トレーニングと眼球運動【トレーナーマニュアルvol.123】

いつもお読みいただきありがとうございます。
C-I baseballの佐藤康です。

私は現在、さまざまなカテゴリーの野球現場に携わらせていただいておりますが、中でもジュニア世代の関わりの重要性に強く関心があります。

育成年代の特徴としては、学年が同じでも、成長の個体差があることで球速や打球の飛距離など体力差が顕著にみられることもしばしばあります。反対に、カラダが小さくても運動能力に優れていることでその関係が逆転したり、野球のパフォーマンスに生かされていることもあります。

これには、成長発達過程において、いかにさまざまな運動経験をしてきたかが重要な点の一つであると思います。野球現場にて指示された動きを身体ですぐに表現できる選手などもそういった印象は強く受けます。

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11月9日(木曜)21:00-23:00開催!!
パフォーマンスに関わるトレーナー・セラピストには必見の内容です!
球速アップをテーマに、MPI Tokyo大川靖晃先生、元横浜DeNAトレーナーの高橋塁先生による研究・野球現場のプロがみる両視点から見解を聞ける貴重なセミナーです!

球速アップのためのバイオメカニクスについて

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10月28日(土曜)スタート
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待ちに待った方も多いのではないでしょうか⁉
これまでにもセミナー開催し大好評であった高木紀史先生!
バイオメカニクス理論編と題し、
なにを考え、なにを基準にして、動作を捉えているのか?
一気に学べる機会はなかなかありません!

野球動作のバイオメカニクス理論編

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前置きが長くなりましたが、タイトルに挙げました「トレーニングと眼球運動」についてまとめていきます。

野球という競技は一つのボールを用いて選手が動きます。その中で、ランナーの動きや守備シフトの動きなど、もの・人の対象の動きに注意を向けたことが試されるスポーツです。

視機能について

スポーツ選手のルーティンワークなどにより、スポーツビジョンやビジョントレーニングというワードをご存知の方も多いと思います。

これは視機能を高めるワークですが、野球での視機能の重要度は他競技に比べても高いという報告があるように、野球はボールや選手の動きをみて情報入力し、瞬時に判断し対応することのスピード・精度が求められる競技です。

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参考|American Optometric Assosiation

上図にもありますが、
一般的な「視機能」の8つの要素を整理していきます。

8種類の視機能

①静止視力
止まっている目標を見る能力
➁深視力
前後の距離の差を感じる能力
➂瞬間視
見えたものを一瞬のうちに入力する能力
④眼球運動
静止した目標間に視線を移す能力
⑤コントラスト感度
明暗のコントラストを識別する能力
⑥KVA動体視力
まっすぐ近づいてくる目標を見る能力
→例:高速で近づくボールの認識
⑦DVA動体視力
横に移動する目標を見る能力
⑧目と手の協応動作
目で捉えた目標に手で反応する能力
→例:守備時の打球処理・捕球

これらが相互に協調的に機能することで、視機能として表現することができます。また、それらの各要素を抽出した形式で視機能を高めることにつながります。

視力との関係性

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メニコンの研究報告によると、小中学生を対象とした”視力とスポーツビジョンの関係”では、多くの評価項目で視力が高いほどスポーツビジョンの測定値が高くなる結果があります。併せて、視力1.0以上と1.0未満で比較では、とくにKVA動体視力や深視力にて大きな差が出ています。

・視力は1.0以上
・スポーツパフォーマンスを向上させるためには視力の重要度が高い

つまり、スマホやゲームなどスクリーンタイムの長時間化では平面からの情報入力を行い続けることで、さまざまな要素を持つ視機能が低下してしまうことが予想されます。

野球×視機能

表にもあるように、特に打撃(バッティング)ではその要素が特に強くあることが報告もされています。

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参考|村田厚生 他:スポーツビジョンと野球の打撃能力の関係.人間工学

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投球動作におけるearly cocking phaseの軸足機能ついて【トレーナーマニュアルvol.122】

はじめまして。
C-I Baseball1期生の北山達也と申します。

サポートメンバーによるnoteシリーズ第4弾となります!

