パフォーマンスアップのための足部トレーニング part2【トレーナーマニュアルvol.142】

こんにちは!理学療法士の野坂光陽です!

理学療法士として整形外科のクリニックに勤務しながら
主に高校野球の現場で、トレーナーとして活動をしております。

前回、育成メンバーとしてnoteにて執筆させていただいたのですが
今回は第3弾として、パフォーマンスアップのための足部トレーニング part2
と題しまして、記事にさせていただく機会をいただきました!

パフォーマンスアップには、足部の機能が非常に重要であると
考えています。

なぜなら、足部は身体の土台として機能しているからです。
そして、その足部の機能の恩恵で、自分の走力(スプリント)や
アジリティ能力が向上すると考えられています。

今回はそんな足部機能について、深掘りをしていきながら
後半はしっかりとトレーニング動画を載せていますので
今回のnoteをご覧いただき、今後のトレーニングの一助に
なれば幸いです。

前回の記事も貼り付けてあるので、そちらも合わせてご覧ください。

第一回目の記事はこちら


第二回目の記事はこちらから

野球選手と足部の関係性

野球選手における足部の怪我

野球選手において最も問題になりうるのが
肩関節や肘関節に代表されるような
「投球障害性」による怪我であることは、間違いない事実であると
思います。
これらは基本的に
投球過多によるもの
投球動作不良によるもの
総じて慢性的に生じるストレスの蓄積によるものであります。

対して、急性による影響つまり外傷にまで思考を広げたときに
野球選手において、肩肘の障害、外傷は1位
2位には腰部の外傷や障害
3位にはなんと足部がランクインされていると報告されています。

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野球選手におけるスポーツ外傷・障害と全身弛緩性との関係(飯田、2016)

もちろんどんなスポーツにおいても、陸上で行うものにおいては
足部だけが地形の影響を受けたり、身体を支える役割があるので
他の関節では受けないようなストレスがかかることは
容易に想像できるかと思います。

実際のスポーツ現場においても、急性外傷の対応として
足部の捻挫に対応することは結構あります。

しかし、現場や臨床においては
指導者だけでなく、保護者及び選手の中で
捻挫などの外傷が軽視されていることも事実です。

ちょっと挫いてしまったけど、2.3日放置してたら治った
このくらい病院に行くほどでもないと思っていた
冷やして湿布してたら治るでしょ

こんな声がいまだにグランドで頻繁に出ているのが現実です。

しかし、先ほども申し上げた通り
足部は運動中だけでなく、立っている状態の時に
数十センチの狭い支持範囲をフルに機能させ、
時に足趾を利用し、身体重心を支えるだけでなく
運動のパワー源として機能しています。

野球選手にとって足部がいかに重要であるかを
日々伝えていくことが、自分の使命だと考え
日々発信しています。

野球選手に対して影響を及ぼす「足」

木を見て森を見ず

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一箇所に気を取られていて、物事の全体像が
把握できないことの例えでよく使われることの例えです

理学療法士としてだけでなく
現場ではトレーナーという役割で活動しているので
「動作観察」という仕事を行い、出来るということは
もはや必須条件であります

そういった時に、例えば肩関節に問題がある場合
多くの場合は局所を評価し、その他隣接関節の評価と
段階的に進んでいくのが一般的かと思います。

しかし、選手の全体像を把握するときに
それだけでは足りなかったり、実際に治療が難航することも
しばしば経験します。

そういった時に、もっと全体を俯瞰してみる必要が
あることを考えた時に、足部のことを考えていただきたいです。

なぜなら、先ほども記述しましたが、
身体をわずか数十センチの大きさを足が支え、動かしているので
その恩恵と影響は計り知れないものであることが
考えられます。

ここでいう肩や隣接関節は、ことわざでいうところの木であり
足部はことわざでいうところの森に相当します。

選手の全体像を本気で把握していきたい
なかなか動作が改善しないなという選手においては
足部を確認し、アプローチすることで
何かヒントがもらえるかもしれないという可能性があるということを
覚えておいてください。

「運動連鎖」と「足部」

現場で活動するトレーナーや理学療法士は
選手の動きを把握したり評価したりする時には
運動連鎖という観点で考えることが多いと思います。

運動連鎖とは、各関節が独立して動いているわけではなく
運動中においては、各関節が互いに強調しあうことで
達成できるという概念のことを指します。

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上のスライド写真にもあるように、よくよく考えてみれば
運動連鎖の起点、投球動作の起点は足部ではないかと
私は考えています。

