投球障害肩の治療 -徒手療法-【トレーナーマニュアルvol.28】

C-I Baseballの小林弘幸です。

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元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害肩の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。

しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期で小林が担当する、臨床編の記事(予定)です↓↓↓

①投球障害肩の問診と動作観察
②投球障害肩の評価 -肩甲胸郭関節-
③投球障害肩の評価 -肩甲上腕関節-
④投球障害肩の評価 -その他の部位-
⑤投球障害肩の治療 -徒手療法-(今回)
⑥投球障害肩の治療 -運動療法-

これらの記事を通じて、
私の臨床での考え方、思考過程を共有させていただき、
様々なご意見をいただけたらと思います!

投球障害肩の治療 -徒手療法-

はじめに

今回からは、治療編ということで、
評価の話はせずに治療の話をひたすら述べていきます。

徒手療法では、基本的にまずはエコーを使用します。

なぜかというと、
ちゃんと自分の触ろうとしている部分が触れているのかを
確認する必要があるからです。

実際、自分自身、エコーなんか見なくても筋肉なんて
触れて当たり前だと思っていました。

しかし・・・
エコーを見ながら触ってみると、ちゃんと触れていない!!

そんなことが多々あります。

もし、エコーが触れる環境下にあるのであれば、
まずは自分が触れたい筋肉にちゃんと触れているのか、
確認して見てください。

図3

研修医でブラインドでLHBの触診の正答率は20%。エコーでトレーニング後、50%。いかにブラインドでの触診正答率が低いかがわかる。

※Woods et al.: Ultrasound Be Used to Improve the Palpation Skills of Physicians in Training. Prospective Study. PM R 10(2018) 730-737

そしてエコー画面を見ていると、
断面解剖の勉強になります。

実際の手で触れるということは、
その筋肉の
・強さ
・深さ
・幅
を考えながら触りに行く必要があると思います。

それをエコーを見ながら勉強していきます。

さらには、神経血管も観察できます。

筋肉をつかさどるのは、
神経血管です。

この走行を考えてアプローチすることで
よりよいアプローチになることも多々あります。

そのあたりも、解説していきたいと思います。

下記は約1時間のオンラインセミナーの有料記事です。
エコーで何ができるのか?
これから始めるぞという方は、
もしよろしければ参考にされてください。

今回の内容と重複するところもありますが、
投球障害肩に特徴的な症状に対する治療も、少しですが話しています。

徒手療法の考え方

徒手療法の考え方として、
基本的には、筋肉のタイトネスを改善する
ということを念頭に置いています。

ただし、
方法によっては、
タイトネス改善 ≒ 筋機能(出力)改善
となることも多く経験します。

その方法としては
①神経血管周囲の組織を動かす
②筋肉の滑走性を改善する

上記の方法で、タイトネスと筋機能改善が望めると思います。

なぜかというと、

脈管系周囲には疎性結合組織が存在し、その密性化が神経の滑走性低下や痛みを伴った可動域制限につながるとされています。

※工藤慎太郎: 腱板損傷に対する軟部組織理学療法. 理学療法ジャーナル, 54(9), 1016-1021, 2020

ただし、
密性化といっても、その組織自体が<密>になるまでには、
時間がかかります。

時間がかかって結合組織が<密>になった状態の組織は、
密性結合組織といいます。

いわゆる組織が『変性』した状態になると考えています。

しかし、
野球選手のような普段から身体を動かすような選手の場合には、
今まで動いていたのに、ある日、変性が生じて密性結合組織が身体の中で生じるとは考えにくいです。

では、どうかなるかというと、
疎性結合組織の中の水分が少なくなってしまい、
【相対的な密性組織化】が生じてしまうのではないかと考えています。

つまり、そのような相対的な密性組織化は、
中の水分量が改善されれば、疎性結合組織に戻ると思います。

図2
※疎性結合組織に関する模式図(イメージ)

脈管系周囲の脱水が改善されれば、
神経血管に対する循環が改善し、
筋肉に対する栄養、信号伝達が正常化するのではないかと考えています。

その結果、
タイトネス(軽微なスパズム)、筋出力改善するのではないかと考えています。

ですので、筋肉の起始停止だけでなく、
脈管系の走行も頭に入れて治療していくことが
治療効率が良くなっていくと考えています。

腕神経叢の走行(解剖)と徒手療法

ここから、腕神経叢の走行を解説します。

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腕神経叢の走行は、教科書では、上記の様に示されます。

しかし重要なのは、
そこから走行する末梢神経が重要です。

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鎖骨を基準に、
近位:鎖骨下筋神経・肩甲背神経・長胸神経・肩甲上神経
遠位:胸筋神経・肩甲下神経・胸背神経・腋窩神経
が発生します。

