ツーシームの投げ方(後編)【トレーナーマニュアルvol.115】

C-I Baseballの高橋塁です。

今期の「トレーナーマニュアル」では以下のように新たなライターによる記事の配信なども加え、これまで以上に多くの視点から学べるマガジンとして展開していきます。

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(2023年7月の配信記事)

私の担当記事では、野球のパフォーマンスアップのためのコンディショニングをいかに野球技術の向上につなげるかをお伝えします。

前回の私の担当記事では、ツーシームの投げ方の【前編】として、ツーシームの軌道に始まり、基本的な投げ方のレクチャー、そして、動画解説も入れながら説明して参りました。

そして、ツーシームの投げ方には人差し指タイプと、中指タイプがあるということをお話しました。

【前編】では人差し指タイプまでのお話をしましたので、今回の【後編】では、中指タイプからのお話をしていきます。

※【後編】では動画が9本あります。これらの動画でも説明をさせていただいております。充分、満足していただける内容となっております。

実際にどう投げるか?

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中学野球におけるチームトレーニング①–プログラム立案–【トレーナーマニュアルvol.114】

初めまして!CーI Baseball1期生の平川祐希と申します。
今回は2023年から開始したサポートメンバーによるnoteシリーズ第2弾になります。

私が書かせていただく内容は、中学世代へのトレーナーとしての関わり方になります。

私自身、整形外科クリニックに勤務しながら小学生〜高校野球でのトレーナー帯同をしています。

今回は特に中学世代でのこれまでの経験とその中で得た知識を紹介させていただきます。

内容は以下の流れで3回にわたって紹介させていただきます。

中学野球におけるチームトレーニング①–プログラム立案–
中学野球におけるチームトレーニング②–アセスメントの実際–
中学野球におけるチームトレーニング③–3年計画–


それでは、第1弾の『プログラム立案』の内容に入らせていただきます!

はじめに

育成年代のトレーニングを考えていく際に、それぞれの世代での成長過程を考慮してプログラムを立案していくと思います。

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トレーニングを考える上で成長曲線や発達パターンはとても重要な要素です。

しかし、成長発達の個体差があったり、チーム特性や競技特性など考慮しなくてはいけない要素は他にもいくつかあります。

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そこで今回は中学野球におけるトレーニングプログラムをどう立案していけばいいのか一般的な要素から中学生世代の特徴までご紹介していきます。

プログラム立案要素①ー情報収集ー

まず、トレーニングを立案していく際には立案するための情報収集が必要になります。

ここでの情報収集というのは世代や野球に関わらず、どんな現場でも必要となる作業と考えています。

トレーニング対象の情報がない状態でプログラムを立案していくことはどのスポーツ現場でも難しいことであり、思いつきのトレーニングで構成されたプログラムはトレーニング効果が低く、無意味なものとなってしまいます。

事前に情報収集をしておくことで詳細かつスムーズにトレーニングプログラムが作成できるためとても重要となります。

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必要な情報を順に収集し、トレーニングプログラムを立案していきます。

ニーズ分析

サービスを提供していく職業では共通していることだと思いますが、
まずクライアント(対象)が求めていること・不自由にしていること、
すなわちニーズ・主訴に基づいて目標を設定し、それに向けて介入していきます。

同様に、まずトレーナーとしてのニーズがどの分野で求められているのかはっきりさせておくべきです。

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自分がプランしていることとチームからのニーズが異なっている場合、
今後のチームや監督からの信頼に関わります。必ず確認しておきましょう!

