スプリントトレーニング・その③【トレーナーマニュアルvol.43】

スプリントトレーニング・その③【トレーナーマニュアルvol.43】

C-IBaseballの高橋塁です。

2022年に入り、スプリントトレーニングをシリーズとしてお伝えしています。

今回はスプリントトレーニング3作目となります。

まずは、私の自己紹介から

前回までに紹介した、スプリントトレーニングその①はこちらから ↓

https://note.com/rui19780126/n/ne0cb849e658e

スプリントトレーニングその②はこちらから↓

https://note.com/rui19780126/n/n59f3e75768ba

また、現在、私は『走りの学校』の公認インストラクターをしています。

『走りの学校』の詳細はこちらから

https://www.hashiri.school/

『走りの学校』は『足の速さは才能じゃない』をモットーに全国でスプリント教室や、実践練習会やインストラクター育成の普及員講習等を行っています。ご興味あります方は、ぜひ、ご参加ください。


また、『走りの学校』のYouTubeはこちらから

https://www.youtube.com/channel/UCQN8LYY5hgOm7eYEz4YdwAQ


 今シーズンオフに、ランニングプログラムの目的を明確にせず、走力アップと称して、闇雲に走る量を増やされた指導者の方はおられませんか?

今からでも、ここに記載している内容をその①から段階的に実践していただけると、誰でもが走り方が改善でき、タイムの改善、しいては、走ることが楽しくなります。

そして、毎回にはなりますが、正しい走り方を習得する前に、『ランニング』と『スプリント』の違いを理解する必要があります。

まずは、上記をしっかりと理解してください。

前回は、STEP6まで行きましたので、今回はSTEP7よりお伝えしたいと思います。

STEP7 アップストロークスイッチ理論

【ポイント】地面反力を使って着き足をベースポジションに持って来る

空中スイッチを連続し、接地のタイミングでベースポジションを確実に達成させ続けるためには、着き足をベースポジションに引き上げる際に地面反力を最大限に利用する必要性があります。

浮足は、重力と同じ方向へベースポジションから地面へ振り下ろされ、一方、着き足は、重力と前方からの慣性に逆らって地面からベースポジションへと振り上げる必要性があります。

このため、同じ感覚で両足を上下させると振り下ろす浮足の接地までの時間が、振り上げる着き足のベースポジションに達成する時間よりも短くなり、着き足と浮足局面のタイミングが合いません。

それを改善するために、大切な技術がこの地面反力を使ったアップストロークスイッチであり、着き足を地面反力を使って極端にはっきりとベースポジションまで移動させる事がポイントとなります。

仮に100mを一定のスピードで10秒で走り、0.1秒で接地する者がいるとします。

0.1秒での接地を実現しても、足が地面から離れる瞬間にはすでに1m前に進んでいます。

したがって、0.1秒前に重心の真下に着いたはずの着き足を浮き足に切り替えてベースポジションに戻すには、単純に真上に戻すのではなく、重心が1m前方に移動した分の距離を斜め前に振り上げなければベースポジションに戻せないことになります。

浮き足の振り上げに地面反力を最大限に効かせて斜め上に跳ね上げる技術が『アップストロークスイッチ』です。

アップストロークスイッチ実践

【ポイント】動作完了時に、毎回ベースポジションを完成できている。

練習メニュー

※動きに余裕がある方は、ミニハードル(足幅2つ分)を使用しても良い。
 ミニハードル6台を用意

①着き足局面の地面に着く瞬間と、浮足局面の上がりきる(足の入れ替え)タイミングが同じになっているか
②3歩目に強い地面反力、反発をもらえているか
③指導の際はホッピングのタイミングに合わせて手拍子を行うと良い

【注意】
①Yポジションが難しい場合、手を骨盤につけて実施
②ミニハードルの幅が広い場合、足1.5個分に調整して実施
③慣れてきたら、ミニハードルの幅を足3個分に変更し実施

STEP8 ダウンストロークスイッチ理論

【ポイント】足首ロックがかかったままつま先が地面から離れる

地面反力を伴ったアップストロークスイッチが完成したら、次は接地の安定感を高めます。

アップストロークスイッチでは、3回のホップで体勢を整える時間的猶予がありました。

しかし、実際のスプリントでは、0.1秒という時間しか許されていません。

つまり、接地が不安定になると、空中スイッチの体勢を立て直す時間的猶予がなく、ベースポジションを連続して達成するリズムが崩れやすくなります。

ランニングと異なり、スプリントでは一瞬(0.1秒で体重の数倍に及ぶ負荷が足の前方にかかり、その荷重に耐えて地面反力を得ながらホップを繰り返します。

① 体重の数倍の重さを一瞬(0.1秒)で支える ⇒ ② ホップ

※ダウンストロークスイッチのゴールは、①の質を上げることです。

地面に着く1歩目で足首ロックを強く意識したまま、つま先を地面から離す事がポイントです。

ダウンストロークスイッチの実践

動作完了時、毎回ベースポジションを完成させておく

※動きに余裕がある方は、ミニハードル(足幅2つ分)を使用しても良い。
 ミニハードル6台を用意

①着き足局面の地面に着く瞬間と、浮足局面の上がりきる(足の入れ替え)タイミングが同じになっているか
②1歩目の接地を安定して着けているか
③接地の瞬間、かかとが極端に落ちていないか