その走行を考えて、
徒手療法の治療アプローチを実施します。

肩の神経に関係しているのは、以下のような神経です。

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これを個別に診ていきましょう。

また、同部位に徒手療法を加えることで、
疎性結合組織の循環が改善されて、
筋スパズム軽減へつながると考えています。

その走行部位と徒手療法を一緒に考えるということが大切です。

鎖骨下筋神経

①解剖と神経の走行

②エコー解剖

鎖骨下筋神経は、鎖骨下筋内を通っていきます。

③鎖骨下筋神経(鎖骨下筋)に対する徒手療法

鎖骨と第一肋骨間を動かす。

肩甲背神経

以下もすべて動画で、
それぞれの神経の走行・エコー解剖・徒手療法と掲載しています。

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投球障害肘改善のための神経障害に対する評価・アプローチ【トレーナーマニュアルvol.27】

C-I Baseballで投球障害肘についての記事を担当させていただいている新海 貴史です。

プロフィール画像

普段は整形外科クリニックで投球障害の選手のリハビリテーションを行い、競技復帰をサポートしております。私の記事では臨床目線でお話させていただければと思います。

Twitterでも臨床目線で発信をしていますのでフォローしていただけると嬉しいです!🔽

2021年度のC-I Baseballが発信する「トレーナーマニュアル」では、
野球のケガに関わる専門家向けの臨床編
選手のパフォーマンスに関わる現場編について配信しています。

野球トレーナーマニュアル|C-I baseball|note【C-I Baseballトレーナーのトレーナーマニュアル】 投球障害肩・肘、腰痛、捻挫、肉離れ、下肢障害など野球におけるnote.com

今回は臨床編として”投球障害肘改善のための神経障害に対する評価・アプローチ”について私なりの意見も含めながら説明させていただきます。

トレーナーマニュアルにおいて私が担当する肘関節の記事は今回で完結編になります。

最後までお読みいただけると幸いです。

はじめに

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今までの記事で肘の病態の捉え方➡︎肘伸展機能の評価とアプローチ➡︎前腕回旋機能の評価とアプローチ➡︎手関節・手指の評価・アプローチと来ましたが、今回は神経編になります。

神経といっても胸郭出口症候群(以下、TOS)のように近位部で障害されている場合や神経がより末梢へ走行していった先で障害されている場合があります。

野球選手における神経障害は繰り返される投球ストレスや日々のトレーニングの中でTOSと、より遠位での絞扼による神経障害が混合しているケースが多いと感じています。ですので今回は投球障害肘における神経障害をTOSとより遠位での絞扼(主に尺骨神経)の両観点から説明していきたいと思います。

投球動作と尺骨神経にかかるストレス

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野球選手における尺骨神経障害は、繰り返される投球動作による肘関節の頻回な屈曲と伸展運動に起因します。投球による尺骨神経障害の要因には静的要因と動的要因の2種類があると言われています。

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屍体モデルの研究ではレイトコッキングの肢位において尺骨神経は約13%伸張され、機械的弾性限界や血流途絶限界である15%に近いことが示されています。

Aoki M, et al: Strain on the ulnar nerve at the elbow and wrist during throwing motion. J Bone Joint Surg Am 87 : 2508-2514, 2005

投球動作においてはレイトコッキングにかけて肩関節が外転外旋し、肘関節が外反してくるので肘部管圧は上昇し、尺骨神経が牽引され過剰な伸張・摩擦ストレスがかかっています。

また肩関節以遠ではレイトコッキングにおいて、上腕三頭筋や尺側手根屈筋などの尺骨神経に伴走する筋群の活動が活発になるため、より神経には圧迫や伸張ストレスがかかりやすくなると考えられます。

また、青木らの報告によると投球動作において肘関節屈曲の角度が深かったり肘関節軟部組織の柔軟性が低下していたり、投球過多で握力が低下していたりすると、肘部管で尺骨神経が過度に伸展される可能性があると述べています。

投球動作において肘関節屈曲の角度が深かったり肘関節軟部組織の柔軟性が低下していたり、投球過多で握力が低下していたりすると、肘部管で尺骨神経が過度に伸展される可能性があると述べています。

青木光広:投球フォームと尺骨神経障害.関節外科 27:1035-1040, 2008

胸郭出口症候群について

ここからはTOSについて説明していきます。肘周囲の痛みや痺れとTOSは切り離せない関係ですので神経障害の選手を対応する際は必ず理解しておく必要があります。既にご存知の方は復習程度に見てみて下さい。

TOSは胸郭出口部において血管神経束が圧迫や牽引、摩擦刺激を受けることにより、上肢および肩甲骨周囲などにさまざまな症状が惹起される疾患です。

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分類すると、神経性と血管性(動脈性・静脈性)に分けられますが、神経性TOSが全TOS症例の約95%、神経症状を伴う症例の99%を占めています。

蓑川創,柴田陽三:胸郭出口症候群の画像診断.関節外科 基礎と臨床.2019; 38(10): 24-29.
Roos DB. Thoracic outlet syndrome is underdiagnosed. Muscle Nerve 1990 ;22:126-37.
Atasoy E. Thoracic outlet compression syndrome. Orthop Clan North Am 1996;27:265-303.

