野球選手の外傷をみる【全27本まとめ・野球選手の”外傷”を徹底理解する】

野球現場で対応するケガとして多い捻挫・肉離れなどに加え、成長期特有のケガの対応まで、ボリュームのある内容となっています。現場で対応するスタッフが病態の解釈からトレーニング指導まで解説しています。 目次 肉離れ肉離れの病態 … 続きを読む

こどもの運動能力を伸ばす‐理論編‐【トレーナーマニュアルvol.147】

いつもお読みいただきありがとうございます。
C-I Baseballの佐藤です。

今回は「こどもの運動能力を伸ばす」をテーマに書いていきます。

C-I Baseball Academy

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活動背景-CIB Academy-

まずはじめに、私たちC-I Baseballでは小学生を対象としたアカデミー事業を2024年1月よりスタートしました。当アカデミーでは、野球をプレーする上での身体のベースをつくり、現在これからの野球に活かせる総合力を養成することを目的に活動しています。

すなわち、選手個々の運動基礎をつくり、
野球のパフォーマンスにつなげることを目指しています。

子供の運動能力を伸ばすと単に申し上げましたが、そのためには、選手に対し自分の身体を理解するための教育的側面、成長期の特徴である発達運動学的側面など、さまざまな視点を考慮したプログラムが求められます。

小学生の世代には「とにかく「遊び」が必要だ!」遊びの中からさまざなルールや動きなど、ゲーム性のある興味を持った内容で意欲的に、大きく動くことが成長過程において必要なことを専門家の報告でもよく目にします。

競技を行う小学生に関わるために、私たち専門家が与えられる運動機能の改善に貢献したい思いが強く、動き出した次第です。

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CIB Academy

当アカデミーでは、3か月を1クールとしてフィジカルテストを実施し、短期・長期ゴールを設定し、選手の運動能力向上を目標に活動しています。

また、自分の身体の動きを数値化・図式化することで、”身体の現在地”を選手自身・保護者の方々に知ってもらうことから開始しました。

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フィジカルチェックの項目には現代の小学生の身体の特徴を踏まえ、野球競技に不可欠なファンクショナル要素パフォーマンス要素を中心に行いました。

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中学野球におけるチームトレーニング② –アセスメントの実際– 後編【トレーナーマニュアルvol.146】

C−IBasebal1期生の平川です。
今回の配信はサポートメンバーシリーズとなります。

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今回は12月に書かせていただいた前回配信の−アセスメントの実際−の後編となります。
前編では,身体計測・ムーブメントチェックについてご紹介しました。

後編では,アセスメントのうちのパフォーマンステストについてご紹介していきます。

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パフォーマンステスト

パフォーマンステストとは

パフォーマンステストとは、筋力、パワー、スピード、アジリティなど競技技術に必要な能力を測定するもので,グラウンドなどの屋外やトレーニング施設での実施,能力の数値化を行うものとされています。

パフォーマンステストの有用性

有用性として身体能力(パフォーマンス)を数値化・可視化することで三者に異なると考えています。

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ー選手-
現状の能力が可視化されることで自己分析をすることができ、自身の能力に気づきを与えることができます。

また、能力分析をすることでそれに対する目標を設定し、設定された目標に向けてトレーニングをしていくことでトレーニングに対するモチベーション向上につながります。


ー指導者-
ある個人が、そのチームのレベルでその競技を行う身体能力を有しているかを判断することは指導者にとって重要です。

なかには、競技経験の不足により能力を発揮しきれていない選手もいるはずです。

そのためパフォーマンステストによる選手能力の把握は試合での起用方法や技術指導の検討に寄与していくと考えています。


-トレーナー-
チーム方針に対して、能力的な課題を精査し、強み・弱みを明確にすることが主な目的になります。

また、フィジカルテストはトレーニング期間の前後に実施することでトレーニングの効果判定をすることができます。

特にトレーナー的観点では、定期的なパフォーマンステスト実施によりトレーニングのプログラム・方向性の確認・修正することで、トレーニングサイクルをうまく回していきます。

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テスト内容

中学世代のチーム測定は、

方法が伝わりやすい、
測定結果がわかりやすい
など

より簡素的である方が良いと考えています。

また測定項目を選択する際は競技特異性、代謝特異性、チーム方針を加味して考えていきます。

以下に参考とするデータをいくつか挙げました。

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野球選手における機能的可動域獲得のポイント【トレーナーマニュアルvol.145】