さらにチームトレーニングも同様で、どんなチームも県大会出場や全国大会優勝など勝利・優勝を目標にしていると思います。

試合で勝利するためには、何が課題で、何を伸ばしていきたいのかしっかりと指導者に聴取していくことが重要になります。

その聴取した内容からトレーニングの方向性を考えていき、チーム方針(ニーズ)と方向性を合致させていきます。

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数値など量的な目標が設定できるとトレーニングの方向性がより明確になります。
(例:投球障害者数0人、スイングスピード130km/h)

フィジカルテスト

チーム方針の聴取によりトレーニングの方向性が確立した後には、より詳細なトレーニング内容の決定に移ります。

チーム方針の聴取だけではトレーニング決定には至らず、
指導者が感じている課題・問題点を精査しなければなりません。

指導者視点での課題が下のピラミッドにあるようにどのレベルでの問題となっているのか見極めていく必要があります。

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例えば、

スタートが遅く盗塁の成功率が低いという課題に対して、
スタート判断(技術)が悪いのか
トップスピードまで到達するのが遅いのか

課題の意味合いが異なります。

これが技術的なのか能力(パフォーマンス)的な課題なのか精査するためにフィジカルテストを実施していきます。

フィジカルテストとは、
筋力、パワー、スピード、アジリティなど競技技術に必要な能力を測定するもので,パフォーマンステストとも言われ,グラウンドでの実施,能力の数値化を行うものとされています。


上記の例のような課題に対して特異的な能力を評価し、
能力向上が必要な場合にトレーニング内容に加えていきます。

フィジカルテストの有用性

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肘下がり~観察すべきポイントとその対応~【トレーナーマニュアルvol.113】

目次 はじめに投球障害肘とは?尺側側副靭帯損傷について肘関節にストレスが強くかかるフェイズ肘関節にストレスが加わりにくいフォーム肘下がりを見極める投球動作観察のポイント肘下がりに対する対応(1例ずつ)前半の肘下がりに対す … 続きを読む

育成年代の目標設定とアプローチ【トレーナーマニュアルvol.112】

C-I Baseballの佐藤です。
今期の「トレーナーマニュアル」では以下のように新たなライターによる記事の配信なども加え、これまで以上に多くの視点から学べるマガジンとして展開していきます。

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「トレーナーマニュアル」7月配信記事一覧

私は主に育成年代分野の内容を配信していく予定です!
育成年代への関わりとして私は現在、
・小学生の硬式リトルリーグチームへの帯同
・中学軟式野球では部活動指導員
として定期的に帯同をしております。

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育成年代に関わる興味深い点は
「身体の成長期に関われる」という点です。

身長の発育速度は男子では13歳(中学1-2年生)前後にピークを迎えると言われています。これはみな一律ではなく、成長の早熟型・晩成型と示されるように、ここに個人差があり、選手個々に合った対応が求められる重要な時期です。

加えて、身体の骨成長・運動基礎をつくる大事な期間でもあるため、高校生以上の年代に向けての土台作りとして関われる興味深い年代といえます。

https://twitter.com/C_IBaseball2020/status/1683773453311315968?s=20

育成年代現場で求められるニーズ

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私は現在、小学生・中学生のチームに関わらせていただいておりますが、第一に求められるのが、「身体の使い方を強化してほしい!」という指導者サイドからのご要望を多くいただきます。

私が理学療法士資格を保有している背景もあるかもしれませんが、これまで関わらせていただいたチーム・指導者からも上記のようなニーズをよく聞きます。

では「身体の使い方」とはなんでしょうか?

なんとなくイメージした状態のままで指導を開始するのは、現場サイドとの考えのすれ違いも生じることがあります。

そのため、現場・指導者が捉える”身体の使い方”を分解して、何がチームにとって求められるのかを帯同前に十分にヒアリングしたうえで進めていきます。

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身体の使い方に対して何が提供できるのか?

言葉を分解していくと、基本動作の構築から開始することにつながります。主にまず3つの要素における姿勢・動作をもとにスクリーニングも兼ねて進めていきます。

・基本姿勢の獲得(パワーポジション)
・下肢支持性(片脚機能)
・上肢支持性

量的な尺度に動作の質的評価も加え、後に行うフィジカルテストの土台となる部分を全体・個々のフィードバックに活用しています。

自分は何ができていないか?
何をしなくてはいけないか?