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今回は最も多いと言われている神経性TOSについて述べていきます。

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日本では腕神経叢の刺激状況により、神経性TOSは圧迫型(18%)牽引型(8%)圧迫と牽引が混在する混合型(74%)に分類できると報告されています。

井出淳二.胸郭出口症候群.最新整形外科学体系13.高岸憲二編.東京:中山書店;2006.p.278-89

TOSの代表的な症状としては以下のようなものがあります👇

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以上、簡単にではありますが、TOSの説明となります。

野球選手における神経障害について考える

TOSは肩肘痛を訴える多くのオーバーヘッドアスリートに潜在すると言われています。

⚠️野球選手においても投球側の肘痛の原因がTOSであることは稀ではありません。

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✅…では野球選手におけるTOSは一般的なTOSと何が異なるのでしょうか❓

①野球というスポーツの中で投球動作や打撃動作が繰り返されることで、広背筋や上腕三頭筋、前腕屈筋群などはoveruse(過使用)の状態になります。overuseによって胸背神経、橈骨神経、尺骨神経などがメカニカルストレスを受けたり、筋肥大によって神経のentrapment(絞扼)や滑走不全が生じると考えます。

②神経entrapmentに加え、野球選手では広背筋や僧帽筋下部などのタイトネスが生じることで肩甲骨は下方回旋・下方偏位を呈しやすくなります。肩甲骨が下方回旋すれば牽引型TOSを惹起する可能性が高くなります。

肩甲骨の不良な位置overuseによる腱板筋群の微細損傷・筋疲労により、肩甲骨周囲筋や腱板の出力が入りにくくなります。上肢の土台である肩甲帯の出力が低下すれば、その機能を末梢(上腕や前腕・手指)で代償するようになり、末梢の神経(尺骨神経など)により大きなストレスがかかる事が想像できます。

④このような肩甲骨の位置不良や出力不良が存在する状態での投球動作や前腕での代償が繰り返されることによって神経へのストレスはますます増大し、症状が顕在化してくるのではないかと考えています。

上記をまとめると、野球選手におけるTOSは牽引型TOSに神経のentrapmentが組み合わさったdouble crush syndrome(神経の2ヵ所での障害)が比較的多いと個人的には捉えています。

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臨床では、肘内側部痛に対して尺骨神経障害の評価を行なった際に陽性となる選手の多くは胸郭出口症候群のテストで陽性になることが多い印象を持ちます。

この場合、尺骨神経に対するアプローチを行うよりもまずは優先的にTOSに対する介入を実施する必要があると考えています。

✅なぜ野球選手においてTOSに対する対策が必要なのでしょうか?

TOSや神経絞扼により肘関節の安定性が低下すれば肘痛を発症する要因になるだけでなく、球速が落ちる事により投球のパフォーマンスに直接影響を与える可能性があります。

先ほど説明した通り野球選手ではその競技特性から、神経のentrapmentや筋のタイトネスによる肩甲骨の位置不良から来る神経の牽引が生じやすく、それらが野球選手に多いTOSを生み出してしまっていると考えます。例えば、

橈骨神経⏩上腕三頭筋

尺骨神経⏩上腕三頭筋内側頭や前腕屈筋群

正中神経⏩円回内筋

といったように筋の過緊張により神経が絞扼を受けるとそれらの筋は出力が低下します。

筋出力低下が生じている状態で繰り返しのストレスが加わることによって肘関節は不安定になります。

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尺骨神経症状を伴うMCL損傷の選手は手術に移行する危険性が2.2倍高くなるという報告もされています。

宇良田大悟ほか:野球選手に対する肘内側側副靭帯損傷の保存療法と手術療法の比較. 日本肘関節会誌. 19: 108-111. 2012

したがって投球動作における肘痛の原因の一つである ”筋出力低下” をどのような評価によって見出していくかがポイントになってきます。そのためには通常のMMTだけでは不十分と考えています。

硬くなった筋を伸張位にすることによって神経の絞扼が生じやすい条件を作った上での筋出力を評価することによって、肘の不安定性に繋がる可能性のある”初期の筋出力低下”を検出することができると考えます。加えて、把持動作やグリップなどのパフォーマンスを診ることによって細かな動作のエラーを早期に見つける事が重要であると考えています。

神経障害の評価

一般的にはTOSの評価方法としてMorley testRoos testWright testなどの整形外科的テストが存在しますが、前述したように野球選手においてはこれらのテストでは引っかかってこないような潜在性のTOSが多く存在すると考えています。

