連戦に備えたコンディショニング -投手編-【トレーナーマニュアルvol.1】

C-I Baseballの佐藤康です。

6月になりC-I Baseballも2年目を迎えることができました!
今年のC-I Baseballが発信する「トレーナーマニュアル」では、
野球のケガに関わる専門家向けの臨床編
選手のパフォーマンスに関わる現場編について配信していきます。

今回は「連戦に向けたコンディショニング」と題し、投手/野手別に2週にわたってCIB代表の増田とお伝えしていきます。

はじめに

中学野球や高校野球では、7月に1年の中の集大成である総体予選や選手権大会の予選・地方大会を迎えるところがほとんどであると思います。

例えば、中学軟式野球の県大会では5日間で5試合(準決勝・決勝同日開催)であったり、高校野球では19日間で8試合をこなすなど、大会スケジュールは過密日程であり、勝ち上がると連戦が続く状況となってきます。

プロ野球のように継投をしたり、投手の役割(先発・中継ぎ)が分断されているチームは学生野球では少なく、ほとんどが先発完投型(状況に応じて継投)のチームであると思います。

このときに大事になるのが連戦に備えた選手のフィジカルとなります。

また、6月は梅雨時期となり、屋内練習施設のない環境では、実践練習をしたいこの時期に十分な練習ができなかったり、学生は定期考査があったり、練習環境の制限されることが意外と多いです。

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今回はどのような要素が必要か、トレーニングの詳細・組み立てなどについてまとめていきたいと思います。

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連戦に求められる投手の能力

試合が続くリーグ戦や大会で求められる
投手はどのような能力をイメージしますか?

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これらの要素を満たすには、
持久力や筋力・リカバリー能力などの能力が求められます。

継投よりも完投型が多い学生野球ではパフォーマンスの高い選手の特徴として、疲れにくい、パフォーマンスが落ちないなどの選手が多い印象があります。

いわゆる「スタミナのある投手」が連戦に求められる選手像といえます。

|スタミナ=持久力?
スタミナと聞くと
持久力がはじめに連想される方も多いのではないでしょうか?

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走り込みができていればスタミナありと捉えてしまうと、やや浅はかな見解となってしまいます。投球にはもちろん走り込みで強化できる持久力がつきますが、投球には瞬発的なパワーも大きく求められます。

走り込みだけでは強化できないことは想像がつきやすいと思います。
そこでスタミナの構成についてもう少し掘り下げていきます。

投手のスタミナとは

投球動作は高強度の負荷(80-90%)を反復して繰り返す動作となります。また1球1球、1分も満たない間隔で投げていきますが、そのときに2つの代謝エネルギーを主に使っています。いわゆるスタミナの基盤となるものです。

生理学的機構

運動時の筋収縮にはATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)に分解されるときのエネルギーが使われます。つまり、ATPが筋収縮のエネルギー源といえます。

ATPは筋内に貯蔵されていますが、量に限りがあるため、運動を続けるためには消費したATPを再合成して補充していく必要があります。

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これが投手の「スタミナ」をつくる瞬発力系・持久力系の要素となります。

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投球障害ー復帰と中止の基準について(ディスカッション動画あり)

今回は投球障害をテーマに、C-I Baseballスタッフが、臨床現場からの視点、野球現場からの視点から投球復帰と中止の基準について解説します! 今回のDiscussionで話題になった論文を紹介します。尽誠学園の下山先 … 続きを読む

インソール 肘下がりに対するパッドの貼り方【トレーナーマニュアル51】

インソール 肘下がりに対するパッドの貼り方

後半に『約3分』でわかるパッドの動画を紹介してあります

インソールと聞くとどんな状態に対してアプローチすることをイメージしますか?

足部や膝関節の痛みに対してのアプローチや、アライメント改善のイメージが強いでしょうか?

野球でのインソールは痛みの改善はもちろんですが、投球・打撃フォーム改善も可能です。


例えば、肘下がりの改善、バッティングでのフォロースルーを大きくしたいなども可能です。

今回はどのようにパッドを入れれば肘下がりの動作改善できるのかをnoteに記載していきます。

肘下がりは身体の反応

肘を痛めて通院している子どもたちにまず聞くことは、『指導者にどのようなことを指摘・指導(注意)をされますか?』です。

多くは、

『肘をあげなさい』
『足(脚)を使いなさい』

だと思います。

子どもは素直ですから一生懸命実行しようとします。

子どもたちに聞くとほとんどの答えが、

『足(脚)を使いなさい』はどのように使えばいいのかわからない。
『肘をあげなさい』は上げようとしているけど上がらない、上げていると思っている。

と、答えが返ってきます。

私たちの仕事

『考えずに肘を上げられるようにする』

私達の仕事はここにあると考えます。

もちろん意識してもらい動作を行う練習はします。

ですが、一生懸命プレーしている際に意識して出来ないこともあるので、理想は無意識に身体が反応できれば痛みもなくプレーすることを目標にしていきます。

それを可能に出来るのが

『インソール』

です。


今回はパッドを使用し距骨下関節誘導方法をご紹介致します。

紹介

一年間C-I Baseball 記事を読んでいただきありがとうございました。

来月から始まるnoteも楽しみにお待ちください!

C-I Baseball Advanceの腰痛・捻挫・下肢疾患・インソールの発信を担当する須藤慶士です。
臨床では評価を大切にしております。評価が確かなものでないと原因に対するアプローチをすることができません。
局所評価だけでなく全体の評価を行うことも大切です。
臨床での経験を元にした評価とアプローチを発信していきたいと思います。

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https://t.co/GFeKQDRkhQ?amp=1

https://twitter.com/KeijiSudo/status/1271205762396651520/photo/1

肘下がりに対するインソール

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今回の選手のインソールは軸足内側アーチを上げて回外方向に誘導しました。

