Early cockingからAccelerationにかけてのポイントは『ステップ足の肢位と下腿の傾き』です。
接地が回内位になると下腿は内側に傾きKnee-inになります。そうなると骨盤の回旋量は低下し上半身や肩・肘に負担がかかり、コントロールも悪くなります。
●なぜステップ足の下腿が安定しないのか
●ステップ足を安定するためのエクササイズ
【今回の内容】
①理想の足部の動き
②距骨下関節不良肢位と投球フォーム
③足部エクササイズを今回はお話しさせていただきます。
投球動作や送球が乱れる選手はEarly cockingの軸足とLate cockingのステップ足に注意してみましょう!
距骨下関節の肢位
距骨下関節肢位は中間位・回内位・回外位の3通りあります。距骨下関節には回内・回外を分ける『中間点』があり、その肢位は左右により中間位は異なります。私は非荷重位(OKC)で評価を行います。
⬇️⬇️⬇️異なる中間位の評価方法は過去の記事をご参照ください⬇️⬇️⬇️
投球時の距骨下関節・横足根関節
投球時、軸足と踏み込み足の機能は異なります。
軸足:バランスを取る→蹴り出す
踏み込み足:加速した身体を支え、踏ん張り、力を逃す
軸足の機能はセットポジションで両足の支持基底面内にある重心を軸足に移動しバランスをとることや、Wind-upから捕手方向へ重心を移動するために足部を硬め蹴り出す役割があります。
踏み込み足は軸足から移動してきた身体を支えて踏ん張り、上半身の力を逃すようにしなければなりません。
上記の動きが足部で出来れば重心移動や上行性の良好な運動連鎖が遂行可能となります。
投球時足部の肢位と動き
Early cocking(前回の復習)
Early cockingで軸足距骨下関節の力を支持から蹴り出しへ使うことができると、骨盤の早期回旋抑制やステップ足のKnee-in抑制ができます。
Late cocking 軸足とステップ足の機能
Early cockingから軸足距骨下関節は回外方向へ動くことで足部を剛体にしながら母趾で蹴り出しを行います。
Late cockingはステップ足距骨下関節は中間位で接地し支持しながら骨盤が回旋する相です。
《Late cocking軸足の機能》
●距骨下関節の理想は回外位
●蹴り出し
《Late cockingステップ足の機能》
●距骨下関節の理想は中間位
ステップ足距骨下関節はEarly cockingからの力を逃さずに、身体を支え骨盤を回旋させて肩甲骨・上肢へ力を伝達できる機能が必要です。
ステップ足の足部機能と下腿
理想は接地したときから距骨下関節は中間位で下腿は地面に対して垂直です。この時の大腿(膝)は捕手方向に向いていないとボールリリースにかけて下肢が動いてしまうため安定しません。
Early cocking〜Late cocking
ステップ足は中間位接地することでステップ足下腿の崩れがなくなります。
Late cocking〜Acceleration
Late cockingからステップ足距骨下関節は中間位接地で下腿が正面を向くことで骨盤の左回旋が行いやすくなり体幹の回旋もスムースになります。
回内接地すると足底は地面に対して内側部分しか接地していないため下腿は内側に傾きます。Accelerationに向けて距骨下関節は中間位になることで下腿の軸は地面に対して垂直に近づいていきます。
Early cockingで回内接地し下腿が傾いてしまうとAccelerationにかけてステップ脚は不安定になり上行性の運動連鎖がスムースに行われなくなります。
プロ野球の投手を見ているとステップ脚は接地から下腿・大腿はほとんど動かずに骨盤の回旋が行われています。(YouTubeなどで見ることができます)
距骨下関節不良肢位と投球フォーム
軸足不良肢位
《軸足距骨下関節肢位がステップ足に影響を及ぼすパターン》
軸足距骨下関節が回内しているために下腿の傾きが大きくなるのと下腿内旋がみられます。この状態では重心が身体の前方(写真だとつま先側)に移動してしまうため、ステップ足股関節は内転内旋傾向になり、外転外旋が行いにくくなります。その結果ステップ足足部は回内しながら接地します。
ステップ足不良肢位
ステップ足が回内位で接地すると下腿は内側に傾きます。
回内位だと足趾が使いにくい状態になり膝が外反し股関節内旋、骨盤の左回旋量低下、体幹投球側傾斜、肩甲骨下制が起こりやすくなります。
不安定例①
足底内側接地すると床反力で一気に回外位になります。
下のスライドの写真真ん中では距骨下関節回内位で下腿は内側に傾いています。下腿の傾きによるknee-inにより骨盤の回旋がスムースに行われません。
不安定例②
Early cockingでステップ足踵内側接地し回内位で全面接地します。
ステップ足が全面接地する時の底屈速度が速いく、回内接地することで足底からの床反力が外後方に向かうため骨盤のswayが見られます。
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