そのため、これらのような「どこ”where”で障害されているか」を診るテストだけではなく、スポーツに直結する“Performance(動作)”を用いてスクリーニング的にチェックしていく必要があるかと思います。

視診

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まずは肘の外反アライメントをチェックします。尺骨神経は上腕〜肘内側を走行するため、外反が強ければ強いほど尺骨神経に伸張ストレスがかかりやすくなると考えます。

また、尺骨神経は尺側手根屈筋や小指球筋群を支配しているため、神経絞扼などの影響で普段から出力が入りにくい状況が続いていれば筋は萎縮してきます。

感覚検査

尺骨神経の知覚領域は小指と環指小指側1/2の掌背側前腕の尺側になります。尺骨神経領域の知覚低下はあってもごく軽微なことが多いです。評価方法としては酒精綿を用いて冷覚の左右差を比較するのが簡便で分かりやすいかと思います。

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上肢の引き下げ

症状を引き起こしているのが牽引型TOSか神経のentrapmentかどうかの評価として用います。

●方法・POINT●

✔︎上肢下垂位にて前腕を把持し、下方に牽引する。

✔︎牽引した際に上肢に痺れや疼痛が生じるかを確認する。

✔︎反対側の肩を下方に押し下げて体幹側屈の代償が生じないように注意する。

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チームトレーナーの活動(高校野球)【トレーナーマニュアルvol.26】

C-I Baseballスタッフの高橋塁です。

前回、前々回は『チームトレーナーの活動:学童野球』と『チームトレーナーの活動:中学野球』についてお話しましたが、今回は、現在、携わっている高校野球の『チームトレーナーの活動』についてお伝えしていきます。

まずは、私の自己紹介を簡単に。

高橋塁プロフ写真①

私自身は香川オリーブガイナーズ(独立リーグ)、横浜DeNAベイスターズ(NPB)の専属トレーナーを経験後、現在は、学童野球にはじまり、中学硬式、高校野球、大学野球の各カテゴリーで、チームトレーナーを務めています。

このような経験から各カテゴリーごとのトレーナーとしての関わり方について、シリーズとして紹介しています。

 今回は、高校野球の年代に実際に、私が年間を通して、どのように指導しているかを紹介していきたいと思います。

シリーズ第1回目は『チームトレーナー活動:学童野球』

シリーズ第2回目は『チームトレーナー活動:中学野球』

今回は、『チームトレーナーの活動・高校野球』ということで、まずは、高校野球の「ピリオダイゼーション」を考慮に入れながら、時期により、トレーナー活動の内容を臨機応変に対応していくことが必要です。

高校野球の「ピリオダイゼーション」については下記、記事をご参照ください。

学童期や中学生を対象とした場合には「スキャンモンの発達曲線」や「ゴールデンエイジ理論」を特に意識しないといけないと考えます。

スキャンモン
ゴールデンエイジ理論

高校入学までは、特に年齢により細分化したメニューを提供していくことが重要となります。

結果、コーディネーション能力向上へのアプローチも重要となっていきます。

コーディネーション理論

高校球児には上記の事が過去に処方されていたと仮定して、トレーナーとしてアプローチしていきます。

高校野球は高校3年生で夏の甲子園に出場したとしても約2年4か月程度です。

トレーナーとして、選手の能力を怪我無く、最大限発揮できるように、サポートしていきます。

私のトレーナー活動も年間を通して、トレーニング指導ばかりを行っているのではありません。

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高校球児へのアプローチを年単位で考え、その時期に応じた、トレーナー活動を行っています。

まずは、各自時期に応じたトレーナー活動を紹介していきます。

準備期のトレーナー活動

 一般的に高校野球では、夏大会後に新チームになり、その後、秋大会が終了したちょうど今の時期が来夏に向けての『準備期』となります。

オフシーズン③

一般的に『オフシーズン』という表現になるかと思います。

『準備期』に入り、すぐに高負荷でのトレーニング開始というわけではありません。

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投球障害を足部から改善するための現場でできる横足根関節インソールパッド編【トレーナーマニュアルvol.25】

C-I Baseballの須藤慶士です。足部を担当しております。

足部×投球のテーマで第5回になります。今回のテーマは『横足根関節のインソールパッド』です。

インソールは痛みを取ることも可能ですし、動作改善も可能です。

インソールを作製した事がない方でも評価ができれば後は貼付位置はnoteを参考にしていただければ実際に使えるように記載しております。

前回までの距骨下関節のインソールパッドからお読みいただけると繋がってくるので臨床でも現場でも使えると思います。

↓↓↓距骨下関節インソールパッド編↓↓↓

以下本文

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なぜ横足根関節を評価するのか?

