育成年代の下肢障害の病態・動作【トレーナーマニュアル26】

育成年代の下肢障害の病態・動作【トレーナーマニュアル26】

C-I baseballの病態・動作の発信を担当する小林弘幸です。

スポーツDrと一緒にエコーを用いて、選手の病態を理解し
障害の原因追及を大切にしています。

病態を理解することによって、医療機関と現場との橋渡し的な役割を果たすことができると思います。

基本的な部分ですが、なるべくわかりやすく発信していきたいと思います。

図3

成長期障害の概論

日本では、子供の人口減少に加えて、スポーツ離れが深刻な問題となっています。

野球においては、さらに野球人口減少の一途をたどっているとされています。

野球人口が減少しているのに対して、
少年野球の大会自体は増えてきています。

結果として、
優秀な選手に対する負担が増えていき、
成長期の障害へとつながることが考えられます。

つまり、大人が子供を守らなくてはなりません。

2020年度より、全日本軟式連盟では、
投球制限
という形で、子供たちの怪我予防を行っています。

図1-2

一方、米国では、ピッチスマートというものを用いて、
障害予防に努めています。(硬式球の場合)

図4

※MLB公式HPより抜粋
https://www.mlb.com/pitch-smart/pitching-guidelines

日本の野球連盟は、多数に派生されているため、
障害予防に関しては足並み揃えて行えることが
今後の課題になるかと思います。

図5

※一般社団法人全日本野球協会のHPより抜粋
https://www.baseballjapan.org/jpn/bfj/organization_japanbaseball.html

我々、現場に出るトレーナーは、
このような一律した投球数の制限を守るのみでなく、
個々の機能・能力の変化をいち早く察知して、
障害予防を行えること
が最重要かと考えています。

そして、上記の項目に関しては、主に肩肘障害に関してのことです。

下肢障害に関しては、大きな声明が出ていないので、
個々人のトレーナーが判断しなくてはならないことが多くあります。

未来の野球界を背負う野球少年少女に
健康健全な野球生活を送ってもらえるように
しっかり学んでいきましょう。

成長期小児の身体特性

小児期の特徴は、スライドに示すように、5つの時期に分かれます。

図2

野球少年少女は主に小学生からであり、その時期は
学童期で、精神発達・知能・情緒など多方面の発育を認める時期であります。

この時期に、健やかにスポーツができるということは、
成長面においても素晴らしいことであると考えられます

思春期は、二次性徴が進み身体発達のスピードが早まる時期です。

この時期の成長は個人差が多く、男女差も大きくなります。

図1

※(財)日本学校保健会:男児パーセンタイル身長体重成長曲線.
https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/siryou/kankou/himan/seito/pdf/himan01.pdf
(財)日本学校保健会:女児パーセンタイル身長体重成長曲線.
https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/siryou/kankou/himan/seito/pdf/himan01.pdf

成長途上にある小児は成人とは異なり、
解剖学的特徴により関節内あるいは筋・腱付着部での骨・軟骨障害が
発生しやすい
とされています。

図1-1

上記の特徴から、
子供:骨・軟骨障害(特に付着部)
大人:靭帯
が損傷されやすいとされています。

その他、成長期の特徴としては、
・骨が柔らかく未熟
・関節軟骨が脆弱
・骨と筋肉の成長速度が違う(骨>筋)
・靭帯が骨より強い
・骨端線、骨端核が存在する

上記のことから、成長期の子供は大人のミニチュアではないということが言えます。

これらの特徴から、
診断や対応が遅れることで様々な後遺症の残し、
スポーツを続けることも難しくなります。

その結果、子供に心身ともに深刻な影響を与えることがあります。

もちろん、ケガを通じてその後の人生をどうしていくかを考えていくということは、
子供たちにとっても非常に有益な経験となります。

しかし、すべてポジティブに捉えられるわけではなく、
成長期の身体的特徴を考えて、
後遺症が残ってしまうような傷害を負うことになると、
可能性を0%にしてしまうことがあり得ます。

取り返しのつかないことになっていくのです。

やはり、大人が子供を守っていく必要があると考えます。

成長期のスポーツ障害(野球)

やはり、成長期の野球での障害については、
肩肘障害が多いです。

特に、肘障害が成長期では多いことが示されています。

しかし、下肢についても、ある一定の障害が見受けられます。

図6

※松浦哲也:児童・生徒のスポーツ傷害の実態とその背景.学校における運動器検診ハンドブック.「運動器の10年」日本委員会監修,武藤芳照ほか編.南江堂.東京,25-29.2007
より引用改変

そこで着目すべき下肢障害は、上記のグラフで示されている通り、
・踵(シーバー病)
・足(シンスプリント)
・膝(オスグッド)

であります。

今回は、これらの病態を解説していきます。

成長期スポーツ障害の要因

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