トレーニングの目的意識を持たせる意もあり、導入として行います。

基本姿勢の獲得

上肢・下肢・脊柱の可動性を前提に、
パワーポジションの獲得を図ります。

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前回の記事でも配信しましたが、
Hip hingeをはじめにチェックしていきます。

ここでは立位でのHinge動作をもとに、
選手の動作レベルに応じた姿勢での屈曲運動より行っていきます。

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例として上記に種目を列挙しましたが、
徹底的に種目の完成度を求める組み立てにとらわれず、コオーディネーショントレーニングなどに組み込むことにより、動作獲得につなげる工夫なども育成年代にかかわる上で大事な視点であると思います。
※あくまで経験に基づいた私見です。

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↓詳細のプログラムはコチラ↓

支持性

下肢の支持性では主に片脚機能を確認していきます。
片脚の姿勢保持から遊脚、上肢のリーチ動作、One leg Squatにおける支持動作が中心となります。

・SEBT test
・Leg reach test
・片脚立ち上がりテスト etc

上肢の支持性では上半身への荷重負荷を加えた安定性を確認していきます。四つ這いやベアポジション、プランク姿勢の保持から支持面の狭小化(対側上下肢での支持)や重心移動における姿勢制御を中心にチェックしています。

上肢・下肢ともに矢状面の支持だけでなく、前額面での支持性も併せてチェックしていきましょう!

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野球選手にとって大事な足と靴の話【トレーナーマニュアルvol.111】

みなさんこんにちは!C-I Baseball一期生でサポートメンバーの野坂です! 今期のトレーナーマニュアルでは、CIBスタッフ以外からもゲストライターをお招きさせていただき記事を配信したり、サポートメンバーからも定期的 … 続きを読む

投球パフォーマンスアップまで繋げるための肩甲骨トレーニング【トレーナーマニュアルvol.110】

はじめに

今回の内容は5/20にencounterさんとのコラボセミナーでお伝えさせていただいた内容を改変したものになります。

内側型の投球障害肘のリハビリテーションについて、臨床レベルからパフォーマンスアップまで繋げるための治療やエクササイズについて発表させていただきました。

今回は肩甲骨の運動、中でも前鋸筋の機能を最大限に発揮させるためのアプローチについて解説していきます。

前鋸筋について

解剖と機能についての説明を簡単にさせていただきます。

解剖

前鋸筋の筋束は大きく3つに分類されています。

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3つの筋束

上部筋束:第1, 2肋骨→肩甲骨上角 【肩甲骨下方回旋・前傾】
中部筋束:第2, 3肋骨→肩甲骨内側縁
肩甲骨外転】
下部筋束:第4肋骨以下→肩甲骨下角【肩甲骨外転・上方回旋】

またそれぞれの筋束は他の隣接した筋群と連結しています。

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前鋸筋上部
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前鋸筋中部
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前鋸筋下部

上部筋束:肩甲挙筋と連結
中部筋束:大・小菱形筋と連結
下部筋束:大菱形筋、外腹斜筋と連結

徒手的にアプローチする際はこの筋連結を意識することが大切になります。

投球動作と前鋸筋

投球動作の中ではレイトコッキング(ステップ足の着地から最大外旋まで)で高い筋活動を認めることが報告されています。

前鋸筋はレイトコッキング期において高い遠心性筋活動を認める.

橘内基純,他:投球動作における肩甲骨周囲筋群の筋活動特性.スポーツ科学研究,2011

またレイトコッキングにおけるテイクバックで肩甲骨が内転した(前鋸筋が伸びている)状態から腕を振り出す際に肩甲骨は上方回旋&外転の動き(前鋸筋収縮)が生じますがそのフェーズで前鋸筋が強く働きます。
ここで前鋸筋がしっかりと働いてくれることによって、リリースまで十分な加速距離を生み出すことができます。