横足根関節は距舟関節と踵立方関節から構成されています。
横足根関節は『縦軸』『斜軸』の二つの軸が存在します。

縦軸:回内  回外
斜軸:底屈−内転       背屈−外転

それぞれの軸が距骨下関節の動きと連動することで足趾へ力が伝わっていきます。
この『縦軸・斜軸』でどのくらいの可動性があるのか?どのような動きをするのか?
これらを徒手(非荷重位)で評価することで動作時における横足根関節の動きを把握することができます。

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距骨下関節と横足根関節の関係

OKCでは以下の連鎖が見られます。

距骨下関節回外位→横足根関節強固→一列可動性減少
距骨下関節回内位→横足根関節柔軟→一列可動性増大

CKCでは距骨下関節の肢位により横足根関節・足趾機能は変化します。

横足根関節が柔軟な場合(横足根関節回内位)
距骨下関節が回内→横足根関節の可動域で補償可能

横足根関節が強固な場合(横足根関節回外位)
距骨下関節が回内→横足根関節回内可動域では補償不可→下腿の内捻や膝外反で代償

 *骨盤の内方移動や体幹の側屈で代償することもある

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距骨下関節の肢位・動き(歩行時)

Loading Responseで最大回内位になります。

回内になることで横足根関節を柔軟な状態にして地面の形状を把握し対応しやすいようにしています。

Mid stance以降は距骨下関節回外方向への動きが起こります。回外にすることで足部全体を剛体にして蹴り出しを行いやすいようにします。

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横足根関節の肢位・動き(歩行時)

距骨下関節回内位では、横足根関節は柔らかくなるので可動性が向上します。
歩行時ではLoading ResponceからMid stance前半までの相です。
足圧中心は第5趾に向けて移動します。

この時、横足根関節斜軸は背屈・外転、縦軸回外します。この動きにより足圧中心は外側に移動しやすくなります。

距骨下関節はMid stance〜回外位になります。
それに伴い横足根関節も斜軸は底屈・内転、縦軸回内します。

この肢位になることで全体を剛体として蹴り出しがしやすい状態になっていきます。

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荷重位では足部は崩れやすい

上記に記載したものは正常な動きです。

しかしほとんどの足部は正常な状態ではありません。

距骨下関節や横足根関節の機能が崩れるために足部や下肢などに疼痛が出現します。

機能を正常に動かすにはインソール が有効な手段です。

その正常とは、

それぞれの足に存在する『中間位』の事です。

そしてインソールをするにも中間位評価をそのまま使います。

投球時のKnee-in

トレーニングしてもなかなかKnee-inが改善しない選手を経験した事があると思います。

そのような場合は考えられることはステップ足が距骨下関節・横足根関節ともに回外位である事が予測できます。


接地とともに距骨下関節・横足根関節で回内の動きがあればいいのですが、それぞれで補償できずに下腿が内側に傾いてしまいます。

投球時のKnee-inがある選手は足部評価をしてみましょう。

スライドの選手は投球時Knee-inがみられました。そこでフォワードランジからのKnee-in、Knee-out評価をしました。

スパイクにはインソールを作製しました。足部が機能すると足底全面接地しながらKnee-outができます。

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距骨下関節・横足根関節・足趾が機能したために足部からの回外、下腿外旋がしやすくなり、股関節外転・外旋可動域が向上しました。

この動きができると、リリースからフォロースルーにかけて骨盤の回旋可動域が向上し肩関節にかかるストレスも軽減します。

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横足根関節評価 判定基準

横足根関節判定基準

距骨下関節指標中間位評価に対してMP関節のラインで判断します。

距骨下関節指標中間位よりも
●MP関節が回内するなら『横足根関節回内位』
MP関節が回外するなら『横足根関節回外位』
並行なら『横足根関節中間位』

と判断します。

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評価手順

https://note.com/embed/notes/naf3c7b57608c →Blog リンク貼る

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横足根関節 評価方法

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距骨下関節指標中間位の評価方法は過去の記事をご参照ください。

https://note.com/embed/notes/nb4b48916c110→Blog リンク貼る

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横足根関節 縦軸回内時 注意点

距骨下関節指標中間位でのホールドができないと横足根関節縦軸回内した際に、横足根関節は柔らかい状態になります。

色々な足部評価をした際に評価が『横足根関節回内位』になってしまう場合は、距骨下関節指標中間位でのホールドが不十分の可能性が考えられます。

間違った評価になるのとアプローチの方向性が変わってしまうので、パフォーマンス低下もしくは痛みが強くなる可能性があります。

ですから、横足根関節評価の際は距骨下関節指標中間位のホールドを意識してください。

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この後に評価からの横足根関節インソールパッドをご紹介いたします。

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オフシーズントレーニングーウエイトトレーニングを組み立てるー【トレーナーマニュアルvol.24】

C-I Baseballの増田稜輔です。
今回のテーマは「オフシーズン」ということで、CIB副代表・佐藤康氏と2回にわたって配信していきます。

先週配信の記事ではランニングプログラムについて佐藤康氏より解説がありました。
まだお読みでない方はこちらのリンクからどうぞ!
オフシーズントレーニング−ラントレーニングの選択ー

皆さんはオフシーズンのトレーニングはどんなイメージがありますか?