今回私が書かせていただく内容は、投球動作におけるearly cocking phaseの軸足機能ついてになります。

私自身は整形外科病院に勤務する傍ら、高校野球のトレーナーとしても活動しております。

はじめに

実際にみなさんは投球動作中の軸足についてはどのようなところをみられていますか?
これは言い換えると「下半身が使えているか」どうかをみているということになるのではないでしょうか。
現場レベルでは頻繁に使われる言葉ですが、実際に言語化されていることはあまり多く経験しません。

アトラクター

アトラクターとはその動作において普遍的な動きのことを指し、パフォーマンスが高い選手に必ずみられる動作のことを指します。
つまりパフォーマンスアップにおいて、まずパフォーマンスが高い選手に共通している動作が行えているのか否か確認することが重要になります。
ではearly cockingの軸足におけるアトラクターとは何でしょうか。

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投球障害肩の運動療法で大切にしているポイント【トレーナーマニュアルvol.121】

C-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

2023年7月よりトレーナーマニュアルもリニューアルしてお届けしております。

今期のトレーナーマニュアル構成

①野球現場でのトレーナー活動
 チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
 投球障害への対応、インソールからの介入

そして今期はなんと…
③ゲストライターの登場
 バイオメカニクス、栄養、各分野の専門家の方が執筆しています

④C-I Baseballメンバーの登場
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがいよいよライターとして登場します。


C-I Baseballで学び、成長していくメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

はじめに

投球障害肩の運動療法を実施する上で求められる事として重要視しているのは、”肩関節がどの肢位においても代償なく出力を発揮できる”ように機能を再建することだと考えています。

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ここで重要なのはMMTなどの筋力評価のテストで出力低下が認められたからといってすぐに筋力トレーニングが必要とは判断しないことです。

筋出力が低下する要因は様々です。
対象筋を支配している神経のentrapment(絞扼)筋の滑走障害、損傷など要因は多岐にわたります。それぞれの原因を考慮して出力低下を捉えることが重要です。

エコーを用いた神経へのアプローチは以前、小林弘幸先生のnoteで解説してくださっていますのでそちらをご参照ください👇

腱板機能・肩関節の筋出力に影響を与える因子

ここからは腱板に関してです。

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回旋筋腱板を構成する4つの筋
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腱板の機能

出力チェックの際、単に筋力の低下と捉えるのではなくどのような要因で出力低下が生じるのか、様々な視点から考えてみましょう。

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腱板機能・肩関節の筋出力に影響を与える因子

1.胸骨下角・肋骨の内外旋

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胸骨下角・肋骨の内外旋

静的な胸骨下角は70~90度と言われています。
胸骨下角のアライメント不良は腹部の筋の「長さ-張力曲線」の関係より、
腹圧機能の低下を招き、土台となる体幹部分が不安定な状態になってしまいます。
土台の安定性を欠く事で肩甲骨の安定性も失われ、腱板の出力は低下します。

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胸骨下角の拡大による影響(例)肩関節外旋

臨床では肋骨が過外旋しているケースが多く見受けられます。いわゆる”リブフレア”と呼ばれる状態です。
このような場合はPRIなどの呼吸系のエクササイズが有効になることもあります。

2.肩甲骨アライメント

肩甲骨の位置については“基準点に基づいて評価すべき”かと思います。
ただ「右側が下がっているから右肩下がり」ではなく、基準点に位置していれば右が正常で左肩が上がっていると評価します。
基準点に対する肩甲骨のズレ幅が腱板の働きに大きく影響しており、ここをしっかり捉えることが重要となります。

