投球動作における鼠径部痛へのアプローチ -Groin pain syndrome  インピンジメント編-【トレーナーマニュアルvol.206】

投球動作における鼠径部痛へのアプローチ -Groin pain syndrome  インピンジメント編-【トレーナーマニュアルvol.206】

こんにちは!C-I Baseball サポートメンバーの理学療法士・久我友也です。
このたびより、トレーナーマニュアルとしてnoteに定期投稿をさせていただくことになりました。

私は整形外科クリニックに勤務しており、医療的な視点から、野球選手の身体の悩みに対する評価や治療のヒントをわかりやすくお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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本記事はGroin Pain Syndromeシリーズの最終章です!

これまで以下の3本の記事で、Groin Pain Syndrome(鼠径部痛症候群)について解説してきました。

①「Groin pain syndrome 総論」
https://c-ibaseball.com/trainer-manual-vol167/
②「Groin pain syndrom 内転筋編」
https://c-ibaseball.com/trainer-manual-vol180/
③「Groin pain syndrome 鼠径靭帯周囲・腹筋編」
https://c-ibaseball.com/trainer-manual-vol194/

そして今回はシリーズ最終章、④「インピンジメント編」です。

はじめに

本シリーズでは、投球動作中に発生する鼠径部痛をテーマに、臨床で再現しやすい評価法と実践的アプローチを紹介してきました。

今回のテーマは「股関節屈曲時の前方インピンジメント」。
投球動作で言えば、フォロースルー期に出現しやすく、特に踏み込み脚側に起こる前方痛がその特徴です。

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股関節前方インピンジメントの病態

股関節の前方に痛みを訴える場合、以下のような3つの病態が主に想定されます。

  • FAI(Femoroacetabular Impingement)/大腿骨寛骨臼インピンジメント
  • AIIS Impingement/下前腸骨棘インピンジメント
  • Iliopsoas Impingement/腸腰筋インピンジメント

これらはいずれも、股関節の屈曲+内転+内旋によって、大腿骨頚部と臼蓋の間で周囲組織がインピンジメントされることで生じます。

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評価の基本:Anterior impingement test

典型的な誘発テストとして、以下のような検査が有用です

  • Anterior Impingement Test
    *FADIRテスト(股関節屈曲・内転・内旋)とも呼ばれる
    股関節を屈曲に加えて、内転・内旋方向に動かすことにより、インピンジメント症状を誘発するテストです。
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逆に屈曲時に外転・外旋方向へ逃す(頚部軸回旋)ことで疼痛が大きく生じずに股関節屈曲が行えることも特徴です。

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なぜ、屈曲時に前方が痛いのか?

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