投球動作に先立って行われるワインドアップでは
支持する下肢(足部)の上にまっすぐ体幹が乗り、
安定して片脚立位が行われているかどうかを確認したり
体重移動をする際においては、足部は体重を支えながら
体重移動を行うという二つのタスクを強いられているように
その機能と恩恵を考えた時に
足部がしっかりと機能してしていない状況が起きていた場合
体重移動が困難になり、ボールに最大の力が
咥えられないようでは、いいパフォーマンスは出せません。

選手の能力が高いほど足部バランスが良好

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腸骨と距骨下関節の評価・アプローチ【トレーナーマニュアルvol.141】

いつもC-I Baseball noteを読んでいただき誠にありがとうございます。
スタッフの須藤です。

今回のnoteは腸骨です。
私は普段、立位評価時に距骨下関節と腸骨のアライメントと動作を評価し評価とアプローチの誘導方向を確認しながらリハビリを行なっております。選手の身体の特徴を活かすことで負担をかけずにパフォーマンスアップや疼痛軽減につながると考えております。

私のアプローチのキーワードは『選手の身体の特徴を活かす』です。

今回は腸骨の評価とアプローチを簡単にしたものをご紹介します。

評価とアプローチの方向性を一致させる

今回の内容です↓

①距骨下関節評価
②立位姿勢の骨盤評価
③臥位で行う膝PUSH TESTの骨盤評価
④アプローチをする際の方向性の確認評価

評価とアプローチの方向性を一致させることは運動療法やトレーニングを行う際に重要です。個々により姿勢やバランスなど異なるのでアライメントや動作を確認することが必要です。それぞれの選手のバランスや状態に合わせたアプローチができるとトレーニング効果もさらに期待できます。

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距骨下関節

距骨下関節可動域は約30°ありそれには中間位が存在し、その中間位は左右や個々により異なります
その左右や個々により異なる中間位を評価することは立位や歩行時の距骨下関節の動きを安定させるために必要です。

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距骨下関節 可動域

距骨下関節肢位は中間位・回内位・回外位に分けられます。
動きは回内・回外となり、そこには必ず中間が存在します。
距骨下関節の可動域は約30°で、中間位から回内は約10°(距骨下関節全体の動きの1/3)、中間位から回外は約20°(距骨下関節全体の動きの2/3)です。

OKCで距骨下関節を観察すると、左右の違いが見えてくる

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距骨下関節 機能

バランスをとることで重要なことは距骨下関節の機能です。
距骨下関節の回内位は脚位を短縮させ、回外位は脚位を延長させます。
距骨下関節は脚位に合わせて回内・回外と変化させます。

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距骨下関節指標中間位

距骨下関節可動域は約30°ありそれには中間位が存在します。その中間位は左右や個々により異なります。左右や個々により異なる中間位を評価することは立位や歩行時の距骨下関節の動きを安定させるために必要です。

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その中間位は個々により異なるため、距骨下関節が回内・回外・中間位なのかの評価したときの肢位を『距骨下関節指標中間位』と私は呼んでいます。

距骨下関節指標中間位評価


指標中間位評価は非荷重位で行います。荷重位では足部に荷重がかかることで足部構造が変化してしまうからです。
立位で後面から踵骨やアキレス腱の位置をチェックする方法があるが、荷重がかかることで体幹・骨盤の影響や横足根関節や足趾も加わり、色々な影響により足部構造が変化してしまいます。そのため純粋な距骨下関節の肢位がわかりにくくなってしまいます。

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指標中間位評価手順

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腸骨

腸骨のいい状態とは?

左右対象=良い状態

とは限らない。

なぜならその人ごとに骨形態や筋力の発揮しやすい肢位は異なる為、それを確認(評価)する作業が必要だからです。

腸骨アライメントチェック

まずはASIS(上前腸骨棘)PSIS (上後腸骨棘)の触診から始めます。
腸骨前後傾中間位はPSISから2横指半下にASISがあると言われています。

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腸骨の動き

●挙上/下制
●前傾/後傾
●内転(内側移動)/外転(外側移動)
●回旋(骨盤全体の動き)

腸骨は片側単独で動くわけではなく両側の位置や動きを把握できるといいと考えます。
左右の腸骨がどのような肢位になっているのか把握しましょう。

触診ポイント
●挙上・下制は腸骨稜で左右差確認
●前傾・後傾は矢状面でASISとPSISを確認

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腸骨評価

静止立位で評価します。
左右の腸骨がどのようになっているのかを観察します。

例)
右腸骨:下制・前傾位
左腸骨:挙上・前傾位
骨盤:右回旋位

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腸骨アライメントと足部

腸骨稜を触診し左右どちらが挙上・下制しているのか評価

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CIB Academy-トレーニング指導-【トレーナーマニュアルvol.140】