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肩甲骨の位置 基準点

腱板の強化を行う時は肩甲骨の高さを整えた上でエクササイズを実施することが重要と考えています。
その位置でエクササイズする事により、腱板の強化に加え肩甲骨をその位置で保持するための肩甲骨保持筋の賦活にも繋がります。

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腱板エクササイズ時の肩甲骨位置

肩甲骨の位置を修正すると最初は自分の今までの位置に対して違和感を感じる事があるかと思いますが、それは認知面の問題であり、運動を繰り返し行い学習することによって修正されていきます。

3.棘鎖角

肩甲骨の回旋度合いも腱板の機能に大きな影響を与えます。
鎖骨と肩甲棘が成す角を「棘鎖角」と呼びますが、それぞれ前額面に対して30度ずつ角度を成しており、合計60度で棘鎖角を成しています。腱板の機能はその棘鎖角に影響を受けます。
肩の1stポジションにおいて棘鎖角が60度の場合、筋出力は高くなるかと思います。

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棘鎖角

チューブ・バンドなどで腱板のエクササイズを実施する時に肩甲骨の回旋の位置を正して行う事が重要となります。

4.上腕骨頭位置

関節窩に対して上腕骨頭がどの位置にいるのかによって腱板の出力は大きく異なります。

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上腕骨頭位置

元々定位置でありながら筋や関節包の伸張性低下によりobligate translationするようなケースでは、初期は出力は良いが最終域に近付くと出力が低下するのが特徴になります。
一方、定位置の時点でその位置が不良な場合は中間位の時点で出力が低下しています。そのため、出力を評価する場合は中間位での出力と最終域近くでの出力と少なくとも2つは見るべきかと思います。

定位置がずれているかどうかの確認は骨頭を前方に偏位させた場合の出力と後方に偏位させた場合の出力の両方をチェックしてみると評価しやすいと思います。
臨床的には多くの選手は骨頭が前方に偏位しているため、骨頭を押し込んだ状態で出力をチェックすると向上することが確認出来るかと思います。

またその押し込み具合に関しても、どの程度まで押し込むとより良い出力になるのかを確認する事で治療するべき移動の幅も確認出来るため、方向に加えその移動量も意識して介入する事をお勧めします。

5.筋腱の近位滑走性

過剰使用などにより筋・腱の滑走制限が生じているケースの場合は滑走不全が生じている部位に対して、関節運動の時に筋・腱の動きを促す方向に誘導する事で出力の向上を認めます
また出力低下のみならず、滑走不全が起きている場合は滑走不良部位に集約するようなストレスをかけると、そこで圧縮ストレスが生じて痛みが生じる場合があります。
棘下筋が棘下窩外側で脂肪体と滑走不良になって、肩外旋動作時に後方でインピンジメントするようなケースがそれにあたるかと思います。

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筋腱の近位滑走性

棘上筋に関してだと、肩峰の内側にsubacromial fat padと呼ばれる脂肪体が存在すると言われているため、その部位の滑走不全・拘縮による出力不良も多く見受けられます。

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subacromial fat pad

6.筋硬結・癒着による遠位滑走不全

次は先程と異なり、逆方向に誘導すべきケースです。
代表的なケースは腱板損傷などにより筋硬結が生じている場合や、僧帽筋と棘上筋筋腹との間で滑走不全が生じているような場合になります。

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筋硬結

そのようなケースでは筋全長の中で過度に短縮している部位と過度に伸張されている部分が混在しており、過度な伸張が加わっている部分には大きなストレスが生じます。
この場合、短縮している部分を引っぱり出す事によって筋の伸張の割合を均一にする事により局所のストレスが減り、出力が向上します。
日頃の評価で意識するべき着眼点かと思います。

7.手のアーチ

遠位の関節機能によっても腱板の出力は変化します。

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手のアーチと腱板

手根骨のアーチがしっかり保たれている状態の場合、橈骨手根関節への適切な軸圧が保たれた状態となり、腱板の出力は安定します
一方、手根骨のアーチが低下した状態では、肩甲上腕関節への圧が低下し、肩関節が不安定となります。その代償として抵抗運動に対して過剰な努力が必要な状態となってしまいます。

