元プロ野球トレーナーが教える 投球の変化量について

投球の変化量について

今回は、投球の「変化量」についてお話しします。

現在、野球の現場では通常のスピードガンだけでなく、ラプソードやトラックマンなどのトラッキングシステムが浸透してきています。

球速だけでなく、回転数や回転軸、変化量など、さまざまなデータを確認できるようになりました。

一方で、
「変化量の数字は、どう見ればいいのか?」
「ストレートと変化球の違いを、どう評価するのか?」
「測定したデータを、投球の改善にどうつなげるのか?」

といった部分は、まだ分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

私自身も2022年からラプソードを所有し、500人以上のピッチングデータを測定してきました。

今回は、その経験も踏まえながら、投球の「変化量」をどう捉え、どう活用していくのかをお伝えします。


変化量は、何を表しているのか?

まず知っておきたいのが、変化量の基準です。

記事の中では、ラプソードの表示について、次のように説明しています。

「この図の(0,0)の原点が、ボールが全く回転していなければここに到達するというところです。」

野球を経験していると、ストレートを基準にして、そこからどれくらい曲がるか、落ちるかを考えたくなるかもしれません。

しかし、トラッキングシステムで表示される変化量は、必ずしもそのイメージと同じではありません。

ここを理解しておくことで、ストレートや変化球のデータの見方が変わってきます。

また、測定機器によってデータの算出方法が異なるため、数字をそのまま受け取るのではなく、何を基準にしたデータなのかを知ることも大切です。


球種の違いを、データから見る

今回の記事では、実際の投手のデータを使いながら、ストレート、スライダー、カーブ、2シームなどの変化量についても解説しています。

例えば、

「スライダーとカーブの変化量がほとんど変わらない」という場合。

球種の名前は違っていても、実際には似たような変化になっている可能性があります。

記事では、こうしたデータをもとに、

「カーブとスライダーの差がほとんどありません。」

という実例を取り上げています。

では、なぜそのような変化になるのか。

リリースの仕方やボールへの指のかかり方など、どのような部分を見ていけばよいのでしょうか。

単に「もっと曲げよう」とするのではなく、データから投球の特徴を捉え、改善の方向性を考えることが重要になります。


球速だけでは見えない、投球の質

球速は、投手のパフォーマンスを考えるうえで重要な指標の一つです。

ただ、球速が速ければ、それだけで打者を抑えられるわけではありません。

記事の中では、メジャーリーグの投手のデータも紹介しながら、球種ごとの変化量の違いについて考えています。

ストレートと変化球の軌道がどのように違うのか。

それぞれの球種が、どのような特徴を持っているのか。

そして、その違いをどのように投球の改善につなげていくのか。

球速だけでは分からない投球の質を、変化量という視点から見ていきます。


■解説動画

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打撃動作の評価ポイントとエクササイズ 〜何を見てどう介入するか〜

いつもC-I Baseballメソッドをご購読いただきありがとうございます。
C-I Baseballの神谷です。

C-I Baseballは、理学療法士を中心に、野球選手に関わるための臨床・トレーニング・現場対応を発信している団体です。

このマガジンでは、投球障害への評価や介入、競技復帰、再発予防、トレーニング、野球現場での判断など、野球選手をみるうえで必要な考え方と実践をお届けしています。

今回から打撃に関する内容を担当します。
1本目は打撃動作の評価ポイントと対応するエクササイズをご紹介します。

自己紹介

初めての投稿なので簡単に自己紹介をさせていただきます。

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小学校1年生から高校3年生まで野球をしていました。中学生から高校にかけて怪我が多く、満足にプレーができませんでした。このような経験から怪我する野球選手を1人でも多く減らし、怪我する前よりもパフォーマンスが上がった状態でプレーに復帰してほしいという思いで活動しております。

現在は整形外科クリニックに勤めながら、C-I Baseball Academyで中学生のトレーニング指導をさせていただいております。

はじめに

臨床や現場では投球障害が多く、投球動作を評価する機会は多いとは思いますが、打撃動作を見る機会は少ないと思います。
おそらくみなさんが感じていることは

  1. どこを見たらいいかわからない
  2. 見る機会が少ないため経験則でなんとなく見ている
  3. 必要な機能はわかるが動作に繋がらない

これらが多いのではないかと思います。

これは経験則や観察眼がないのではなく
見る順番とポイントがわかっていないからです。

今回の記事では、アカデミーや野球現場での経験をもとにいつも自分が見ているポイントをお伝えできればと思います。あくまでも私の考えなので1つの意見としてご参考ください。

この記事を読めば
何を・どんな基準で見ればいいかわかるようになります。
総論のためあまり深堀はせずにざっくりと説明します。

1.打撃のフェイズとチェックポイント

まずは打撃の各フェイズについてです。
打撃も投球のようにフェイズが分かれています。

文脈により詳細な定義は分かれますが、おおよそ4〜6つのフェイズに分かれています。

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Ryan Int J Sports Phys Ther. 2015

今回はその中で私が重要視している3つのフェイズに分けてそれぞれのチェックポイントを解説します。

①Stance

定義は前足が地面から離れ体重を後ろ足に移動させることとされています。
文脈によりCoilingやLoadingと呼ばれたりもします。

その名の通り軸足に体重を乗せるフェイズであり、その後の並進運動に繋がる重要なフェイズです。
バイオメカニクスについては第2回のnoteにて解説する予定なので詳細は割愛させていただきますが、打撃も投球と同様に骨盤の回旋で生んだエネルギーを上半身に伝えていくことが重要です。

ポイントは以下の通りです。

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Stance phaseでは、並進運動に移る準備段階として股関節に体重を乗せる(屈曲・内旋)や腹圧が抜けないように体幹筋群の共収縮が入っていること。本人の力が入りやすい位置にトップを置くことが重要だと考えています。
共収縮については第2章でご説明します。

エラー動作として多いのは膝主導で構えて股関節の屈曲が入らないことや、トップを深く取ろうとするあまりに過度に回旋しながら構えたり、そもそも胸郭の可動域制限があるとトップが浅くなり、加速距離を確保できないことが挙げられます。

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独立リーグチームにおけるS&Cとしての役割-2026シーズンの取り組み-

