チェンジアップの投げ方(前編)【トレーナーマニュアルvol.151】

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投球動作のチェックポイントに沿った機能評価とトレーニング〜下肢を中心に〜 | 株式会社encounter投球動作のチェックポイントに沿った機能評価とトレーニング〜下肢を中心に〜

はじめに

前置きが長くなりましたがここから今回の内容に入ります。

私のライフワークとして、ラプソードを使用して、プロ野球選手から小学生までの測定を行っています。

ただ、変化球の中で、チェンジアップを正確に投げれる投手が少ないのが印象です。

そこで、今回は、チェンジアアップを正確に投げるためのお話をしていきいと思います。

緩急を使った投球スタイルになるためには、チェンジアップは必要っです。

その『チェンジアップ』の投げ方について掘り下げていきます。

チェンジアップ

ほとんどの選手がチェンジアップを投げようとすると腕の振りが遅くなります。

遅い振りから遅い球が出てきてもチェンジアップの効果はありません。

ストレート同じ腕の振りで遅い球を投げることにチェンジアップの極意があります。

チェンジアップの軌道

元ヤクルトスワローズの岡本秀寛さんのチェンジアップになります。

ストレートの軌道と比較するとチェンジアップの軌道がよくわかります。

軌道は少しシュート気味に変化しながら落ちる軌道です。

ここから先は有料部分です

ラプソードデータで球質を確認

ストレートと比較してチェンジアップがどのように変化しているかラプソードのデータで確認しましょう。

データからもシュート気味に落ちているのがわかります。

動画で確認しましょう。

チェンジアップの回転

チェンジアップで注目してほしいのは、ボールの回転と回転数です。

回転は、サイドスピン(シュート方向のスピン)をしています。

手元のアップをストレートと比較してもシュート方向に回転させるような指の使い方をしているのがわかります。

ストレートに対してボールが落ちているのは回転数の減少・低スピード・サイドスピンによるものです。

サイドスピンだと、ストレートのバックスピンのようにホップするような揚力がボールにかかりません。

そのために、ストレートより落ちる軌道になります。

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手元をチェックしましょう。

リリースの瞬間を見るとシュート回転をかけているのがわかります。

チェンジアップを投げるコツ

わしづかみやチェンジアップの握りで投げるとストレートより遅い球を投げることができます。

しかし、たいていの選手は、腕の振りが緩くなります。

チェンジアップが効果的なのは、ストレートと同じ振りだからこそ効果が出ます。

腕の振りのスピードが同じことに注目してみてください。

ストレートと同じという点では、軌道も重要です。

いいチェンジアップはボールが上に浮きません。

中学生と岡本さんのチェンジアップを比較しています。

中学生はボールが一度上に浮くのがわかります。

浮きぐわいを映像でチェックしてください。

では、なぜ腕の振りが緩む・ボールが一度浮くのでしょうか?

これはボールの抜き方に関係しています。

岡本秀寛さん(元東京ヤクルトスワローズ)のチェンジアップのコツ

今まで映像ででてきている、岡本さんにチェンジアップの投げ方のコツを解説してもらいました。


【岡本さんのチェンジアップの握り】

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岡本さんのチェンジアップの投げ方のコツをまとめると


①腕を思いっきり振る
②手で浮かないように抑え込んで抜けていく

これをヒントにチェンジアップを分析していきましょう。

抜き方のコツ

ここで1つ実験をしてみます。


①わしづかみでボールを握り前に投げる
②少し内旋(うちネジリ)意識して前に投げる。ピュッと鋭く内旋をするの  がコツ

             

わしづかみで握り前に投げると、前に押し出して投げようとするので肘が前にでてボールの下をなめるように投げます。

内旋を意識するとボールがストレートと同じ位置で抜けていくのがわかります。

この肘が少し前に出る動作が、腕が緩んでいるように見える要因で、ボールの下をなめるようにリリースするとボールが浮く原因になります。

岡本さんが抑え込むように投げるというのは、この内旋の動きを感覚的に表現しているものと考えられます。

画像

実際の岡本さんのチェンジアップとストレートを比較してみましょう。

チェンジアップの方が急激に内旋が入ってくるのがわかります。下の映像で分析しています。

抜きをなじませる

「内旋をピュっとする感覚」で抜くとボールは抜けていきます。

このピュっという感覚が重要です。

このピュっと内旋をする感覚で投げると、肘が外に出てしまう選手がいます。

肘が外に出ないように注意しましょう。

親指・小指の感覚で変化が変わる

内旋のイメージとして、抜く時に小指を上にあげる。

親指を下に下げるイメージでも抜け方が変わってきます。

意識する指により内旋の回転の軸が変わってきます。

また、親指のシームの置く位置によっても腕の内旋の仕方が変わってきます。

前編まとめ

チェンジアップは緩急を使った投球スタイルをするためには、必須のボールです。

チェンジアップは通常、シュート方向のスピンをします。

チェンジアップを効果的にするには、腕の振りをストレートと同じにすることと軌道もが重要です。

チェンジアップを投げるコツとして、少し内旋(うちネジリ)をピュッとする感覚で投げることが重要です。

また、親指、小指の感覚も試してみましょう!

【後編】もお楽しみに!

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