肩甲上腕関節の求心位について

求心位

求心位は肩甲骨関節窩と上腕骨頭が適切な位置関係を保ち続けられることで得られます。

求心:Centripetal
中心に近づこうとすること


位:Position
物がある所、物があるべき場所、ある場所を占めること

肩関節に存在する特殊な固有受容情報が脳に送られ、
『関節の随意制御』『滑らかさと協調性』『運動学習』 『間違いの修正』『運動中の姿勢の安定性』に作用しています。

求心位獲得の流れ

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ジュニア選手のためのスポーツ栄養学-野球編【トレーナーマニュアルvol.120】

いつもお読みいただきありがとうございます。今回は栄養学の専門家である後藤優子さんに記事を執筆いただきました。 後藤さんには先月にC-I baseballの内部開催で、選手やご家族向けに”ジュニア選手の栄養学の基礎”につい … 続きを読む

チームトレーナーとして働く理学療法士の役割《障害を予防する》【トレーナーマニュアルvol.119】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!

今期のトレーナーマニュアル構成

①野球現場でのトレーナー活動
チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
投球障害への対応、インソールからの介入

上記の①、②においては今まで同様にC-I Baseballスタッフが執筆致します!

そして今期はなんと、

◎ゲストライターの登場
 バイオメカニクス、栄養、各分野の専門家の方に執筆


◎C-I Baseballメンバーの登場
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがいよいよライターとして登場します。


C-I Baseballで学び、成長したメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

2023年の増田が担当するnoteテーマは「チームトレーナーとして働く理学療法士について」です!
1年間かけて皆様に4つの内容をお伝えしていきます。

①チームトレーナーとして働く理学療法士の役割
②チームの障害を予防するために
③理学療法士がチームパフォーマンスにどのように関わるのか?
④今後、理学療法士に求められるスキル、能力について

2本目の今回は
チームトレーナーとして働く理学療法士の役割について
「障害予防」
をテーマに執筆していきます。

チームトレーナーとしての理学療法士の役割

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「チームトレーナーが多職種かつ複数名いる場合の理学療法士の役割」について解説していきます。

このような場合に理学療法士に求められることは
「チームの障害を予防する」という役割が求められます。
この時に理学療法士はどのように障害を予防していくのでしょうか?

皆さんはどのように考えますか?
まずは
野球における障害をリストアップして・・・
障害につながる機能を評価して・・・
機能低下部分に対するアプローチをする・・・

上記のように考えていくと思います。
これでも「正解」なのですが、リアルな野球現場では、こんなに上手くいかないことが多いです。

100名程いるチーム環境で全員の機能を評価してアプローチすることは難しいです。
そして時には「機能評価は問題ないが障害が発生する」ケースもあります。

障害に対して詳細な機能評価・アプローチが出来ることは理学療法士としての大きな強みになるのですが、それだけでは「個人の障害は予防できても、チーム全体での障害予防は出来ない」状態になります。

では、
チームトレーナーとして働く理学療法士はどのようにして障害を予防していくのかを解説していきます。

私が考えるポイントは
「視点をスイッチ出来るか?」です。
野球現場ではよく”木を見て森を見ず”という言葉で理学療法士は評価されます。

意味としては
「理学療法士って局所の機能をみれけど、全体像を把握してないよね・・・」
このような感じで少し馬鹿にしてように言われることがあります。
これに対して理学療法士は「木をみることが大事だ」と主張することもありますね。

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私の考えでは「両者とも大事でその”スイッチ”を切り替えられるか?」が重要であると思います。
状況に応じで「スイッチを変えられる理学療法士」がチームトレーナーとして重要になります。

皆さんも状況を判断し”スイッチ”を切り替えていきましょう!

