CIBトレーナーマニュアルについて
①野球現場でのトレーナー活動
チームトレーナー、育成年代への関わり、パフォーマンスについて
②臨床現場での選手への対応
投球障害への対応、インソールからの介入
③ゲストライターによる投稿
バイオメカニクス、栄養…など各分野の専門家の方が執筆しています
④C-I Baseballメンバーによる投稿
2020年からC-I Baseballへ加入し育成メンバーとして活動していたメンバーがライターとして情報を発信しています。
C-I Baseballで学び、成長していくメンバーの投稿もぜひお楽しみにしてください!
はじめに
先行研究において、野球選手は肩の回旋筋力が重要であることが報告されています。
コッキング期においては肩関節は最大外旋のポジションを通過し,関節前面にかかる力が約350Nを超え,フォロースルー期においては肩甲上腕関節に500N以上の牽引力がかかり,過度な伸張ストレスが加わる.
柳川 竜一ほか:野球部員における肩甲骨位置,および肩甲骨位置と 肩関節内外旋筋力との関係 .理学療法科学 27(4):363–366,2012
そのため、肩関節内外旋筋群の筋力が低下していると,投球動作によって傷害が生じやすくなる.
Bruner P, Khan K: 臨床スポーツ医学. 医学映像教育センター,東京,2009,pp59-100.
また、肘障害の予防の観点からも肩関節挙上位での外旋筋力を上げておくことが重要です。
肩挙上位での外旋筋力の低下が,不良な投球フォームの代表例である肘下がりの原因の一因となりうる.
千葉慎一,嘉陽 拓,三原研一ほか:小・中学生の野球肘患者におけるゼロポジション外旋筋力評価の意義.日肘会誌.2005;13:73-4.
嘉陽 拓,田村将希,千葉真一ほか:野球肘症例における肩甲骨肢位の違いによる肩外旋保持能力について.日肘会誌.2014;21:S58.
肩挙上位での外旋はテイクバックからlate cocking までに重要で,この肢位を保持できないと加速期以降で生じる肘伸展運動のための準備を行えない.
山口光圀,筒井廣明:投球障害肩におけるゼロポジション外旋筋力評価の意義-ボール投げ挙げ動作にみられる特徴との関連- . 肩関節.2004;28:611-4
投球障害の予防や治療の観点だけではなくパフォーマンスを上げるという点においても、肩関節挙上位での外旋筋力を向上させる事は非常に重要であると考えています。
トレーニングの実際
ここからは、私が投球障害肩の選手に対する理学療法で行っている運動療法やパフォーマンスを上げるための肩外旋トレーニングについて、いくつかご紹介させていただければと思います。
TRXを用いた肩外旋トレーニング
TRXを用いたトレーニングになります。
肩外旋筋群の筋力で身体を起こしていきます。
スタート時の足の位置を前にすればするほど負荷が高まるので自身で調整して実施してみてください。
腹臥位肩外旋エクササイズ
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