しかし、ただ内側アーチを高くすれば良いというのではありません。

その選手の足部に合わせてアーチの高さを決めることが重要です。

最後にパッドの貼り方の順番や確認方法の動画を添付しております。

距骨下関節 指標中間位 評価

外果上下にあるラインが直線になる位置を作り、その際の踵骨底面の向きで評価します。
この肢位を距骨下関節の指標中間位と言います。

指標中間位を軸にして回内・回外と距骨下関節は動きます。
評価は非荷重位(OKC)で行います。

なぜかと言うと、CKCだと荷重がかかることにより、その距骨下関節だけでなく横足根関節や足趾の機能が含まれるので、純粋な距骨下関節の肢位がわかりにくいからです。

立位で距骨下関節を後側から見た際に回外位や回内位がその距骨下関節の指標中間位の可能性が考えられます。

ですから、OKCで距骨下関節評価を行う必要があるのです。

理想の距骨下関節肢位は、OKCでの指標中間位のままの肢位で立位がとれることです。

指標中間位のまま立位保持ができれば、立位動作で距骨下関節の回内・回外の動きがスムーズに行えるようになります。

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評価

今回の記事内の選手ですが、ご本人に了承を得て撮影させていただきました。無断での転載はご遠慮ください。


男子大学生、右投げ左打ち、投手
診断名:腱板損傷
既往歴:捻挫(どちらかは忘れたとのこと)
HOPE:リリース前での肩の痛みを取りたい、ボールが高く浮くのをなんとかしたい

足部評価


選手の距骨下関節指標中間位です。

右距骨下関節指標中間位の方が回外が大きくなっています。

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投球動画

まずは、インソールなしと、インソールを入れた際の投球動画をご覧ください。

インソールなし スロー動画

インソールあり スロー動画

肘下がりや、リリースポイントの違いが見えたでしょうか?

この後、相ごとの足部からのお話を致します。↓↓↓

投球時の距骨下関節の動き

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野球選手におけるエコーの実際【トレーナーマニュアル50】

野球選手におけるエコーの実際

C-I baseballの【Advance course 野球選手のみかたを深める】の発信を担当する小林弘幸です。

スポーツDrと一緒にエコーを用いて、選手の病態を理解し
障害の原因追及を大切にしています。

病態を理解し、しっかりと評価することによって
現在の傷害の原因をはっきりることができれば、
医療機関と現場との橋渡し的な役割を果たすことができると思います。

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超音波画像診断装置(以下、エコー)とは、
超音波を発する機械で体表からプローブというものを当てて、
体内の組織を見ていく機械になります。

以前は、
産婦人科で赤ちゃんの検診をするときや、
健康診断で内臓をみて何か悪いものがないかを見るようなものでした。

図7

近年は、
運動器エコーというものが出てきていて、
筋骨格系にエコーを当てて体表から内部の
主に軟部組織にエコーを当てて評価をするというのが出てきました。

整形外科医の先生方は、エコーを用いて、
MRI等ではわかりにくいような、筋損傷の有無や程度を診断したり、
レントゲンでは写らないような、骨折の診断をしたりします。

※江戸川病院スポーツ医学科部長、岩本航先生の書籍

セラピストがエコーを使うのは、
理学療法士法では明記されてはいません。

しかし、
医師の管理下の元、診断の補助ということで使用することは可能です。

また、
ゴニオメーターやその他検査機器と同様に
評価のツールとして使用する分には問題ないかと思います。

気をつけなければならないことは
【診断】をしてはいけないという部分です。

※エコー販売業者も、セラピスト単体には販売しておらず、
医師の管理下にいるセラピストには販売できるとのことです。

では、そんな高価でハード面で使用しにくいエコーを
セラピストが無理に使用する必要はあるのでしょうか??

私の答えは、
【YES】です。

自分の経験上ですが、
エコーを使用すること、
エコーを勉強することで、
今までわからなかった選手、
今まで治せなかった選手に対して、
少し奏功することが多くなったのは事実です。

このような経験を
今回の記事では記載していきたいと思います。

※今回の記事には、実際の選手のエコーや動画が出てきます。
すべての選手に目的説明し、了承を得ています。

エコーで何が見える?何ができる? 

では、実際にエコーで観察できるものは何でしょうか?

・骨
・軟骨
・筋
・腱
・靭帯
・末梢神経
・血管

などが観察できます。

エコーは音波です。音の波は硬いものに反響するという特徴があります。


【硬い】ものは反響しやすく、【白く】うつります。
【柔らかい】ものは反響しにくく、【黒く】うつります。

この性質でエコー上に見える濃淡が
変化してきます。

つまり、
骨など硬いものは【白く】、
血液など柔らかいものは【黒く】
映像として見えます。

これを利用して、
筋損傷があるような部分には
黒く映ることがあり(損傷部位の出血)、
組織の滑走障害があるような部分には、
白く映ることがあります。

エコーの基礎的内容は、
下記のYoutubeをご参照ください。

(第1回~4回までが基礎的な内容です。)

さらに、もう一つ理学療法士にとって大きなメリットがあります。

それは、触診技術の向上です。

自分が触っているものが、実際に触りたい組織を触れているのか?
これは、理学療法士としても、現場に出るトレーナーにしても非常に重要な技術になります。

エコーを使用することで、その技術のトレーニングをすることができます。

触れている『つもり』から、
触れていると確信を持てます。

下記の研究より、研修医の数値なのですが、LHB(上腕二頭筋長頭腱)を
触診してくださいという課題で、
ブラインドでは  “20%”  しか正確に触れなかったのが、
30分エコーをみて触診トレーニングをした結果
  “50%”  まで正確に触診できるようになったとの報告があります。

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正確な触診というのは中々難しく、
触る方向等、徒手療法を考えるとエコーを使うメリットはかなりあるかと思います。

実際の野球選手に対するエコー評価

実際の野球選手の評価をするにあたって、
エコーを必ず使用するのかということに関しては、
【No】です。

必要に応じて使用します。

例えば、
・インソール
・スリング
・ガビラン
・ストレッチポール
・ダンベル

などなど、理学療法を行う上での【ツール】は多数あるかと思います。

かといって、全ての選手に同じツールを用いて、
同じ手技を使って治療するのでしょうか?