いつもC-I Baseballメソッドをご購読いただきありがとうございます。
C-I Baseballの野坂光陽です。

C-I Baseballは、理学療法士を中心に、野球選手に関わるための臨床・トレーニング・現場対応を発信している団体です。

このマガジンでは、投球障害への評価や介入、競技復帰、再発予防、トレーニング、野球現場での判断など、野球選手をみるうえで必要な考え方と実践をお届けしています。

初めに

改めまして、みなさんこんにちは!
C-I Baseballの野坂光陽です。
CIBでは、創設時の1期生として加入させていただいております。
noteを利用して、以前より記事を書かせていただいておりました。

2025年までの9年間は、整形外科のクリニックに従事していましたが
2026年1月より、栃木ゴールデンブレーブスのS&Cとして
働く環境を移し、勤務しております。

今回は、私が今シーズンS&Cとして取り組んできたシーズンの
取り組みを記事にさせていただき、みなさんに共有させて
いただきます。

私は理学療法士の免許をとったのちに、NSCA-CSCSを取得しました。
その理由は、「理学療法士という立場や思考での視野では、対応が困難なことが増えてきた」からということが大きいです。

元々、障害を予防したいという思いで理学療法士の免許を取得しました。
様々な環境で学ばせていただき、知識やスキルも多く学んできました。
しかし、数々の野球現場での活動を通して、身体的土台が強くなり
練習強度に耐えうるということも一つの障害予防であると感じるようになりました。
そこで、ストレングス&コンディショニング(以下S&C)領域に興味を持ち
資格取得に至りました。

2026年現在は、理学療法士としてではなく、S&Cとしてチームに所属し
仕事をしております。
CIBに興味がある方だけでなく、理学療法士として現場に出ている先生方や
臨床で野球選手に関わる先生方と同じように、選手がいかにプレーで
結果を出せるか、という観点といかに怪我をしない身体を構築できるか
という観点で、今回は記事を書き進めていきますので、最後までよろしく
お願いいたします。

チームにおけるS&Cとは?

S&Cの役割は
「選手が練習及び試合でパフォーマンスが発揮できる土台を作ること」

そして
「プレーやスキルの土台である、身体機能の向上及び維持」
という点で今シーズン活動して参りました。

業務内容として、栃木ゴールデンブレーブスにおいて
S&Cとして監督など指導者に求められたことは

「フィジカルの強化」
「コンディションの管理」
「故障者の早期復帰と再発予防」でした。

そこで、2026年シーズンに取り組んできたこととして

1. 定期的なフィジカルチェックによるコンディション、出力のチェック
2. ピリオダイゼーションを考慮したプログラムの作成と実施
3. 投手及び野手のウォームアップの先導ならびにトレーニングやエクササイズの提示及び実施
4. 試合におけるベンチ内での救急対応
5. 登板投手のコンディションチェックとその問題があった場合の対応(エクササイズ指導など)

上記5点を私の職務として活動して参りました。

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S&Cとして取り組んだ内容

今回の記事ではその中から、

1.フィジカルチェックによるコンディションチェック
2.ピリオダイゼーションを考慮したプログラムの作成と実施
3.ウォームアップについて

これらを抜粋して記事にしていきます。

理学療法士からS&Cへの転職

理学療法士(以下PT)とNSCA-CSCSのダブルライセンスを保有している方は
私の周りでは比較的多い印象を受けています。
様々な理由があると思いますが、PT×S&Cのダブルライセンスを
保有している方もしくは目指している方は少なくないと感じています。

現場では、PTとして立つのか、S&Cとして立つのか
目的を明確にされていた方がいいと、私は考えます。

現場では、その職務はもちろんオーバーラップするところもありますが
根本の部分が大きくことなるからです。

PTの職務として、「障害部位や他部位へのリハビリテーションを通した介入」つまりパーソナル的要素が強く、マイナスからゼロへの介入を
目指すことだと私は考えています。
介入に関しては、一対一もしくは数名という小規模であり
エクササイズもリグレッションした状態からスタートしていくという
側面が出ながら介入が進んでいくと考えています。

一方でS&Cの職務は上記した
「選手が練習及び試合でパフォーマンスが発揮できる土台を作ること」
「プレーやスキルの土台である、身体機能の向上及び維持」

よって、基本的に「プレー可能な選手」さらには
「試合に出場できる権利がある選手全員」が介入の対象となります。

チーム状況によって変動しますが、S&Cの対象は、一対複数つまりチーム全体ということになります。
私は、S&Cがチームに1名という状況だったので、野手ならびに投手全体を対応させていただいていました。

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S&Cとして一人に対して時間をとって指導するということは
自主練習以外には基本的にはありません。つまり基本的には全体を見ながら
チーム状況を確認する必要があります。

しかし、投手は例外的に先発と中継ぎの大きく分けて2つの役割が
存在するため、該当選手には個別に試合から逆算した
トレーニングプログラムを立案していくこともさせていただいて
まいりました。

私は転職してからしばらくの期間は、PTマインドが抜けずに
四苦八苦していました。

ウォームアップに始まり、投手の役割ごとのトレーニングメニューの
立案や野手にも同様にトレーニングメニューの立案と実施を促しつつ、
練習時のウエイトトレーニングのプログラム立案や修正など
複数人を同時かつ様々な側面で見ていくことの難しさに直面しました。



理学療法士時代に、定期で介入しているチームでもトレーニング指導を
行なってきましたが、毎日の練習、そして試合や状態から逆算したものを
考慮し、構築し、実際に行動に移すということは、私にとって難易度が
とても高い部分で、苦しんだ思い出があります。

下記に、練習日のおおよそのタイムスケジュールを載せていますが
基本的にはグラウンドや選手に近くいる時間がほとんどで
私は朝の時間はW-upとトレーニングを担当し
その後の技術練習時間では主に投手のキャッチボールや状態の確認の
時間が多いです。
技術練習後はウエイトトレーニングの対応と、基本的には1日が流れていきます。

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独立リーグというのは
「一人でも多くのNPB選手を輩出すること」
「地域貢献」
という目指す場所があり、選手だけでなくチーム全体が必死になって
結果を追い求めている中で、私がその土台を担うという
今までに経験してこなかった側面を、たくさん経験させていただきました。

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球団情報 | 栃木ゴールデンブレーブスオフィシャルサイト球団概要 スタジアム情報 球団概要 チームロゴ チーム名栃木ゴールデンブレーブス(英語表記:Tochigitochigi-braves.jp

このnoteを見ている方の中でも、もしかしたら独立リーグのチームに
今後挑戦したい!という方がもしかしたらいらっしゃるかもしれません。
一つ、教訓としてこの記事を読んでいただけると、著者冥利に尽きますので
最後までよろしくお願いいたします。

