C-I Baseballの現場編記事を
担当する佐藤康です。
野球現場では3月からの対外試合開始に向けて、トレーニング中心の練習メニューからボールを使った実践練習への移行をすることが多くなってくると思います。下図にもあるように、試合期に向けてトレーニングの強度も変化した移行期に入っていきます。
今回はオフシーズン(準備期)でのトレーニングにおける実際のプログラムを例に、どのように組み立てて提供しているかについて解説していきたいと思います。
まだコチラをご覧になっていない方はぜひご覧いただけたらと思います。
※約1時間の動画解説をしています。
今回の記事では、投手選手を対象としたトレーニング指導を組み立てる際に実践した内容をご紹介していきます。
トレーニングメニューを考える前にすべきこと
はじめに、トレーニングメニューを構成する上で、まず選手・チームの現在地を把握し目標設定をすることが大前提となります。
「いま、自分・チームの弱点がなにか?
それに対してどんな目標を立てたらよいのか?」
ここをある程度明確にして、内容を考えています。
加えて、チーム側からいただいたニーズを加味してその要素をかみ砕いていきます。
「走れるチームにしたい」
「バッティングを強化したい」
「完投できる投手をつくりたい」
そこで、なにが必要となるのか?
走力・バッティング・完投能力に必要なフィジカル要素を挙げ、そのアセスメントから弱点要素を分析し、実際のメニューの構成を考える過程をベースとしております。
段階的なトレーニングプログラムの構成
これらの動き・パフォーマンスができるようになるために、その動きを補助する要素も併せてメニューに組んでいきます。
チーム内でも選手によって身体的な運動能力・体力はさまざまであるため、トレーニング強度を優先したプログラムになりすぎてしまうと、故障のリスクを増大する恐れもあるため注意が必要です。
そのため、トレーニング強度に並行して、障害予防の観点も決して無視してはいけません。そのため、その動きができない選手向けに補助種目も準備しておくことが大事であると思います。
難しいところは、1対1のパーソナルの指導ではなく、集団へのトレーニング指導となるため、ひとりひとりに細かい指示が行き届きにくい点があります。そのため、全体の動き・状態をみながら、メニューを進行していく必要があります。
トレーニングの参考書で必ず目にする「パフォーマンスピラミッド」がありますが、トレーニング指導をする際の基盤となるものさし・軸として重要です。
一般的なピラミッドは以下のように大きく分けて3段階に挙げられます。
・基本動作の獲得(Movement:stabilization/mobilization)
・パフォーマンス(Performance)
・動作スキル(Skill)
このピラミッドに今回私が構成する上で重視している点は赤字部分の根底にあたる”基本動作の強化”のところです。2nd stage(パフォーマンス)にあたる筋力やパワーの強化に向け、体性感覚をもとにした姿勢・動作のコントロール(制御能力)・関節の安定性・可動性などの因子を向上させることが重要となります。
詳細は、動画と併せて後述していきます。
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