パワーハウス構成筋のエクササイズ【トレーナーマニュアルvol.200】

C−I Baseball2期生の戸高です。
今回の配信はサポートメンバーシリーズとなります。

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私が配信する内容としては「ピラティス【pilates】」というメソッドが1つのツールとして投球障害の治療、予防、パフォーマンスの向上にどう活かしていくかに焦点をあてて、配信させていただいております!

はじめに

姿勢を改善していくためには姿勢が作られる要素を知っておく必要があります。
例をあげると、緊張するような場面だと身体がこわばったり、落ち込むと丸まります。
デスクワークが習慣になっている人は猫背になりやすい。なので、これしたら姿勢よくなりますというわけではなく、いろんな要素からのアプローチは必要になります。

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今回は姿勢を改善したあとに、その姿勢をどう維持していくか?
という視点で「腹腔内圧を構成する筋肉のエクササイズ」を紹介したいと思います。
第一弾として「横隔膜」と「腹横筋」について解説していきます。

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腹腔内圧とは

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腹腔内圧とは、横隔膜の下で主に消化器などの内臓が集まる空間でその内部にかかる圧力のことをいいます。
姿勢をキープするためにはこの腹腔内圧を意識することは重要だと考えられます。

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投球の『回転軸・回転効率』について【トレーナーマニュアルvol.199】

いつもC-I Baseball「トレーナーマガジン」をご購読頂きありがとうございます。 さて、私の直近の担当記事は 投手の『球速』についてと投球の『回転数』についてでした。 ※過去の記事は下記を参照してください。 今回は … 続きを読む

AIをフル活用して論文を読む【トレーナーマニュアルvol.198】

C-I Baseball 3期生メンバーの三好航平と申します.
今回は2023年から開始したサポートメンバーによるnoteシリーズです.

note本編に入る前に2点告知をさせていただきます.
4/26(土)20:00からencounter × C-I Baseballのコラボセミナーを開催いたします!

AI×理学療法 投球障害肩の動作解析と治療アプローチ”ESO会員”とは月額制のサービスです。・過去のセミナーがアーカイブで視聴可能・セミナーが無料(一部有料)※注意事項:1週peatix.com

セミナーの前半部分では,私の方でAI技術を活用した投球動作解析に関してお話をさせていただきます.大学院時代そして現在とAIを活用した投球動作解析に関する研究を行っている経験を生かしたお話をさせていただければと思っております.後半のC-I Baseballの小林先生,新海先生のパートと合わせてお時間ある方はぜひご参加ください!

②大学院時代に取り組んでいた研究がスポーツ理学療法学にacceptされ,先日公開されました!

OpenCapを用いた投球動作中の体幹回旋運動評価の妥当性J-STAGEwww.jstage.jst.go.jp

Xの方でも大変多くの反応をいただきありがとうございました!
無料で読むことができるので,ぜひチェックしてみてください!


前置きが長くなりましたが,note本編に入らせていただきます.

前回のnoteでは「AIを活用して論文を探す」ということにフォーカスを当てたnoteを執筆させていただきました.お読みいただきありがとうございました.

https://c-ibaseball.com/trainer-manual-vol185

AIの進化はとてつもないスピードであり,前回の記事公開からたった3ヶ月でさらに便利なツールが登場しています.

今回のnoteは,前回の続きでAIを活用した論文検索方法,そしてAIを活用した論文の読み方というところにフォーカスしてnoteを書かせていただきます.

エビデンスに基づいた理学療法,トレーニングを提供する上で英語論文を読むことは重要です.しかし,英語が苦手で英語論文を読むことへのハードルは高く感じるセラピストは多いのではないでしょうか.

私自身も英語が得意ではなく,英語論文を読むことに苦手意識を持っていました.しかし,読むポイントを掴むことで短時間でその論文に書いてあることを理解できるようになってきました.また,AIの目覚ましい進化により「AIとともに論文を読む」ということが可能になってきています.

本noteでは私が実際に行なっている論文の探し方や読み方,読む時に使っているツールなどをご紹介できればと思っています.

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アカデミートレーナーの1年を振り返る―成長と課題から学ぶことー【トレーナーマニュアルvol.197】

いつもマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。C-I Baseballの増田稜輔です。 目次 今回のnoteトレーナー紹介アカデミートレーナーインタビュー黒石涼太トレーナーインタビューQ: アカデミーのトレーナー … 続きを読む

投球障害に対するスクリーニングテスト【トレーナーマニュアルvol.196】

こんにちは。
C-I Baseballの1期生の北山達也です。
今回はサポートメンバーからの投稿となります。

はじめに

投球動作は全身運動であり、全身の身体機能の影響を受けます。

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例えばこの図のように、下肢の機能低下を認めるにも関わらず表出されるパフォーマンスが変わらない場合、その代償として上肢がオーバーユースになっていることがあります。
このようなケースでは下肢機能低下によって投球障害が引き起こされていると考えられます。