チームにおけるS&Cとしての取り組み

1.フィジカルチェックによるコンディションチェック

S&CとしてもPTとしてもコンディショニングは重要だと思いますが
これには「基準」と「変化」を捉えることが重要であると考えています。

そして、そこから考えられる対応や、予測をすることで
症状や状態の悪化防止を未然に防いだり、トレーニング内容や強度の
変更などを考慮する一つの材料になると考えています。

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今年の取り組みとして、練習時におけるトレーニング内にて
定期的な測定を行いながら、選手のコンディションチェックを
行なってまいりました。

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チーム状況においては、まとまって測定の時間を取ることが
難しいこともあるかと思います。
野球=技術練習を重んじる部分が非常に強いためです。
しかし、トレーニングと測定を兼ねて時間に取り入れていくと
指導者にも伝えやすいですし、選手も
「今日は測定か」「週末だから今日は測定かな」と
ある程度の準備ができると考えていますので、組み込むメリットは
大きいと感じています。

1-2.フィジカルチェックの項目

今シーズン実施した項目を投手野手ともに列挙いたします。

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測定においては、もちろん測定に対する科学的根拠(エビデンス)が必要なことは十分理解しています。
アプローチの根本にも、科学的根拠に基づく実践(EBP)を常に念頭に
おいて働いているのは間違いありません。

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今回用いた測定に関してもそうですが

「測定自体が目的にならないようにする」
「準備が容易であり、選手及び練習の妨げにならない」
「フィードバックが容易で理解しやすい」

上記点を考慮しながらの測定となりました。

みなさんも、チームでの測定を行っていると思いますが
トレーナーやS&C側が「これは科学的根拠があるから!」といって
測定自体が目的化してしまうことは避けなければいけない点であると
思います。

あくまで測定は「選手のコンディションをチェックする手段」です。
なので、選手が一目もしくは投じた結果、調子の良し悪しがすぐ
簡便にわかる測定項目がいいと私は考えています。

2.ピリオダイゼーションを考慮したプログラムの作成と実施

独立リーグは、変動はありますが基本的に週末の金曜、土曜、そして日曜に
試合があり、今年は約60試合が4月から9月まで組まれている中で
シーズンが進んでいきました。

S&Cとして、ピリオダイゼーションに則った思考が介入軸の一つになります。
つまり、インシーズン中の4月から9月までは基本的にピーキングを
し続けなければいけないということにもなります。

CSCSの教本にもピリオダイゼーションとピーキングについて
基礎的な記載はありますが、これを約半年実行し続けることは
選手にとって大変だということがわかりました。(あくまで自分の体験談ですが)

よって、インシーズンのピーキングをいかにキープするか?
が私のシーズンを通しての課題でもありました。

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トレーニングの残存効果も考慮していく必要もあるかと思いますが
今シーズンは、ミクロサイクル(週単位)でのブロックピリオダイゼーションを導入することにしました。

具体的には、クールの初めつまりオフ明けにW-upならびに
トレーニング、スプリント及びランニングのボリュームを最も多く位置付け
週末の試合に向けてボリュームを落としていくという方法です。

いわゆる「フィットネス-疲労理論」を用いたということも同義かと
思います。

2-1.フィットネス-疲労理論

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トレーニングによって、フィットネスつまり身体的能力は向上しますが
一方で負荷をかけることになるので、疲労も同時に蓄積します。

時間経過とともに疲労は抜けていきますが、その落ちる度合いよりも
フィットネスの落ちる度合いが少ないと考えられており
結果的にフィットネスの効果が残存するということ、つまり
疲労が抜けてきても身体的機能は落ちずに残存しているということが
この理論となります。

2-3.今シーズンにおけるマクロサイクル内でのトレーニング計画

先発投手に関しては、前もっていつ登板するかがチームで
決められているので、そこに合わせて調整するような形で
ランメニューを組んでいました。

例えば、金曜日登板し中6日で次回登板が決まっている場合の
週間日程を列挙します。

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先発投手はリカバリーラン日はストレッチを重点的に行い
エクササイズやトレーニング系は、翌日以降に行います。
項目には入れていませんが、他の投手同様に行っていきます。


中継ぎの投手に関しては、試合のどのタイミングで登板するか
状況によって変化するため、基本的には先発以外の投手は
全員同じ流れで進んでいきます。

以下に、今シーズン取り組んできた中継ぎ投手の
トレーニングについて列挙いたします。

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投手で最もきついのは、ランニングメニューにあるPP(ポール間走)で
間違いないと思います。
私は今シーズン、春先から夏場まで一環してOFF明けには必ずPPを
組み込んでいました。
(週明け試合の場合は除く)

理由として、投手は投球を約20秒間隔で投げ続けていかなければならず
その度に強い負荷が全身にかかることになります。

投球時には、心拍数は180前後まで上昇すると言われています。
同様の負荷は、中距離ランニング及び全力のスプリントでしか出せません。

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投球における心拍数と同程度の負荷を課し、その中でもスプリントができる
ようにならないといけませんし、その中で投手は再現性が求められるので
同じフォームで走り続けるというところも選手には意識するよう説明をしています。

2-4.パロフプレス

チューブでは、張力を利用したなかで胸郭周りのモビリティを出すエクササイズや、後方から牽引するような形でのレジスト走、パロフプレス系に代表される体幹のアンチローテ系、張力に抵抗する形でのジャンプ系を
日替わりで提示して行うようにしていました。

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新チームで構成するトレーニングー野手のトレーニングを考える方法ー

C-I Baseballの増田稜輔です。
いつもC-I Baseballメソッドをご購読頂きありがとうございます!

今回は「新チームでのトレーニング」をテーマに
CIB副代表・佐藤康氏とのともに【投手編】【野手編】の

2部編成でお伝えしていきます。

このnoteでは
【新チームで構成するトレーニングー野手編ー】について解説していきます。

投手のトレーニング内容については
こちらをご覧ください!!


新チームが始まる今、トレーニングをどう考える?