自分の答えはNoで、
まずは、しっかりと理学療法評価をします。

当たり前の話かもしれませんが、
これが重要です。

それぞれのツールには、
得意分野と不得意分野が必ずあります。

エコーの得意分野は
・局所観察
・動態観察

です。

逆に全体的にその選手を診る
ということには向いていないです。

局所観察においては、
エコーのプローブを当てている部分は軟部組織の状態が良くわかります。

しかし、プローブを当てている部分しか見えない
というのが実際のところです。

動態観察は、他のレントゲン等の画像とは異なり、
リアルタイムで情報が見れます。

これは大きなメリットかと思います。

実際のエコーを使用した評価ですが、
まずはどこがその選手にとっての問題点なのかを
明確にするための評価をしていきます。

図1

大きく分けると、
肩甲上腕関節の問題(肩”自体”の問題)なのか、
肩甲胸郭関節の問題(肩”以外”の問題)なのかの判別です。

評価の実際の部分は下記で解説しています。

私の肩関節の評価の流れを下記に示します。
(上記、投球障害肩の実際より抜粋)

評価項目
ROM
①肩屈曲と外転(全体像把握)
②肩屈曲と外転(肩甲骨の動き観察)
③肩外転(passive)
④肩外転(肘屈曲位:上腕三頭筋の制限)
⑤疼痛疑似肢位でのSAT( Scapula Assistant Test:内転・上方回旋・挙上)
MMT
⑥Full can test(棘上筋)
⑦Empty can test(棘上・棘下筋)
⑧ISP test(棘下筋)
⑨Belly press test(肩甲下筋)
⑩Hornblower test(小円筋)
ROM
⑪CAT
⑫HFT
⑬1/2内外旋
⑭2nd 内外旋
⑮1st 内外旋
⑯3rd 内外旋
⑰後方タイトネスによる骨頭偏位
⑱GH内転

上記の評価を一通り行い、
評価していきます。

特に⑤番で疼痛変化の乏しい場合、
GHでの問題が大きいと考えるので、
エコーでのGH動態観察をすることが多いです。

図5

兎にも角にも、
まずは理学療法評価をしっかりと行います。

その上で、
病態が隠れている部位や、
病態の原因となってしまうことが考えられる部位を
エコーを用いて観察する。

これが
私のエコーを使用する実際です。

肩関節のエコー解剖(筋)

エコーを勉強していくと、
解剖学的な知識が身につくと考えています。

なぜかというと、
解剖学的な細かな部分が、
エコーを見る上で、メルクマール(目印)となることが多くあるからです。

いくつか例を挙げていきたいと思います。

棘上筋、棘下筋

上腕骨の腱板付着部には、Facet と呼ばれる部分が存在します。

図1

※右が前、左が後ろ

SF, MF, IFとあります。

これらは、触診でもわかります。

では、どの組織がその解剖学的特徴のある部分に付着するのでしょうか?

図2

SFには棘上筋、MFには棘下筋が付着します。
(IFには小円筋と言われています。)

エコーでは、どのように見えるでしょうか?

上腕骨の形態に着目し、
鋭角な山がSF
鈍角な山がMFとなります。

これを知っているだけで、
何の組織が痛んでいるのか?の予測ができると思います。

このように、エコーを勉強していくと、
解剖学的知識も身につきます。

肩甲下筋と烏口腕筋

肩関節前方部痛に関して、肩甲下筋や烏口腕筋などが重要です。

エコーで見るとどのように見えるでしょうか?

図8

※色付けなし

図9

※色付けあり

エコーでは、このように見えます。

骨頭を基準として、
烏口腕筋と肩甲下筋、腋窩動静脈・神経が良く観察できます。

ある程度、解剖書と照らし合わせても
理解できるかと思います。

しかし、よくわからない組織が見えてしまうのも
エコーの特徴です。

腋窩動静脈や腋窩神経周囲にある組織は何でしょうか?

これは解剖書にも載っていません。

図10

※オレンジ部分:疎性結合組織

この疎性結合組織であろう部分が重要であると考えています。

脈管系の周囲には必ず、この疎性結合組織が存在します。

上記の腋窩動静脈、神経周囲には脈管系が集合していますので、
このように大きく広く見えます。

そして、”疎性”なので、
良く”動く”部分です。

この部分が、炎症等で動きが悪くなると、
神経を介して痛みが助長されたり、
動静脈を介して循環不全が生じ筋のタイトネスに繋がったり
するのではないかと考えております。

棘下筋

棘下筋は、野球選手の後方タイトネスに関わってくる部分です。

後方から観察すると、
・棘下切痕
・棘上筋下脂肪体

などが観察できます。

図11
図12

※後方からこのようにプローブを当てます。

※わかりやすく解説しています。

収縮動態まで観察できると良いと思います。

上腕三頭筋

上腕三頭筋も野球選手やオーバーヘッドスポーツの選手では、非常に重要です。

特に、長頭は挙上位では骨頭の直下に来ます。

図13
図14

長頭を取り囲むように、
小円筋・大円筋が存在
します。

この3つの筋は重要です。

では、どのようにエコーでは見えるでしょうか?

図15
図16

このように骨頭を基準に、
3つの筋が並んでいるのが見てわかります。

解剖書のみ見ていると、この挙上位の動態のイメージがつきにくく、
この筋の並びはあまりイメージしにくいかと思います。

エコーで可視化し、イメージできれば、
かなり解剖の知識として三次元的なイメージがしやすくなるのではないでしょうか?

肩関節のエコー解剖(神経)

ここからは、腕神経叢についてです。

この部分の理解は中々難しいと思っています。

それは、解剖書のみではイメージしにくいからです。

図17

エコーを使用して、腕神経叢を理解することで、
走行の理解・イメージがしやすくなります。

末梢神経を勉強することで、痛みに対しての解釈がしやすくなると考えています。

また、上記にも述べた通り、神経周囲には血管が存在することが多くあります。
血管の走行が理解できれば、筋肉への循環動態に対して治療できます。

脈管系を理解することは、
筋肉に対しての理解もさらに深まる
と考えています。

さらに、肩甲帯周囲の骨格系も一緒に位置関係を理解することで
この部分の動きが良くなれば、
この神経血管の循環動態が改善するのではないかと考えることができます。

図18

ですので、骨のランドマークも一緒に勉強します。

これでは、一つずつ見ていきます。

見ていく神経は以下の通りです。

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大学野球のピーキングを考える【トレーナーマニュアル49】

大学野球のピーキングを考える

C-I Baseballスタッフの増田稜輔です。
今回は「大学野球のピーキング」について配信していきます。

カテゴリーごとの「ピーキング」については
佐藤康さん、高橋塁さんの記事にて解説してあります。

【中学野球のピーキング】

https://note.com/ko_bmk/n/na1b262dddd50

【高校野球のピーキング】

繰り返しになりますが大切なので復習がてら解説します。

ピーキングのとは?
 ピーキング
重要な大会・試合に対して、トレーニング計画を組み立て、最高のコンディションでパフォーマンスを発揮できるようにしていく過程

勝利

試合で最高のパフォーマンスを出すためにいかにコンディションを整えるかが鍵になってきます。
ピーキングはその場限りではなく計画的に行うことが必要であります。
そのためにはまずは【大学野球】について知っておく必要があります。
中学野球・高校野球とは違うシステムで年間スケジュールが組まれています。

みなさんは【大学野球】のスケジュールについてどの程度知っていますか?
試合期間は?
トーナメント制?
リーグ戦?
ベンチ入り人数は?

