フォークの投げ方(後編)【トレーナーマニュアルvol.139】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballはで4期目を迎えました。

ここまで、C-I Baseballの活動を続けられているのは、我々の活動を応援し、必要として下さる皆様のおかげです。

この場を借りて感謝申し上げます。

前回の私の担当ではツーシームの投げ方を紹介させていただきました。

さて、今回はフォークボールの投げ方(後編)を紹介します。

私の担当の前回はフォークボールの投げ方(前編)でした。

フォークボールを投げられる選手と投げられない選手の差

フォークボールを投げられる選手には映像上に特徴があります。

映像上で手首の固定ができているか比較しても分かりづらいです。

下の映像でストレートと比較しています。

漠然と見ると、違いが分りづらいので、手首に注目してみてください。

では、違いはどこにでるのでしょうか。

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投球動作におけるlate cocking~follow through phaseの下肢機能【トレーナーマニュアルvol.138】

C-I Baseball 1期生の北山です。
今回はサポートメンバーの配信となります。

はじめに

今回は投球動作においてもバイオメカニクス的観点から解説し、それらに対するトレーニング方法などを紹介していきたいと思います。

一般的には下記のような投球フェーズを用いることが多いと思います。

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しかし今回は最大膝挙上位からフットコンタクト(SFC)までを100%time、SFCからボールリリースまでを200%timeとした投球フェーズを用いて説明します。

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SFC前後での下肢機能

SFCは投球動作において並進運動から回転運動へ変わる大きな局面となります。

並進運動フェーズは投球動作の助走と言われており、このフェーズではできるだけ大きな力を生み出し回転運動へ繋げていくことが求められます。
このフェーズにおける軸足機能については以前のnoteで執筆しているので参考にしてください。

SFC前後においてどのようなバイオメカニクス的特徴があるのかまとめていきます。

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投球障害肘治療に活かす肘関節の局所解剖(末梢神経を中心に)【トレーナーマニュアルvol.137】

C-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

CIBのトレーナーマニュアルについて

①野球現場でのトレーナー活動
 チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
 投球障害への対応、インソールからの介入

③ゲストライターによる投稿
 バイオメカニクス、栄養…など各分野の専門家の方が執筆しています

④C-I Baseballメンバーによる投稿
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがライターとして情報を発信しています。
C-I Baseballで学び、成長してメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

【注目!👀】イベント告知
\\C-I Baseballフォーラム開催//
第1回C-I Baseballフォーラム「野球トレーナー・セラピストで繋ぐ輪」

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C-I Baseballのテーマでもある「輪を広げる」活動としてフォーラムを開催します。
野球に関わるトレーナー・セラピストの方に参加して頂き、意見交換・ディスカッションをすることで最新の知見や新たな発見、皆さんの知識の向上になることを目指しております。
また、トレーナー・セラピスト一人の力では関われる選手の数に限りがあります。「輪」を広げることでより多くの選手やチームに関わることが出来ます。
関わる数が多くなればなるほど、怪我に苦しむ選手、パフォーマンスが上がらなくて悩む選手を救うことが出来ます。
皆さんも一緒に日本の野球選手を救っていきましょう。

第1回 C-I Baseballフォーラム概要
●開催日:2024年3月10日 日曜日
●時間:10:00〜16:00
●場所:東京工科大学 蒲田キャンパス
●参加費:一般4000円(早割3000円) 学生1000円
メインシンポジウム
「各ステージにおけるトレーナーとしての取り組み」
プロ野球、大学野球、高校野球トレーナーがそれぞれの現場での取り組みを紹介します。

参加ご希望の方はこちらのフォームよりご応募お願い致します。

第1回 C-I Baseballフォーラム参加申込みフォーム

はじめに

前置きが長くなりましたがここから今回の内容に入ります。

投球障害”肘”の病態に関しては、過去のNoteをご覧ください。

投球障害”肘”は、
肩関節の問題や肩甲胸郭関節の問題、全身の問題が波及して
肘関節へ負担をかけて障害がおこる、
被害者的な部分が多いかと思います。

例えば、投球時に矢状面上から見て
ダブルプレーンになっておると
肘関節へかかる負担が大きくなってしまいます。

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左図がシングルプレーンといい、負担のかからない投げ方。
右図がダブルプレーンといい、負担のかかる投げ方。

ダブルプレーンは肘関節が外反ストレスをかけて
特に肘内側に大きな負担をかけます。

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左図がシングルプレーン・右図がダブルプレーン

前額面上からでも
胸椎・胸郭の伸展が不足してしまうと
これも肘関節へ負担をかけます。

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左図は、肘関節が過剰に屈曲してしまい
より負担をかけてしまう。

簡潔にいうだけでも
これだけ全身の問題があって、肘関節へ負担をかけます。

しかし、
しばらくの時間このように肘関節へ負担をかけ続けると
肘関節周囲筋へ負担がかかり、
可動域制限や筋出力が出にくくなることがあります。

そこで局所的な治療をしなくてはなりません。

肘関節周囲筋を中心としたケアは、下記の新海先生が書かれたNoteを参考に
セルフケアの方法を学んでいただけたらと思います。

今回は、
末梢神経を中心としたことを学び、
そこから治療へと発展していけると良いかと思います。

肘関節に関与する末梢神経

肘関節に関連する末梢神経は

・筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋)
・腋窩神経(上腕三頭筋長頭)
・橈骨神経(上腕三頭筋)
・正中神経(前腕屈筋群)
・尺骨神経(上腕三頭筋短頭)