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・体力強化
・ウエイトトレーニング
・走り込み
・振り込み

上記のような感じでしょうか?
オフシーズンのトレーニングとしてよく言われるのは【強化】だと思います。

【オフシーズントレーニング=強化】
多くの方がこのようなイメージを持っていると予測出来ます。
シーズン中には行えないような強度の高いトレーニングをして
身体を強くしよう!体力をつけよう!筋力アップだ!
こんな言葉が聞こえそうですね・・・

オフシーズンに身体機能を強化することは間違えでないですが
ただ闇雲に行っていることも多いと思っています。
【強化】という言葉ばかりが先行し、オーバートレーニングになり
オフシーズン中に怪我をする選手、パフォーマンスが低下する選手を多く目にしています。

また、目的が明確になってない状態で、
一般的に言われているトレーニングやYouTubeで見たトレーニング
最近流行りにトレーニングなどに偏った結果、【強化】出来ていない場合も多くあります。

オフシーズンのトレーニングは
目的を明確にし、目的に沿った方法でプログラムを組むことが重要であると考えています。
【何を強化するのか?】
【どんな方法で強化するのか?】
【正しいプログラムを設定しているのか?】
今回は上記のような悩みを解決できるように解説していきます。

前回記事のおさらい
「新チームで構成するトレーニングー野手のトレーニングを考える方法ー」

前回の記事では、新チームのトレーニングプログラムを考える上で重要となる4つの項目について解説していきました。
・チーム目標、方向性の設定
・選手の状態把握
・怪我の発生状況
・スケジュール

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その中でこんな問題提起をしました。
「パワーを上げたい」=パワートレーニングを行うでいいのか?

例えば、スイングスピードを上げたいからと言って
MBスローを繰り返す、重いバットで振り込みをする
果たしてこのプログラムでパワーはあがりますか?

私は上がらないもしくは効率が悪いと考えています。
※あくまでも個人的な意見なので否定するつもりはありません。

ここで考えるべきなのは【時期】だと思っています。
MBスロー距離とスイング速度が相関があると言われているように
バッティングのパワー要素として、MBスローは重要だと考えていますが
【オフシーズンという”時期”】を考えると、優先的に選択するプログラムではないと思っています。

では【オフシーズン】に何をするのか?
ここから解説していきたいと思います。

オフシーズンとは

先程、トレーニングには”時期”が大切ということをお伝えしました。
では、【オフシーズンとはいつなのか?】
ここから話していきます。

アマチュア野球を例に考えていきます。
多くのチームが10月、11月で大会を終了し、
大会は終了しているが練習試合がある11月は準備期として扱い、
オフシーズンに行うトレーニングの準備やシーズン中の疲労を回復させる期間としています。
12月頃から試合がない時期に入り、試合開始時期が3月上旬なので
12月〜3月までの間が【オフシーズン】と呼ばれる時期です。

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オフシーズンに強化すべき要素

皆さんはオフシーズンにどんな要素を強化していきますか?
おおよそ下記に図にある要素が挙がってくると思います。

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ここで挙がった要素に対してどんなトレーニングをしていくのが
良いのでしょうか?

・球速を上げたい、肩を強くしたい
→重いボールを投げる? 投球動作に似た動きでトレーニングする?
・スイングスピードを上げたい、飛距離を伸ばしたい
→振り込み? MBスローをする?
・足を速くしたい ベースランニングを速くしたい
→短ダッシュ? Tドリル? ベースランニング?

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冒頭でも説明したように
強化したい要素に対して、直接的なトレーニング(競技特異的トレーニング)してもパフォーマンスにつながらない可能性があります。
これは時期尚早なわけです。

理由は
ボールを速く投げるため、スイングを速くするための
【可動性】【絶対筋力】【動作速度】が備わっていないからです。

強化する順序

オフシーズンに競技特異的なトレーニングは時期尚早と言いました。
パフォーマンスをアップするためのトレーニングには順序があります。
この順序を誤ると
強化したい要素が向上しなかったり、怪我のリスクが高くなります。
なので、順を追ってプログラムを作成していくことが重要になります。

野球動作を考えると、プレーで起こる多くの動作は
瞬発的なパワー発揮が求められます。
これは野球の競技特性として捉えて良いと思います。
このことを考えると、トレーニングのゴール(最終目標)は
【瞬発的なパワー発揮】です。

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この瞬発的なパワーを起こすためには筋の伸張反射を起こす必要があります。