みなさんは「新チーム発足」がいつの時期かご存知でしょうか?
野球の年間スケジュールを考えると4月に発足ではない場合がほとんどです。
「新チーム発足」はカテゴリーによって異なります。
学生野球であれば学年が上がる4月にはチームとして成熟している必要があります。

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どのカテゴリーにおいても4月が「新チーム発足」ではなく
主要としている大会後に発足します。
すなわち4月から年間スケジュールを立てるのではなく
「新チーム発足」後に年間スケジュール・トレーニングプログラムを作成する必要があります。

今回は年間スケジュールがイメージしやすい
【高校野球の新チームトレーニング】をテーマに話を進めていきます。

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高校野球では、夏の選手権大会後の7月〜8月に【新チーム発足】します。
この時期は年間スケジュールで考えると【試合期】に相当し
実践機会が多い時期となります。
新チーム発足後すぐに秋季大会や新人戦があり、トレーニングよりも
実践練習に重きが置かれる時期になります。


高校生の場合では、【新チーム発足】後すぐにトレーニングプログラムを
作成し、内容を切り替えるよりも
7〜9月の試合期の場合は、前チームから行っているプログラムを引き続き継続しパフォーマンスを維持していくことになります。

そのため、
【新チームのトレーニングプログラム】は
秋季大会終了後の10月から開始することが多いです。

今回は新チームに対する
野手のトレーニングプログラムの構成方法をお伝えしていきます。

■新チームのトレーニングプログラムを考える

新チーム発足後、トレーニングプログラムの構成する前に
確認しておくべきことが何点かあります。

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|チーム目標 方向性の確認

第一に考えるのが【チームの目標】がどこに設定されているかです。

チーム目標
・1回戦突破
・ベスト8
・全国大会出場
・全国優勝

それぞれのチームで目指す目標は異なると思いますが
目標がない状態ではトレーニングプログラムを構成することは出来ないです。

次に考えるのは【チームの方向性】です。
どんな野球のスタイルで目標に向かうのか?
これによっても、トレーニングプログラムを変更する必要があります。

例えば
【打ち勝つ野球】を目指すチームなら
打撃を中心にチーム作りをおこなっていくと思います。
なので、トレーニングの比率もアジリティなどのメニューよりも
短時間で筋発揮するためのパワーメニューが重き置く。

このように、目指すチーム像によっても
何を中心としてトレーニングを行っていくが変わります。

チームの目標や方向性が決定したら
【いつまでに達成するか】を考えていきます。

例
・チーム目標
全国大会出場
・チームの方向性
打ち勝つ野球
目標達成時期が
春の全国大会なのか?夏の全国大会なのか?
目標達成時期を明確にしていきます。

ここまでの、目標や方向性はトレーナーが決めるのでなく
チーム指導者、選手を意見交換し決定していきます。
そのため、チームとのコミュニケーションが非常に重要になってきます。

■選手の能力の把握


対象となる選手・チームの現状どのくらいの能力があるかを把握していきます。今回は【野手】に特化して考えていきます。

|野手のパフォーマンス要素

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野手のパフォーマンス要素は
バッティング、走塁、守備の3つです。
この3つのパフォーマンスは
筋力、パワー、スピード、アジリティ、可動性の5つの要素から構成されます。

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|選手の状態を把握する方法

選手の状態を把握するには前述した5つの要素を数値化して判断していきます。
そのためには【フィジカルチェック】を行っていきます。

フィジカルチェックとは?
選手一人ひとりの各関節の可動域・柔軟性や全身の各部位の筋力を計測・評価し、それをもとにケガの予防・パフォーマンスの向上を目指すためのプログラムを構成するための方法論となるものです。

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■筋力の測定

筋力の測定では主にBIG3での最大筋力を測定していきます。

・バックスクワット

・デッドリフト

・ベンチプレス

BIG3での最大筋力の測定はトレーニング負荷を決定する上で
重要な数値になります。


各選手の最大筋力を把握してない状態でトレーニングを行うと
トレーニングプログラムを構成する上ではマイナス要素が出てきます。
・適切な負荷を設定出来ず過負荷or低負荷になりパフォーマンスにつながらない
・時期に応じたプログラム変更が出来ない
・筋力が向上したかの判断基準がない

目標へ向かってトレーニングプログラムを構成するには
数値の変化を追っていくことが必要になってきます。

|最大筋力の測定方法(New)

筋力の測定では主にスクワット・デッドリフト・ベンチプレスなどを用いて、選手がどのくらいの筋力を持っているかを測定していきます。

最大筋力を把握することは、トレーニング負荷を決定する上でも重要な数値になります。

各選手の最大筋力を把握していない状態でトレーニングを行うと

・適切な負荷を設定できない
・時期に応じたプログラム変更ができない
・筋力が向上したかの判断基準がない

目標へ向かってトレーニングプログラムを構成するには、数値の変化を追っていくことが必要になります。

ただし、

最大筋力を把握する=必ず1RMを測定する

ということではありません。

高校生では、初めてストレングストレーニングを行う選手も多くいます。

そのため私は、ストレングス経験がない選手に対して、最初から最大重量を挙上させる方法では測定していません。

|最大筋力の測定方法(New)

ストレングス経験がない選手の場合は、

まず、トレーニングフォームを確認した上で、

自体重の70〜80%程度の重量

から開始していきます。

そこで実施できた反復回数から、推定1RMを算出していきます。

※自体重の70〜80%は私が現場で使用している開始重量の目安であり、種目や選手のトレーニング経験、フォームによって調整していきます。

推定1RMを算出する方法はいくつかありますが、ここではBrzyckiの式を用います。

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新チームで構成するトレーニング‐投手編‐

いつもC-I Baseballメソッドをご購読いただき、ありがとうございます。
C-I Baseballの佐藤康です。
CIBメソッド現場編では
「新チームでのトレーニング」を
CIB代表・増田稜輔氏との2部編成でお伝えしていきます。

8-9月のこの時期は中学・高校生では
新人戦が開催されることが多いのではないでしょうか。

また、新人戦敗退後は
・来年春まで大きな大会がない
・週末に練習試合がある
⇒大会出場メンバー以外の選手も試合に出る機会が増える

など、多くの選手が実践機会が増えていく時期であると思います。

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そのため、実践機会が増える
+来年春・夏までのカラダをつくることが求められてきます。

今回、私は投手編として内容をまとめていきます。

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すべて表示

■新チームで考えるピリオダイゼーション

はじめに、トレーニングの実際の方法を解説していく前に、トレーニングを構成する計画についてまとめていきます。

|ピリオダイゼーション
スポーツ選手が、1年のうちで最も重要な試合に、コンディションをピークの状態で望むために、トレーニングの内容を変化させること

上記にあるように、ピリオダイゼーションとは最も重要となる試合(ピーク)に対して競技の日程を見据えたトレーニングのプログラム方法をいいます。

つまり、年間を一つの周期として、サイクルの中で期分けをしていきます。
主に学生野球では、図のように4~10月が大会期・試合期であり、12月~2月はトレーニングを強化していく期間、その他間の期間は移行期となります。