チームの障害を予防するための前提条件

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投球障害へのピラティスメソッドの活用①ー 呼吸編 ー【トレーナーマニュアルvol.118】

はじめに

はじめまして。
C-I Baseball2期生の戸高と申します。
X(Twitter)のアカウントではトレーナー活動なども載せていますのでぜひ覗いてみてください。


https://twitter.com/kazu_0223kt

https://twitter.com/kazu_0223kt/status/1656628000086167552?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1656628000086167552%7Ctwgr%5E2651bbb9270a7faf512dc231ac47d3831d155c53%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Fballyes%2Fn%2Fn642cc50d1aee

今期のトレーナーマニュアルでは、サポートメンバーからも定期的にnote記事を配信させていただくこととなり第3弾となります。

私は現在、福岡の整形外科クリニックで理学療法士として勤務している他に、中学硬式チームのトレーナー、ピラティスのインストラクターとしても活動しております。

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そこで私が配信する内容としては「ピラティス【pilates】」というメソッド1つのツールとして投球障害の治療、予防、パフォーマンスの向上にどう活かしていくかに焦点をあてて、3記事にわたり解説していきたいと思います。

投球障害へのピラティスメソッドの活用① -呼吸編-
投球障害へのピラティスメソッドの活用② ‐腹腔内圧編‐
投球障害へのピラティスメソッドの活用③ ‐胸郭編‐

第1弾ではピラティスについて初めての方もいるかと思いますので、ピラティスとはどういったメソッドなのかの解説とピラティスの基本である呼吸について解説していきます。

ピラティスの歴史と基本概念

早速ですが、「ピラティスにどのようなイメージがありますか?」

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私がピラティスを学ぶ前の勝手なイメージ
・キレイな女性がやるエクササイズ
・ヨガに似たエクササイズ
・柔軟性がないとできない

私と同じようなイメージを持っている方も少なくないと思います。
この記事の前半部分を読んで頂くとそのイメージも大幅に変わると思います。

また最近では、プロ野球のキャンプや練習にピラティスが取り入れられておりその効果が注目されています。
少しでも興味を持ってもらい、投球障害の予防やアプローチに活用してもらえればと思います。

巨人がピラティス導入 中田「体の使い方や股関節周りのストレッチが、すごく勉強になった」ピラティスをメニューに取り入れた。オフに涌井(中日)の自主トレを支えたトレーナーの菅原順二氏を招き、若手を中心に約30分間www.sanspo.com

阪神 2軍でピラティスを練習に導入「やってみ?しんどいよ」 阪神・平田監督語録 – スポニチ Sponichi Annex 野球 【阪神・平田2軍監督語録】www.sponichi.co.jp

Pilates とは

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ピラティスは身体を刺激するエクササイズではなく、マインドとボディを繋げていくという要素が強いメソッドであり呼吸の取り方など独特な方法で肉体を痛めることなく身体の芯(軸・コア)から整えていき、このことから【真に理想的な肉体を健全な精神とともに作り上げるトレーニング】として欧米では知られています。

起源と創始者の紹介

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写真の人物がピラティスメソッドを創造したジョセフ・ピラティスです。
この写真を見た瞬間にイメージが変わった方も多いかと思います。
彼が作ったコントロロジーというメソッドを弟子が世界中へ広めてピラティスが伝わったと言われています。

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足部から考えるスタートダッシュ【トレーナーマニュアルvol.117】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!C-I Baseballは2023年5月で4期目を迎えました。 ここまで、C-I Baseballの活動を続けられているのは、応援し … 続きを読む

C-I Baseball チームサポート〜大学野球編〜育成メンバーの声【トレーナーマニュアルvol.116】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

C-I Baseballでは現在40名を超えるメンバーが在籍しており、野球トレーナーとしての知識・技術を学んでいます。

C-I Baseball育成プログラム

●トレーニングコース
●投球障害コース
●インソールコース

育成プログラムの詳細はこちらをご覧下さい
https://c-ibaseball.com/top/training-program/

育成プログラム入会希望の方はこちらのリンクへ
 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfeFOaGO2lS8RaR04A5b9Jj4J5oNbAWnFxhC62Hqp7vXQ9wUA/viewform

講師はC-I Baseballスタッフが担当し、皆さんの「知識・技術の向上」の一助になれればと思っております。

応募方法・応募条件・プログラムの詳細については
【C-I Baseball公式LINE】にて先行配信致します!!