伸張反射とは
筋の伸張が起こると反射的に筋活動増加させて短縮性収縮が起こること

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伸張反射を起こすには
筋が伸張する弾性力つまり可動性と筋の収縮力が必要になります。

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ここを強化することで、
最短時間で筋の動員を最大限に引き上げることができ
瞬発的なパワー発揮に繋がる

そのためトレーニングは
筋の伸張性を向上するような可動性エクササイズ
筋の張力を高めるトレーニング
最後に収縮速度を高めるトレーニング
を行いパフォーマンスへと繋げていきます

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ウエイトトレーニングについて

オフシーズンのトレーニングは
①可動性②筋力③動作速度の順で行うと説明しました。

①可動性は
ストレッチやモビリティエクササイズなど比較的イメージがつきやすいと思います。
③動作速度についても
スプリントやジャンプ、MBスローがイメージできると思います。

②筋力についてはどうでしょうか?

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どうやったら筋力がつくのか?重さは?メニューは?回数は?
など比較的不明瞭な部分が多いと思います。

それに加え、高校生など成長過程の選手にウエイトトレーニングは
負荷が強くて怪我の原因になるから不要だ
こんな声もあると思います。

しかし、皆さんが目指すゴールにあるパフォーマンスを上げるには
【最大筋力】の向上が必要不可欠です。

ここからはなぜオフシーズンにウエイトトレーニングが必要なのかを
解説していきます。

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オフシーズンのトレーニングーラントレーニングの選択ー【トレーナーマニュアルvol.23】

C-I Baseballの佐藤康です。
今回のテーマは「オフシーズン」ということで、CIB代表・増田稜輔氏と2回にわたって配信していきます。

野球選手のオフシーズンは各世代のカテゴリーによってさまざまですが、12月~2月までの冬季期間はトレーニングに占める時間が多く、実践練習よりもトレーニングに割く割合の多い期間になると思います。

オフシーズンのトレーニングと聞くと、ランニングメニューを中心とした「走り込み」をイメージされる方も多いのではないでしょうか。

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走り込みの是非は昨今その効果についてさまざまな意見が挙がっておりますが、どのようなラントレーニングが野球で求められるのか?その目的が重要であると思います。

今回はオフトレーニングで実践する現場も多い「ラントレーニングの選択」についてまとめていきたいと思います。

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オフシーズンのカラダづくり!なにを強化すべきか?

そもそもオフシーズンとは
どれくらいの期間を指すのでしょうか?

中学・高校生の野球を例に考えていきます。

高校野球は高野連(高校野球連盟)より、
対外試合をできる期間が定められています。

およそ、12月~3月初旬までの約3か月間、
他校との試合が禁止されています。

そのため、特に12月・1月は体力強化を図るチームも多いと思います。チームによっては11月を移行期として徐々に強化メニューに移行していくチームもあると思います。

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野球選手として個人・チームの目標を
明確にした体力づくりを行うことが大切です。

野球に求められる体力強化

トレーニングプログラムを構成していく上で、やみくもに重い重量を挙げたり、長い距離を長時間走り込む、というのは野球に求められるのかというとそうではありません。

昔の練習では試合ができない期間はとにかく走れ、走り込みは精神力の強化などとして、長時間のラン中心のメニューをこなす、といった背景がありました。

きつい練習を乗り切ることで、体力が強化され、疲労がある中奮い立たせることで強くなることはあるかもしれませんが、冬季練習でのオーバーワークによる選手のケガが生まれてしまうことは否めません。

先述しましたが、ラントレーニングを全て否定するのではなく、目的に応じたプログラミングが必要であると思います。

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そのため、
野球の競技特性に合ったアプローチ(トレーニング)が求められます。

野球の競技特性は、
投手が投げて打者が打たなければそれで終了、
長くても10-20秒程度でワンプレーが終わる競技です。

実際に投手では2秒・野手では5秒程度での一瞬での強い力が求められます。

すなわち、高強度の瞬発的な動きを
投球数の分だけ動ける能力が必要となります。

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1試合の中で、後半に体力の問題によりパフォーマンスが低下するのであれば、それに対したアプローチが必要となります。連戦が続く大会期(試合期)では尚更求められる部分です。

ここで大事なことは瞬発的な動きの繰り返しです。

▶高強度な瞬発的なパワー
▶試合で発揮できるパフォーマンスの持久力
▶強度の高い動きに対し壊れない体の柔軟性

などが挙げられると思います。

反対に、少ない力で多い回数の運動やローペースな動きを淡々と繰り返す運動は野球に特化した動きとは言えないないことです。そのため、一定のペースで長く運動を続けることが、野球に優先されるトレーニングというとそうではないことがわかります。

鍛え方(トレーニング方法)で筋肉の発達の仕方も変わるため、適したトレーニングの選択が求められます。

なぜラントレーニングをするのか?