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
C-I Baseballの佐藤です。

今回の記事では
「C-I Baseball Academy」についてご紹介していきます。
第2弾ということで、導入するトレーニングについてお伝えしていきます。

①Academy で実践するトレーニングについて
②トレーニングプログラムの見解
③目標設定<トレーニングテーマ>

C-I Baseball Academyとは

C-I Baseballでは2024年1月C-I Baseball Academyの運営をスタートしました。
対象は野球チームに所属する小学5〜6年生とし、野球に必要な身体の基礎の構築を目的としたトレーニングを毎週1回提供しています。

Academyでのテーマを「Base Up Training」とし、身体の土台となる機能・基礎運動能力の向上を図ることがねらいにあります。

子供のうちから、ひとつの競技だけに特化した運動経験により、下のスライドにある”ピラミッド”のスキル部分に偏ったパターンが多いといわれております。神経発達の著しい時期にスキルの土台となるさまざまな基礎運動能力を高める環境づくりの必要性を感じております。

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Base Up Training

まず、ここまでの流れを説明していきます。

|2023.12 体験会(フィジカルチェック)
活動開始に伴い、「体験会」と題し、フィジカルチェック+トレーニングを開催しました。各運動要素において「どこが自分の体の弱点であるのか。」なんとなくの把握ではなく、数値化することで、個人・全体の特徴を把握していきました。

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フィジカルチェック(2023.12)

|2024.01~ トレーニング開始
フィジカルチェックにおけるデータをもとに、課題克服・基礎運動能力のベースを上げるべく、1月より週1回のトレーニング指導を開始

毎月(2週間ごと)にトレーニングテーマ(目標)を設定し、その日の課題を宿題とし、選手の動きやパフォーマンスデータに変化も出てきました!

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↓↓詳しくはこちら↓↓

Academyで実践するトレーニング

「トレーニングはどんなことをしているのか?」
についてはじめにまとめていきます。

当アカデミーのトレーニングでは、競技スキルに特化した内容ではなく、競技を行うための土台となる「基礎運動能力の向上」にフォーカスした内容を構成しています。

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フォークの投げ方(後編)【トレーナーマニュアルvol.139】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballはで4期目を迎えました。

ここまで、C-I Baseballの活動を続けられているのは、我々の活動を応援し、必要として下さる皆様のおかげです。

この場を借りて感謝申し上げます。

前回の私の担当ではツーシームの投げ方を紹介させていただきました。

さて、今回はフォークボールの投げ方(後編)を紹介します。

私の担当の前回はフォークボールの投げ方(前編)でした。

フォークボールを投げられる選手と投げられない選手の差

フォークボールを投げられる選手には映像上に特徴があります。

映像上で手首の固定ができているか比較しても分かりづらいです。

下の映像でストレートと比較しています。

漠然と見ると、違いが分りづらいので、手首に注目してみてください。

では、違いはどこにでるのでしょうか。

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投球動作におけるlate cocking~follow through phaseの下肢機能【トレーナーマニュアルvol.138】

C-I Baseball 1期生の北山です。
今回はサポートメンバーの配信となります。

はじめに

今回は投球動作においてもバイオメカニクス的観点から解説し、それらに対するトレーニング方法などを紹介していきたいと思います。

一般的には下記のような投球フェーズを用いることが多いと思います。

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しかし今回は最大膝挙上位からフットコンタクト(SFC)までを100%time、SFCからボールリリースまでを200%timeとした投球フェーズを用いて説明します。

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SFC前後での下肢機能

SFCは投球動作において並進運動から回転運動へ変わる大きな局面となります。

並進運動フェーズは投球動作の助走と言われており、このフェーズではできるだけ大きな力を生み出し回転運動へ繋げていくことが求められます。
このフェーズにおける軸足機能については以前のnoteで執筆しているので参考にしてください。

SFC前後においてどのようなバイオメカニクス的特徴があるのかまとめていきます。

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投球障害肘治療に活かす肘関節の局所解剖(末梢神経を中心に)【トレーナーマニュアルvol.137】

