育成年代の目標設定とアプローチ【トレーナーマニュアルvol.112】

育成年代の目標設定とアプローチ【トレーナーマニュアルvol.112】

C-I Baseballの佐藤です。
今期の「トレーナーマニュアル」では以下のように新たなライターによる記事の配信なども加え、これまで以上に多くの視点から学べるマガジンとして展開していきます。

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「トレーナーマニュアル」7月配信記事一覧

私は主に育成年代分野の内容を配信していく予定です!
育成年代への関わりとして私は現在、
・小学生の硬式リトルリーグチームへの帯同
・中学軟式野球では部活動指導員
として定期的に帯同をしております。

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育成年代に関わる興味深い点は
「身体の成長期に関われる」という点です。

身長の発育速度は男子では13歳(中学1-2年生)前後にピークを迎えると言われています。これはみな一律ではなく、成長の早熟型・晩成型と示されるように、ここに個人差があり、選手個々に合った対応が求められる重要な時期です。

加えて、身体の骨成長・運動基礎をつくる大事な期間でもあるため、高校生以上の年代に向けての土台作りとして関われる興味深い年代といえます。

育成年代現場で求められるニーズ

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私は現在、小学生・中学生のチームに関わらせていただいておりますが、第一に求められるのが、「身体の使い方を強化してほしい!」という指導者サイドからのご要望を多くいただきます。

私が理学療法士資格を保有している背景もあるかもしれませんが、これまで関わらせていただいたチーム・指導者からも上記のようなニーズをよく聞きます。

では「身体の使い方」とはなんでしょうか?

なんとなくイメージした状態のままで指導を開始するのは、現場サイドとの考えのすれ違いも生じることがあります。

そのため、現場・指導者が捉える”身体の使い方”を分解して、何がチームにとって求められるのかを帯同前に十分にヒアリングしたうえで進めていきます。

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身体の使い方に対して何が提供できるのか?

言葉を分解していくと、基本動作の構築から開始することにつながります。主にまず3つの要素における姿勢・動作をもとにスクリーニングも兼ねて進めていきます。

・基本姿勢の獲得(パワーポジション)
・下肢支持性(片脚機能)
・上肢支持性

量的な尺度に動作の質的評価も加え、後に行うフィジカルテストの土台となる部分を全体・個々のフィードバックに活用しています。

自分は何ができていないか?
何をしなくてはいけないか?

トレーニングの目的意識を持たせる意もあり、導入として行います。

基本姿勢の獲得

上肢・下肢・脊柱の可動性を前提に、
パワーポジションの獲得を図ります。

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前回の記事でも配信しましたが、
Hip hingeをはじめにチェックしていきます。

ここでは立位でのHinge動作をもとに、
選手の動作レベルに応じた姿勢での屈曲運動より行っていきます。

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例として上記に種目を列挙しましたが、
徹底的に種目の完成度を求める組み立てにとらわれず、コオーディネーショントレーニングなどに組み込むことにより、動作獲得につなげる工夫なども育成年代にかかわる上で大事な視点であると思います。
※あくまで経験に基づいた私見です。

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↓詳細のプログラムはコチラ↓

支持性

下肢の支持性では主に片脚機能を確認していきます。
片脚の姿勢保持から遊脚、上肢のリーチ動作、One leg Squatにおける支持動作が中心となります。

・SEBT test
・Leg reach test
・片脚立ち上がりテスト etc

上肢の支持性では上半身への荷重負荷を加えた安定性を確認していきます。四つ這いやベアポジション、プランク姿勢の保持から支持面の狭小化(対側上下肢での支持)や重心移動における姿勢制御を中心にチェックしています。

上肢・下肢ともに矢状面の支持だけでなく、前額面での支持性も併せてチェックしていきましょう!

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