高校野球のイメージが強く【大学野球】のシステムを知らない方が多いので
まずは【大学野球】について解説していきます。

大学野球とは?

みなさんは大学野球は高校野球と異なり【リーグ戦】方式で
大会が開催されていることをご存知ですか?

大学野球のシステム

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大学野球ではプロ野球と同様に【リーグ戦】にて優勝を争います。
勝ち点制のリーグが多く、2連戦もしくは3連戦にて試合を消化していきます。
高校野球以下のカテゴリーではトーナメント制が多いですが
リーグ戦方式の大学野球では1シーズン最低でも10試合があり
多い場合には15試合を8週間でこなします。
その他には高校野球と比較するとベンチに入れる人数25人と多く
試合ごとの入れ替えも可能です。

大学野球のベンチ入りメンバー例

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大学野球ではベンチ入れメンバー25人に加え
不調や怪我に備えて+8人程度の約32人のメンバーにてリーグ戦を戦います。そのため、30人以上の選手のコンディションを管理しピーキングしていく必要があります。

大学野球の年間スケジュール

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大学野球ではリーグ戦を春と秋の2シーズンを行います。
多くのチームは秋季リーグ戦終了後の12月頃を目処に新チームになります。
なので大学野球では12月をスタートラインとし年間スケジュールを立てることが多いです。

ここからは年間スケジュールに基づいてどのようにトレーニング計画を立てて行くのかを解説していきます。

大学野球のトレーニング計画について

年間2回のリーグ戦に合わせてピーキングする以前にチームの全体像を把握すう必要があります。
・チームがどのような状態なのか?
・どの要素を改善させるのか
・どの要素を向上させるのか?

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これにはメディカルチェックとフィジカルチェックを使用し把握していきます。

メディカルチェック

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メディカルチェックではチーム全体の体の状態、選手の今後のケガの予測・危険性を把握すために行います。
問題点を抽出し年間トレーニングプログラムに反映させていきます。

メディカルチェックの詳細はこちらのnoteにて解説しています。https://note.com/ko_bmk/n/n7ae3ae67dec3

フィジカルチェック

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フィジカルチェックでは、野球パフォーマンスに関わる機能を評価し
チーム全体での能力を測定していきます。

このメディカルチェックとフィジカルチェックの結果をもとに
チームの課題点を洗い出し年間トレーニングプログラムを作成していきます。

年間プログラムの立て方

年間のトレーニングプログラムを考える時は
野球を行うために必要な【ベーストレーニング】と
測定結果から洗い出した【チームの課題】の2つの要素を組み合わせます。

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2つの要素から組み合わせた内容を年間トレーニングプログラムに落とし込んでいきます。

年間トレーニングプログラムを組むときのポイントは目的や
目指すゴールを明確にすることが大切です。

年間トレーニングトレーニングプログラムのポイント
・なんの要素を
・いつ(時期)
・どんなトレーニングを
・どのくらい強度、量、頻度で
・いつまでに行うか

この年間トレーニングプログラムを立案していくために必要なのが
ピリオダイゼーションの考えかたです。

大学野球におけるピリオダイゼーションの考え方

大学野球では2回のリーグ戦に合わせて2つのマクロサイクルで構成していきます。

サイクルの概要

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※佐藤康:ピリオダイゼーション‐トレーニングメニューを考えるより引用

大学野球のマクロサイクル

年間プログラムを2つのマクロサイクルで分け構成していきます。
各時期ごとにメゾサイクルやミクロサイクルを利用してトレーニングを組み立てます。
実際のトレーニングプログラムも交えながら解説していきます。

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高校野球のピーキングを考える【トレーナーマニュアル48】

高校野球のピーキングを考える

C-I Baseballスタッフの高橋塁です。

今回は、『トレーナーマニュアルAdvance版』の前号である『中学野球チーム・選手のピーキングを考える』に引き続き、『高校野球のピーキングを考える』をテーマにお伝えしていきます。

まずは、私の自己紹介から。

高橋塁プロフ写真①

〈私のツイッターはこちらから〉https://twitter.com/ramichan2000?s=20

前号の『中学野球チーム・選手のピーキングを考える』は

こちらをご参照ください。

各年代別の身体の特徴を端的に表現すると下記のようにもなるかなと思います。

身長・体重などの成長期であり個体差の大きい「中学生」

身長や体重の急成長が落ち着き、筋肉の発達が著しい「高校生」

より高いパフォーマンスが求められる「大学生」

このようなことを念頭に各年代の『ピーキング』を考えていかないといけないと思います。

また、前提として、高校野球だけに留まらず、各スポーツ競技においても公式戦や週末の練習試合に向けて、いかに身体の状態をピークにもっていき、パフォーマンスをベストな状態に持っていくかを常に、意識しないといけません。

本号では、練習計画を立てる上で、メニュー作成時には、先ほどもお伝えしたように、大前提として、高校生の身体の発達・成長過程の特徴を考慮しながら、練習の計画が大事になってきます。

何事も、試合直前まで追い込んだりするのがいいのではありません。

過去の『トレーナーマニュアル』のバックナンバーでは、野球におけるのケガについてや、リハビリ、トレーニングのエクササイズメニューの詳細を紹介してきました。

 今回は、これまで多く紹介してきたエクササイズメニューをいかに日々の練習の中に組み込んでいき、『ピーキング』を作っていくかが、非常に重要なポイントとなっていきます。