C-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

はじめに

前置きが長くなりましたがここから今回の内容に入ります。
今回はポイントを3つに絞っておりますので是非最後までお読みいただき、少しでも参考になれば幸いです。

今回は野球選手の投球動作において可動域を獲得するときのポイントを解説させていただきます。

スタビリティー・モーターコントロール機能不全

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FMSが提唱する概念の中で、スタビリティー・モーターコントロール機能不全という言葉があります。

”動作を実施する潜在的なモビリティーはあるが、入力または処理に機能不全があるために動作のコーディネーションが示されていない時に存在する。
ある部位の完全なモビリティーが自動的にまたはスタビリゼーションの要求度が変化した時または他動的に示されたときにSMCDと言う所見へと至る。”

このように記されています。

例えば他動SLRは90°上がるのに、ASLRだと70°しか上がらない場合はこのSMCDに該当します。

筋・関節の可動域としては確保されているが、自分でコントロールして操作できる可動域に制限がある場合、
他動可動域と自動可動域のラグがある場合、機能的可動域の制限があると言えます。

投球動作においては自動と他動の可動域の差異を減らすことに加えて、遠心性収縮でも最大可動域をコントロールできる機能が大切になります。

これは投球動作に限った話ではないですが、スポーツ動作においては特にこの機能的な可動域が重要になると考えています。
肩甲上腕関節を例に挙げると、他動的な可動域と自動で動かせる可動域に差が大きくある場合、自分でコントロールできる可動域の制限があるということになるため、関節内で骨頭が暴れてインターナルインピンジメントや腱板損傷などのリスクが高くなると考えております。

投球動作における機能的可動域のポイント3選

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①上肢挙上

野球選手に限らずオーバーヘッド動作を用いるスポーツでは必ず肩関節の屈曲可動域を評価すると思います。
基本的な動作にはなりますが屈曲の仕方によっては出力低下を招いているケースも多く見られます。確実に評価できるようにしておきましょう。

|ポイント
●出力が出る上肢挙上と出力低下を招く上肢挙上

挙上最終域で出力低下が生じるパターンとしては胸鎖関節主体の肩甲骨上方回旋が生じるケースです。この場合、上肢を挙上した際にシュラッグ動作が大きく入り、三角筋と耳の距離が他の2パターンに比べて接近します。
肩鎖関節と胸鎖関節がそれぞれ調和をとりながら上方回旋が行われている場合、最終域で上肢に抵抗をかけても出力が保たれます。

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●過度な肋骨外旋(リブフレア)を伴う上肢挙上運動

続いては、過度な肋骨外旋パターンです。
ウエイトトレーニングなどの影響で胸を開く意識が日頃から強く残っている場合、胸椎の伸展や肋骨の拡張が過剰に生じた上肢挙上運動となります。
そのため、腹圧機能が十分に働かず体幹が不安定になり上肢の出力低下を招くと考えます。
肩関節の屈曲制限がある場合も、代償的にこの部分の可動性を出して挙上可動域を確保しているケースがあるため、評価していきます。

|獲得方法

肩甲上腕関節の可動域改善
まずは肩甲上腕関節でしっかりと屈曲可動域を確保できるようにアプローチをしましょう。評価方法としてはCAT(Combined Abduction Test) 、HFT(Horizontal Flexion Test) などを用いて可動域を評価し、拘縮があればそれに対しアプローチします。
また、背臥位で万歳をしたときにどの程度肋骨が浮いてくるのか、 下位肋骨が拡張してくるのを抑えた状態でどの程度肩関節が屈曲できるのかを見てみるのも良いと思います。

肩鎖関節を軸とした肩甲骨上方回旋運動の獲得

肩関節屈曲最終域での出力低下が生じている多くの選手は肩甲骨の上方回旋を胸鎖関節軸で起こしている傾向があります。
獲得のためのアプローチとしては鎖骨を押さえた状態で肩甲骨の上方回旋をさせ、肩鎖関節を軸とした肩甲骨の上方回旋運動を繰り返します。

●デッドバグ

過剰な下位肋骨の拡張を抑制した状態で上肢挙上動作を獲得させるために有効なエクササイズになります。
鼻から大きく息を吸い、お腹に空気をため込みます。 その状態で息を止めて腰が過剰に反らないように万歳をしていきます。

