C-I Baseballの復帰プログラムを担当してます増田です。
今回は野球現場で生じる【足関節捻挫】の
段階的復帰プログラムについて紹介していきます。
足関節捻挫をした選手がどのような過程で復帰するのか?
復帰にするにはどんなトレーニングが必要なのか?
再発しないようには?
パフォーマンスを戻すには?
足関節捻挫は軽視せずに対応していくことが重要です。
捻挫の復帰プログラムとは
野球現場で起こる足関節捻挫は
試合中や練習中のプレー場面だけでなく
ボールを踏んだやトレーニング中に発生することもあります。
そのため、現場帯同トレーナーは受傷直後から試合復帰まで
サポートしていくことが必要です。
足関節捻挫は、比較的受傷頻度が高く
重症化するケースが少ないため
選手・指導者は軽視することが多いです。
しかし、足関節捻挫は再受傷率が高いことや
パフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。
そのため、復帰までには注意しなくてはなりません。
復帰までの注意点
痛みが消失した=復帰可能ではありません。
足関節捻挫は再発率が非常に高い障害であることです。
いわゆる”捻挫グセ”です。
足関節捻挫は医療機関への受診をしない場合や
1週間程度で復帰をしてしまうケースがあります。
そのようなケースでは足関節の機能低下が残存していることが
考えられます。
捻挫によって損傷した組織の修復には
少なくても6週間はかかります。
※佐藤康:足関節捻挫に対するトレーニングより引用
組織の修復をせずに復帰すると
関節の構造的不安定性や機能的不安定性を引き起こし
結果的に慢性足関節不安定症につながります。
また、足関節は身体制御やスポーツ動作において
重要な関節であるため機能破綻は
パフォーマンスへ大きく影響します。
足関節は股関節と共に、身体バランス制御に関わります。
重心制御機能の足関節戦略では小さい動揺に対し作用し立位バランス保持に関与します。
足関節戦略が機能低下を起こすと
野球動作時の片脚立位に不安定性が生じます。
片脚立位不安定性は投球障害の発生要因になることもあります。
肘内側側副靱帯損傷の選手は動的バランスの値が低値(garrison,2013)
前述したように、足関節捻挫発生後十分な経過を追わず
復帰した場合には、パフォーマンスの低下が生じます。
足関節内反捻挫では、靭帯損傷による
・外側支持機構の破綻
・距骨の偏位
・回内足
などのアライメント不良をきたしやすくなり
足関節の構造変化が起こします。
前距腓靭帯には、身体制御に関与する
固有受容器が多く存在します。
そのため、前距腓靭帯の損傷による
固有感覚の低下が起こります。
捻挫による、外果周囲の腫脹や固定による不動期間
荷重不足などが原因で
腓骨筋や前脛骨筋、後脛骨筋など足関節の
安定性に関わる筋の筋力低下が生じます。
特に、固有受容器の機能低下と共に、身体バランスに対する
反応速度が遅延すると考えられえます。
上記した理由により
・足関節のアライメント変化
・固有感覚の低下
・筋の反応速度の遅延
により結果として
身体制御において重要な足関節戦略機能の低下が起こると考えられます。
足関節捻挫後のパフォーマンス低下
足関節捻挫後に野球動作に対して
どのような影響が出るのでしょか?
野球における足関節の機能は
・軸足の支持性
・踏み込み脚での衝撃吸収
・下肢からの運動連鎖
などが考えられます。
上記の機能が低下することで野球パフォーマンスは低下します。
足関節捻挫の段階的復帰プログラムの進め方
ここからは、足関節捻挫からの復帰について解説していきます。
足関節捻挫の復帰段階は下記の図に示されている手順で進めて行きます。
急性期〜回復期におけるメディカルリハビリテーションでは
疼痛・腫脹の消失や足関節の機能改善が重要な役割です。
回復期〜復帰までのアスレティックリハビリテーションでは
筋機能や動作の再構築、パフォーマンスの向上が役割になってきます。
段階的復帰プログラムのゴールは
競技復帰が最終目標となりますが
その前にいくつかのステップが必要です。
ステップを踏まずにリハビリテーションを進めてしまうと
関節の不安定性の残存や疼痛・腫脹の長期化を招き
結果として競技復帰までの期間が遅延してしまいます。
そのため下記の項目を靭帯の治癒過程に沿って
段階的にリハビリテーションを進めていきます。
復帰プログラムの重要点
足関節捻挫からの復帰では
・疼痛が消失している
・再発させない
・パフォーマンスを低下させない
上記の3つの状態で復帰させることが
野球現場では最も重要になってきます。
そのため、受傷初期から競技復帰までの全期間で
サポートしていく必要があります。
ここからは、受傷直後から競技復帰までの
具体的な対応を説明していきます。
現場での受傷直後の対応
野球現場帯同で経験する足関節捻挫は様々な場面で発生しますが、
特に重要なのが試合中の発生です。
試合中に受傷したケースではその後のプレーが可能であるのかの
判断が求められます。
素早く状態を把握し、プレーの判断をするためには
評価を理解しておくことが必要になってきます。
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