野球選手のための肘・前腕のセルフケア【トレーナーマニュアルvol.90】

野球選手のための肘・前腕のセルフケア【トレーナーマニュアルvol.90】

はじめに

投球動作において肘関節では屈曲-伸展運動、
前腕では回内-回外-回内という運動が生じます。

投球動作を反復する野球選手において、肘関節周囲の日頃のケア・コンディショニングは怪我防止・パフォーマンスの維持のために必要不可欠です。

肩関節に関するセルフケアは過去のnoteをご参照ください。

https://note.com/embed/notes/n55d95f7dac3f

🔽肩甲骨・腱板のトレーニングはこれらもご参照いただければと思います。

https://note.com/embed/notes/n9d9aa62d3eb0

https://note.com/taka_shinkai/n/n9b5860d752e5

https://note.com/embed/notes/n0d977db03948

今回は肘関節・前腕に絞って一人でもできるセルフケアをいくつか紹介していきますので最後までお読みいただけると幸いです。

肘・前腕のセルフケアを行う意義

投球動作を繰り返す野球選手では、
投球側の肘伸展制限を呈している選手が臨床上多く見受けられます。

肘伸展制限が生じれば、肘関節屈筋群は短縮位となり投球動作時の肘伸展運動のブレーキングとして作用しにくくなります。
特に上腕二頭筋が短縮することにより、腕橈関節周囲の柔軟性低下を引き起こし、結果として肘関節の疼痛を惹起する可能性があります。

また肘屈曲位で投球動作を行うことにより上腕骨〜ボールのラインが真っ直ぐではなくなるため、リリース時の肘下りを引き起こす可能性が高くなると考えられます。

野球肘群は肘屈曲位での肘伸展筋力を発揮できるが、最終伸展域まで肘伸展筋力を維持しておくことが困難であった。肘最終伸展域での伸展筋力を発揮できないと、ボールリリースでの肘伸展位保持が困難となる。この結果として、ボールリリースで肘屈曲位となり、「肘下がり」の状態となってしまう。

田村 将希,千葉 慎一,他:肩挙上位での肘伸展運動の検討ー投球動作との関連性ー.
日本肘関節学会雑誌.2017; 24(2): 382-384.

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投球障害が発生するリスクも上がるため、肘・前腕のコンディションを日々整え続けることは重要であると考えます。

セルフケアの実際

以下でセルフケアの実際を解説していきます。

上腕二頭筋

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上腕二頭筋は橈骨粗面に付着しています。上腕二頭筋のタイトネスが生じると橈骨頭前方偏位による腕橈関節のアライメント不良や橈骨後方可動性の低下を引き起こします。尺骨は肘関節屈曲90°を境目に伸展時に外旋しますが、橈骨後方可動性低下が生じると尺骨外旋減少を引き起こす要因となります。

|方法
・上腕二頭筋の筋腹を把持して左右に滑走・移動させていきます。
・上腕二頭筋長頭と短頭の間に指を入れて筋間をリリースします。

|ポイント

・肘窩のレベルでは腱成分になっているので腱の裏側に指を挿入するようにして把持して動かします。

外側上腕筋間中隔

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野球選手では三角筋のタイトネスや過緊張をしばしば認めますが、このタイトネスにより外側筋間中隔の緊張が高くなり上腕二頭筋や三頭筋、腕橈骨筋の緊張を引き起こすため、この三角筋粗面周囲および上腕〜肘外側の皮下組織のタイトネスは必ず取り除かなければいけません。

皮膚・皮下脂肪の柔軟性が獲得できたら、さらに深部に指を入れていき外側筋間中隔周囲の柔軟性を引き出していきます。

前腕筋群モビライゼーション

|方法

・前腕屈筋群を束として捉え、外側を走行する伸筋群と分離させるイメージを持って操作します。

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