バリエーションとしては、ストレッチポールやバランスボールなどを用いて腹圧をかけやすくしてあげると肋骨の開きを抑制しやすくなります。

●90-90ポジションでの上肢挙上エクササイズ

デッドバグで腹圧をかけた状態で上肢の挙上動作を獲得することができたら、プログレッションとしてダンベルを用いてエクササイズを行います。
膝関節と股関節を90度に屈曲し、90-90のポジションをとります。 呼吸はデッドバグと同じ方法で、鼻から大きく息を吸いお腹に息をためて腹圧をかけた状態でゆっくりと上肢を最大挙上していきます。ダンベルが地面とすれすれまで落ちたら息を吐きながら前ならえのポジションまで上肢を戻していきます。

肩関節2nd外旋

投球障害の選手の多くは最大外旋(MER)のフェーズで動作のエラーが起きます。
胸椎伸展可動域や肩甲骨後傾可動域、前鋸筋や僧帽筋といった肩甲骨を安定させる筋群の出力なども大事になってきますが今回は肩甲上腕関節に絞って説明させていただきます。

|ポイント
投球動作における肩関節2nd外旋の可動域のポイントとしては、
自動可動域と他動可動域のラグが少ないこと
・外旋最終域まで内旋筋による遠心性コントロールが可能であること
の2つであると考えております。

|獲得方法
腋窩神経へのアプローチ
腋窩神経への実際のアプローチ方法は小林先生のnoteをご参照ください。
腋窩神経への徒手介入後に挙上位での外旋筋機能(小円筋)が改善していればOKです。
Hornblower’s testが陰性になるように徒手介入を行なっていきます。

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今後、理学療法士に求められるスキル・能力について【トレーナーマニュアルvol.143】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!

増田が担当するnoteテーマは「チームトレーナーとして働く理学療法士について」です!
1年間かけて皆様に4つの内容をお伝えしていきます

①チームトレーナーとして働く理学療法士の役割
②チームの障害を予防するために
③理学療法士がチームパフォーマンスにどのように関わるのか?
④今後、理学療法士に求められるスキル、能力について

4本目の今回は
今後、理学療法士に求められる
「スキル、能力」
をテーマに執筆していきます。

理学療法士やトレーナーを育成している中で、野球現場に必要な知識やどのような勉強をするべきかについての質問が多く寄せられます。そこで、今回の記事では私が実際に野球現場に出て感じた理学療法士に必要なスキルや知識について紹介します。

理学療法士としての必須スキル、能力について

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皆さんは、他業種と比較して理学療法士には「圧倒的なスキル・能力」があることにお気づきでしょうか?

理学療法士が持っている圧倒的なスキル・能力

私が感じる、理学療法士としての圧倒的なスキル・能力は「病態評価・機能評価・徒手技術」です。
皆さん当たり前のようにやっていることですが、理学療法士が持つこのスキルは、他の医療従事者やトレーナーと比較すると圧倒的な差があります。

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病態評価〜機能評価〜徒手介入のフローは理学療法士としての強みになります。
このフローは自信を持って良いスキル・能力です。
多職種からは「理学療法士ならできて当たり前」と思われています。
この部分の自信がない方は、第一優先として身につける必要があります。
特に評価スキルに関しては、野球現場では必須スキルになります。

今後、求められるスキル・能力について

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前述したように、理学療法士としての圧倒的なスキル・能力を兼ね備えることは重要です。
しかし、近年の野球現場における理学療法士の役割は大きく変化しています。理学療法士が関わる範囲が拡大し、選手のパフォーマンス向上やトレーニング、外傷対応などにも深く関わることが求められています。これに伴い、理学療法士には従来の治療技術に加えて、新たなスキルと能力が求められるようになっています。

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パフォーマンスアップのための足部トレーニング part2【トレーナーマニュアルvol.142】

こんにちは!理学療法士の野坂光陽です!

理学療法士として整形外科のクリニックに勤務しながら
主に高校野球の現場で、トレーナーとして活動をしております。

前回、育成メンバーとしてnoteにて執筆させていただいたのですが
今回は第3弾として、パフォーマンスアップのための足部トレーニング part2
と題しまして、記事にさせていただく機会をいただきました!

