C-I Baseball育成プログラム
私たちC-I Baseballは「野球トレーナーの輪」を広げるために「仲間」を募集しております!
Slackを用いてトレーナー同士で悩みの相談や、ディスカッションできる場を提供しています。
育成メンバーは随時募集中です!
・野球にトレーナーになりたい
・トレーナー活動しているけど自信がない
・トレーニングについて勉強したい
・野球選手の怪我を治したい
など、野球選手に関わりたい方は是非ご連絡ください。
はじめに
投球動作において発生する代表的な症状の一つとして最大外旋位(以下、MER)における肘の内側部痛が挙げられます。
野球選手に関わるセラピストやトレーナーをされている方であれば一度は対応する機会があったのではないでしょうか?
投球障害肘の病態と動作に関しては以下のnoteで小林先生が解説してくださっていますのでご参照下さい。
CIBのトレーナーマニュアルにおいて私が今まで担当してきた記事では肘関節局所の評価やアプローチを解説させていただきました。
今回はMERにおける肘内側部痛に対するアプローチを主に肘関節以外の部分でお伝えしていければと思います。
MERにおける肘痛
MERにおける肘内側部痛の原因としては成長期の野球肘や成人期のUCL損傷、尺骨神経障害などが例として挙げられます。
病態は様々ですが、それらを引き起こす大きな要因としては投球動作における外反ストレスがあります。
投球動作中、MERにおいて肘には最大の外反ストレスが加わります。
そしてそのストレスは静的安定化機構(骨・靭帯など)だけでは受け切ることができません。
内側側副靭帯に関しては下記スライドのような報告も挙げられています。
このように、投球中は肘内側にMCLの破断強度を超えるくらいの牽引ストレスが加わります。
肘は被害者である
✔️肘が硬いから肘が痛くなる…
✔️肘の筋力が弱いから肘が痛くなる…
中にはそのような選手もいると思います。
しかし、多くの肘障害の原因は患部外の要素が大きいと考えています。
MERにおける各セグメントの角度を見てみると肩甲上腕関節、肩甲骨、胸椎のそれぞれが貢献をし、Totalで約145°の角度を成すことが重要となります。
この動きのどれかが不足することにより肘関節に加わる負荷が増えれば、前腕回内屈筋群に過剰な遠心性のストレスが加わり、前腕の異常なタイトネスが生じるきっかけとなります。
そして患部(肘関節)外の機能で適切なMERを作り出すことができれば投球時の上肢の軌跡がsingle planeとなり肘内側へのストレスを逃すことが可能になります。
次項からはこのsingle planeを作り出すための具体的なアプローチについていくつか例をご紹介させていただきます。
肩甲胸郭関節へのアプローチ
小胸筋リリース
皆様もご存知の通り、小胸筋は第3〜5肋骨の前方から烏口突起の内側縁・上面に付着しています。
小胸筋のタイトネスにより肩甲骨は前傾方向に牽引され、MERにおける肩甲骨後傾運動の妨げとなるので徒手でリリースを行います。
大胸筋の直下に存在する小胸筋を徒手でリリースしていきます。この際、MERを模したポジションで行うと大胸筋が上内側に移動するため、小胸筋へアクセスしやすくなります。
バーベルを用いた胸郭セルフストレッチ
高校生以降の選手などでバーベルを使用できる環境にある場合は次のようなストレッチもオススメです。
単純に胸椎伸展や前胸部を伸ばすストレッチでは得られない、MERからの切り返しの出力の意識を植え付ける事も可能です。
右前胸部だけでなく左腕をしっかりと引いて左前胸部も伸ばしながら実施することがポイント。
伊藤智央先生のInstagramより引用させていただきました👇
四つ這い(正座)での胸郭回旋運動 バンドアシスト
胸郭回旋系のエクササイズとして四つ這いで手を頭の後ろに置き、胸を開いていくエクササイズがよく行われるかと思います。
肘が天井に向くかどうかで判断することが多いかと思いますが、そもそも胸椎の回旋可動性が低下している場合肩甲帯や腰椎での代償が生じやすいです。
そのような場合は動画にあるようにバンドを用いてアシストしながら胸椎の回旋可動域を出すエクササイズが有用です。
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