ここで今回の本題となるラントレーニングについてまとめていきます。ラントレーニングにはさまざまあり、その目的効果もさまざまです。

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投球障害肩の評価-その他の部位編-【トレーナーマニュアルvol.22】

C-I Baseballの小林弘幸です。

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元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害肩の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。

しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期で小林が担当する、臨床編の記事(予定)です↓↓↓

①投球障害肩の問診と動作観察
②投球障害肩の評価 -肩甲胸郭関節-
③投球障害肩の評価 -肩甲上腕関節-
④投球障害肩の評価 -その他の部位-(今回)
⑤投球障害肩の治療 -徒手療法-
⑥投球障害肩の治療 -運動療法-


これらの記事を通じて、
私の臨床での考え方、思考過程を共有させていただき、
様々なご意見をいただけたらと思います!

投球障害肩の評価-その他の部位-

はじめに

投球障害肩において、評価は非常に重要です。

しかし、
その他の部位を評価するのは非常に難しく感じます。

単純に、
股関節が硬いから股関節を動かしましょう。

胸郭が硬いから動かしましょう。

それだけでは、
理学療法士、トレーナーとしては不十分だと思います。

その動きが改善されることで、
投球に対してどのような作用があるのかを考えて、
選手に自覚してもらう必要があると思います。

今回は、野球に必要な動作と結びつきやすい
・脊柱
・股関節
・足部

といったところの評価を紹介していきたいと思います。

まずは、肩関節の評価として、3方向SATをします。
そこで肩甲胸郭関節に問題がある場合は、そこから全身へと評価治療を広げていきます。

逆に、肩甲上腕関節に問題がある場合は、
そちらを先に評価治療していっています。

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基本的に、評価としては、

疼痛誘発テスト(病理解剖学的診断)を用いるのではなく、
疼痛緩和テスト(病理運動学的診断)を用いる必要があると考えています。

※Ludewig PM, et al.: Changing our diagnostic paradigm: movement system diagnostic classification. Int J Sports Phys Ther, 12(6): 884–893, 2017

どうなれば、痛みや動きが改善するのか、それを誘導してあげてから
治療に進むとスムーズに介入できることが多いかと思います。

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脊柱に対する知識と評価

肩関節の屈曲と外転の脊柱運動

まず、投球動作を考える前に、肩関節運動と脊柱運動の関係を復習します。

肩関節屈曲時の脊柱では、
屈曲初期~中期に
・腰椎伸展
(・胸椎屈曲)
となります。

図3

※千葉慎一他:上肢挙上運動への胸椎、腰椎および骨盤運動の関与. 昭和学士会誌. 第79巻. 第1号. 58-67. 2019

それに伴い、肩甲骨下角が前方へと動く。

つまり、前鋸筋が優先的に働くと考えられます。

図5
※森原徹 他:肩関節屈曲・外転における肩甲骨周囲筋の筋活動パターン~鎖骨肩甲上腕リズムに着目して~. 肩関節2011;35巻

肩関節外転時の脊柱では、
外転初期~中期に
(・腰椎屈曲)
・胸椎伸展
となります。

図4
※千葉慎一他:上肢挙上運動への胸椎、腰椎および骨盤運動の関与. 昭和学士会誌. 第79巻. 第1号. 58-67. 2019

それに伴い、肩甲骨上角が内側へ動く。

つまり、僧帽筋(上部中部)が優先的に働くと考えられます。

図6
※森原徹 他:肩関節屈曲・外転における肩甲骨周囲筋の筋活動パターン~鎖骨肩甲上腕リズムに着目して~. 肩関節2011;35巻

この脊柱と肩甲骨の動きを理解することで、
全身からの動きで肩関節の動きを評価することができます。

以下に、まとめの図を提示します。

このあたりも意識して評価、介入していくことで
引き出しが広がっていくかと思います。

図9
図10

投球動作と脊柱の関係

では、上記のことを踏まえて、
脊柱の動きと投球動作の関係はどのように考えた方が良いでしょうか??

胸椎・腰椎の動きがどの投球Phaseに影響するのかを述べていきます。

①腰椎伸展と投球動作

腰椎伸展が求められるPhaseは、

Late cocking~Acceralationにかけてです。

図7

腰椎伸展は、
肩鎖関節を軸に、下角が前外側へ移動(後傾)し、前鋸筋が作用しやすい肢位となります。

Late cocking~Acceralationの肩甲骨や脊柱の肢位は
近似した肢位と考えられます。

この肢位が不足した場合に、
肩甲骨後傾を代償するように、過度なGHの水平外転などが生じ、
インターナルインピンジメントなどのリスクが考えられます。

①腰椎伸展の評価

腰椎だけの伸展可動域の評価は難しいですが、
一つの方法として、下記の動画の様に行っています。

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