C-I Baseballの佐藤康です。
8月の現場編noteでは
「夏休み時期に構成するトレーニング」をお伝えしていきます。
夏休み期間は中学野球の練習では夏の総体が終了し、高校生では選手権大会の敗退により最上級生が引退し、新チームの発足として代が変わってくるタイミングであると思います。
そのため、およそ40日間ほどある中で9月からの大会(新人戦・秋季大会)に新チームとしてコンディションを高めていく必要があります。
練習時間も限られている中で、
どのように練習・トレーニングメニューを設定していくべきでしょうか。
トレーニングメニューを立案していく上で、現場からのニーズに加えて、
まず新チームに求めらることをリストアップしていきます。
試合でパフォーマンスを発揮できるための体力・持久力
チームの協調性
自己管理・コンディショニング方法
今回は私が担当している中学生に
実践している夏休みの取り組みについてまとめていきます。
夏休みの練習環境と選手のカラダの状態
新型コロナウイルスの感染予防の対策から私が帯同する市内の中学野球では練習時間は3時間までとされており、また連日30℃以上の暑い環境下での練習環境となるため、練習の開始時間や休息の方法には十分注意して対応していく必要があります。
熱中症予防をする上で、練習する時間は、気温が急激に上昇する前の「朝」から開始し、一日の中で最も気温の高い「昼」までには終了するような時間は一つの例になります。
選手の体調管理をする上で
練習前に選手にヒアリングをしています。
朝早くからの開始のため、食事を摂らなかったり、睡眠時間の短い状態で練習に来る選手がいないか確認しています。
Q.寝不足ではないか?
⇒寝不足や疲労の蓄積した身体であると、気温の高い環境下での体温調節機能が低下するという報告もあります。そのため、睡眠時間を十分に確保できているかを聞くようにしています。中には、暑くてあまり寝れずスマホゲームをしていた選手がいたりします。
Q.食事はとってきたか?
⇒水分+塩分の補給ができるため朝食の摂取が大切です。朝に摂取することで発汗しやすくなり、体温を下げる作用が機能します。つまり、熱中症のリスクを下げることにつながります。
Q.水分補給は十分にできているか?
⇒水分は摂っていても、利尿作用のあるドリンクを過剰に摂取していないかも含めて確認しています。水分の排出が増え脱水のリスクを高めることがあります。
その他、熱中症予防を考慮した練習プログラムの詳細は次週配信予定のため、ぜひご参考いただけたらと思います。
中学生の身体的発達の特徴
「子どもは大人のミニチュアではない」
成長期に関わる鉄則ですが、中学生世代ではカラダの成長を考慮していかなければなりません。成長のスピードに個体差が大きく影響する世代でもあるため、学年が1つ変わるだけで、力の出力や動きのスピードは大きく変わってきます。
そのため、成長のメカニズムを無視することはできません。
また、トレーニングの内容や量により過負荷となり、ケガをしやすいカラダとならないようにするためにも理解を深めておくことが大切です。
中学生の身体的発達の特徴として
「スキャモンの発達曲線」を参考に解説していきます。
ヒトの身体の器官はすべて同じスピードで発達していくのではなく、機能ごと、部位ごとに独自の発達過程をたどっていきます。
これを踏まえて、発達が著しい時期にその機能を伸ばすトレーニングを行っていくことが重要となります。
中学生はポストゴールデンエイジ(12-14歳)と称されるカテゴリーであり、筋の発達や心肺持久力が目覚ましく発達する時期といわれています。
|ポストゴールデンエイジ
技術のレベルを維持し、さらに磨きをかける時期。
神経系がほぼ完成し、技術習得の速度が鈍るので、これまで習得した技術のレベル維持と質的向上を図る。思考力や精神力、集中力を高め、考えた動作を促す。
以下にその詳細について解説していきます。
セルフチェックポイント
現場で選手を担当していると、姿勢不良や筋柔軟性の低下によりカラダの動きを大きく使う・動かすことが苦手な選手が多い印象です。
例えば、Warm-upでよく行う「腕回し・もも上げ」などでも腕の位置が下がった状態で回していたり、脚の挙がっていない動作がよくみられます。
「大きく体を使う」という大雑把な表現ではありますが、自分がもつ本来の関節可動域を十分に動かせず筋力の発揮が低下したり、代償的な動きでケガを招いてしまうことにつながってきます。
そういった背景から、私はチームに関わる初めのセルフチェックとして選手自らでもできるセルフチェックを行い、所属選手の身体機能をスクリーニングし、コンディショニングの指針を立てる参考にしています。
練習前にチーム全体と個々のカラダの状態を把握するため、上記のテストを行いました。以下は項目別に取得した目的とそのデータになります。解釈としては70-80%の選手がクリアできることを目指しています。
※パーセンテージはチーム内全選手に対する陽性の割合を示しています。
脊柱の伸展柔軟性
ブリッジ動作・広背筋テスト(脊柱伸展)
股関節の柔軟性
SLR・股関節外転・フルスクワット
肩が上がらない(腰椎伸展代償)
フルスクワットでの上肢挙上動作
実際帯同しているチームの選手では、上記のように脊柱・股関節ともに柔軟性の低い値となりました。特に下肢(股関節)の柔軟性の低下が半数以上であり、ケガへのリスクやパフォーマンスに影響する要因として改善が必要であることを感じました。
カラダの動きが十分に動かせていない現状を自分がしっかり把握することが自分のカラダを知る第一歩ではないかと感じ、指導にあたっています。
チームの練習メニュー一例
夏休み期の練習メニューをご紹介します。
※赤字は主にトレーナー側が選手に関わる時間を示しています。
主に中学生に対しては、トレーニング項目を中心に、Warm-up/セルフコンディショニングメニューを決定しています。
以下にそのメニュー構成について考えていきます。
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