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レイトコッキングをさらに細かく分けます。

ステップ足の足底接地で肩甲骨は最大外旋、つまり内側に寄るような動きが生じます。
この際重要なのは肩甲骨内側筋群の筋力で強く引き寄せるのではなく、体幹が回旋することにより相対的に肩甲骨が引き寄せられるということです。
そうすることにより大胸筋などの前胸部の筋群が引き伸ばされた張力を使って腕を降り出すことができるため、球速アップなどにも繋がります。

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つまりここでは前鋸筋が活動しながらもしっかりと伸張できる柔軟性・滑走性が必要になります。

その後、肩甲骨は外転しながら上方回旋を強めていきます。

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MERに向かっていく局面であるこのフェーズでは障害予防だけでなく、パフォーマンスアップのためにも上腕骨外旋だけではなく肩甲骨の外転・上方回旋機能が重要です。
肩甲胸郭関節の動きを引き出すことで、肩関節や肘内側にかかる負荷を分散させることができます。

次章からはこの肩甲骨の運動を引き出すためのポイントを
・肋骨内旋機能
・肩甲骨可動性
・前鋸筋滑走
・エクササイズ、トレーニング
の4つに分けて説明していきます。

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バイオメカニクスから見る投球動作の基礎【トレーナーマニュアルvol.109】

いつもC-I Baseballトレーナーマニュアルをご購読頂きありがとうございます。

C-I Baseballトレーナーマニュアルでは2023年7月より
「ゲストライター」をお呼びし、新たな知見を皆様にお届けしていきます。

記念すべきゲストライター第1弾は
帝京スポーツ医科学センターの大川靖晃さんに執筆していただきました。
大川さんには「投球バイオメカニクス」「球速」について2本執筆して頂く予定です。

そして、トレーナーマニュアル執筆だけでなく
「C-I Baseballメンバー限定セミナー」も2回開催致します。
トレーナーマニュアルでご紹介頂いた内容をより深く解説して頂きます。

初回の「C-I Baseballメンバー限定セミナー」は
7月13日21時より開始予定です。

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C-I Baseballメンバーに介入したい方は下記のリンクをご参照ください。
どのコースを選んでも大川さんのセミナーは「無料」で参加出来ます!

2023年育成プログラム – C-IBaseball−野球に関わる全ての人の学びの輪−

バイオメカニクスから見る投球動作の基礎

みなさん、こんにちは。
 
帝京大学スポーツ医科学センターの、大川靖晃です。
 
今回は、今月行われるC-I Baseballメンバー限定ウェビナー「バイオメカニクスから見る投球動作の基礎」の、前段となるような内容がご紹介できればと思っています。
 
まずは、自己紹介から。
 
詳しくは、こちらのサイトでプロフィールをまとめていますので、ご覧ください。

大川靖晃のプロフィールページ

現在、帝京大学スポーツ医科学センターに所属し、大学硬式野球部のAT兼SC兼サイエンティストとして部のサポートをしつつ、バイオメカニクス(特に投球動作)の研究を行なっています(教員として授業も教えています)。
この研究やサポートの拠点となっているのが、帝京大学スポーツ医科学センター内4FにあるMovement Performance Institute Tokyo (MPI Tokyo)です。

Movement Performance Institute – 帝京大学スポーツ医科学センター

各種SNS(Twitter, Facebook, Instagram)でも、日々情報発信を行なっています。
またYou Tubeにて野球に関する動画を、日々の参考にしてもらうためにアップしています。

Baseball Bibliotheca

帝京大学スポーツ医科学センターのホームページはこちらになります。

帝京大学スポーツ医科学センター

帝京大学スポーツ医科学センターでも、各種SNSで情報発信を行なっていますので、是非チェックをお願いします。

それでは、本題に入りたいと思います。

はじめに

まずは私が測定する際に使用している機器と、測定で一般的に行なっているステップを説明させていただき、バイオメカニクスが測定全体の中でどういった役割を果たしているかのイメージを持ってもらいたいと思います。

1. マウンド
2. ラプソード(ピッチング2.0)
3. Edgertronic(ハイスピードカメラ)
4. simi motion (カメラ8台を使用しての三次元動作解析)
5. フォースプレート