【注意】
①Yポジションが難しい場合、手を骨盤につけて実施
②ミニハードルの幅が広い場合、足1.5個分に調整して実施
③ダウンストロークが難しい場合、アップストロークの練習を行う
④慣れてきたら、ミニハードルの幅を足3個分に変更し実施

STEP9 サイクリング理論

【ポイント】
①膝を曲げて半径を短くすることで膝という慣性を減少
②足部を円状に動かす事で、切り返し、局面をなくし慣性を分散
③速度によって接地からベースポジションへの最速となる軌道が変わる

スプリント王国のジャマイカでは「ニーアップ(股上げ)」は一切使われません。

その代わりに、サイクリングというテクニックがスプリントにおいて重要視されています。

身体全体の移動速度が上がるにつれてピッチも上がり、足という物体の移動速度も上がっていきます。

それに伴い慣性の大きさも増し、接地時間とベースポジション達成時における足の切り返し局面で、足の動き一旦止まって方向を変えるため、空中スイッチの実現において筋力的な負担が高く非効率です。

その課題解決策が『サイクリング』というテクニックです。

『サイクリング』は、足先が円を描くように動かすことで、切り返し局面をなくし、足全体にかかる慣性を分散させるため、効率よく足の入れ替えを実現できます。

サイクリングは、自転車のペダルをこぐイメージで多くの人がすでに持っている感覚であるために、一度意識すれば、実践しやすいテクニックです。

自転車のペダルは常に対角線上にあります。

まさに、スプリントテクニックも同様に、ベースポジションと接地を対角線上に置くように繰り返していきます。

STEP9 サイクリング理論の実践

仰向けサイクリング

【ポイント】
①仰向けになる
②足をサイクリングの軌道で動かす
③大きく動かす
④体幹をブラさない

【回数】
①まずは、大きくゆっくり動かす 20回
②動きを保って、徐々に早くする 30回

片足補助サイクリング

【ポイント】
①壁に横向きに立ち、壁に手を添える
②内側の足をベースポジションからサイクリング軌道で一周動かす
③足裏の前面で地面に接地する
④擦った足は素早くベースポジションに戻す
⑤足を動かす際、体幹がぶれていないか。

【回数】
①まずは、一回一回丁寧に大きくゆっくり動かす
②地面に足がする際に、強く擦ってみる
③大きく強くサイクリングを行う。
 10回⇒20回⇒30回と数を増やしていく

スローサイクリングホップ

※※動きに余裕がある方は、ミニハードル(足幅2つ分)を使用しても良い。ミニハードル6台を用意

【ポイント】
①ゆっくりと行うことで、動きが正しいかを確認
②足部を円状に動かす事で切り替え局面をなくし慣性を分散
③一歩一歩しっかりとホッピングができているか
④接地の瞬間にベースポジションが作れているか
⑤足の入れ替えにおいて、浮足を回す(サイクリング)動作が行えているか
⑥かかとが地面についていないか
⑦足の入れ替えが滞りなく行ているか

【注意】
①Yポジションが難しい場合、手を骨盤につけて実施
②ゆっくりできない時は、少しスピードを上げて実施
③慣れてきたら、ミニハードルの幅を足3個分に変更し実施

サイクリングの為には、空中にいる時間が必要であり『ホップ』が大切です。
この2つを達成できたという事は、スプリントテクニックに必要不可欠なサイクリング運動、ベースポジションホップを同時に行えたという客観的な指標になり得ます。

このトレーニングはサイクリング運動とベースポジションホップを組み合わせです。

まとめ

今回のスプリントトレーニング・その③は、アップストロークとダウンストローク、サイクリング理論について説明しました。

着き足局面の地面に着く瞬間と、浮き足局面の上がりきるタイミングとサイクリングの重要性についてお話をしました。

どのエクササイズもまずは、ゆっくり行うことで、動きが正しいかを確認することが大切です。

ぜひ、第1回、第2回の内容からビルドアップさせて、今回のエクササイズを行ってみてください。

#トレーナー #理学療法士 #野球 #走塁 #スプリント #ランニング

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