズに試合に入ることが出来ます。
個人アップ・チームアップの時間は選手の状態や疲労度、気温等も
考慮しながら20〜30分の幅でコントロールしていきます。

第2試合以降の場合

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W-UPのコントロールが難しいのが2試合目以降の場合です。
前の試合の進行状況によりW-UPの時間やタイミングが変動します。
トレーナーは流動的に対応し選手の身体の状態を作っていきます。
基本的には5回終了を目安に前後に個人アップの時間を設けながら調整します。
あまりにもアップのタイミングが早いと、筋温や体温が低下する可能があるので注意しましょう。
また、2試合目以降の場合はグラウンドin後も10分間のチームアップ時間があります。
なので、球場の外でやるアップと球場内でのアップで何もすべきなのかを
明確にすることが重要です。
誤っても重複するメニュー構成にならないように注意し、疲労度も考慮していきます。

試合前と練習ではW-UPメニューは違うのか?

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指導者やトレーナーの方から多く質問させるのがこちらのテーマです。
「試合前と練習でのW-UPは変えているのか?」

悩む方も多いと思います。
みなさんはどのようにしていますか?

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私は「変えないメニューと変えているメニュー」があります。
基本的にはメニュー構成は変えません。
試合前だからっといって特別なメニューを追加することはなく
「いつもやっているメニューを継続してやる」がベースになっています。

試合前に新しいメニューを入れるのは
慣れない動きのため選手のコンディションを下げる可能性が高いです。
なので、普段のメニューをそのまま試合前にも行います。

ただ、試合前と練習ではW-UPの捉え方は少し違っていると考えます。

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試合前のW-UPでは、試合で「パフォーマンス発揮」するために行います。
練習前も同様なのですが、プラスしてチームや個人の課題を改善・向上させるためのメニューを組み込んでいることがあります。

なので、「メニュー構成は基本的に同じ」ですが
課題改善のためのメニューは試合前には行いません。
そういった意味でメニューを変える部分があるとお伝えしました。
イメージとしては練習前に行っているW-UPメニューから
いくつかピックアップして試合前W-UPを構成しています。

試合前は疲労度やコンディション状態を考慮しつつ、最大パフォーマンスが発揮できるようにW-UPを構成していきます。
なので、量やテンポ・スピードなどを変化させます。

まとめると
W-UPのメニュー構成は野球でのパフォーマンス発揮ができるための
プログラムを構成し
練習前ではプラスして課題となっている事柄に対してのメニューを入れる
試合では、ベースとなるメニューは変化させずに、量やテンポ・スピードを変化させることを私は行っています。

試合前のチームアップメニュー

試合前のチームアップは約30分間で構成していきます。
そのため練習で行うような有酸素運動(ランニング等)のメニューを省くケースが多いです。
そのため、筋温・体温、心拍数をどう上げていくかがポイントになってきます。

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①可動性メニュー(10分間)

可動性メニューでは野球に必要となる各関節や筋肉に対して行っていきます。
主に動的なメニューを中心に構成し、関節可動域の拡大と筋の伸張性の向上
そして筋の収縮を利用することで筋温・体温を上昇させていきます。

可動性メニューは大きい筋がある下肢から開始していきます。
下肢から開始することで下肢の筋ポンプ作用により
血流の循環を維持し筋温を上昇させます。

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