C-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます。

CIBのトレーナーマニュアルについて

①野球現場でのトレーナー活動
 チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて

②臨床現場での選手への対応
 投球障害への対応、インソールからの介入

③ゲストライターによる投稿
 バイオメカニクス、栄養…など各分野の専門家の方が執筆しています

④C-I Baseballメンバーによる投稿
 2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがライターとして情報を発信しています。
C-I Baseballで学び、成長してメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

【注目!👀】イベント告知
\\C-I Baseballフォーラム開催//
第1回C-I Baseballフォーラム「野球トレーナー・セラピストで繋ぐ輪」

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C-I Baseballのテーマでもある「輪を広げる」活動としてフォーラムを開催します。
野球に関わるトレーナー・セラピストの方に参加して頂き、意見交換・ディスカッションをすることで最新の知見や新たな発見、皆さんの知識の向上になることを目指しております。
また、トレーナー・セラピスト一人の力では関われる選手の数に限りがあります。「輪」を広げることでより多くの選手やチームに関わることが出来ます。
関わる数が多くなればなるほど、怪我に苦しむ選手、パフォーマンスが上がらなくて悩む選手を救うことが出来ます。
皆さんも一緒に日本の野球選手を救っていきましょう。

第1回 C-I Baseballフォーラム概要
●開催日:2024年3月10日 日曜日
●時間:10:00〜16:00
●場所:東京工科大学 蒲田キャンパス
●参加費:一般4000円(早割3000円) 学生1000円
メインシンポジウム
「各ステージにおけるトレーナーとしての取り組み」
プロ野球、大学野球、高校野球トレーナーがそれぞれの現場での取り組みを紹介します。

参加ご希望の方はこちらのフォームよりご応募お願い致します。

第1回 C-I Baseballフォーラム参加申込みフォーム

はじめに

前置きが長くなりましたがここから今回の内容に入ります。

投球障害”肘”の病態に関しては、過去のNoteをご覧ください。

投球障害”肘”は、
肩関節の問題や肩甲胸郭関節の問題、全身の問題が波及して
肘関節へ負担をかけて障害がおこる、
被害者的な部分が多いかと思います。

例えば、投球時に矢状面上から見て
ダブルプレーンになっておると
肘関節へかかる負担が大きくなってしまいます。

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左図がシングルプレーンといい、負担のかからない投げ方。
右図がダブルプレーンといい、負担のかかる投げ方。

ダブルプレーンは肘関節が外反ストレスをかけて
特に肘内側に大きな負担をかけます。

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左図がシングルプレーン・右図がダブルプレーン

前額面上からでも
胸椎・胸郭の伸展が不足してしまうと
これも肘関節へ負担をかけます。

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左図は、肘関節が過剰に屈曲してしまい
より負担をかけてしまう。

簡潔にいうだけでも
これだけ全身の問題があって、肘関節へ負担をかけます。

しかし、
しばらくの時間このように肘関節へ負担をかけ続けると
肘関節周囲筋へ負担がかかり、
可動域制限や筋出力が出にくくなることがあります。

そこで局所的な治療をしなくてはなりません。

肘関節周囲筋を中心としたケアは、下記の新海先生が書かれたNoteを参考に
セルフケアの方法を学んでいただけたらと思います。

今回は、
末梢神経を中心としたことを学び、
そこから治療へと発展していけると良いかと思います。

肘関節に関与する末梢神経

肘関節に関連する末梢神経は

・筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋)
・腋窩神経(上腕三頭筋長頭)
・橈骨神経(上腕三頭筋)
・正中神経(前腕屈筋群)
・尺骨神経(上腕三頭筋短頭)

の5つになるかと思います。

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それぞれ支配筋があり、
走行を理解しておくと筋のタイトネスや筋出力低下がある時、
感覚低下やしびれ痛みがある時に有効かと思います。

なぜ末梢神経をアプローチするかは
下記を参考にしてください。

しっかりと評価をしたうえで
神経に対するアプローチをする部分としては、
下記の円で色ついているところに対して徒手療法をしていきます。

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理由としては下記からの各論部分を参考にしてください。

筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋)

筋皮神経が支配する筋は
上腕二頭筋・上腕筋です。

上腕二頭筋

まずは上腕二頭筋の絞扼部位として広く知られているのが
烏口腕筋の貫通部位かと思います。

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※Guerri-Guttenberg RA, et al.: Classifying musculocutaneous nerve variations. Clin Anat. 2009 Sep;22(6):671-83. より引用改変
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この部位で絞扼や圧迫が生じてしまうと
上腕二頭筋のタイトネスや筋力低下が生じてしまいます。

