C-I Baseball代表の増田です。
いつもC-I Baseball トレーナーマニュアルをご購読頂きありがとうございます!
■C-I Baseballのご紹介
C-I Baseballは、単なる理学療法士の集まりではありません。
野球に関わる選手、指導者、保護者、そして理学療法士が、それぞれの立場を超えて協力しながら、野球界の未来をより良くしていくための団体です。
私たちが大切にしているのは、ケガをしてから対応するのではなく、ケガをする前に守ること。
そして、選手が安心して成長できる環境と、理学療法士が現場で力を発揮できる環境を整えることです。
さらに、選手のパフォーマンス向上に理学療法士が関わることが当たり前になる環境づくりも、重要な目的のひとつです。
C-I Baseballでは、主に2つの事業を展開しています。
1つ目は、理学療法士向けの育成プログラムです。臨床コース・トレーナーコースを通して、1年間かけて現場で使える知識と実践力を学びます。
2つ目は、BAXISで行うアカデミー事業です。小学生から中学生を対象にトレーニング指導を行い、成長期の選手たちをサポートしています。
さらに、この2つの事業はつながっています。
育成プログラムで学んだメンバーが、コース修了後に実際にトレーナーとして活動できる環境があることも、C-I Baseballの大きな特徴です。
学んで終わりではなく、現場で実践し、選手に還元していく。
その循環をつくることで、野球界の未来をみんなで鍛えていきます。
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■今回のテーマ
今回は4月から入部してくる新入生、選手向けに行うフィジカルチェックについてご紹介していきたいと思います。
新入生が入ってくるこの時期は、チームにとってもトレーナーにとっても非常に重要なタイミングです。入学してくる選手がどのような身体状況なのか、どのような怪我のリスクがあるのかを、トレーナーとして把握する必要があります。パフォーマンスを上げるためのトレーニングも重要ですが、怪我を未然に防ぐこともチームトレーナーとしては重要項目の一つになります。
特に中学、高校のカテゴリーでは、同じ学年であっても身体の発達状況、これまでの運動歴、投球数や練習量、既往歴などが大きく異なります。
見た目は同じようにプレーしていても、身体の中ではかなり差があります。その差を把握せずに一律でトレーニングを進めていくと、かえって怪我のリスクを高めてしまうこともあります。そういった意味でも、入部時にフィジカルチェックを行い、その選手の現在地を知ることには大きな価値があります。
■フィジカルチェックを行う理由
野球現場での障害予防は、一般的に3階層で考えることができます。私は野球現場でもこの考え方を用いて対応しています。

・一次予防
一次予防は、障害の発生を未然に防ぐことを目的とします。方法としては、フィジカルチェック、エクササイズ、トレーニングによって身体機能を整えていくことになります。
・二次予防
二次予防は、障害を早期に発見し、重症化を防ぐことを目的とします。方法としては、メディカルチェックから機能評価、必要に応じてメディカルリハビリテーションへつなげていきます。
・三次予防
三次予防は、競技復帰できる機能を回復させることを目的とします。方法としては、メディカルリハビリテーションからアスレティックリハビリテーション、そしてトレーニングへとつなげていきます。
野球現場では、一次予防から二次予防での介入が非常に重要になります。「障害を起こさない身体作り」と「障害の早期発見・対応」が、チームトレーナーとして求められる役割です。そしてこの一次予防から二次予防を行う時に必要なのが、視点のスイッチです。この視点のスイッチは、予防の階層と対象、この2つの要素から切り替えていく必要があります。
■今回行うフィジカルチェックの考え方
ここから、実際に新入生へ行うフィジカルチェックについてご紹介していきます。
今回のフィジカルチェックで大切にしたいのは、複雑化しないことです。
野球現場では、評価項目を増やそうと思えばいくらでも増やせます。
しかしチーム現場では、時間にも人手にも限りがあります。
評価が複雑になればなるほど、実施するハードルは高くなり、結局は続かなくなってしまいます。
特に中学、高校の現場では、トレーナーが毎日チームにいることができない場合が多いです。
そのため、トレーナーがいないとできない仕組みではなく、選手自身ができる仕組みにしていくことが重要になります。
私はフィジカルチェックを行う時、できるだけシンプルで、見て分かりやすく、選手自身でも再現しやすいものにすることを意識しています。
そしてもう一つ大切なのが、習慣化できるような運用にすることです。
入部時に一度だけ測定して終わるのではなく、毎週1回など定期的にチェックすることで、その選手の基準値と変化が見えてきます。
基準値があるからこそ、少しの違和感や機能低下に早く気づくことができますし、選手自身も「今日は動きが悪い」「先週よりスムーズに動く」と体感できるようになります。動
きの変化を可視化し、選手が自分の身体の状態を体感することは、予防において非常に大切です。
今回はセルフチェックシートの内容に沿って、肩・肘、体幹・胸郭、下肢の順で説明していきます。セルフチェックシートの内容はこちらです。
■肩・肘のチェック
まず肩・肘のチェックです。野球では投球、送球、打撃、さらには捕球動作においても、肩や肘の状態はパフォーマンスと障害リスクの両方に大きく関わります。ただし、ここでも局所だけを見すぎないことが重要です。肩や肘のチェックであっても、胸郭や肩甲帯、体幹の動きが影響していることが多いため、単純に肩だけ、肘だけの問題と決めつけないことが大切です。

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