そこで、前回の記事でも説明はいたしましたが、再度、『ピーキング』とは

重要な大会・試合に対して、トレーニング計画を組み立て、最高のコンディションでパフォーマンスを発揮できるようにしていく過程

と言われています。

そのため、数日~数週間のメニューを構成・実践しただけでは最高のコンディションを迎えることはできません。

再度、ここでは、『ピリオダイゼーション』の概念がまず必要となってきます。

ピリオダイゼーションについて

ピリオダイゼーションについての総論は、

https://note.com/ko_bmk/n/nb0338ee05cf5

こちらのnoteにて、説明してあります。

ぜひ、ご一読ください。

さて、ここからは再度、『ピリオダイゼーション』について押さえておくべきポイントを説明していこうと思います。


ピリオダイゼーション

野球選手はじめ、スポーツ選手が、1年のうちで最も重要な試合に、コンディションをピークの状態で望むために、トレーニングの内容を変化させること


上記にあるように、『ピリオダイゼーション』とは最も重要となる試合(ピーク)に対して競技の日程を見据えたトレーニングのプログラムの組み立て方や方法をいいます。

野球はじめ、その他のスポーツでも1年間の中で、試合の多い時期と試合の少ない・または試合をしない時期があります。

高校野球はじめ、カテゴリー問わず、野球という競技においては春から秋にかけては、試合が多い時期になり、実践練習も多く、試合に向けた技術練習が多くなるのに対して、冬の時期は試合はほとんどなく、フィジカル的な練習メニューが多くなります。

実際に、学生時代に運動部の部活動を経験したことのある方はイメージがつきやすいのではないでしょうか。

ピリオダイゼーションにおけるstage


ピリオダイゼーションにおけるstageについて一般的な考え方をまとめていきます。

大きく分けて4つの期間に分けて構成していきます。

①準備期 
②移行期
③試合期 
④回復期

この4つの期間をもとに次の項目を考えていきます。

トレーニング期間の設定


トレーニングサイクル

高校野球では実際に、高校1年生の4月に入部し、全国の大半の高校3年生の7月に最後の地区大会、そして、長くても8月に夏の全国大会と、実質は2年3~4か月になります。

この限られた期間をいかに効率的に過ごすかが、鍵となります。


限られた期間の中で、典型的な年単位のモデルは、1年と捉えます。

実際に高校野球を考える上での、1年サイクルで考えるのがベストかと思います。

上記の4つの期間を含めた構成要素として年単位モデルでは下記のようになります。

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さらに、トレーニング量やトレーニング強度を具体的に表すと以下のようになります。

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一般的には、試合の時期が近づくにつれてフィジカル的なトレーニングの強度を増し、これに反比例するようにフィジカル的なトレーニング量を減らしていきます。

これを「テーパリング」といいます。

ピリオダイゼーションのサイクル

年間の全体像を「マクロサイクル」
各期間を細分化した1週間ごとのトレーニングサイクルを「ミクロサイクル」

つまり、ミクロサイクルの集合体がマクロサイクルとなります。

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【ミクロサイクルの例】

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シーズンインとなると上記のように、週末が試合であることが多く、練習試合または、公式戦であろうが、一般的な練習強度になろうかと思います。

また、高校野球の公式戦は短期間に過密したスケジュールで行われることが一般的です。

例えば、春、夏の全国大会(甲子園)でも大会日程が、2週間ほどで、決勝戦まで勝ち進むとすると、5~6試合になります

もっとも、初戦が遅いチームになると大会期間が2週間であっても実質7~10日間で5試合のケースになることも考慮にいれないといけません。

高校野球の年間スケジュール


ここまで、ピリオダイゼーションの概要について記載してきました。

ここでもう一度、実際の高校野球の練習・試合スケジュールを整理していきましょう。

年間スケジュール

スライド1

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中学野球チームのピーキングを考える【トレーナーマニュアル47】

中学野球チーム・選手のピーキングを考える

C-I Baseballスタッフの佐藤康です。
今回はトレーナーマニュアルの集大成でもあるテーマ
「ピーキング」について配信していきます。

「ピーキング」というワードを初めて聞く方もいらっしゃるかと思うので、簡単に説明します。

ピーキング
重要な大会・試合に対して、トレーニング計画を組み立て、最高のコンディションでパフォーマンスを発揮できるようにしていく過程

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大会に向けて、いかにカラダの状態をピークにもっていけるかを考えていきます。ここではメニューに裏付けされた中学生のカラダの発達・成長過程の特徴を考慮したプログラミングが大事であると思います。

つまり、昨年6月から配信してきましたトレーナーマニュアルで選手のケガやトレーニング、現場での選手への対応などお伝えしてきた内容が実際どのように対応しているのか?を表すとても重要なテーマです。

これをやらなければ、トレーナーマニュアルはまとめられない。といえるほど大事なテーマです。

ピーキングとは?

はじめに、ピーキングについてまとめていきます。

先程もお伝えしましたが、
ピーキングはその試合・大会に向けた直前の数日~数週間を指します。
いわゆる最終段階の調整です。

そのため、数日~数週間のメニューを構成・実践しただけでは最高のコンディションを迎えることはできません。

ピーキング期間に向けた準備・強化として、年間を通してトレーニングメニューを考えていく必要があります。例えば「試合が多い実践練習をする期間」と「試合のない体力づくりをする期間」ではその目的も異なるため、メニューも変わってくることはイメージしやすいのではないでしょうか。

これらの目的に応じて年間をそれぞれの期間(stage)に分けてプログラミングしていく過程をピリオダイゼーションといいます。

ピーキングを考えるためのピリオダイゼーション

C-I Baseballの無料マガジン「トレーナーメモ」に4/11投稿しましたこちらの記事にピーキングを考える上で大切なピリオダイゼーションについて簡単にまとめておりますので、ぜひご参照ください。

https://note.com/ko_bmk/n/nb0338ee05cf5

ピリオダイゼーションにおけるstage

ピリオダイゼーションにおけるstageについて
一般的な考え方をまとめていきます。
これには大きく分けて4つの期間に分けて構成していきます。

①準備期 ②移行期
③試合期 ④回復期

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①準備期

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準備≒カラダづくりの期間であり、コンディションの基礎を向上させる時期となります。

筋力や持久力、バランス能力など、基礎体力で不足している部分を強化していきます。また、より高強度なトレーニングに耐えられるようにコンディションのレベルを徐々に引き上げることを目的としています。

②移行期

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量を重視した準備期から強度を重視した試合期へと移行する前に設ける期間です。体力づくりと実践練習の間を担う重要な期間あり、期間は試合の1-2か月前になります。