パフォーマンスアップには、足部の機能が非常に重要であると
考えています。

なぜなら、足部は身体の土台として機能しているからです。
そして、その足部の機能の恩恵で、自分の走力(スプリント)や
アジリティ能力が向上すると考えられています。

今回はそんな足部機能について、深掘りをしていきながら
後半はしっかりとトレーニング動画を載せていますので
今回のnoteをご覧いただき、今後のトレーニングの一助に
なれば幸いです。

前回の記事も貼り付けてあるので、そちらも合わせてご覧ください。

第一回目の記事はこちら


第二回目の記事はこちらから

野球選手と足部の関係性

野球選手における足部の怪我

野球選手において最も問題になりうるのが
肩関節や肘関節に代表されるような
「投球障害性」による怪我であることは、間違いない事実であると
思います。
これらは基本的に
投球過多によるもの
投球動作不良によるもの
総じて慢性的に生じるストレスの蓄積によるものであります。

対して、急性による影響つまり外傷にまで思考を広げたときに
野球選手において、肩肘の障害、外傷は1位
2位には腰部の外傷や障害
3位にはなんと足部がランクインされていると報告されています。

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野球選手におけるスポーツ外傷・障害と全身弛緩性との関係(飯田、2016)

もちろんどんなスポーツにおいても、陸上で行うものにおいては
足部だけが地形の影響を受けたり、身体を支える役割があるので
他の関節では受けないようなストレスがかかることは
容易に想像できるかと思います。

実際のスポーツ現場においても、急性外傷の対応として
足部の捻挫に対応することは結構あります。

しかし、現場や臨床においては
指導者だけでなく、保護者及び選手の中で
捻挫などの外傷が軽視されていることも事実です。

ちょっと挫いてしまったけど、2.3日放置してたら治った
このくらい病院に行くほどでもないと思っていた
冷やして湿布してたら治るでしょ

こんな声がいまだにグランドで頻繁に出ているのが現実です。

しかし、先ほども申し上げた通り
足部は運動中だけでなく、立っている状態の時に
数十センチの狭い支持範囲をフルに機能させ、
時に足趾を利用し、身体重心を支えるだけでなく
運動のパワー源として機能しています。

野球選手にとって足部がいかに重要であるかを
日々伝えていくことが、自分の使命だと考え
日々発信しています。

野球選手に対して影響を及ぼす「足」

木を見て森を見ず

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一箇所に気を取られていて、物事の全体像が
把握できないことの例えでよく使われることの例えです

理学療法士としてだけでなく
現場ではトレーナーという役割で活動しているので
「動作観察」という仕事を行い、出来るということは
もはや必須条件であります

そういった時に、例えば肩関節に問題がある場合
多くの場合は局所を評価し、その他隣接関節の評価と
段階的に進んでいくのが一般的かと思います。

しかし、選手の全体像を把握するときに
それだけでは足りなかったり、実際に治療が難航することも
しばしば経験します。

そういった時に、もっと全体を俯瞰してみる必要が
あることを考えた時に、足部のことを考えていただきたいです。

なぜなら、先ほども記述しましたが、
身体をわずか数十センチの大きさを足が支え、動かしているので
その恩恵と影響は計り知れないものであることが
考えられます。

ここでいう肩や隣接関節は、ことわざでいうところの木であり
足部はことわざでいうところの森に相当します。

選手の全体像を本気で把握していきたい
なかなか動作が改善しないなという選手においては
足部を確認し、アプローチすることで
何かヒントがもらえるかもしれないという可能性があるということを
覚えておいてください。

「運動連鎖」と「足部」

現場で活動するトレーナーや理学療法士は
選手の動きを把握したり評価したりする時には
運動連鎖という観点で考えることが多いと思います。

運動連鎖とは、各関節が独立して動いているわけではなく
運動中においては、各関節が互いに強調しあうことで
達成できるという概念のことを指します。

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上のスライド写真にもあるように、よくよく考えてみれば
運動連鎖の起点、投球動作の起点は足部ではないかと
私は考えています。

投球動作に先立って行われるワインドアップでは
支持する下肢(足部)の上にまっすぐ体幹が乗り、
安定して片脚立位が行われているかどうかを確認したり
体重移動をする際においては、足部は体重を支えながら
体重移動を行うという二つのタスクを強いられているように
その機能と恩恵を考えた時に
足部がしっかりと機能してしていない状況が起きていた場合
体重移動が困難になり、ボールに最大の力が
咥えられないようでは、いいパフォーマンスは出せません。

