高校野球のピーキングを考える
C-I Baseballスタッフの高橋塁です。
今回は、『トレーナーマニュアルAdvance版』の前号である『中学野球チーム・選手のピーキングを考える』に引き続き、『高校野球のピーキングを考える』をテーマにお伝えしていきます。
まずは、私の自己紹介から。
〈私のツイッターはこちらから〉https://twitter.com/ramichan2000?s=20
前号の『中学野球チーム・選手のピーキングを考える』は
こちらをご参照ください。
各年代別の身体の特徴を端的に表現すると下記のようにもなるかなと思います。
身長・体重などの成長期であり個体差の大きい「中学生」
身長や体重の急成長が落ち着き、筋肉の発達が著しい「高校生」
より高いパフォーマンスが求められる「大学生」
このようなことを念頭に各年代の『ピーキング』を考えていかないといけないと思います。
また、前提として、高校野球だけに留まらず、各スポーツ競技においても公式戦や週末の練習試合に向けて、いかに身体の状態をピークにもっていき、パフォーマンスをベストな状態に持っていくかを常に、意識しないといけません。
本号では、練習計画を立てる上で、メニュー作成時には、先ほどもお伝えしたように、大前提として、高校生の身体の発達・成長過程の特徴を考慮しながら、練習の計画が大事になってきます。
何事も、試合直前まで追い込んだりするのがいいのではありません。
過去の『トレーナーマニュアル』のバックナンバーでは、野球におけるのケガについてや、リハビリ、トレーニングのエクササイズメニューの詳細を紹介してきました。
今回は、これまで多く紹介してきたエクササイズメニューをいかに日々の練習の中に組み込んでいき、『ピーキング』を作っていくかが、非常に重要なポイントとなっていきます。
そこで、前回の記事でも説明はいたしましたが、再度、『ピーキング』とは
重要な大会・試合に対して、トレーニング計画を組み立て、最高のコンディションでパフォーマンスを発揮できるようにしていく過程
と言われています。
そのため、数日~数週間のメニューを構成・実践しただけでは最高のコンディションを迎えることはできません。
再度、ここでは、『ピリオダイゼーション』の概念がまず必要となってきます。
ピリオダイゼーションについて
ピリオダイゼーションについての総論は、
https://note.com/ko_bmk/n/nb0338ee05cf5
こちらのnoteにて、説明してあります。
ぜひ、ご一読ください。
さて、ここからは再度、『ピリオダイゼーション』について押さえておくべきポイントを説明していこうと思います。
ピリオダイゼーション
野球選手はじめ、スポーツ選手が、1年のうちで最も重要な試合に、コンディションをピークの状態で望むために、トレーニングの内容を変化させること
上記にあるように、『ピリオダイゼーション』とは最も重要となる試合(ピーク)に対して競技の日程を見据えたトレーニングのプログラムの組み立て方や方法をいいます。
野球はじめ、その他のスポーツでも1年間の中で、試合の多い時期と試合の少ない・または試合をしない時期があります。
高校野球はじめ、カテゴリー問わず、野球という競技においては春から秋にかけては、試合が多い時期になり、実践練習も多く、試合に向けた技術練習が多くなるのに対して、冬の時期は試合はほとんどなく、フィジカル的な練習メニューが多くなります。
実際に、学生時代に運動部の部活動を経験したことのある方はイメージがつきやすいのではないでしょうか。
ピリオダイゼーションにおけるstage
ピリオダイゼーションにおけるstageについて一般的な考え方をまとめていきます。
大きく分けて4つの期間に分けて構成していきます。
①準備期
②移行期
③試合期
④回復期
この4つの期間をもとに次の項目を考えていきます。
トレーニング期間の設定
トレーニングサイクル
高校野球では実際に、高校1年生の4月に入部し、全国の大半の高校3年生の7月に最後の地区大会、そして、長くても8月に夏の全国大会と、実質は2年3~4か月になります。
この限られた期間をいかに効率的に過ごすかが、鍵となります。
限られた期間の中で、典型的な年単位のモデルは、1年と捉えます。
実際に高校野球を考える上での、1年サイクルで考えるのがベストかと思います。
上記の4つの期間を含めた構成要素として年単位モデルでは下記のようになります。
さらに、トレーニング量やトレーニング強度を具体的に表すと以下のようになります。
一般的には、試合の時期が近づくにつれてフィジカル的なトレーニングの強度を増し、これに反比例するようにフィジカル的なトレーニング量を減らしていきます。
これを「テーパリング」といいます。
ピリオダイゼーションのサイクル
年間の全体像を「マクロサイクル」
各期間を細分化した1週間ごとのトレーニングサイクルを「ミクロサイクル」
つまり、ミクロサイクルの集合体がマクロサイクルとなります。
【ミクロサイクルの例】
シーズンインとなると上記のように、週末が試合であることが多く、練習試合または、公式戦であろうが、一般的な練習強度になろうかと思います。
また、高校野球の公式戦は短期間に過密したスケジュールで行われることが一般的です。
例えば、春、夏の全国大会(甲子園)でも大会日程が、2週間ほどで、決勝戦まで勝ち進むとすると、5~6試合になります
もっとも、初戦が遅いチームになると大会期間が2週間であっても実質7~10日間で5試合のケースになることも考慮にいれないといけません。
高校野球の年間スケジュール
ここまで、ピリオダイゼーションの概要について記載してきました。
ここでもう一度、実際の高校野球の練習・試合スケジュールを整理していきましょう。
年間スケジュール
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