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これらをもとに現在の期間と目標設定をしていきます。

まず、年間のゴールを
最後の夏季大会(中学であれば総体、高校であれば選手権大会)とします。

その中で、
「現在がどの期間にあたるのか。」
「年間の目指す目標に対して現在の位置に何を目指していくのか」
について考えていきます。

▶詳細はコチラ

https://note.com/embed/notes/nb0338ee05cf5?theme=auto

では9月はどのような期間でしょうか。
9月は7,8月から新チームが開始し、大会までの短期間のため、実践練習が中心となり、トレーニングに割ける時間は多くなく、コンディションメニューが中心であるところが多いかと思います。

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そのため、教科書的には1年間を1周期としてサイクルを構成していきますが、実際の関わりでは年間にある3大会をそれぞれピークとして考えています。

これらは大会前の状況がすべて異なり、
その時期・状況に応じた対応が求められます。

<中・高生の学生野球の例>
夏季大会で最上級生が卒業し、下級生のチームとなる初の大会
→秋季・新人大会
冬の準備期を経て、カラダの大きさにも変化のある
→春季の大会
年間の集大成である
→夏季大会・総体

▶中学野球のためのピーキング

▶高校野球のためのピーキング

▶大学野球のためのピーキング

■トレーニングを組み立てる前に

先述したピリオダイゼーションやトレーニングの具体的なメニューを考えていく上で、「目標設定」がポイントになります。

なにを目標にするか?
目指す投手像とは?

これを新チームのテーマとすることで
具体的なメニューの指針となります。

チームの大会での勝利を目指す上で、
勝てる投手にするためには、何が必要でしょうか?

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上記の他、スタミナや球速、コントロール(制球力)などの
要素が挙がってくると思います。

では、これらのパフォーマンスに
必要な要素はなにが挙げられるでしょうか?

|トレーニングを構成する体力特性

トレーニングを計画する前に、
その選手・チームが
「どんな要素が弱いのか」
「トレーニングにはどんな要素があるのか」

を整理しておく必要があります。

ここが抜けてしまうと、感覚的なメニュー計画・構成になってしまい、自分に合ったトレーニングかどうかの判定がわからなくなってしまいます。

また、ありふれたトレーニング内容の中からなにをピックアップすべきか?トレーニングの本質を理解せずに、「プロ選手が最近やっているから、取り入れている」などということも生まれてしまい、実際その選手にとって過負荷となり、ケガをきたす可能性があるかもしれません。

そのため、まず基礎的なところから整理します。

|基礎体力を整理する

▶体力
「行動を起こす能力」
「行動を持続する能力」
「行動を調節する能力」があります。(厚生労働省)

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トレーニングの要素として上記のようなものに大きく分かれます。また、「ーを起こす・ーを持続する能力」はエネルギー系に「ーを調節する能力」はコーディネーション系の意となります。

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あらゆるスポーツ競技においても言えることですが、どちらかだけ強化してもパフォーマンスが向上できるわけではなく、バランスの取れた相互的な関係が必要となります。つまり、エネルギー系の体力を十分に機能するためには、動きを制御する調整力(コーディネーション能力)が重要となります。

今回のテーマでもある「投手」では?

投手には持久力も大事な要素ですが、さらに
・筋力や筋パワーの強化
・調整力の強化
・投げ続けられる再現性(パワー・持久力)
が重要であると考えています。

そのため、運動をコントロールする調整力や
柔軟性が重要な位置づけとなってきます。

これらの要素を定期的に測定できることで、
選手個々が自分の現在地を把握し、
課題設定をすることができます。

また、自分のトレーニング効果を数値化し
視覚的にも捉えられることで
トレーニングに対するモチベーションの向上にもつながると考えています。

■投手に求められるトレーニング要素

それでは、各論に迫っていきます。
チームから要望されることも多い
「スタミナ」「球速」を例に解説していきます。

試合期である今の時期は多くの投手が試合で登板できるよう、
・完投能力ができるスタミナ(基礎体力)
・速球をなげるための瞬発力

などの要素を強化していくことが必要となります。

走り込みや投げ込みだけで投手が育成できるかというと、これだけでは最大出力を高めることが難しく、先述した基礎体力の向上を大きく望むことができません。

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育成年代トレーニング 〜PHVAとクラムジー期から考える〜

みなさんはじめまして。
C-I Baseball4期生の高橋敬亮と申します。

2023年に参加させていただいた臨床コース・インソールコースをきっかけに、現在所属している整形外科クリニックにて理学療法士として勤務しております。
また、2024年からはC-I Baseballが行っているアカデミーにも参加し、現在はトレーナーとして活動させていただいています。

今回、初めてライターとして記事を執筆させていただくこととなりました。
本記事では、私がアカデミーでトレーナーとして活動していく中で学んだ内容について、いくつか紹介させていただこうと思います。

◇PHVA(Peak Height Velocity Age)

PHVAとは

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トレーナーとして活動されている方は、トレーニングを行っている中で選手のトレーニング効果の差を感じたりすることはないでしょうか。

特に学生においては、同じ学年でも体の成長速度の個人差があったりすることで悩むこともあるかと思います。
また、性差による違いを感じたりすることもあるのではないでしょうか。

成長期の選手たちを学年で一括りとして同じトレーニングを行うことには大きなリスクを伴うことがあります。
そこで今回皆さんに知っていただきたいのが、世界基準の指標でもあるPHVAです。

PHVAとはPeak Height Velocity Ageの略で、日本語では「最大身長発達量年齢(またはピーク身長速度年齢)」と呼ばれたりしています。
簡単に説明すると、「年間での身長の伸び(率)が最も大きい年齢」のことです。

PHVAは単なる成長の記録ではありません。
FIFAやIOCをはじめとする世界のトップスポーツ機関や、欧米の長期選手育成モデル(LTAD)において、「アスリートの体を怪我から守り、才能を正しく伸ばすための世界共通の基準(グローバルスタンダード)」として広く採用されている指標です。

計算方法はとてもシンプルです。
「身長」「座高」「体重」「生年月日」という基本的なデータを専用の計算ツールに入力するだけで、その選手が現在PHVAの何年前(または何年後)にいるのかを誰でも簡単に割り出すことができます。

