投球障害肩の評価-肩甲上腕関節編-【トレーナーマニュアルvol.17】

投球障害肩の評価-肩甲上腕関節編-【トレーナーマニュアルvol.17】

C-I Baseballの小林弘幸です。

画像1

元NPBチームドクターのスポーツDrと一緒にエコーを用いて、
選手の病態を理解し障害の原因追及、症状改善を大切にしています。

投球障害肩の原因は多岐にわたり、非常に難しいです。

しかし、皆様に少しでも自分の考えを共有していただき、
ご意見をいただきながら、現場の選手に少しでも還元できたら
うれしく思います!

CIB第2期で小林が担当する、臨床編の記事(予定)です↓↓↓

①投球障害肩の問診と動作観察
②投球障害肩の評価 -肩甲胸郭関節-
③投球障害肩の評価 -肩甲上腕関節-(今回)
④投球障害肩の評価 -その他の部位-
⑤投球障害肩の治療 -徒手療法-
⑥投球障害肩の治療 -運動療法-

これらの記事を通じて、
私の臨床での考え方、思考過程を共有させていただき、
様々なご意見をいただけたらと思います!

投球障害肩の評価 -肩甲上腕関節-

はじめに

投球障害肩において、評価は非常に重要です。

投球障害肩に向き合うときの考え方や概論については前回のnoteにて記載しました。

https://note.com/embed/notes/n6abd20d80a14

また、治療ターゲットにするのを
肩甲胸郭関節にするのか、肩甲上腕関節にするのかの
判別についてと、
肩甲胸郭関節の評価について記載しました。

今回は、
前回の3方向SATで肩甲胸郭関節の問題点が少ないと考えられた選手に対して、どのような評価をしていくのかを
記載していきたいと思います。

図3

3方向SATを簡単に述べると、
3方向SATを用いて、痛みが軽減すれば、
肩甲胸郭関節の動きが問題。

痛みが変化なかったり、増加したら
肩甲上腕関節の動きが問題と考えています。

図2

野球選手は、普通の肩関節痛や肩関節周囲炎の患者とは異なり、
はっきりとした可動域制限や筋力低下が見受けられることが少ないです。

その制限を見逃さずに評価していくことが大切だと思います。

評価の手順

肩甲上腕関節(GH)の評価の手順は、
・ROM-t
・MMT
を評価していきます。

もちろん、
GHの可動域制限には過負荷となる問題もありますが、
まずは今のGHの状態を確認することが大切です。

GH評価の手順は下記に示します。

【座位ROM-t】
・肩関節自動屈曲(全体像把握)
・肩関節自動外転(全体像把握)
・肩関節他動屈曲(全体像把握)
・肩関節他動外転(全体像把握)
・LHT-test(肘屈曲位で外転。三頭筋長頭腱の制限あるか)
・結滞(棘下筋)

【座位MMT】
・Full can test(棘上筋)
・Empty can test(棘上・棘下筋)
・ISP test(棘下筋)
・Belly press test(肩甲下筋上部)
・Bear hug test(肩甲下筋下部)
・Hornblower test(小円筋)
※出力低下や疼痛があるような症例に関しては、肩甲骨固定下でのMMTを再評価
・Zero外旋、Zeroリリース(統合評価)

【背臥位ROM-t】
・1/2内旋(GH後方筋全体)
・1/2外旋(GH前方筋全体)
・1st 外旋(GH前上方:CHL)
・GH 内転(棘上筋)
・2nd 内旋(GH後下方:棘下筋)
・2nd 外旋(GH前下方:肩甲下筋)
・3rd 内旋(小円筋)
・3rd 外旋(大円筋)
・CAT(GH下方)
・HFT(GH後方)

ほぼルーティンで上記の評価を一通り行い、
GH機能の精査をしていきます。

比較対象は、左右の肩で行います。

毎回同じ評価を行うことで、選手同士の比較もできますし、
選手の経過も把握しやすくなると思います。

図4

それでは、これから
上記評価の一つずつを実際の評価動画とともに解説していこうと思います。

評価の解説

まずは、座位での評価をします。

座位ROM-t

立位で行うと、下肢の影響が含まれてしまうので、
まずは座位で下肢の影響を除いた状態で評価します。

・肩関節自動屈曲(全体像把握)
・肩関節自動外転(全体像把握)
・肩関節他動屈曲(全体像把握)
・肩関節他動外転(全体像把握)
・LHT-test(肘屈曲位で外転。三頭筋長頭腱の制限あるか)
・結滞(棘下筋)

全体像把握

まず、肩関節全体での屈曲や外転動作を見ていきます。

Early Cockingでの疼痛、主に上方の疼痛に関しては、
外転制限があることをよく経験します。

図5

Activeでの動きは自分で動かせる能力、
Passiveでの動きは関節の機能。

Activeでは動かせるが、Passiveでは制限があるという選手も
多くいます。そのような症例は肩甲帯や他の部位で代償していると考えられます。

また、
その際の肩甲骨の動きを評価します。

肩甲骨運動評価

肩甲骨の動きの左右差は特に最終域で見られることが多いです。

最後まで、手で触りながら確認します。

ここから先は有料部分です

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン

CAPTCHA