プレシーズンのトレーニングプログラム−野手編−【トレーナーマニュアルvol.41】

プレシーズンのトレーニングプログラム−野手編−【トレーナーマニュアルvol.41】

C-I Baseballの増田稜輔です。
2月に入りいよいよシーズンインに向けて準備の最終段階に入ってきました。

アマチュア野球現場では3月から試合を開始することが多いです。
トレーニングプログラムは身体作りからより実践に必要な機能を高めるものに移行していきます。

今回はオフシーズントレーニングから
プレシーズントレーニングへの移行する際の
プログラムの組み立て方について解説していきます。

トレーニングプログラムを立てる前に行うこと

トレーニングプログラムを考える前にチームからの要望と選手の身体状況を把握していきます。

「チームがトレーナーに何を求めているのか」
「どんな要素を向上させたいのか」
「現在のチーム・選手の状態はどうなっているのか」

このようなことを明確にしていき、要望に対してトレーナーとして
提供できることを考えていきます。

チームからの要望

今回は実際にC-I Baseballに依頼があった事例をもとに解説していきます。

対象チーム
・大学野球部
・部員数80名程度
・1部リーグに所属

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チームからはすでにストレングス分野のトレーナーは在籍しているため
パフォーマンスに繋がる・障害を予防するための
「身体操作性」を向上させるトレーニングを行ってほしいとのことでした。

また、対象人数が約30名と大人数であり、30名が一斉に実施できる
トレーニングを提供してほしいとの要望がありました。

トレーニングの方針を決める

要望を受けて考えたことは下記の3つの要素です。
・身体操作性をどのように向上させるか
・パフォーマンスにどのように転換するか
・大人数の動きをどのように管理していくか

身体操作性やパフォーマンスレベルは約30人が同じレベルではないことが多くあります。
能力別にグループ分けをしトレーニングレベルを変化させて実施していく方法もありますが、チーム全体のパフォーマンスを上げることを考えると
全員が統一して実施し身体操作性やパフォーマンスが向上するトレーニングを提供することが妥当であると考えました。

今回のケースでは
事前にフィジカルテスト等を行っていないため、選手の身体的状況がわからないまま作成する必要がありました。
なので、選手の身体状況を確認しながら
「野手に必要となるパフォーマンス要素」をボトムアップ形式でトレーニングプログラムを作成し実施することにしました。

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下記の図に示しているように、パフォーマンスピラミッドを使い
土台となる、ポジションやムーブメントの部分を中心に行い段階的にパワーやスキルに繋げていきます。

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上記の内容を踏まえ今回のトレーニングのプランを考えました。

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パフォーマンスを向上したいからと言って
競技特異的なトレーニングを中心に行なうのではなく
競技特性を理解し、パフォーマンスに必要な各関節の機能
連動性、筋機能などを1から構築していくことを行います。

また、オフシーズン〜プレシーズンは急なトレーニング強度の上昇により
障害が発生するリスクがあるため各要素を段階的、計画的にプログラム設定していきます。

トレーニングプログラム作成

トレーニングの方針が決定したら次にトレーニングスケジュールを決めていきます。

具体的には
「どの期間にどのようなトレーニング行うのか」です。
ここを決めるためにはオフシーズンとプレシーズンでの違いを知っておくことが必要になります。

オフシーズンとプレシーズンの違い

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大学野球では秋季リーグ戦終了後の11月から2月までをオフシーズン
2月から春季リーグ戦が始まる4月までをプレシーズンとしています。

オフシーズン
身体の基本的な動作や筋力を強化する時期
プレシーズン
オフシーズンに獲得した能力をパフォーマンスへ転換する時期

オフシーズンのトレーニングプログラム

オフシーズンはパフォーマンスピラミッドの土台となる
BodyPosition(可動性・安定性・姿勢)とBodyMovement(動作コントロール)を構築していきます。

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今回のテーマである「身体操作性・パフォーマンス向上」の土台として、
野球に必要な可動性や安定性、姿勢の獲得と各動作のコントロールを目指していきます。

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トレーニングメニューは、
縦方向・横方向・回旋の3平面の動きに分類し
各要素に必要な上肢ー体幹ー下肢を連動させていくようなメニューを作成しました。4
特に重視した点は、1つの関節や筋に特化してトレーニングするのではなく
多くの関節や筋を活動させ動きを作ることを意識しました。

今回の記事では縦方向のトレーニングプログラムについて解説していきます。

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