海外のスポーツ科学分野で広く使われているMirwald(ミルワルド)らの評価式を用いたExcelシートや、国内のスポーツ医科学サイト等で公開されている「PHVA算定ツール」を活用すれば、数値を打ち込むだけで一瞬で把握が可能です。
(「PHV計算ツール」や「Maturity Offset Calculator」と検索すると、無料で利用できるスプレッドシートやWebツールがいくつか見つかります)

以下のリンクで見ることができます。

BMIとPHVについて|育成年代向け成長のモニタリング|フィジカルフィットネスプロジェクト|指導者|JFA.jpBMIとPHVについてのページです。あなたのBMIや成熟度が分かります。ぜひ計算してみてください。www.jfa.jp

ちなみに「座高」の数値がなくても心配はいりません。

3ヶ月〜半年ごとに身長を計測し、その「年間伸び率(cm /年)」を追っていくだけでもPHVAは十分に把握可能です。
前回の計測時よりも明らかに身長の伸びるペースが加速してきたら「スパート期に入った」、伸びの勢いが最も高まった時期が「PHVA」、そして伸びが落ち着いてきたら「PHVAを通過した」と判断できます。

大切なのは「学年」で判断することではなく、「その選手の成長の波(伸び率)」を見つめることです。

性差と個人差

少し話が逸れましたが、ここで具体的に何歳頃にPHVAを迎えるのかについて話していきます。

一般的には明確な性差が存在します。
女子のPHVA:平均12歳前後
男子のPHVA:平均14歳前後
このように、女子の方が男子よりも約2年早く成長スパートのピークを迎えます。

しかしこれは大まかな目安であり、同性の同学年であってもPHVAを迎える時期には最大で3〜4年程度の個人差が存在すると言われています。

例えば、男子の平均とされている14歳の同じチームの中でも、
・すでにPHVAを通過し、骨格が成熟してきている選手
・まさに今成長のピークを迎えている選手
・これからPHVAを迎える選手
が同じ環境で混在しているというのがリアルな現場の姿です。

その背景を踏まえると同じトレーニングメニューを行っていても、ある選手には負荷が低すぎて効果が出ず、別の選手には過負荷となってしまうリスクが生まれます。

PHVA期の体へのリスク

では、なぜPHVAの時期を把握することが重要なのでしょうか。

その最大の理由は、PHVAの前後はとても怪我をしやすい時期だからです。

筋は作用する骨の長軸方向の長さに応じて最も効果的に働くように、長さと筋緊張が維持されるように最適化されると考えられている。つまり、筋の発育は骨の長さの発育に応じて生じるようである。(中略)その結果、身長最大発育の時期には、相対的に筋の発育が追いついておらず、筋柔軟性の低下やタイトネスの増大が生じ、未成熟で脆弱な骨に強い負荷が生じるリスクが高くなる。

飯田,2018「身体の発育と発達」より引用

このように、PHVA期では「骨の急成長」と「筋肉の発達」の間に大きなタイムラグが生じてしまいます。

骨が先行して伸びるため、筋肉や腱が引き伸ばされ、筋の柔軟性の低下やタイトネスが生じ、結果として骨の付着部や関節に常に強い牽引ストレスがかかります。

スポーツ障害であるオスグッド・シュラッター病やシーバー病も、この牽引ストレスが原因の1つといわれています。

野球では、骨の急成長によって肩甲帯や股関節の柔軟性が低下することで、フォームが崩れてしまい肩や肘に過度な負担が集中します。
これにより、リトルリーガーズショルダーやリトルリーガーズエルボーなどのリスクが最も高まる時期でもあります。

トレーナーや保護者の方が、「選手の体が急に硬くなった」を感じた場合、それは選手がケアを怠っていることが問題ではなく、実はPHVA期特有の生理的な反応である可能性も視野に入れておかなければならないと言えます。

PHVAを基準にしたトレーニングメニューの考え方

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PHVA軸による成長期フェーズ分類

学年単位ではなく、選手ごとの成長度合いに合わせて指導内容を変えるために、成長スパート前後の用語と、PHVAを軸とした4つのPhaseに合わせたトレーニングメニューの考え方を知っておく必要があります。

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PHVAを基準として選手の発育段階は大きく4つのPhaseに分けることができます。

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Phase毎のトレーニング内容

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痛みがない選手の何を見る?-野球現場では「動作」から評価を始め

C-I Baseballの増田です。
2026年8月より、新マガジンがスタートしました。これまでの内容をさらにアップデートし、現場で活用できる記事を配信していきます。
引き続き、ご購読をよろしくお願いいたします。

●今回のテーマは「痛みがない選手の評価」

野球現場で選手を見ていると、痛みがある選手だけでなく、痛みはないけれど投球に変化が出ている選手と関わることがあります。

「最近、少し投げにくそう」
「球速が落ちている」
「リリース位置が安定しない」
「投球数が増えるとフォームが崩れる」

このような選手を見たときに、何から評価を始めればよいのか悩むことがあります。
痛みがある選手であれば、痛みの部位や動作、圧痛、可動域、筋力など、症状を起点に評価を進めやすいと思います。

一方で、痛みがない選手では、一般的な機能評価を行っても大きな問題が見つからないことがあります。

肩関節の可動域もある。筋力も大きく落ちていない。
でも、実際に投げてもらうと、普段とは違う動きが見られることがあります。

そのため、痛みがない選手の評価では、機能評価に重点を置くのではなく
実際の投球を見ることが大切になります。

今回は、投球動作をどのように見ていくのかを解説していきたいと思います。

●痛みの有無で評価を変える

痛みがある場合は、病態・機能評価から始めます。

どの部位が痛いのか。どの動作で痛いのか。投球のどの局面で痛みが出るのか。

そこから病態を考え、必要な可動域、筋力、圧痛、スペシャルテストなどを選択していきます。

一方で、痛みがない選手では、実際の投球から評価を始めます。
まず投球を見て、普段と何が違うのかを分析します。

動作の変化が見られたら、その変化がどの局面から始まっているのかを確認します。そこから仮説を立て、必要な機能評価を選びます。

評価後は、もう一度投球を確認します。

機能評価で見つかった問題が、実際の投球動作とどのようにつながっているのか。介入後に、投球動作や本人の感覚が変化したのか。

痛みがない選手では、投球で何が変わっているのかを確認しながら評価を進めます。

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●病態ごとに確認する投球フェーズ

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理学療法士が投球動作を見るうえで、病態に関する知識は重要です。

