C-I baseballの足関節捻挫から競技復帰後のトレーニング・再発予防の身体作りを担当します高橋塁です。
日々、野球を中心にスポーツの現場で、トレーニング、コンディショニング、技術指導を行っています。
私自身が、日々のスポーツ現場での経験をもとに、障害をいかに防ぎ、かつ再発せず、パフォーマンスアップできるかをお伝えし、医療機関とスポーツの現場との連携をいかにスムースにできるかをわかりやすく発信していきたいと思います。
足関節捻挫の概論
スポーツ障害で最も多いのが足関節捻挫。足関節捻挫の中でも圧倒的に多い割合を占めるのが内返し捻挫であり、足関節にみられる全外傷のうち約75%を占めるといわれています。
青年期に多く発症し、足関節捻挫の約半数が10~20歳代前半に集中しています。
10代の捻挫での病態は下記の通りです。
・前距腓靭帯損傷(47%) ・前下脛腓靭帯損傷(14%) ・踵腓靭帯損傷(10%)・骨折(5%) ・その他(骨軟骨障害も含む:数%)
野球現場で起こる足関節捻挫は試合中や練習中のプレー場面だけでなくボールを踏んだやトレーニング中に発生することもあります。そのため、現場帯同トレーナーは受傷直後から試合復帰までサポートしていくことが必要です。
野球では、他のスポーツと異なり、金属の刃がついたスパイクが使用されます。非常に引っ掛かりが強いので、ケガの予防・パフォーマンス向上に向けて、刃の形状にも着目すべきと考えます。
スパイクについては、障害予防・パフォーマンス向上両方の側面からもしっかりと考える必要があります。
足関節捻挫は発生率や再発率の非常に高い疾患であり、そのまま放置しておくと慢性足関節不安定症(Chronic ankle instability: CAI)へと発展してしまいます。
CAIは、距骨下関節の安定性が重要であると報告されています。
足関節捻挫のついての復帰・強化トレーニング方法を理解する前に病態の解釈・筋機能を中心とした評価方法については知っておかなければなりません。
足関節の解剖
外反捻挫において、間違いなく理解しなくてはならないのが、足関節外側靭帯であり、
・前距腓靭帯(ATFL) ・後距腓靭帯(PTFL) ・踵腓靭帯(CFL)
の3つに靭帯から構成されます。
前距腓靭帯:ATFL
ATFLは距腿関節の関節包の一部を担い、関節包靭帯と呼ばれることが知られています。
靭帯の走行からもわかるように、足関節底屈内反で最も伸張されるので、その肢位で受傷します。
厚さはおよそ2mm程度であるといわれ、外側靭帯でも脆弱であるといわれています。
ATFLのWrap around構造
【距骨】に沿ってATFLが囲むような走行
踵腓靭帯:CFL
CFLは機能的に距骨下関節の安定性に大きく寄与しています。靭帯の走行から、足関節背屈内反で最も伸張。
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