今回は野球現場で必要となるトレーナーバッグの中身を解説していきます。
経験上、必要性が高く重要なものをピックアップしています。
ここで紹介する内容が全てではなく、各個人で必要なものは追加してください。
野球現場に帯同していると、トレーニング・ケアだけでなく外傷への対応も必要になります。
緊急時に対応できるようにトレーナーバッグは常備しておきましょう。
野球現場帯同で起こる怪我
野球現場で起こる怪我の多くが、
- 打撲
- 捻挫
- 擦過傷
- 爪割れ
です。
①打撲・肉離れ
打撲はデッドボールや自打球により筋や骨に生じます。
肉離れは走塁中や守備中に生じます。
②捻挫
走塁中や守備中の足関節内反捻挫、スライディング時の手関節捻挫が多く生じます。
③擦過傷・爪割れ
スライディングや守備の飛び込みの際に起こる擦り傷、打球処理や投球で爪割れが生じます。
野球現場に帯同するには上記の怪我への対応をできるように準備しておくことが必須になります。
トレーナーバッグ種類
トレーナーバッグといっても様々なタイプがあります。
- ウエストポーチやショルダータイプ
→常に身につけておけるが内容量が小さい。 - ボストンバッグタイプ
→内容量は大きいが持ち運びが大変。
野球現場では受傷後、即座にその場で対応することよりもベンチ裏などで対応することがほとんどです。
そのため、常に身につけるウエストポーチやショルダータイプではなく多くの物が入るボストンバッグタイプが良いかと思います。
必須アイテム
テーピング各種
テーピングは主に、筋の外傷・捻挫に使用します。
各テーピングの本数は対象となる選手の人数に合わせて変更していく必要がありますが、最低各種の2−3本ずつ用意しておくと対応できると思います。
テーピングの種類は上記に記載してあるものを参照ください。
特にキネシオテーピングや自着式テーピングの使用頻度が高いです。
ハサミは文具用ではなくテーピング用の物を使用することをお勧めします。
高校野球の公式戦ではテーピングの色が指定されています。
また、テーピングを使用している選手は事前に本部へ報告する必要がありますので注意して下さい。
詳細は各都道府県高校野球連盟の規定を確認して下さい。
救急セット
野球現場での応急処置は主に擦過傷や爪割れの対応が多いです。
コンタクトスポーツに比べ、止血を必要とする機会は少なく、スライディングでの擦り傷への対応が多いです。
消毒関係
消毒薬は液体の物と綿性の物を用意しています。
綿性の物は小分けになっており、袋から出してすぐ使用出来るので液体よりも活用しやすいです。
ガーゼ各種
ガーゼは傷の大きさにより対応できるように、3種類ほどの大きさを準備しています。
傷の対しての処置では絆創膏や滅菌パッドの使用頻度が高いため、ガーゼを使うシーンはそれほど多くないです。
絆創膏各種
絆創膏も傷の大きさ対応出来る様に各サイズ準備しておきます。
指や手の傷で絆創膏で対応しにくい部分には液体絆創膏を使用します。
投手は指や手へのテーピングや絆創膏の使用は禁止なので、マメの処置には液体絆創膏が必要です。
滅菌パッド
擦り傷に対しては滅菌パッドの使用頻度が高いです。
滅菌パッドはガーゼが中央にあり粘着性もあるので、ガーゼ単体よりも使用しやすいです。
S・M ・Lの大きさがありますので各種用意しておくといいです。
傷の大きさに合わせてカットして使用することも可能です。
試合中や関節部への使用時は動きによって剥がれることがあるので
滅菌パッドの上からキネシオテーピングで補強することもあります。
ティッシュ・綿棒・三角巾
ティッシュ・綿棒・三角巾は清潔な物を準備しておきます。
綿棒は1本ずつ小分けになっているタイプを用意します。
三角巾は多様な使い方が出来るので必ず準備しておくといいです。
あると便利なもの
爪のケア用品
投手、野手問わずに爪のトラブルは多いです。
爪割れに対しての処置はマニキュアにて応急処置をしています。
透明のマニキュアはトップコートというものを使用しています。
また、ナイターゲーム時に捕手が使用する色付きのマニキュアもあると便利です。
目薬・皮膚かぶれ薬
砂のグラウンドでは、目に砂が入ることや、コンタクトが外れる、ズレるなどの目のトラブルもあります。
目のトラブルには涙と同じ成分の目薬を用意してます。小分けになっているので衛生面や保存にも的しています。
テーピングによる皮膚のカブれや傷の化膿などに対応出来るように皮膚薬の用意も必要です。
患部に塗る時は綿棒を使うようにしてます。
その他
靴紐・トレーニング関係
試合や練習中に靴紐が・・・なんてこともよくありますので靴紐の常備も必要です。
高校生以上ですと25cm以上のサイズが多いので靴紐も120cm-130cmのものを用意しています。
トレーニング関係は、W-UPで使用するホイッスルやストップウォッチ、肩のコンディショニングで使用するセラバンドやサンドボールを用意しています。
体温計
帯同中の選手の体調不良に対応できるように体温計も必要です。
袋類
袋はポリ袋とジップロックを用意してます。
急なアイシング対応やゴミの処理に使います。
歯の保存液
打球処理の際に、口のボールが直撃し歯が折れることもあります。
歯が折れた際は、すぐに歯科での処置が必要です。
歯科に向かうまでの時間で歯が乾燥してしまうと再生が難しくなってしまうので、折れた歯は必ず保存液に入れることが必要です。
アルコールタオル
手の除菌などに即座に対応するためにアルコールタオルの常備も必要です。
特にグラウンド内だとすぐに手が洗えないこともあるので、常備しておくと便利です。
今回は野球現場帯同時に必要なトレーナーバッグの中身を紹介しました。
この他に、アイシング関連を私は使用しています。
今回紹介した内容は、現場帯同に最低限必要なものですので、不足していたり、チームで必要なものは別途用意しておくことが良いと思います。
トレーナーが常駐できない現場も多いかと思います。
トレーナーがいない際でも、傷の処置などは選手や指導者が対応できるように方法を伝達しておくことも、トレーナーの重要な役割だと思います。