直接的に烏口腕筋や筋皮神経へ徒手療法をして
アプローチしていきます。

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下記はエコーと徒手介入動画です。

上腕筋

次に上腕筋のアプローチ部分です。

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C-I Baseballアカデミープロジェクト始動【トレーナーマニュアルvol.136】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballの増田です。

C-I Baseballフォーラム開催
第1回C-I Baseballフォーラム「野球トレーナー・セラピストで繋ぐ輪」

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C-I Baseballのテーマでもある「輪を広げる」活動として
フォーラムを開催します。
野球に関わるトレーナー・セラピストの方に参加して頂き、意見交換・ディスカッションをすることで最新の知見や新たな発見、皆さんの知識の向上になることを目指しております。
また、トレーナー・セラピスト一人の力では関われる選手の数に限りがあります。「輪」を広げることでより多くの選手やチームに関わることが出来ます。
関わる数が多くなればなるほど、怪我に苦しむ選手、パフォーマンスが上がらなくて悩む選手を救うことが出来ます。
皆さんも一緒に日本の野球選手を救っていきましょう。

第1回 C-I Baseballフォーラム概要
●開催日:2024年3月10日 日曜日
●時間:10:00〜16:00
●場所:東京工科大学 蒲田キャンパス
●参加費:一般4000円(早割3000円) 学生1000円

メインシンポジウム
「各ステージにおけるトレーナーとしての取り組み」
プロ野球、大学野球、高校野球トレーナーがそれぞれの現場での取り組みを紹介します。

参加ご希望の方はこちらのフォームよりご応募お願い致します。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdbZdDYozUm6jS2OZKOijoV_O1GmMTcoCkHMVeqRvdV99sdew/viewform

今回のnoteでは新事業である「C-I Baseball Academy」についてご紹介していきます。

①Academy 立ち上げの経緯
②立ち上げまでの流れや準備
③体験会の様子
④アカデミー生のフィジカルデータ

C-I BaseballI BaseballAcademyプロジェクト始動

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C-I Baseballでは2024年1月C-I BaseballAcademyの運営をスタートしました。
対象は小学5年生〜6年生とし、野球に必要な身体の基礎を構築するためのトレーニングを毎週1回提供しています。

C-I BaseballAcademyの目的

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アカデミーと聞くと、「技術指導」「野球塾」のようなイメージを持つと思います。野球が上手くなるために「投げ方」「打ち方」「捕り方」を元プロ野球選手が指導しているケースが多くあります。
しかし、近年の小学生を見ていると、「技術」よりも「基礎的な運動能力」の低下が野球パフォーマンスに影響していることが多くあります。

「基礎的な運動能力」が低下したまま、「技術」のみが先行してしまい
高校生や大学生のカテゴリーで怪我をしている選手がおります。

なので、C-I Baseball Academyでは競技特化した動きを練習するばかりではなく、「基礎的な運動能力」を向上し、様々な運動経験をすることが動きの自由度を高め、技術向上に繋げて行くことを目的にしています。

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このような、運動の基礎的な動きを指導しているアカデミーは少なく
我々理学療法士の得意分野でもあるため、小学生対象のアカデミーを立ち上げることにしました。

スタッフが輝ける場所を作る

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現在、C-I Baseballにはスタッフ・メンバー合わせて50名以上が参加しています。みんな「野球に関わりたい」との思いは一致していますが、「関わる方法」は人それぞれ違います。
今回のアカデミー事業の立ち上げは、副代表の佐藤がC-I Baseball立ち上げ当初から「やりたい」と公言していました。
スタッフ・メンバーの「やりたい」を事業として立ち上げられるのはC-I Baseballの強みです。
スタッフ・メンバーが協力をしていき今後も活動を広げていきます。

立ち上げまでの流れや準備

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ここからはC-I BaseballAcademyを立ち上げるまでの流れや準備をご紹介していきます。
アカデミー事業を立ち上げるためには以下の3つを考えていきました。
①開催場所の確保
②集客
③プログラム内容

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育成年代のトレーニングドリルを考える【トレーナーマニュアルvol.135】

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
C-I Baseballの佐藤です。

C-I Baseballでは今月より東京都内にて小学生を対象とした「ジュニアアカデミー」を開始しました。当アカデミーでは、野球をプレーする上での身体のベースをつくり、現在これからの野球に活かせる総合力を養成することを目的に活動しています。

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C-I Baseball Academy 2024
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C-I Baseball Academy 2024