移行期では、種目特異的な動き(スピードなど)を考慮した、専門的な動きの負荷の割合を増やしていきます。

実践に近い練習を取り入れ、
試合にむけての技術的なメニューや戦術練習が中心となってきます。

③試合期

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試合期では、トレーニング強度を増大or維持させながら、トレーニング量を減少させること(テーパリング)でコンディションをピークに高めることを目的としています。(=ピーキング)

オーバートレーニングを回避することが必要であり、試合に向けたコンディションとして、疲労をためすぎず回復させることも大切です。

そのため、試合期がリーグ戦のように数週間から数カ月間に及ぶ場合は、体力(フィジカル)の低下をおさえる目的で短時間+高強度のトレーニングを行なっていくことが多くあります。

④回復期

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回復期はオフシーズン前の期間であり、試合期終了後から次のサイクル(準備期)の開始までの期間です。

そのため、疲労やけがの回復を主な目的とするトレーニング期間となります。オフシーズンといわれますが、完全に休止して回復させるのではなく、トレーニングメニューを調整してケガのケアなどを行いながら進めていきます。

回復期ではシーズンで試合までに行なってきたトレーニングの成果を評価(フィジカルチェックなど)し、必要に応じてトレーニングメニューの改良を検討し来シーズンの準備をしていきます。

トレーニングサイクル

トレーニング周期の単位の設定として、
周期期間別に以下のように捉えていきます。

野球では試合期と試合のないトレーニング期が明確に分けられているため、1年を1周期とするマクロサイクルを用いて考えることが一般的です。

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中学生世代の年間スケジュール

ここまで、ピリオダイゼーションの構成についての概要をまとめてきました。ここで一度、実際の中学生の練習・試合スケジュールを整理していきましょう。

中学生が野球をやる環境ってどのような環境があるのでしょうか?
大きく分けて、学校の部活動とクラブチームに大別されます。

中学校の部活動は主に軟式野球です。
クラブチームには硬式野球が主であり、地域によっては軟式のクラブチームも存在しています。

例)中学校の部活動

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例)クラブチーム

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例として某チームの例を学校の部活動とクラブチームに分けてあげてみました。

学校の部活動は放課後に活動することに対して、クラブチームは学校のスケジュールに左右されないため、土日は試合、平日は練習(夜間まで)といった違いがあります。部活動の選手はその後学習塾に通っていたり、クラブチームの選手は夜間の練習ということもあり、睡眠や食事の管理がとても大切になってきます。

ピーキングを考える

それでは今回のテーマであるピーキングを考えていきます。

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下肢疾患の実際 〜投球時の下肢の疼痛〜【トレーナーマニュアル46】

下肢疾患の実際 〜投球時の下肢の疼痛改善〜

C-I baseballの【Advance course 野球選手のみかたを深める】の発信を担当する須藤慶士です。

Advance courseでは腰痛・捻挫・下肢疾患・インソールの発信を担当しております。

臨床では評価を大切にしております。評価が確かなものでないと原因に対するアプローチをすることができません。
局所評価だけでなく全体の評価を行うことも大切です。
臨床での経験を元にした評価とアプローチを発信していきたいと思います。

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【マガジン紹介】
C-I Baseballトレーナーマニュアルでは、臨床・現場での野球におけるケガの対応力を高めるためのマニュアルを配信しています。
・これから野球現場に出たい方
・野球のケガの対応力を高めたい方
・臨床での野球のケガの評価・トレーニング・復帰について悩む方
にオススメの内容です!
ぜひ、ご活用ください!!

現場で必要なことは色々あります。

マニュアルは現場を知る理学療法士が作成しておりますので、ぜひ購入して読んでみてくだい!

今回の記事は下肢疾患の実際です。

今回のキーワードです↓↓↓

『アライメント』と『筋出力』を確認する作業


投球動作で下肢に疼痛が出現する選手に承諾をいただき、ポイントを絞り、アプローチのビフォー・アフターを撮影させていただきました。


評価のポイントは

どのプレーで疼痛が起こるのか
それはどのような肢位なのか
なぜその肢位になってしまうのか
改善するにはどうすればいいのか

です。

評価と疼痛が起こる動作が一致しなければなりません。

今回は一致するように評価・アプローチを行いましたので担当されている選手に使ってみてください。

疼痛を確認する場合は、

どのプレーで出現するのか(トップダウン)
アライメント、筋出力(ボトムアップ)

で、考えます。


現場で必要なのはトップダウンですから、今回のnoteの記事の順番は投球動作評価⇨ランジ⇨筋力評価で記載しました。

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選手紹介

投手/右投げ・右打ち/大学生
1ヶ月前から投球時に左膝・左腰部の疼痛・違和感出現、その後、腰痛発症
病名:腸脛靭帯炎
既往歴:内側野球肘、肩関節痛、腰痛

*選手には承諾をいただいております

評価

Late cocking〜Ball releaceにかけて、ステップ脚の膝関節外側の疼痛と、左腰部の違和感がある大学生投手です。

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まず問題点の予測をします。

なぜこうなるのでしょうか?

軸足の問題・足部の問題・ステップ側の問題など。(足部については次回の記事がインソールですので今回は足部に関しては記載いたしません)

今回は選手の訴えている部位に着目し評価を行うことにします。

疼痛部位・違和感部位はステップ脚の膝関節外側、腰部

この肢位になると大腿筋膜張筋・腸脛靭帯は伸張されます。特に遠位である膝関節外側は伸張ストレスが加わりやすいです。

では、なぜこの肢位になるのか?

中殿筋が弱いから?

と考えると思います。本当に筋力低下が問題なのでしょうか?

