連戦に備えたコンディショニング -野手編-【トレーナーマニュアルvol.2】

連戦に備えたコンディショニング -野手編-【トレーナーマニュアルvol.2】

前週に引き続き
今回も「連戦に備えたコンディショニング」について解説していきます。

今回のテーマは
「野手のコンディショニング」についてです。


投手編はこちらからお読みください!

https://c-ibaseball.com/pitcher-conditioning-for-consecutive-matches/

はじめに

皆さんは連戦についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

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おそらく、高校野球の選手権大会のような
「トーナメント制」の大会をイメージされると思います。

高校野球:全国高等学校野球選手権大会 16日間6試合
大学野球:全日本大学野球選手権 7日間5試合

上記のように全国大会レベルでは非常に過密スケジュールの中
選手は試合を行いながら、ハイパフォーマンスを求められます。

多くの野球選手やチームはこの全国大会を目指し日々練習を行っています。
全国大会で勝ちあがるためには
”技術”だけでなくパフォーマンスを発揮できる「コンディション」が重要になります。

練習してきたことを、大舞台で発揮できるようにコンディショニングすることがトレーナーに求められる要素になります。

今回は「野手のコンディショニング」をテーマに
連戦を戦うために必要な”準備”の部分をお伝えしていきます。

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野手のコンディショニングとは?

野手に必要なコンディショニングとは何でしょうか?

野手に求められるコンディション

走攻守のパフォーマンスを継続して発揮する能力

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近年では、投球数の制限や継投の推奨により投手は複数人で連戦に臨むことが多いです。
しかし、投手と比較し野手では場面によって交代することや試合中に疲労を考慮して交代するケースは少ないです。
そのため、大会を通してほぼ同じ選手が出場し続けるケースがほとんどです。

走攻守のパフォーマンスに必要な要素

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パフォーマンスを発揮するのは限定的な能力ではなく
複数の要素が組み合わさって発揮される能力です。

野手では、投手のように一定のテンポで投球するのではなく
シーンによって爆発的あるいは集中的に力を発揮する能力が求められることが大きな特徴です。

野手のコンディションでは
走攻守に対応する要素を爆発的に発揮できるコンディションを
連戦中に維持できるようにプログラムしていく必要があります。

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では、実際にどのようなプログラムを構成すれば
コンディションが整うのかを考えていきましょう。

プログラムを構成する

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連戦を乗り切るためにトレーナーは「トレーニングプログラム」を立案します。プログラムを考える際に最も大切なのが”目的”の設定です。
・なんのためのプログラムなのか?
・なにを向上させるのか?
・なぜトレーニングするのか?

プログラムの目的が曖昧だとトレーニングは効果は正しく反映されず
連戦中にコンディション不良を引き起こします。

トレーニングプログラムでは
”連戦中に起こり得るコンディション不良”を予測して
構成を考えていく必要があります。

連戦中のコンディションを予測する

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まずは、野手では連戦中にどのような”コンディション不良”が起こるのか?
知っておくことで対応するトレーニングプログラムを構成することができます。

ここでは連戦中に起こるコンディション不良についてまとめていきます。

連戦中に起こるコンディション不良

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連戦中に起こるコンディション不良とはなにをイメージしますか?
多くは「怪我」を想像するかと思います。

しかし、実際に多いのは”怪我”ではなく
疲労による「パフォーマンス能力の低下」です。

選手に訴えで多いのが
「身体が重い」
「キレがない 動きにくい」
「腕が上げにくい 力が入りにくい」
などの可動性の低下や瞬発的な筋発揮能力の低下です。

可動性の低下や筋発揮能力の低下により
連戦中のパフォーマンスが低下していきます。

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なぜ、連戦中は可動性や筋発揮能力が低下するのでしょうか?

私は「筋疲労」が原因であると考えています。

連戦中に起こる筋疲労のメカニズム

野球、特に野手では
静止している状態から瞬発的にパワー発揮する場面がほとんどです。
このときに使用するのが無酸素性のパワーです。

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無酸素性パワー
無酸素性パワーにおける最大強度での運動
継続時間は生理的に10秒間程度が限界とされています。
例:塁間走 ボールチャージ

無酸素性のパワー発揮に使用するエネルギー供給方法は2つあります。
・ATP-CP系
・解糖系

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瞬発的なパワー発揮を繰り返す野手は
無酸素性のエネルギー機構を頻回に使用しますが、
体内にあるクレアチンリン酸やグリコーゲンには限りがあり徐々に減少します。
試合中のエネルギー不足により筋の収縮力の低下、筋の弛緩遅延を起こします。

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エネルギー不足によって筋発揮能力は低下します。
加えてもう一つ要素があります。

それは、筋細胞内のpHの状態です。
繰り返し収縮をした筋(負荷を受けた筋)は
筋細胞内のpHが6.2−6.3程度まで低下します。
これは水素イオン(プロトン)の蓄積によるものと考えられています。

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筋細胞内が酸性になるとどうなるのか

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筋疲労とパフォーマンスの関係性

前述しているように、繰り返される無酸素性パワー発揮により
エネルギー源の不足や筋細胞内のpH状態により筋疲労が起こします。

筋疲労が起こることにより
・パワー発揮能力の低下
・持続的な運動維持機能の低下
・筋の伸張性低下
などを引き起こし理想としている身体運動が行えずに
パフォーマンスの低下を引き起こします。

野手のコンディションを把握する

コンディションが良い状態なのか?悪い状態なのか?
どのように判断しますか?

選手の主観やトレーナーの感覚的な部分だけでは
本質的な側面を捉えることができないです。

私はコンディションを数値として管理し
比較することで選手の身体状況を把握しています。

パフォーマンスの構成要素

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パフォーマンスを構成する要素に対応する機能を数値で管理します。
・筋力
・パワー
・スピード
・アジリティ
・可動性

数値での管理方法

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連戦に入る前に選手のコンディションがどのような状態なのか?を把握していきます。

日頃から各トレーニング時の数値を記録しベストな状態を知っておく必要があります。

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