C-I Baseballの増田稜輔です。
8月も後半に入りましたがまだまだ暑い日が続きます。
夏の時期のトレーニングや練習では熱中症にリスクが非常に高いです。
みなさんも、テレビで試合中継を見ている時に
足を攣っている投手を見て【熱中症かな?】と思ったことがあると思います。
もし、自分自身がトレーナーとしてグラウンド内で
熱中症の選手に遭遇したらどんな対応をしますか?
・冷やす?
・医療機関への受診は必要?
・翌日は練習していいの?
今回のテーマ【熱中症】
熱中症の基本的な知識から野球現場での対応・メニューの考え方を
まとめて解説していきます!
熱中症の基礎知識
新型コロナウイルスの影響により、夏の暑い日でも
試合中のベンチ内ではマスク着用等の対応が必須となっています。
炎天下での長時間の練習やマスク着用の影響により
選手の「熱中症リスク」が高まっています。
「熱中症」といっても、
・ちょっと休憩すれば治る
・首元や脇の下、足の付け根を冷やせばいい
等の比較的安易に捉えがちですが
「熱中症」が重篤化するケースやその後の競技パフォーマンスレベルに影響する可能性があります。
野球現場に帯同するトレーナーとして最低限の知識は身につけましょう!
人の体温と運動
熱中症の話の前に運動中に人の身体で起こる体温の変化について解説していきます。
体温について
体温といっても計る部位や環境によっても変化します。
核心温度:脳や心臓などの深部の温度 環境温度の影響を受けない
常に一定を保つ
外殻(がいかく)温度:体表の温度 環境温度に影響する
核心温度を一定に保つために変化する
上記の2種類の体温は視床下部で一定に保つようにコントロールされています。
体温調節について
人の体温は熱産生と熱放散によってバランスを取っています。
熱産生:基礎代謝熱 筋活動による熱産生 ホルモンによる熱産生促進
熱放散:放射 伝導 対流 蒸発
熱産生が熱放散を上回った場合は身体に熱が蓄積し体温が上昇
逆に熱放散が大きくなった場合は体温が低下します。
これは、環境温と皮膚温の差や運動強度によって変化します。
夏の運動と体温の変化
外気温が35℃を超える環境下での運動では
皮膚温度よりも外気温が高くなるため
放射、伝導、対流といった熱放散機能が使えなくなり
汗の蒸発のみで体温をコントロールするため、身体に熱が籠もり体温が上昇します。
汗の蒸発は外気温の影響は受けないですが
日本の夏のように湿度が高い状態や水分摂取が十分でない場合には
汗の蒸発が制限されます。
これがいわゆる「熱中症」の発生機序です。
運動パフォーマンスと体温
体温の上昇に伴い筋温も上昇します。
筋温の上昇は運動パフォーマンスを上げるためには必要です。
〈筋温上昇に伴う身体メカニズム〉
神経伝達速度の向上
筋血流量の増加
筋の粘性抵抗の低下など
しかし、これには最適な温度が存在します。
すなわち高ければパフォーマンスが上げるわけではないです。
熱中症の種類と対応方法
「熱中症」と一括にされて表現されることが多いですが
「熱中症」には複数種類があり、それぞれの症状によって対応が異なります。
トレーナーとしては、選手の状態を把握し症状に合わせて対応していく必要があります。
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