先に答えからお話ししますが、半分正解で半分間違いです。

今回のnoteは中殿筋をどうすれば発揮しやすくなるかということを評価からアプローチ、最終的にどうなったかを動画内で説明していきます。

筋力強化はただメニューを組んで行うだけではなく、選手個々パフォーマンスや痛みの訴えを確認すること、そしてアライメントを整え、筋出力発揮しやすい状態にしてから行うことが重要です。

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投球動作


Late cocking〜:ステップ脚Knee-in、骨盤sway

Late cocking〜ステップ脚股関節は内転・内旋位、Knee-inが見られます。

この肢位だと大腿骨遠位では大腿筋膜張筋の収縮が強まり近位では大腿筋膜張筋が伸張され左膝関節外側の疼痛が出現します。

大腿筋膜張筋が働きすぎると中殿筋は出力低下するので股関節は内転します。

左腰部はステップ脚中殿筋が筋出力低下しているために中殿筋で止められず左腰部周囲の筋肉が代償し過収縮していることで違和感が起こっていると考えます。

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フォワードランジ


ボールリリース時の姿勢と似ています。フォワードランジでも投球時と同じように膝関節外側に疼痛出現します。

反対側のフォワードランジと比較しても股関節内転・内旋しKnee-inしているのがよくわかります。


フォワードランジでのKnee-inはなぜおこるのでしょうか?
・ステップ脚の中殿筋の筋力低下
・ステップ脚の股関節可動域制限
・投球側股関節股関節可動域制限
・足部問題
など挙げられます。

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サイドランジ

サイドランジはどうでしょうか?

左方向へのサイドランジで反対側と比較すると体幹が下肢よりswayしているように見えます。

これも考えられるのは、左下肢の筋力低下、不安定性です。
サイドランジでは膝関節疼痛、腰部違和感はありませんでした。

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サイドランジからの左回旋を行った際には膝関節疼痛、腰部違和感が出現しました。
動作評価は、骨盤左回旋量は少なく骨盤の左側へのsway、体幹左回旋が大きく見られました。

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股関節安定性チェック


投球動作・フォワードランジ・サイドランジの評価から中殿筋があやしいのでは?
という評価になりました。

ここで中殿筋の評価を行います。

右股関節は安定
左股関節は不安定

シングルブリッジ

これらの評価のみで見ると中殿筋の筋力低下に見えます。

最近はトレーニングをきちんと行っている選手は多く見られます。

それなのに筋力低下??

本当に低下しているのでしょうか?
MMT弱い=筋力低下

ではなく、

MMT弱い≠筋力低下

このように考えていきましょう。


ここで考えなければいけないのは、

筋出力できるための関節位置にあるのか?

です。


アライメントが崩れていると筋力は発揮できません。ですから、筋力低下なのか、アライメント不良なのかを確認する必要があります。

選手の身体が安定しているかどうかのチェック方法です。
詳しい説明は過去の記事にも記載しておりますのでそちらもご参照ください。

次に、クラムシェルで筋力・可動域を見てきます。ちなみにこの選手は股関節ROMは正常です。


クラムシェルを行うと選手は『腰部に力が入る』と訴えました。

肩甲帯・腰背部・骨盤緩みチェック

股関節外転評価、クラムシェル評価

中殿筋の筋力低下が疑われますが、股関節周囲が緩んでいなければ外転・外旋はできません。

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しかし、前述しましたが、本当にそうなのでしょうか?
それを確認するためにもう少し評価をしてみましょう。

次に骨盤帯の評価を行います。

腸骨評価


これは抵抗を加えることで腸骨のアライメントチェックと骨盤の誘導方向のチェックが確認できます。

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肉離れの実際【トレーナーマニュアル45】

肉離れの実際

C-I baseballの【Advance course 野球選手のみかたを深める】の発信を担当する小林弘幸です。

スポーツDrと一緒にエコーを用いて、選手の病態を理解し
障害の原因追及を大切にしています。

病態を理解し、しっかりと評価することによって
現在の傷害の原因をはっきりることができれば、
医療機関と現場との橋渡し的な役割を果たすことができると思います。

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【マガジン紹介】

C-I Baseballトレーナーマニュアルでは、臨床・現場での野球におけるケガの対応力を高めるためのマニュアルを配信しています。

・これから野球現場に出たい方
・野球のケガの対応力を高めたい方
・臨床での野球のケガの評価・トレーニング・復帰について悩む方
にオススメの内容です!


ぜひ、ご活用ください!!


Basic courseでは、主に病態の話をしてきました。

Advance courseでは、野球選手に対する
評価治療の実際を記事にしていきたいと思います。

肉離れとは、
スポーツ動作中に起こる代表的な筋損傷です。


病態に関しては、Basic course肉離れの病態の部分を参考にしてください。

Advance courseでは、
実際に評価治療していることを中心に話し、
最後に実際の症例を提示して評価治療の流れを示していきたいと思います。

※noteで紹介する症例すべての方には説明・同意を得た上で、
紹介させていただいております。

肉離れでの大切なこと

私が肉離れで大切にしていることは、

・患部の状態をしっかり把握、治療すること
・なぜその部分が痛くなったかを考えること

です。

一つ目の患部の状態を把握する、治療する
について実経験から話したいと思います。

実際に肉離れを経験した選手で、
安静期間を過ごしたあとに復帰をした選手が、
患部の痛みが引かないということで病院を受診することがあります。

これに関しては、
エコーなどを用いて、しっかりと詳細に患部の状態を把握することが
必要なのかと思っています。

二つ目のなぜその部分が痛くなったかを考えること
に関しては、
選手の経験談から抜粋して文字にしていきたいと思います。

受傷した原因についても考えなくて、その原因が解決しなければ、
さらに痛みが再発してしまうということも考えられます。

この上記2点を大切にした上で、段階的に復帰していくことが大切です。

トレーニングに関しても、数多く知っておく必要があります。

患部の状態をしっかり把握、治療すること

肉離れ後に疼痛が残存している例は少なくありません。

特に
・最終域でのストレッチペイン
・伸張位での収縮時の痛み

が残存していることがあります。

これらが消失・軽減してから、
競技復帰
していく必要があると思います。

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※奥脇透ほか:肉離れとMRIの臨床. 臨床画像24. 897-907. 2008
図を引用改変