つまり投球障害は患部の機能のみならず、全身の身体機能を評価していくことが求められます。
全身の身体機能を1つ1つ評価し機能低下を見つけようとした場合、膨大な時間がかかってしまいます。
選手は評価されるために我々の目の前にいるわけではないため、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。

そこで有益であると考えるのが今回のテーマにしたスクリーニングテストです。

スクリーニングテストは局所の細かい評価ではなく、おおまかに全身のどの辺に機能低下がありそうか抽出するようなイメージで考えています。
そのため勘違いして欲しくないのは、スクリーニングテストで陽性になったから即介入するというわけではないということです。

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投球動作に必要な機能

まずは患部(肩・肘関節)にかかるメカニカルストレスから考え、そこからどのような機能が必要か考えていきましょう。

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投球障害肩肘の評価、”頚部”のチェック抜けてませんか?【トレーナーマニュアルvol.195】

C-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

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はじめに

投球障害肩肘の症例を診ている中で、
” 頚部 ” について考えたことはありますか?

私は、特に改善が乏しいような症例には、
必ず”頚部の評価をする!”というような思考になります。

なぜかというと、
頚部由来の症状ははっきりしないことが多く、
また症状が多岐にわたることが多いからです。

投球障害の“盲点”としての頸部

肩や肘の違和感、痛み、しびれ。これらを訴える選手を評価する際、患部周辺の可動域や筋出力、動作分析などを丁寧に行うと思います。

しかし、それでもなかなか症状が改善しない。あるいは、症状と動作や評価結果がうまく結びつかない――そんな経験はありませんか?

そういったとき、私は必ず“頚部”の評価をルーティンに入れるようにしています。

なぜ頚部を評価するのか?

頚部は、神経の出発点でもあり、そこに機能的な障害があると、遠隔部位に多様な症状を引き起こすことがあります。

特に、ダブルクラッシュシンドロームは、上肢の症状に密接に関係しています。

つまり、頚椎からでる末梢神経の明確な圧迫部位があると上肢の症状を増加させる可能性があるということです。

ダブルクラッシュ症候群(Double Crush Syndrome)は、末梢神経の走行に沿って2か所以上で明確な圧迫が生じている状態であり、それらが共存することで症状の強度を相乗的に増加させる可能性があります。

Kane PM, Daniels AH, Akelman E. Double Crush Syndrome. J Am Acad Orthop Surg. 2015 Sep;23(9):558-62. doi: 10.5435/JAAOS-D-14-00176. PMID: 26306807.

よって以下のようなケースでは、頚部由来の問題が隠れている可能性が高いと感じています。

  • 明確な外傷がないにも関わらず、肩や上腕にしびれや脱力感を訴える
  • 夜間痛があるが、患部を押しても再現痛が得られない
  • 投球動作の「リリース〜フォロースルー」で肩や肘の症状が誘発される
  • 症状の波が大きく、日によって訴えが異なる

明確な症状がある、明確な理学所見が取れるというよりも、
はっきりしないけど、症状が長引いてしまう。
パフォーマンスが上げきることができない、などの症状があることが多いと考えています。

実際の頚部評価

チェックすべき“頚部”のポイント

頚部由来の投球障害を見逃さないために、以下の評価を行います。

  1. 頚椎の可動性チェック
    • 特にC5~C7の伸展・回旋で症状の誘発がないか確認
  2. 神経根テスト(Spurlingテストなど)
    • 上肢の放散痛や違和感の有無を観察
  3. 上肢神経テンションテスト(ULNT)
    • 正常な神経滑走が行えているか
  4. 姿勢評価
    • 頚部前方位姿勢、胸郭の硬さ、肩甲骨の位置関係
  5. 頚部周囲筋の過緊張
    • 斜角筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋などの筋緊張を確認

上記のポイントについて、図を用いて確認します。

頚椎の可動域

頚部もROM-tは必要だと考えています。
他の肩関節や股関節などと同じようにROM-tを確認することはとても大切だと考えています。

様々な方向の参考可動域を元に、
過小な部分や過剰な部分をみます。

まずは、屈伸の参考可動域です。

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Augustus A. et al.: Clinical biomechanics of the spine second edition.Lippincott Williams & Wilkins, 1990 . 図を引用改変

C0-1の屈伸の可動域が一番大きいです。

次に側屈の可動域です。

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Augustus A. et al.: Clinical biomechanics of the spine second edition.Lippincott Williams & Wilkins, 1990 . 図を引用改変

側屈は、おおよそ平均的に動くことがわかります。

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Augustus A. et al.: Clinical biomechanics of the spine second edition.Lippincott Williams & Wilkins, 1990 . 図を引用改変

回旋に関しては、
環椎後頭関節が屈曲伸展の貢献度が一番高いとされています。

上記の可動域を参考にし、
正常よりも過小な部分や過大な部分を判断して
ROMを診てもらいたいと思います。

頚椎神経根テスト

神経根が原因で上肢の出力が入らないということがあります。

頚椎神経根の症状があるかないかの評価は、
Jackson compression testや、Spurling’s testで頚部から上肢にかけての症状があるかないかで評価します。

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