の5つになるかと思います。

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それぞれ支配筋があり、
走行を理解しておくと筋のタイトネスや筋出力低下がある時、
感覚低下やしびれ痛みがある時に有効かと思います。

なぜ末梢神経をアプローチするかは
下記を参考にしてください。

しっかりと評価をしたうえで
神経に対するアプローチをする部分としては、
下記の円で色ついているところに対して徒手療法をしていきます。

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理由としては下記からの各論部分を参考にしてください。

筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋)

筋皮神経が支配する筋は
上腕二頭筋・上腕筋です。

上腕二頭筋

まずは上腕二頭筋の絞扼部位として広く知られているのが
烏口腕筋の貫通部位かと思います。

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※Guerri-Guttenberg RA, et al.: Classifying musculocutaneous nerve variations. Clin Anat. 2009 Sep;22(6):671-83. より引用改変
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この部位で絞扼や圧迫が生じてしまうと
上腕二頭筋のタイトネスや筋力低下が生じてしまいます。

直接的に烏口腕筋や筋皮神経へ徒手療法をして
アプローチしていきます。

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下記はエコーと徒手介入動画です。

上腕筋

次に上腕筋のアプローチ部分です。

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C-I Baseballアカデミープロジェクト始動【トレーナーマニュアルvol.136】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballの増田です。

C-I Baseballフォーラム開催
第1回C-I Baseballフォーラム「野球トレーナー・セラピストで繋ぐ輪」

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C-I Baseballのテーマでもある「輪を広げる」活動として
フォーラムを開催します。
野球に関わるトレーナー・セラピストの方に参加して頂き、意見交換・ディスカッションをすることで最新の知見や新たな発見、皆さんの知識の向上になることを目指しております。
また、トレーナー・セラピスト一人の力では関われる選手の数に限りがあります。「輪」を広げることでより多くの選手やチームに関わることが出来ます。
関わる数が多くなればなるほど、怪我に苦しむ選手、パフォーマンスが上がらなくて悩む選手を救うことが出来ます。
皆さんも一緒に日本の野球選手を救っていきましょう。

第1回 C-I Baseballフォーラム概要
●開催日:2024年3月10日 日曜日
●時間:10:00〜16:00
●場所:東京工科大学 蒲田キャンパス
●参加費:一般4000円(早割3000円) 学生1000円

メインシンポジウム
「各ステージにおけるトレーナーとしての取り組み」
プロ野球、大学野球、高校野球トレーナーがそれぞれの現場での取り組みを紹介します。

参加ご希望の方はこちらのフォームよりご応募お願い致します。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdbZdDYozUm6jS2OZKOijoV_O1GmMTcoCkHMVeqRvdV99sdew/viewform

今回のnoteでは新事業である「C-I Baseball Academy」についてご紹介していきます。

①Academy 立ち上げの経緯
②立ち上げまでの流れや準備
③体験会の様子
④アカデミー生のフィジカルデータ

C-I BaseballI BaseballAcademyプロジェクト始動

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C-I Baseballでは2024年1月C-I BaseballAcademyの運営をスタートしました。
対象は小学5年生〜6年生とし、野球に必要な身体の基礎を構築するためのトレーニングを毎週1回提供しています。

C-I BaseballAcademyの目的

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アカデミーと聞くと、「技術指導」「野球塾」のようなイメージを持つと思います。野球が上手くなるために「投げ方」「打ち方」「捕り方」を元プロ野球選手が指導しているケースが多くあります。
しかし、近年の小学生を見ていると、「技術」よりも「基礎的な運動能力」の低下が野球パフォーマンスに影響していることが多くあります。

「基礎的な運動能力」が低下したまま、「技術」のみが先行してしまい
高校生や大学生のカテゴリーで怪我をしている選手がおります。

なので、C-I Baseball Academyでは競技特化した動きを練習するばかりではなく、「基礎的な運動能力」を向上し、様々な運動経験をすることが動きの自由度を高め、技術向上に繋げて行くことを目的にしています。

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このような、運動の基礎的な動きを指導しているアカデミーは少なく
我々理学療法士の得意分野でもあるため、小学生対象のアカデミーを立ち上げることにしました。

スタッフが輝ける場所を作る

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現在、C-I Baseballにはスタッフ・メンバー合わせて50名以上が参加しています。みんな「野球に関わりたい」との思いは一致していますが、「関わる方法」は人それぞれ違います。
今回のアカデミー事業の立ち上げは、副代表の佐藤がC-I Baseball立ち上げ当初から「やりたい」と公言していました。
スタッフ・メンバーの「やりたい」を事業として立ち上げられるのはC-I Baseballの強みです。
スタッフ・メンバーが協力をしていき今後も活動を広げていきます。

立ち上げまでの流れや準備

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ここからはC-I BaseballAcademyを立ち上げるまでの流れや準備をご紹介していきます。
アカデミー事業を立ち上げるためには以下の3つを考えていきました。
①開催場所の確保
②集客
③プログラム内容

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