ご登録がお済みでない方はこちらからお願いします。
【必ずスタンプorメッセージを送ってください】

C-I Baseball【公式LINE】


C-I Baseballでは「チームサポート」も行っております。
現在は1部リーグに所属している大学野球部が2チーム
高校野球1チーム、世界一、全国優勝経験があるリトルリーグチーム1チームのサポートを行っております。

「チームサポート」へは、スタッフだけでなく育成プログラムで知識・技術を学んだ育成メンバーもチームに派遣されます。

学んだこと、体得した知識を発揮出来る環境があるのもC-I Baseballの強みです。

今回のnoteではC-I Baseballサポートチームに帯同している「育成メンバーの声」を皆さんにお届けします。

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2023年7月より1部リーグに所属する大学野球野球部へ
代表の増田とともに3名のメンバーが派遣されています。

普段は医療機関に勤務している3名のメンバーが週1回ずつ大学野球野球というアマチュアではトップレベルの環境に身を置いています。
メンバーがどのようなことを経験し今度どう成長していくのか?皆さんと一緒に見ていきたいと思います。

C-I Baseball 代表 増田より
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大学野球現場へ派遣された育成メンバーの声

今回は3名のメンバーに野球現場で活動して何を感じたかを聞いてみました。

●テーマ
・“PT”トレーナーとしての現場での活動イメージ
・実際に野球現場に行ってみてどう感じたか
・野球現場で感じた”PT”トレーナーの強み
・野球現場で感じた課題点

●派遣メンバー
・吉田昂平
・三輪智輝
・久我友也

吉田昂平の声

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・“PT”トレーナーとしての現場での活動イメージ

今までは東京パラリンピックでフィジオ担当や国体での救護班など実施してきました。
最近では少年野球チームへの帯同など行い、PTのトレーナーイメージとしては、怪我をした選手への対応(治療)や障害予防をメインに実施していくイメージで、それ以降の競技復帰間近ではAT、フィジカル強化・予防的観点は(S&C )など分割しておこなっていくイメージを持っておりました。

・実際に野球現場に行ってみてどう感じたか

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ツーシームの投げ方(後編)【トレーナーマニュアルvol.115】

C-I Baseballの高橋塁です。

今期の「トレーナーマニュアル」では以下のように新たなライターによる記事の配信なども加え、これまで以上に多くの視点から学べるマガジンとして展開していきます。

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(2023年7月の配信記事)

私の担当記事では、野球のパフォーマンスアップのためのコンディショニングをいかに野球技術の向上につなげるかをお伝えします。

前回の私の担当記事では、ツーシームの投げ方の【前編】として、ツーシームの軌道に始まり、基本的な投げ方のレクチャー、そして、動画解説も入れながら説明して参りました。

そして、ツーシームの投げ方には人差し指タイプと、中指タイプがあるということをお話しました。

【前編】では人差し指タイプまでのお話をしましたので、今回の【後編】では、中指タイプからのお話をしていきます。

※【後編】では動画が9本あります。これらの動画でも説明をさせていただいております。充分、満足していただける内容となっております。

実際にどう投げるか?