肩や肘のどの組織に、どの局面で負荷がかかりやすいのかを理解していることで、確認する投球フェーズを絞りやすくなります。

例えば、
肩後方、関節唇、腱板筋の痛みなどを考える場合は、
肩関節外転・外旋位となる後期コッキングからMERの付近を確認します。

肘内側部や前腕、尺骨神経周辺を考える場合は、MERからリリースまでのフェーズを確認します。

肩後方や上腕部に張りが出ている場合は、リリース後の上肢や体幹の減速も確認します。

ただし、負荷が集中している局面だけを見るのではなく、その局面に入るまでの動きも確認します。

MERで肩や肘に大きな負荷がかかっていても、
実は、ストライド脚接地前の重心移動や、骨盤と胸郭の回旋タイミングが関係していることがあります。

●投球動作の確認のポイント
投球動作は「角度」ではなく「関係」で見る

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・理学療法士が現場で使える、動作分析の3つの視点

投球動作を見る3つの視点

①動く順序

1つ目は、何が先に動き、何が後から動いたのかを見ることです。

ここでいう順序は、単に「動き始めた順番」だけではありません。

どの部位が先に加速したのか。
どの部位が後から追いついたのか。
どこが先に減速し、どこがその部位を追い越したのか。

投球では、動き出す順番と同じくらい、減速する順番も重要です。

「下半身から上半身へ」という説明だけでは、投球の連続性を十分に表せません。

先に動いた部位が、ずっと動き続けるわけではないからです。

先行した部位が適切なタイミングで減速することで、その先にある部位が追い越し、最終的に手やボールの速度が高まっていきます。


②相対的な位置関係

2つ目は、何に対して、どの部位がどこにあるのかを見ることです。

骨盤に対する上胴。
上胴に対する肩甲帯。
肩甲帯に対する上腕。
上腕に対する前腕。

投球動作では、隣り合う部位との位置関係が連続的に変化します。

そのため、「肩が開いている」のように、ひとつの部位だけで表現しないようにしています。

同じ「肩が開いている」ように見える動作でも、

  • 骨盤に対して上胴が早く回っている
  • 上胴に対して上腕が前方へ移動している
  • 骨盤自体が回っていない
  • 身体全体が一塁側や三塁側へ流れている

など、起きていることは異なります。

何に対して位置が変わっているのかを確認することで、評価する部位も変わってきます。


③動く方向

3つ目は、その部位がどちらへ動いているのかを見ることです。

捕手方向なのか、投手方向なのか。
上方なのか、下方なのか。
一塁・三塁方向なのか。

また、水平面の回旋だけではなく、前額面や矢状面の動きも含めて整理します。

たとえば、投球時に「体幹が側屈している」と表現することがあります。

ただし、投手と捕手を結ぶラインの中で起きている側屈と、一塁側や三塁側へ身体が外れていく側屈では意味が違います。

関節運動の名前だけでなく、どの方向へ動いた結果、その形になったのかまで考える必要があります。


フェーズ1 KHPからSFCフェーズ

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KHPからSFCフェーズについて

骨盤が捕手方向へ進む一方で、体幹部は骨盤と完全に一緒には回りません。

骨盤が先に捕手方向へ進み、体幹部が骨盤に対して少し投手側へ残ることで、骨盤と体幹部の間に時間差が生まれます。

右投手の場合、接地へ近づくにつれて、骨盤は体幹部より先に捕手方向へ回旋します。

そのため、骨盤を基準にすると、体幹部は相対的に右回旋位になります。
ここで注意したいのは、胸郭が能動的に右回旋したと捉えないことです。

実際には、
骨盤が先に捕手方向へ回旋した結果、骨盤に対して体幹部が右回旋位になっていると考えます。

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投球動作における胸郭の役割とピラティスアプローチ

C−I Baseball2期生の戸高です。
今回の配信はサポートメンバーシリーズとなります。

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私が配信する内容としては「ピラティス【pilates】」というメソッドが1つのツールとして投球障害の治療、予防、パフォーマンスの向上にどう活かしていくかに焦点をあてて、配信させていただいております!

■はじめに

以前の「胸郭編」では、胸郭の解剖・運動学と、可動性を高めるピラティスムーブメントについて解説しました。

今回はその続編として、**胸郭の「安定性」**をテーマにまとめていきたいと思います。

胸郭は可動性が求められる部位です。ただ、動くようになっただけで投球パフォーマンスが上がるかというと、そうではありません。出した可動性をどうコントロールするか、そしてそのコントロールを支える筋連結まで考えることで、エクササイズの組み立てが変わってきます。

■安定性の考え方

・安定性 ≠ 固定・非可動

「胸郭の安定化」と聞くと、固定すること・動かないようにすることをイメージされる方もいらっしゃるかと思います。

野球現場のトレーニングにおいても、体幹のトレーニング=プランクはまだ根強く残っている印象です。

しかし、今回お伝えする安定性は固定や非可動という意味ではありません。ここを先に整理しておきたいと思います。

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理学療法士が野球現場に関わる前に知っておきたい、臨床と現場の違い

「投げられる」の定義は、臨床と野球現場で違う

こんにちは。C-I Baseball代表の増田です。

今回は、「理学療法士が野球現場に関わる前に知っておきたい、臨床と現場の違い」というテーマでお話ししました。

C-I Baseballの活動をしていると、理学療法士の方から「野球選手に関わるために、何を勉強すればいいですか?」「野球現場に出る前に、何を知っておくべきですか?」と聞かれることがあります。

