スピードトレーニング【トレーナーマニュアル39】

スピードトレーニング【トレーナーマニュアル39】

C-I Baseballの増田稜輔です。
今回は野球選手に対する
【スピードトレーニング】について解説していきたいと思います。

野球における「スピード」とは
走塁時の足の速さで表されることが多いです。

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走塁は得点・勝利に結びつく部分であり
走塁パフォーマンスを上げるための【スピードトレーニング】は
野球現場では必須スキルとなっています。
そのため、チームからの要望として「スピード強化」のオーダーが出ることは多々あると思います。

今回の記事では
✔スピードとは
✔野球に必要なスピード
✔ストライドとピッチについて
✔スピードトレーニング

スピードトレーニング=走るではなく、
身体機能を高めることで「スピード」を向上させる方法について解説していきます。

スピードとは?

そもそも「スピード」とは?
スピード=物体(身体)がどのくらいの距離を進むかの割合
すなわち単位時間当たりの移動距離

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一般的に競技におけるスピードはスプリントを表していることが多く
速く走れることをスピードが速いと表現します。

ほとんどの競技においてスプリントはパフォーマンススキルの
ひとつとされておりより速く走ることを求められています。
そのため「スピード」を向上させるには”走り”の要素を理解していく必要があります。

スプリント動作

スプリント動作は
主に加速局面,最大疾走局面,減速局面の3局面に分類されます。
各局面ごとに分析されることが多く機能を分けて考えていく必要があります。

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「スピード」はスタートから急激に加速し最大疾走局面で最大になります。
「スピードパフォーマンス」が高い選手ほど
・スタートから最大疾走速度までの距離が長い
・減速局面が短い
とされており
最大疾走局面までの「スピード」の増加量と「スピード」の維持が重要であると考えられます。

スプリントサイクル

スプリントサイクルはステップ(1歩)とストライド(2歩)ので構成されています。

ステップ:一側下肢の接地→体側下肢の接地
ストライド:一側下肢の接地→同側下肢の接地
ストライドはSupport phaseとRecovery phaseに分けられます。
Support phaseとRecovery phaseは支持期と非支持期と考えられており
その割合は走行速度が上がるにつれ非支持期の割合が増えていきます。

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①foot-strike:一側下肢の接地
②mid-support:荷重支持
③take-off:股関節伸展し足底離地準備
④follow-through:下肢を後方に降り出し膝は屈曲する
        両側下肢が離地し非支持期
⑤forward-swing:下肢が前方移動し膝の高さが最高地点になる
⑥foot-descent:膝が伸展し再び接地の準備

「スピード」にはストライドとピッチ(頻度)の積が大きく関係しているため
スプリントサイクルを理解しておくことが重要になります。

ストライドとピッチの関係

スプリントスピードはストライドとピッチ(頻度)の積よって表されます。
ストライド距離が長く×頻度が高い=スピードが速くなる

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【スピードトレーニング】では
・ストライドを長くすること
・ピッチを高めること
この2つの機能を向上させていく必要があります。

スピードを生み出す要素

【スピード】=身体を速く移動させるには身体を動かす筋パワーが必要になります。

この筋パワーを生み出すには2つの要素が必要になります。
①地面を押す力
②地面から返ってくる反力

①地面を押す力
身体は作用・反作用の法則により前方へ進みます。

作用・反作用
作用した方向とは反対方向に、同じだけ力が働くことです。

地面を押し、その反作用を受けることで前に進んでいます。地面に大きな力が加わるほどより大きな地面反力を受けるので
身体はスピードを生み出すことができます。

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②地面から返ってくる反力
地面からの反力は2つの成分があります。
・鉛直成分=縦方向 身体を支える力
・水平成分=身体を前方へ押し出す力

この2つの成分の力を合わせると身体が前方へ加速します。

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スプリント場面では身体の傾斜角度により2つの成分の割合が変化します。
これは三平方の定理の定理によって決まり地面に対しての身体の角度が重要になります。
地面と身体軸が成す角度が深い=水平成分の割合が大きい
地面と身体軸が成す角度が浅い=鉛直成分の割合が大きい

上記のことをスプリント場面で例えると
スタート時の身体軸の傾斜角度が深い場合=水平成分が大きい
トップスピード時の身体軸の傾斜角度が浅い場合=鉛直成分が大きい
このことによりスプリント場面によって必要な機能が異なります。

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野球におけるスピード


野球における「スピード」はなにが必要なのか?

野球でスピードが求められるシーンを整理していきましょう。
野球では走塁・守備の場面で走動作を必要としますが
スピードパフォーマンスは走塁時に評価されることが多いため
今回は走塁に求められる【スピード】に着目していきます。

野球に必要な走塁

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野球で必要な走塁
・1塁への駆け抜け
・盗塁
・ベースランニング
主に上記の3項目が必要になってきます。

3つの項目は”走る”という動作では共通していきますが
必要になる機能はそれぞれ違います。

3つの項目は大きく分けて2つに分類されます。
①1塁駆け抜け 盗塁
②ベースランニング

①1塁駆け抜け 盗塁
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この2つの項目は27.431mを速く走る=直線運動が必要になり
単純な【スピード】の要素が必要になります。

②ベースランニング
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ベースランニングでは
ホームー2塁や1塁ー3塁などベースを回るコーナリングや
加速ー減速ー方向転換の能力が必要になります。
つまり【スピード】+【アジリティ】の2つの要素が必要になります。

よくスピードとアジリティが同じような意味で使われていますが
捉え方は別々にしたほうがよいと考えています。

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スピード=速く移動する能力
アジリティ=方向転換や減速など運動様式を変える能力
2つの能力は似ているようで別のものなので
トレーニング内容を同じではなく変化させる必要があります。

ベースランニングのタイムを改善するには
【スピード】+【アジリティ】を組み合わせることが必要です。

①1塁駆け抜け 盗塁と②ベースランニングのどちらにも【スピード】の要素は必要になってきます。
しかし、この2つには共通しない点があります。
それが”走る距離”です。

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前述の通りスプリントスピードを上げるには
ストライドとピッチの積が必要です。
この2つの比重が①1塁駆け抜け 盗塁と②ベースランニングでは変わります。

①1塁駆け抜け 盗塁

1塁駆け抜けや盗塁では最長でも27mしか走りません。
この短い距離で最大疾走をするにはどうすればよいのでしょうか?

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