頻度的にはⅠ、Ⅱ型が同程度で、Ⅲ型は数%と稀であります。

復帰までの期間も、タイプにより異なってきます。

復帰までの期間の目安は
・Ⅰ型:2週間以内
・Ⅱ型:6週間
・Ⅲ型:5カ月(半年)以上

とされています。

上記の分類を理解することで、
診断から、選手の予後が予測できます。

先の見通しがあることで、選手やチームにとっても
どのようにリハビリの期間を過ごしていくのかが理解できると思います。

しかし、近年、
奥脇分類のみでは肉離れの分類をしてしまうのは
時期尚早という見解も出てきており、
より多角的な評価が求められます。

例えば、エコーでの
ドップラー評価も大切な評価の一つであると考えます。

より多くの評価バッテリーを用いて、
より多くの視点から評価することが大切であると考えます。

なぜその部分が痛くなったかを考えること

肉離れの再発をする選手も少なくありません。

その原因として、
なぜ生じてしまったのかを考える必要があるかと思います。

下記記事は、
足関節(距骨下関節)から上行性の問題で生じてしまう、
ハムストリングスの肉離れの原因を解説してくれています。

大まかに解説しますが、
LR〜MStにかけて距骨下関節が過回内になることで肉離れが生じやすいとしています。

そのフェイズで過回内が生じてしまうと、
遊脚期で膝関節屈曲が過度に生じてしまいます。

結果として、膝屈曲位から接地期での膝伸展が大きく生じてしまって
ハムストリングスに急激な収縮が生じてしまう可能性が高くなります。

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ではなぜ、過回内が生じてしまうのでしょうか。

距骨に付着する筋はありません。
距骨も他の影響も受けますので、その部分に対しても考察していかなくてはなりません。

なぜ肉離れが生じてしまったのかは、
とことん考察していかなくてはいけないと思います。

このように、
上記はダッシュの時の足関節の評価ですが、
受傷した動作に対してのしっかりと評価をしていくことが
大切かと思います。

番外編:羽状筋について

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肉離れでは、羽状筋に頻度が多く発生すると考えられています。

羽状筋の収縮形態は実際どのようになっているのでしょうか?

エコーで見るとイメージがつきやすくなると思います。

伸張時の羽状筋

収縮時の羽状筋

★上記2動画 (浅層)腓腹筋内側頭と(深層)ヒラメ筋
 メディカルプラザ市川駅 村本勇貴理学療法士のご厚意により掲載

このような線維配列になっているので、
筋線維が多く配置され、筋発揮がしやすいということが言えるでしょう。

実際にエコーを診ると、
模式的に示されている筋の線維配列がわかりやすく、
治療にも生きてくると思います。

実際の評価・症例

今回は、実際の3症例を提示したいと思います。

肉離れに関しては、投球障害肩・肘のような傷害とは異なり
それぞれの受傷機転がある『外傷』と分類することができます。

ですので、
その受傷機転を元にどのようにリハビリテーションを進めていくことが
良いのかを考えていくのか大切
かと思います。

ただ、
腹斜筋に関しては、経験がないので、
実際に肉離れを生じた元NPBの選手の話を元に
記載したいと思います。

症例に関しては、

・大腿四頭筋肉離れ(スライディング受傷後1週)

・ハムストリングス肉離れ(ランニング受傷後3か月)

・腹斜筋肉離れ(元NPB投手体験談)

の3症例を提示します。

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柔軟性トレーニング【トレーナーマニュアル44】

柔軟性トレーニング

C-I Baseballの増田稜輔です。
今回は野球選手に必要な
「柔軟性トレーニング」をテーマにお伝えしていきます。

みなさん「柔軟性トレーニング」は何を目的に行っていますか?

ストレッチ3

おそらく
柔軟性トレーニング=可動域を広げること
をイメージするのではないでしょうか?

みなさんのイメージの通り
柔軟性トレーニングとは
ストレッチやエクササイズを用いて関節可動域を広げるトレーニングのことです。

では、なんのために可動域を広げているのでしょうか?

ブリッジ1



柔軟性トレーニングは
①パフォーマンス向上②障害予防③疲労回復
の3つを目的として行われることが多いです。

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野球現場では
それぞれの目的に合ったトレーニングを選択していく必要があります。

今回のnoteでは野球現場で活用するための
「柔軟性トレーニング」
基本的な分野から実際のトレーニング方法について解説していきます。

・柔軟性とはなにか?
・柔軟性トレーニングをする目的
・トレーニングの方法と効果
・柔軟性トレーニングの選択方法

柔軟性とは?

まずは柔軟性について解説していきます。

柔軟性
対象となる関節が適切な可動範囲で動作を行えること

柔軟性は可動域で示され、
静的柔軟性と動的柔軟性の2つの要素を持ちます。

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静的柔軟性
受動的な可動範囲
随意的筋活動を利用せず外的な力によって伸張される範囲


動的柔軟性
能動的な可動範囲
随意筋活動を必要とし静的柔軟性よりも広い可動範囲がある

野球において、柔軟性を高めることは
①パフォーマンスの向上②障害予防③疲労回復の観点から
重要な要素であり各目的によって求められる柔軟性が違います。

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パフォーマンス向上に必要な柔軟性

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パフォーマンスを向上するための柔軟性では
単純に関節可動域が広ければ良いわけではありません。
野球動作の様に投げる・打つ・守る・走るといった多様な動きに対応するには競技に適した柔軟性が必要です。

野球においてパフォーマンスを発揮するシーンでは
瞬間的なパワーを必要とする場面が多いです。
瞬間的なパワーを生み出すには柔軟性と筋活動が必要になります。

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野球動作に適した柔軟性があることで
動作効率性や正確性が向上します。
筋活動を起こることで関節へのブレーキング作用が働き
筋の張力により強い力を生み出せます。

つまり
パフォーマンスを上げるには
筋活動を伴った柔軟性の獲得が必須であり
動的柔軟性=動的なストレッチやエクササイズを選択する必要があります。

障害予防に必要な柔軟性

野球による障害発生には2つに分類されます。
・動作不良による障害
・筋伸張性低下による障害

動作不良による障害発生を予防

野球における障害で最も多い投球障害は
動作不良によって発生するケースが非常に多いです。
その主たる原因は柔軟性低下によるものです。
・投球動作に必要な可動範囲が獲得出来ていない
・関節機能が低下している
・関節運動の制御が行えていない
などの投球に必要な柔軟性機能が破綻しているケースがほとんどです。
そのため投球動作に必要な柔軟性の獲得が必要になります。

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動作不良による障害発生には動的な柔軟性が必要です。
理由としては
野球動作は関節に対し瞬間的に強いパワーが加わります。
この際に過度に関節柔軟性が高いと動作制御が行えずに関節負荷が強まり諸発生を引き起こします。

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つまり
関節運動を制御するには受動的な制御ではなく
能動的な制御が必要であり、動的な柔軟性を獲得を選択します。

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