投球障害の病態や評価、肩や肘へのアプローチ、トレーニングなど、学ぶことはたくさんあります。

ただ、私自身が臨床から野球現場に出た時に感じたのは、臨床で選手を評価できることと、野球現場で選手を支えられることは少し違う、ということでした。

今回の動画では、特に投球復帰をテーマに、臨床と野球現場で何が違うのかを整理しています。

医療機関と野球現場では「投げられる」の意味が違う

私は外来整形外科で勤務した後、大学野球部のトレーナーとして活動してきました。

臨床では、投球障害の選手に対して痛みや可動域、筋出力を評価し、問題となる機能を改善していきます。

痛みが改善し、理学所見が陰性化し、可動域や筋出力が戻れば、シャドーピッチングや短い距離のスローイングを始めます。

医療機関では、この段階を「投げられる状態」と考えることがあります。
一方、野球現場で聞かれることは、もう少し具体的です。

今日は投げられるのか。何球まで投げられるのか。どの距離まで投げられるのか。ブルペンには入れるのか。試合には出られるのか。

つまり、医療機関と野球現場では「投げられる」の定義が違います。
現場では、投げるか投げないかという0か100かの判断だけでは足りません。

「50%程度の強度なら投げられる」「塁間までなら投げられる」「キャッチボールはできるけれど、ブルペンはまだ早い」といった判断が必要になります。

身体機能を評価するだけではなく、その結果を「今、どこまで投げられるのか」につなげることが、野球現場では求められます。

投球開始後に痛みが再発する理由

痛みがなくなり、可動域や筋出力が改善しても、それだけで試合に耐えられる状態になっているとは限りません。

臨床では、40mの距離を強く投げたり、100球を繰り返し投げたりするところまで確認することは難しいと思います。

しかし、野球現場では距離や強度、球数が上がり、日々の練習による疲労も加わります。

そのため、ベッドサイドでは問題がなかった選手でも、投球強度を上げた時や、球数が増えた時に痛みが再発することがあります。

特に確認したいのは、投球後や翌日の変化です。
投球前と比べて可動域が落ちていないか。
筋出力が低下していないか。肩や腕の重さが残っていないか。
球数が増えた時に球速やフォームが変わっていないか。

痛みの有無だけではなく、投球負荷に身体が耐えられているかを見る必要があります。

そのため、投球開始は復帰のゴールではなく、そこから距離、強度、球数を段階的に上げていくスタートになります。

身体機能と投球パフォーマンスの2つで判断する

投球復帰では、大きく2つの側面を確認します。

一つは身体機能です。

痛み、可動域、筋出力、肩甲上腕関節の求心位、肩甲骨や胸郭の機能、代償動作、全身の連動性などを見ていきます。

もう一つは投球パフォーマンスです。

投球距離、球数、強度、球速、疲労度、フォームの再現性、投球後や翌日の反応などを確認します。

理学療法士は、身体機能を評価することに強みがあります。

ただ、現場では、その身体機能でどの程度の投球負荷に耐えられるのかまで考える必要があります。

身体機能に問題がないか。そして、実際の投球負荷に耐えられるか。この2つをつなげて復帰を判断していきます。

投球復帰は段階ごとに見る内容が変わる

動画では、投球復帰をフェーズ0から4に分けて説明しています。

フェーズ0は投球開始前です。

痛み、可動域、腱板の筋出力、肩甲骨の位置や機能、肩甲上腕関節の求心位など、まずは局所の状態を整えます。

ここでは、可動域があるだけではなく、その範囲の中で筋出力を発揮できるかも確認します。

短縮位や伸張位で力が入らない状態では、投球時の負荷に対応できない可能性があります。

フェーズ1では、シャドーピッチングや5〜10m程度のネットスローを行います。

肩関節の動きに対して、肩甲骨や胸郭が連動しているかを確認します。また、投球後に痛みだけでなく、可動域や筋出力の低下が出ていないかも見ていきます。

フェーズ2では、10〜30m程度まで距離を伸ばします。

距離が伸びると、肩だけではなく、胸郭や体幹から上肢への運動連鎖が必要になります。腕の遅れや肘下がりなど、距離を伸ばしたことで出てくる動作の変化も確認します。

フェーズ3では、対角線距離まで伸ばし、投球強度も上げていきます。

下肢から体幹、上肢への連動性、高速度での外旋から内旋への切り返し、投球後のブレーキング機能が必要になります。

現場で見ていると、この70%前後の投球強度で痛みが再発したり、投球後に筋出力が大きく落ちたりする選手がいます。

この段階をクリアできるかは、実戦復帰に進む上で大きなポイントになります。

フェーズ4は実戦復帰です。

ここでは、一球投げられるかではなく、繰り返しの投球負荷に耐えられるかを見ます。

投球前、投球中、投球後、翌日まで確認し、球数が増えてもフォームや球速が大きく変わらないか、翌日までに身体機能が回復しているかを確認します。

フェーズが進むごとに、局所から全身へ、低負荷から高負荷へ、低速から高速度へと見る範囲を広げていきます。

評価した結果を、投球許容量につなげる

野球現場では、身体を評価して終わりではありません。

評価によって身体の状態を把握し、その状態でどこまで投げられるのかを判断し、選手や指導者へ伝える必要があります。

例えば、前日にブルペンへ入った選手の可動域や筋出力が、翌日になっても戻っていなかったとします。

その場合は、「昨日の投球後から、まだ可動域と筋出力が回復していません。今日はブルペンを避けて、1日空けてからもう一度確認しましょう」と伝えることができます。

感覚だけで投球を止めるのではなく、評価結果をもとに説明する。

ここは、選手の安全だけではなく、指導者との信頼関係をつくる上でも重要です。
数値を見る時は、左右差だけではなく、投球前後の変化を見ることも大切です。普段は投球後にどのくらい可動域や筋出力が落ちるのか。翌日にはどの程度戻るのか。

日頃から記録しておくことで、その選手にとっての許容範囲が分かってきます。

大会の時だけ測るのではなく、練習やブルペン後の状態も継続して確認しておくことが、現場での判断につながります。

現場によって理学療法士の役割は変わる

動画の最後には、他職種との役割分担についてもお話ししています。

チームドクター、理学療法士、アスレティックトレーナー、S&Cコーチがいる現場では、それぞれの専門領域を理解し、必要なタイミングでバトンパスをしていきます。

一方、アマチュア野球では、現場にトレーナーがいなかったり、理学療法士が一人で試合復帰まで対応しなければならなかったりすることもあります。

現場の環境によって、自分が担う役割は変わります。

大切なのは、自分一人で全てを抱え込むことではなく、その現場で自分が何をするべきかを理解することです。

必要であれば医療機関や他の専門職と連携し、選手にとってより良い選択をしていく必要があります。

投球開始の先まで考える

今回の動画では、臨床と野球現場における「投げられる」の違いから、身体機能と投球パフォーマンスの見方、段階的な投球復帰、進行・中止の判断、指導者への伝え方までをお話ししています。

痛みや可動域、筋出力が改善した後も、投球距離や強度、球数が上がれば、再び症状が出ることがあります。

そのため、投球を開始した後も、身体機能の変化や疲労、フォーム、翌日の状態を確認しながら進めていく必要があります。

投球開始までではなく、試合復帰、その後の再発予防まで考える。

今回の動画が、日々の臨床や野球現場で選手に関わる上で、一つの参考になればと思います。

▼動画はこちら

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