「小学生にトレーニング?」
というイメージがあるかと思いますが、成長期である小学生にこそ神経系の発達の観点からも運動基礎を構築する必要性が大きいと感じています。

私自身、これまで小学生から大学・社会人まで各カテゴリーで関わった経験から、特に育成年代における運動経験の重要性を感じております。同時に、この部分にこそ理学療法士が関われる価値があると捉えています。

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練習内におけるトレーニングの必要性

こちらはある少年野球チームの1日練習メニュー例になります。
土日の活動であり、練習と試合がそれぞれ予定されたスケジュールになっております。

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練習では、午前中にバッティング練習、午後は守備練習が中心となり、言い換えれば、野球の技術練習をする内容で構成されています。
これらの練習内容は多くの学童期のチームでみられる光景ではないかと思います。

平日に実施できず、土日のみでどちらかが試合となると、どうしても技術練習が主体となる背景があります。

例えば、これらの練習中にトレーニングを加えると
「時間が確保できないため、疎かになってしまう。」
「大事ではあるとわかっていても、重要視されにくい。」

といった点を指導者の声としてよく聞きます。

トレーニングが練習内容や野球の技術に関連づいていない位置づけになってしまうと、上記のように優先順位の低くなる傾向があります。そのため、既存の練習にトレーニングの内容を”統合”していく方法が望ましいと考えています。

今回、タイトルに挙げた「ドリル」には、
そういった意味を内在し構成しています。
※記事後半に解説動画で紹介しています!

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投球障害へのピラティスメソッドの活用②ー腹腔内圧編ー【トレーナーマニュアルvol.134】

はじめに

C−I Baseball2期生の戸高です。
今回の配信はサポートメンバーシリーズとなります。

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私が配信する内容としては「ピラティス【pilates】」というメソッド1つのツールとして投球障害の治療、予防、パフォーマンスの向上にどう活かしていくかに焦点をあてて、3記事にわたり解説していきたいと思います。

投球障害へのピラティスメソッドの活用①
-呼吸編-
投球障害へのピラティスメソッドの活用②
‐腹腔内圧編‐
投球障害へのピラティスメソッドの活用③
‐胸郭編‐

前回の記事

今回は投球動作における腹腔内圧の考え方についてと腹腔内圧を高めるピラティスムーブメントを紹介します。

また今回の記事で伝えきれない部分をスポラボさんのセミナーにて解説させていただくのでご興味ある方はぜひお申し込みください。

2days開催 投球×ピラティスメソッド2days開催 投球×ピラティスメソッド

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■投球動作に求められる体幹機能

投球動作には体幹機能が重要ということはSNSでもよく見かけると思います。
体幹は、胴体から骨盤までの中心部分を指し、投球の際に安定性、力の伝達、姿勢の制御などに関与します。

それらに求められる要素としては以下が挙げられます。

・腹腔内圧の上昇(体幹の剛体化)
・先行的筋活動(姿勢制御)
・動的安定性(運動制御)

これらはどの要素が欠けても問題となります。
その中でも今回は腹腔内圧の上昇(体幹の剛体化)についてまとめていきます。

腹腔内圧の上昇の利点としては、体幹が安定することで四肢のコントロールが可能になることで、ピラティスでは『Strong Center(ストロングセンター)』とも呼びます。

腹腔内圧の上昇は良くも悪くも「体幹を固めるイメージ」になるため、競技特性を理解した上でえくさ運動を行わないと、悪い方向に働いてしまう可能性もあります。

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腹腔内圧を競技特性から考える

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よく挙げられる例としては、ラグビーなどのコンタクトスポーツでは瞬間的に腹圧を上昇させ、体幹を剛体化することが必須になり、求められるものになります。

野球の動作を考えると体幹を強固に固めてプレーするシーンは少なく、体幹を分節的、協調的に使うことのほうが求められます。そのため、コンタクトスポーツのように体幹を剛体化すると分節的な動きは引き出すことが難しいので腹腔内圧の強度も考える必要があると思います。

そこで私は腹腔内圧の強度を割合で考えています。
動作別の腹腔内圧の強度は以下のように言われています。

腹腔内圧の強度
・日常生活の動き 2〜5%
・物の持ち上げ 5〜20%
・ジャンプなど 25%
・最大努力での持ち上げ 50%以上

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割合で考えるとおそらく、コンタクトスポーツでは50%以上の腹圧の上昇が求められ、投球動作では25%あたりの割合で高めることがいいのではないかと考えています。

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