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チームトレーナーとして働く理学療法士の役割【トレーナーマニュアルvol.108】

いつもC-I Baseball「トレーナーマニュアル」をご購読頂きありがとうございます!
C-I Baseballは2023年5月で4期目を迎えました。
ここまで、C-I Baseballの活動を続けられているのは、応援し必要として下さる皆様のおかげです。
この場を借りて感謝申し上げます。

2023年7月よりトレーナーマニュアルもリニューアルしお届け致します。

○今期のトレーナーマニュアル構成

①野球現場でのトレーナー活動
チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて
②臨床現場での選手への対応
投球障害への対応、インソールからの介入
上記の①、②においては今まで同様にC-I Baseballスタッフが執筆致します!

そして今期はなんと
◎ゲストライターの登場
バイオメカニクス、栄養、各分野の専門家の方に執筆
◎C-I Baseballメンバーの登場
2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがいよいよライターとして登場します。

C-I Baseballで学び、成長してメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!

野球トレーナーマニュアル|C-I baseball|note

2023年の増田が担当するnoteテーマは「チームトレーナーとして働く理学療法士について」です!

1年間かけて皆様に4つの内容をお伝えしていきます

①チームトレーナーとして働く理学療法士の役割
②チームの障害を予防するために
③理学療法士がチームパフォーマンスにどのように関わるのか?
④今後、理学療法士に求められるスキル、能力について

1本目の今回は
「チームトレーナーとして働く理学療法士の役割」について解説していきます。

チームトレーナーとしての理学療法士の役割

理学療法士と聞くと病院やクリニックで選手の障害へ対応するイメージがあると思います。
最近では理学療法士でもパーソナルトレーニング等で選手に関わっている方も多くおります。
両者ともに共通するのが「選手に対してパーソナルで関わる」ことです。
つまり、理学療法士は目の前の選手一人に関わることが圧倒的に多くあります。

では、野球現場等のチームトレーナーとして理学療法士はどのように選手に関わるのでしょうか?

答えは
「環境によって関わり方が変化する」です。

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①チームトレーナーが理学療法士1名
②チームトレーナーが多職種かつ複数名

チームトレーナーとしての関わり方には上記の2パターン存在します。
私は両方のパターンで勤務経験があり、今回はその経験から
「チームトレーナートレーナーが理学療法士1名」の場合の役割について紹介していきます。

チームトレーナーが理学療法士1名の役割

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チームトレーナーが1名のパターンはアマチュア野球現場に多く存在します。
特に大学野球、高校野球のカテゴリーが多い印象です。
今回は理学療法士について紹介しますが、1人職場だと役割は資格に関わらず同じようなものになります。

チームトレーナーが1名の場合に求められる役割

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トレーニング、障害予防、障害対応・復帰までのリハビリテーション、外傷対応等、全ての範囲を1人で行います。

チームのトレーニングを指導しつつ、怪我をしている選手の対応・・・
全てを1人で行うことはかなり難しいです。

理学療法士が野球現場に出てから一度は経験する失敗談は
「現場を回すことが出来ない・・・」です。
これは私も経験しました。

理学療法士は1対1の関わりを得意としているため
怪我をしている選手がいたら、その選手1人に時間をかけ、その他の選手のトレーニング指導ができない場合があります。

この場合に考えるべきことは
「なにを求められているか?」です。

チームトレーナーが1名の場合に求められることは
「チーム全体への介入」を求められるケースが多いです。
つまり、1人の選手の怪我の対応よりも、チーム全体のトレーニングや障害予防を行い、チーム全体のレベルを底上げすることが重要です。
これはチームスポーツではよくあるケースだと思います。
しかし、理学療法士として関わっている人間としては怪我をした選手への対応もおろそかにしたくはない部分です。

では、どのように対応していけば良いのでしょうか?

