こんにちは!
C-I Baseball サポートメンバーの理学療法士・久我友也です。
整形外科クリニックでの臨床経験を活かし、医療的視点から野球選手に対する評価・治療のエッセンスを、実践的かつ分かりやすくお伝えしてまいります。
科学的根拠と臨床での経験や工夫を重視し、その中で現場での実践に役立つ情報をお届けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
ライタープロフィール
Writer|久我 友也
理学療法士
X:https://x.com/tomokiyo0903
前回まで投球動作における鼠径部痛へのアプローチをシリーズでお届けしておりました。未読の方はぜひご参照ください。
今回は「野球選手の腰痛」がテーマです。
連載シリーズ
Vol.1:総論・腰椎椎間板ヘルニア
- Vol.2:腰椎椎間板症、椎体終板変性(Modic change)編
- 今回は☞ Vol.3:椎間関節編
- Vol.4:腰椎分離症
- Vol.5:筋性腰痛編
さっそくはじめていきます!
少しでもためになったと思った方は
ぜひ ”スキ” ボタンお願いします!
やる気につながります!
はじめに
本稿のテーマは、椎間関節由来の腰痛(facet joint–related low back pain)です。臨床で想起しやすいのは、いわゆる「反って痛い」タイプで、立位で腰椎伸展や回旋ストレスが加わる場面で症状が出やすい印象があります。

具体的には、立ち上がり後、立位保持、走行中などで誘発されることが多く、野球動作ではバッティングやピッチング時に遭遇しやすいと感じます。

また、投げる・打つ以外でも、ランニングや伸展・回旋系エクササイズ、ウェイトトレーニング(バックスクワット、ルーマニアンデッドリフトなど)で症状が出ることがあり、野球選手に関与が深い腰痛のひとつです。
そこでまず、解剖と病態を簡潔に整理したうえで、他疾患との鑑別、局所治療、患部外アプローチまで一連の流れとして提示します。
椎間関節の解剖
椎間関節は、
上位椎体の下関節突起
下位椎体の上関節突起
から構成される、脊柱後方要素の関節です。

脊椎は一般に、椎間板と左右の椎間関節の3要素で機能単位を形成し、相互に連携して椎間可動性と安定性を生み出します。
荷重伝達については、椎間板が約70%、左右の椎間関節が約30%とされます

このため、椎間板変性が進むと椎間関節への荷重が相対的に増え、椎間板変性と椎間関節変性が相互に影響する可能性が示されています

椎間板変性は20歳代と比較して30歳代で増加し、3〜4倍に増えるという報告もあり、大学以降の野球選手では椎間板変性を背景に椎間関節症状が出やすい可能性を考えます。
変性の好発はL4/5、L5/Sに多く、臨床で伸展時痛が出やすい部位とも一致します。
Morimoto M, Okada R, Sugiura K, et al. Low Back Pain and Lumbar Degeneration in Japanese Professional Baseball Players. Orthop J Sports Med. 2022.
椎間関節は、他関節と同様に
関節軟骨・滑膜・関節包から構成されます。
加えて、椎間関節内にはmeniscoid(滑膜・脂肪組織)が存在し、関節運動の円滑化や負荷軽減に寄与する一方、疼痛源になり得るとされています。

具体的には、
椎間関節に圧縮ストレスが加わるとインピンジメントが生じ
逆に関節が離開する状況では関節包に牽引されて表層へ移動する
とされます。したがって、椎間関節への過度な圧縮ストレスは疼痛に結びつく重要な要素になります。

では、どの運動で圧縮ストレスが増えるか?と考えます。
ここから先は有料部分です
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。