選手の能力が高いほど足部バランスが良好

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腸骨と距骨下関節の評価・アプローチ【トレーナーマニュアルvol.141】

いつもC-I Baseball noteを読んでいただき誠にありがとうございます。
スタッフの須藤です。

今回のnoteは腸骨です。
私は普段、立位評価時に距骨下関節と腸骨のアライメントと動作を評価し評価とアプローチの誘導方向を確認しながらリハビリを行なっております。選手の身体の特徴を活かすことで負担をかけずにパフォーマンスアップや疼痛軽減につながると考えております。

私のアプローチのキーワードは『選手の身体の特徴を活かす』です。

今回は腸骨の評価とアプローチを簡単にしたものをご紹介します。

評価とアプローチの方向性を一致させる

今回の内容です↓

①距骨下関節評価
②立位姿勢の骨盤評価
③臥位で行う膝PUSH TESTの骨盤評価
④アプローチをする際の方向性の確認評価

評価とアプローチの方向性を一致させることは運動療法やトレーニングを行う際に重要です。個々により姿勢やバランスなど異なるのでアライメントや動作を確認することが必要です。それぞれの選手のバランスや状態に合わせたアプローチができるとトレーニング効果もさらに期待できます。

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距骨下関節

距骨下関節可動域は約30°ありそれには中間位が存在し、その中間位は左右や個々により異なります
その左右や個々により異なる中間位を評価することは立位や歩行時の距骨下関節の動きを安定させるために必要です。

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距骨下関節 可動域

距骨下関節肢位は中間位・回内位・回外位に分けられます。
動きは回内・回外となり、そこには必ず中間が存在します。
距骨下関節の可動域は約30°で、中間位から回内は約10°(距骨下関節全体の動きの1/3)、中間位から回外は約20°(距骨下関節全体の動きの2/3)です。

OKCで距骨下関節を観察すると、左右の違いが見えてくる

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距骨下関節 機能

バランスをとることで重要なことは距骨下関節の機能です。
距骨下関節の回内位は脚位を短縮させ、回外位は脚位を延長させます。
距骨下関節は脚位に合わせて回内・回外と変化させます。

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距骨下関節指標中間位

距骨下関節可動域は約30°ありそれには中間位が存在します。その中間位は左右や個々により異なります。左右や個々により異なる中間位を評価することは立位や歩行時の距骨下関節の動きを安定させるために必要です。

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その中間位は個々により異なるため、距骨下関節が回内・回外・中間位なのかの評価したときの肢位を『距骨下関節指標中間位』と私は呼んでいます。

距骨下関節指標中間位評価


指標中間位評価は非荷重位で行います。荷重位では足部に荷重がかかることで足部構造が変化してしまうからです。
立位で後面から踵骨やアキレス腱の位置をチェックする方法があるが、荷重がかかることで体幹・骨盤の影響や横足根関節や足趾も加わり、色々な影響により足部構造が変化してしまいます。そのため純粋な距骨下関節の肢位がわかりにくくなってしまいます。

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指標中間位評価手順

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腸骨

腸骨のいい状態とは?

左右対象=良い状態

とは限らない。

なぜならその人ごとに骨形態や筋力の発揮しやすい肢位は異なる為、それを確認(評価)する作業が必要だからです。

腸骨アライメントチェック

まずはASIS(上前腸骨棘)PSIS (上後腸骨棘)の触診から始めます。
腸骨前後傾中間位はPSISから2横指半下にASISがあると言われています。

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腸骨の動き

●挙上/下制
●前傾/後傾
●内転(内側移動)/外転(外側移動)
●回旋(骨盤全体の動き)

腸骨は片側単独で動くわけではなく両側の位置や動きを把握できるといいと考えます。
左右の腸骨がどのような肢位になっているのか把握しましょう。

触診ポイント
●挙上・下制は腸骨稜で左右差確認
●前傾・後傾は矢状面でASISとPSISを確認

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腸骨評価

静止立位で評価します。
左右の腸骨がどのようになっているのかを観察します。

例)
右腸骨:下制・前傾位
左腸骨:挙上・前傾位
骨盤:右回旋位

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腸骨アライメントと足部

腸骨稜を触診し左右どちらが挙上・下制しているのか評価

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