ケース1

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・高校野球現場
・平日放課後の練習日
・練習メニューは技術練習+トレーニング

○トレーナーに課されるタスク
1)チーム全体のトレーニング指導
Aチームが技術練習中にはBチームのトレーニングを指導
Bチームが技術練習中にはAチームのトレーニング指導
2)怪我をしている選手の対応
(今回は肉離れの選手1名と仮定 この選手は受傷直後であり別メニューとなっている)

Q1:怪我をしている選手の指導はいつ、どのタイミングで行いますか?

条件:練習後の介入は出来ないケースを想定

この日の練習メニューを考えるとあなたの時間はほとんどがトレーニング指導となっています。

みなさんならどのように対応しますか?

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投球復帰に向けた肩関節機能評価【トレーナーマニュアルvol.107】

C-I Baseballでは来週より本格的に始動する新育成プログラムに向けて、プログラムに参加したいメンバーを募集しております。定員が埋まってしまったコースもあり、早くにお申込みをされた方は既にCIBのオンラインでのサービスを開始しております。

▶新育成プログラムとは

本年度は今までとは異なり
「プロフェッショナルを育成する」を
ゴールに育成プログラムを実施していきます。

●トレーニングコース
●臨床コース(投球障害肩)
●インソールコース

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育成プログラムの詳細はこちらをご覧下さい!

講師はC-I Baseballスタッフが担当し、皆さんの「知識・技術の向上」の一助になれればと思っております。
応募方法・応募条件・プログラムの詳細については
【C-I Baseball公式LINE】にて先行配信致します!!

ご登録がお済みでない方はこちらからお願いします。
【必ずスタンプorメッセージを送ってください】

C-I Baseball【公式LINE】

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https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfeFOaGO2lS8RaR04A5b9Jj4J5oNbAWnFxhC62Hqp7vXQ9wUA/viewform

育成プログラム入会希望の方はこちらのリンクへ!

講師より”臨床コース”について

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<臨床コース講師・小林弘幸>
投球障害肩は、本当に多様な原因があると思います。選手の中には、たくさんの治療院、クリニックを渡り歩いて、治りたい!という方がたくさんいます。

私が選手だったら、この痛みの原因は何だ?と思います。その中で、我々”理学療法士”が何をできるか?この痛みの原因が、どんな動きで引き起こされているのか

どのような動きをしたら痛みがないのか?

動きの専門家である我々がその問いに回答しなくてはならないと私は思います。選手の痛みの解決方法を理学療法士やトレーナーがわかることは、信頼関係にもつながりますし、選手の自主トレ意欲向上にもつながります。そんな動きの評価や治療方法を、私の経験にはなりますがお伝えさせていただけたらと思います。

そして、皆さんでディスカッションしながら、野球選手の投球障害肩についてより深く考えるきっかけになればと思います。
投球障害肩で困っている選手を少しでも少なくできるよう、一緒に学んでいきたいと思います!

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投球復帰に向けた肩関節機能評価

今回の配信では、育成プログラム「臨床コース」講師担当の小林とC-I Baseball代表増田・副代表佐藤による「投球復帰に向けた肩関節機能評価」について講師の小林が重要視しているキーポイントを中心に解説させていただきました。(全22分収録)

投球復帰をテーマに前半部分では、機能評価における鑑別、実践内容からアプローチの優先順位について、後半部分では投球復帰基準に対する思考・実践内容について動画内でご紹介しています。

Agenda
■臨床対応における投球復帰で重要なポイント
■アプローチの優先順位を決める評価とは
■疼痛誘発テスト<疼痛除去テストの実践方法
■肩甲胸郭関節評価を重要視している理由
■投球復帰基準における考えと実践内容


全22分収録<このあとに動画を閲覧できます>

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投球障害肩に対する運動療法のポイント【トレーナーマニュアルvol.106】

C-I Baseballでは来月7月から開始する新育成プログラムに向けて、メンバーを募集しております。早い方はすでにお申し込みもいただき、オンラインでのサービスを開始しております。 本年度は今までとは異なり「プロフェッシ … 続きを読む