C-I Baseballの佐藤康です。
6月になりC-I Baseballも2年目を迎えることができました!
今年のC-I Baseballが発信する「トレーナーマニュアル」では、
野球のケガに関わる専門家向けの臨床編と
選手のパフォーマンスに関わる現場編について配信していきます。
今回は「連戦に向けたコンディショニング」と題し、投手/野手別に2週にわたってCIB代表の増田とお伝えしていきます。
はじめに
中学野球や高校野球では、7月に1年の中の集大成である総体予選や選手権大会の予選・地方大会を迎えるところがほとんどであると思います。
例えば、中学軟式野球の県大会では5日間で5試合(準決勝・決勝同日開催)であったり、高校野球では19日間で8試合をこなすなど、大会スケジュールは過密日程であり、勝ち上がると連戦が続く状況となってきます。
プロ野球のように継投をしたり、投手の役割(先発・中継ぎ)が分断されているチームは学生野球では少なく、ほとんどが先発完投型(状況に応じて継投)のチームであると思います。
このときに大事になるのが連戦に備えた選手のフィジカルとなります。
また、6月は梅雨時期となり、屋内練習施設のない環境では、実践練習をしたいこの時期に十分な練習ができなかったり、学生は定期考査があったり、練習環境の制限されることが意外と多いです。
今回はどのような要素が必要か、トレーニングの詳細・組み立てなどについてまとめていきたいと思います。
連戦に求められる投手の能力
試合が続くリーグ戦や大会で求められる
投手はどのような能力をイメージしますか?
これらの要素を満たすには、
持久力や筋力・リカバリー能力などの能力が求められます。
継投よりも完投型が多い学生野球ではパフォーマンスの高い選手の特徴として、疲れにくい、パフォーマンスが落ちないなどの選手が多い印象があります。
いわゆる「スタミナのある投手」が連戦に求められる選手像といえます。
|スタミナ=持久力?
スタミナと聞くと
持久力がはじめに連想される方も多いのではないでしょうか?
走り込みができていればスタミナありと捉えてしまうと、やや浅はかな見解となってしまいます。投球にはもちろん走り込みで強化できる持久力がつきますが、投球には瞬発的なパワーも大きく求められます。
走り込みだけでは強化できないことは想像がつきやすいと思います。
そこでスタミナの構成についてもう少し掘り下げていきます。
投手のスタミナとは
投球動作は高強度の負荷(80-90%)を反復して繰り返す動作となります。また1球1球、1分も満たない間隔で投げていきますが、そのときに2つの代謝エネルギーを主に使っています。いわゆるスタミナの基盤となるものです。
生理学的機構
運動時の筋収縮にはATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)に分解されるときのエネルギーが使われます。つまり、ATPが筋収縮のエネルギー源といえます。
ATPは筋内に貯蔵されていますが、量に限りがあるため、運動を続けるためには消費したATPを再合成して補充していく必要があります。
これが投手の「スタミナ」をつくる瞬発力系・持久力系の要素となります。
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