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中学野球におけるチームトレーニング①–プログラム立案–【トレーナーマニュアルvol.114】

初めまして!CーI Baseball1期生の平川祐希と申します。
今回は2023年から開始したサポートメンバーによるnoteシリーズ第2弾になります。

私が書かせていただく内容は、中学世代へのトレーナーとしての関わり方になります。

私自身、整形外科クリニックに勤務しながら小学生〜高校野球でのトレーナー帯同をしています。

今回は特に中学世代でのこれまでの経験とその中で得た知識を紹介させていただきます。

内容は以下の流れで3回にわたって紹介させていただきます。

中学野球におけるチームトレーニング①–プログラム立案–
中学野球におけるチームトレーニング②–アセスメントの実際–
中学野球におけるチームトレーニング③–3年計画–


それでは、第1弾の『プログラム立案』の内容に入らせていただきます!

はじめに

育成年代のトレーニングを考えていく際に、それぞれの世代での成長過程を考慮してプログラムを立案していくと思います。

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トレーニングを考える上で成長曲線や発達パターンはとても重要な要素です。

しかし、成長発達の個体差があったり、チーム特性や競技特性など考慮しなくてはいけない要素は他にもいくつかあります。

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そこで今回は中学野球におけるトレーニングプログラムをどう立案していけばいいのか一般的な要素から中学生世代の特徴までご紹介していきます。

プログラム立案要素①ー情報収集ー

まず、トレーニングを立案していく際には立案するための情報収集が必要になります。

ここでの情報収集というのは世代や野球に関わらず、どんな現場でも必要となる作業と考えています。

トレーニング対象の情報がない状態でプログラムを立案していくことはどのスポーツ現場でも難しいことであり、思いつきのトレーニングで構成されたプログラムはトレーニング効果が低く、無意味なものとなってしまいます。

事前に情報収集をしておくことで詳細かつスムーズにトレーニングプログラムが作成できるためとても重要となります。

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必要な情報を順に収集し、トレーニングプログラムを立案していきます。

ニーズ分析

サービスを提供していく職業では共通していることだと思いますが、
まずクライアント(対象)が求めていること・不自由にしていること、
すなわちニーズ・主訴に基づいて目標を設定し、それに向けて介入していきます。

同様に、まずトレーナーとしてのニーズがどの分野で求められているのかはっきりさせておくべきです。

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自分がプランしていることとチームからのニーズが異なっている場合、
今後のチームや監督からの信頼に関わります。必ず確認しておきましょう!

さらにチームトレーニングも同様で、どんなチームも県大会出場や全国大会優勝など勝利・優勝を目標にしていると思います。

試合で勝利するためには、何が課題で、何を伸ばしていきたいのかしっかりと指導者に聴取していくことが重要になります。

その聴取した内容からトレーニングの方向性を考えていき、チーム方針(ニーズ)と方向性を合致させていきます。

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数値など量的な目標が設定できるとトレーニングの方向性がより明確になります。
(例:投球障害者数0人、スイングスピード130km/h)

フィジカルテスト

チーム方針の聴取によりトレーニングの方向性が確立した後には、より詳細なトレーニング内容の決定に移ります。

チーム方針の聴取だけではトレーニング決定には至らず、
指導者が感じている課題・問題点を精査しなければなりません。

指導者視点での課題が下のピラミッドにあるようにどのレベルでの問題となっているのか見極めていく必要があります。

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例えば、

スタートが遅く盗塁の成功率が低いという課題に対して、
スタート判断(技術)が悪いのか
トップスピードまで到達するのが遅いのか

課題の意味合いが異なります。

これが技術的なのか能力(パフォーマンス)的な課題なのか精査するためにフィジカルテストを実施していきます。

フィジカルテストとは、
筋力、パワー、スピード、アジリティなど競技技術に必要な能力を測定するもので,パフォーマンステストとも言われ,グラウンドでの実施,能力の数値化を行うものとされています。


上記の例のような課題に対して特異的な能力を評価し、
能力向上が必要な場合にトレーニング内容に加えていきます。

フィジカルテストの有用性

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